毎月80時間かかっていた小口現金管理を大幅見直し!営業・経理部門で毎月120時間の業務短縮を実現。内部統制強化も
仕入商品企画部 仕入企画課長 松村高太郎様
総務部業務課グループリーダー 桒原健二様、総務部業務課 亀谷幸之助様
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- 経費
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- サービス
- 事業規模
- 法人(51~300名)
沖縄にあるJTBグループ3社の経営統合を契機に、各社の管理業務を棚卸。
小口現金の管理に大きな課題があり改革プロジェクトを発足。2018年5月にマネーフォワード クラウド経費を導入し、働き方改革と生産性の向上につながったと効果を実感しているという。今回は、システムの導入を推進したマネジメントメンバーをはじめ、実務に携わる経理担当者、経費を申請する営業部門の責任者、それぞれに話を伺った。
紙管理で生じる内部統制の不備をクラウドで改善
総務部長 菅原様:弊社の事業は、主に「旅行営業」「交流営業」「仕入商品企画」の3つのセクションに分かれています。具体的な業務は以下の通りです。
1)旅行営業
法人向けに沖縄で開催される会議等を取り扱う「MICE(マイス)」や団体旅行の手配、訪日営業、店頭での個人のお客様向け旅行手配など。
2)交流営業
行政の公募案件や那覇空港の営業所でのお客様対応など。
3)仕入商品企画
沖縄県内の宿泊施設の仕入をはじめ、地域のコンテンツを発掘。
経費は、それぞれの営業セクションで発生します。ちなみに、弊社では総務部の業務課が経理業務を担当しています。そのうち、社内の交通費や出張旅費などの出納関係を担っているのは、1名になります。
導入前の課題は、2つありました。1つは、非効率な現金出納が経理業務の割合を大きく占めていたこと。もう1つは、紙書類で経費の事前申請を行っていたことです。言うまでもなく現金は取り扱いにリスクが伴いますし、紙書類の申請については紛失したり確認が漏れたりする事態が発生していました。
たとえば、仕入商品企画の担当者は営業活動として離島に足を運ぶことも多く、出張が頻発します。それによって発生する経費については、都度現金を受け渡していました。その際、紙書類に行き先や金額を記載して事前申請する運用だったのですが、上長も外出が多くデスクに置きっぱなしになって承認が止まってしまうこともしばしば。出張の直前まで現金を渡せないことがありました。経理部門、営業部門双方に負荷がかかっており、以前から改善の必要性を感じていました。
総務部業務課長 鳥海様:業務により差はありますが、出張は1人あたり月2~3回ほど発生します。全体でみると交通費・出張旅費だけで、1カ月に250万円~300万円くらい。それを現金出納帳で管理するのはかなりの負担でした。
さらに、2018年4月には沖縄のJTBグループ3社の統合が控えており、従業員が約70名増える予定でした。そのため、このままアナログな処理を続けていては、担当者の負担が一層大きくなる懸念がありました。
後ほど、プロジェクト推進をしていた松村より詳しくお話しますが、グループ全体で改革を推進している中で、全社的にペーパーレス化を推進していた時期だったことも相まって「クラウドへ業務を移行した方がいい」という声が社内で上がりました。クラウドなら、いつ・誰が承認したか記録が残り、確認漏れが起きないので内部統制の観点からも安心です。また、モバイル端末からアクセスできるため、出張を控えているメンバーの勤務時間に、承認する上司が出張で会社にいなくても承認できるのは非常に便利だと感じました。
優れたシステムだからこそ業務フローを再設計できる
仕入企画課長 松村様:私は、当時営業企画課長だったためマネーフォワード クラウド経費の導入を立案して、推進に携わったひとりです。マネーフォワード クラウド経費は2018年2月から3カ月のトライアル期間を経て、同年5月から正式に導入しました。
導入を決めた理由は大きく2つあります。1つは、電子帳簿保存法に準拠しているところ。もう1つは、業務改善を進めるうえで先進的かつシンボリックなシステムだったことです。たとえば、スマートフォンのカメラで領収書を撮影するだけで、OCRで自動入力できる機能は当時はかなり先進的だと感じました。
JTBグループ全体としても2017年にアクションポリシー【「OPEN~外に目を向けよう。異能と共創しよう」「CHALLENGE~一歩踏み出そう。失敗を糧にしよう」「FUN!~楽しもう。楽しませよう」】が策定され、企業風土に変革を起こそうとする動きが生まれていました。沖縄JTBとしても、新しいことを取り入れて進化しようという気運が高まっていたことから、私が幹部にマネーフォワード クラウド経費をプレゼンしたときも、すんなり受け入れられました。
ちなみに、個人的な想いとしては、マネーフォワード クラウド経費を活用することで社員には無駄な業務時間を省いてもらいたい、新たに生まれた時間は営業や本来業務に費やしたり、早めに帰って家族と過ごしたり、自分自身の人生を豊かにしたりして欲しいのです。それをかなえられるサービスだと思い、マネーフォワード クラウド経費を推しました。
さらには思わぬ副次的効果もありました。というのも、弊社は2019年3月からフリーアドレスを採用し、上長もデスクを固定しなくなったので、もし紙書類の申請を続けていたら申請者がかなり大変な思いをしたはずです。BPR(Business Process Re-engineering:業務改革)の観点からも、マネーフォワード クラウド経費の導入は非常に有効でした。
現在私は、経費の申請をすると同時に、管理職として21人いる部下の承認も行う立場にあります。両方経験して感じるメリットは心理的ストレスから解放されるということ。たとえば、それまで役職者のデスクには、経費の事前承認書類を入れるボックスがあり、そこに溜まった書類にひたすらハンコを押していました。
しかし、役職者自身も出張が立て込むと承認が間に合わないこともあり、現金を事前に渡してもらえず、高額な立替をせざるをえない社員もいました。その点、いまではどこにいてもモバイル端末から承認できるので双方ともに負担が減りましたし、紛失や再提出といった低次元の事態が発生しなくなりました。
少額の経費は立替、長期の出張など高額な経費は小口現金等、メリハリのある業務フローにできたことで大幅に作業時間を減らせたと感じています。概算ですが、社員ひとりが毎月50分ぐらいかかっていた経費関連の作業が30分程短縮できたのではないかと思っています。営業交通費や出張精算をおこなう社員が130人~140名程いるので毎月約60~70時間程の時間が生み出せたと考えられ、浮いた時間は新たなツアー企画の立案やお客様を訪問する営業時間として活用する等、生産性が向上しました。
小口現金管理を大幅に見直し。振込業務へ移行することで月60時間の短縮に成功
総務部業務課グループリーダー 桒原様:マネーフォワード クラウド経費の導入にあたって、会計システムに合致するかどうかという点は大きかったです。会計システムはJTBグループ独自に開発されたものなので、そこに取り込めるエクスポートの形式になっているかどうかはチェックしました。統合によって各社の業務フローの棚卸や統合・整理、急拡大する経理業務に対応する体制構築等やるべきことが多々ございましたが、クラウド経費の活用によって、業務の圧縮化に成功し、現状とほぼ変わらない体制で組織運営できているのはよかったです。
総務部業務課 亀谷様:私は、主に現金出納を担当しています。商売柄、営業担当は移動が多く、電車やモノレール、離島への移動は飛行機、必要に応じて宿泊、駐車場代、ガソリン代、接待等さまざまな経費が大量に発生します。
事前申請内容の確認、出納帳への記帳、補充、残高照合等、一連の業務を担当しており、毎日、「社員の名前が印字された封筒」へ現金を封入し、申請者へ手渡ししていました。
釣銭準備もかなり頻繁にやる必要があり、一連の作業に毎日4時間ほど費やしていましたね。万が一、金額が合わなければ大変なことですし、非常に気を遣う業務でした。
今の業務フローですが、営業現場とも話し合い、立て替えたお金を月3回振り込む形にしました。今までは毎日、その日の現金出納記帳から現金手渡しまで4時間ほどかかっていたのですが、大部分の経費を振込に移行できたため、小口現金は週に2~3回程度の頻度まで減り、作業時間も1~2時間程度で済むようになりました。それまでかかっていた手間は何だったのだろうと思うくらい楽になりました。もう以前の業務フローには戻れないですね。
システムの導入に際しては、トライアル期間に、営業の部署に協力を仰いで使い勝手を試しながら設定。ある程度使い方が固まってきたところでマニュアルを作成して、申請者向けに説明会を設け、一斉にスタートするというステップで進めました。
ただ、営業メンバーは紙での申請に慣れているため、口頭での説明だけでは本当に申請作業が楽になるのか半信半疑な反応だったのが正直なところです。ただ、実際に使いはじめてからは、時間が経つにつれて「事前申請の承認がおりるまでのスピードがとても速くなった」「楽になった」といった声が多く、とてもよかったです。ちなみに、経費の事前申請に関しては、紙に記載していた内容をマネーフォワード クラウド経費内の申請フォームに落とし込んで項目を設定しています。初期設定も楽でしたし、金額ごとにワークフローの設計もできるので、とてもいい機能だと思います。
現金出納を減らしたことで浮いた時間は、日々の売上報告書のチェックなどに費やせるようになりました。そして、これまで月20時間ほどあった残業も、マネーフォワード クラウド経費導入以降は月10時間未満まで減少。業務時間に余裕ができたことで、仕事の幅をもっと広げたいと考えられるようになりました。今後は、電子帳簿保存法への対応を検討したいですね。
また、個人的な想いとなりますが、経理業務にとどまらず以前担当していた弊社のコーポレートサイトの運用管理支援など、広範囲に会社へ貢献できたらいいなと思っています。
今回の導入サービス
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