株式会社モルテン

紙と小口現金から脱却し、経費精算業務を本部に集約!拠点の経理業務0化で、より付加価値の高い業務に集中へ

株式会社モルテン

[インタビューご対応者]
管理本部 経理部 部長 長谷川様、管理本部 経理部 岡﨑様、スポーツ事業本部  脇林様、工業用品事業本部 丸山様
(写真:正門前で経理部社員の皆さま)
広島県に本社を置き、競技用ボールなどのスポーツ用品をはじめ、自動車部品、医療・福祉機器、マリン・産業用品の製造を手掛ける株式会社モルテン。

以前からDX化を積極的に進める同社ですが、経費精算業務には紙が残ってしまっていたといいます。そのようななか、本社屋の移転を機に、経理の業務効率化とペーパーレス化を実現するためマネーフォワード クラウド経費を導入しました。

今回は、マネーフォワード クラウド経費導入までの背景や導入後の効果について、お話を伺いました。

全社で月83時間を消費。紙による非効率な経費精算タスクを解決したい

(左から)長谷川様と岡﨑様

長谷川様:マネーフォワード クラウド経費の導入前は、自社開発したワークフローシステムを用いて、紙ベースでの経費精算を行っていました。以前は、従業員が申請書を作成・印刷したものに領収書を貼付して提出し、各拠点の担当者が小口現金で精算をしていたのです。さらに精算済みの申請書は本社に送付してもらい、経理部で集計、紙で保管をしていました。

岡﨑様:もともと弊社はペーパーレスの推進に積極的でしたが、経費精算だけは紙のままでした。会社全体で経費精算にかけていた時間は合計で月に83時間。年換算だと1,000時間を超えていました。

長谷川様:以前の紙ベースの経費精算フローで特に課題に感じていた点は大きく2つあります。1つ目は「経費精算業務に手間と時間がかかる」ことです。紙ベースでしたから、申請者は領収書の貼付や捺印をするために、決裁者は承認をするためにそれぞれ出社する必要がありました。決裁者の不在が続いて承認に時間がかかると、従業員が交通費などの実費を立て替えたままになったり、出張に応じて支払われる日当を受け取るまでに時間がかかったりといったこともありました。

それから、各拠点の経理担当の負荷も大きかったです。手入力の申請だったため、金額や勘定科目の入力ミスも多く、確認や修正に時間がかかっていました。また、金庫内の現金に金額のズレが出ないよう小口現金の出納帳をつけており、その管理も大変でした。ほかの業務も抱えるなか、経費処理に時間がとられることへの課題感は大きかったです。

2つ目は「紙の書類管理が大変」なことです。紙の申請書だと、途中で紛失するリスクや保管場所の問題があります。弊社が保管していた経費関連の書類はものすごい量で、社屋移転時にはトラックを何台も用意して移す必要があったほどでした。

こうしたアナログ管理に起因するムダなコストによって、必要な業務に原資を回せず、現場も「競争優位」を作る仕事に集中できなくなるのは大きな課題でした。また、昨今のパンデミックのような予期せぬ事態に備えたリスクヘッジの観点からも、やはり紙ベースの仕事は見直しが必要だと考えました。

そのようななか、弊社の開発機能を1か所に集約した新社屋[the Box]へのオフィス移転が決定したため、それに合わせて本格的に経理業務のDX化を進めることにしました。

マネーフォワード クラウド経費には、連携サービスの豊富さ、電子帳簿保存法への対応、料金体系に魅力を感じた

長谷川様:いろいろな経費精算システムがあるなかで、マネーフォワード クラウド経費に決めたポイントは「自動連携できる他サービスが豊富であること」「電子帳簿保存法(以下電帳法)への対応が十分であること」「料金体系へ魅力を感じたこと」の3つです。

まず、マネーフォワード クラウド経費は自動連携できるサービスが特に多く魅力的でした。クレジットカードや電子マネーはもちろん、交通系ICカード、JRのスマートEX、宿泊予約サービスなど2,500種類のサービスと連携できます。利用明細・領収書データも自動で取得可能なため、入力の手間が大幅に削減され、入力ミスも防止できると判断しました。

また、電帳法への対応も必須だったなかマネーフォワード クラウド経費はスキャナ保存制度・電子取引制度に問題なく対応していたため、安心して利用できると考えました。電帳法への対応判定機能もあり、申請者にもわかりやすいのも嬉しいポイントです。

さらに、マネーフォワード クラウド経費のコスト面も魅力的でした。従業員数や精算回数ではなく、その月の利用人数に応じた従量課金制なので、そのぶんコストを抑えることができます。とても合理的な料金体系だと感じました。

導入に必要だったのはリーダーの覚悟とオーナーシップ。丁寧にフォローしながら段階的に導入

岡﨑様:マネーフォワード クラウド経費を導入する際、実は反発もありました。弊社は創業して60年以上経つ歴史の長い会社です。勤続年数の長い社員も多く、慣れ親しんだ小口現金での経費精算を好む声もあったのです。さまざまな意見を聞きつつ調整し、最終的にはプロジェクトリーダーが責任と覚悟をもって「やってくれ」と号令をかけて導入がはじまりました。

長谷川様:最初の導入はまず社長・役員からでした。上層部から変えていきトップダウンで一気に変えることが肝要と考えたのです。

岡﨑様:進め方も工夫しました。いきなり一斉導入しても使いこなせない人が多ければ破綻すると考え、2週間ごとに2拠点ずつ段階的に導入、合計4か月ほどかけて全社に展開しました。

展開方法もオンライン説明会だけで済ませるのでなく、説明会の録画、FAQ、マニュアルをすべて経費申請のホーム画面に設置し、いつでも見れるようにしました。最初多かった従業員からの問い合わせも徐々に減り、着実に浸透できた実感があります。また、マニュアルはマネーフォワード社が作成してくれたため、それに軽く追記する程度で済み、とても助かりました。

各拠点での経費精算時間が0に!本社のガバナンスを強化しつつ、大幅な業務効率化を達成

(左から)脇林様と丸山様

岡﨑様:マネーフォワード クラウド経費を導入したことで、経費の申請から支払いまでのデジタル化に成功しました。今では、決裁者が承認すれば自動で本部の経理に通知がくる仕組みも構築できています。各拠点が持っていた確認・支払業務も本社経理部に移したため、ガバナンスを大幅に強化できました。

長谷川様:導入前に感じていた問題点も解消されました。まず、経費精算にかかる作業時間が激減しています。小口現金の処理、対応、支払い、管理のすべてがなくなったため、各拠点の担当者による経費精算業務が不要になりました。

岡﨑様:各拠点の経費精算業務が本社に移ってきた形ですが、マネーフォワード クラウド経費が自動で領収書の内容を読み取って仕訳をしてくれますし、支払いも振込データを送信すれば自動で振り込まれるため、本社経理部の業務時間は増えていません。小口現金精算についてまわるミスや不正のリスクもなくなり、監査の時間も削減できています。

支払いのスピードも上がりました。申請から支払いまでのタイムラグがなくなり、これまで日当や立替交通費の支払いは月に一度だったのが週に一度になりました。従業員からは「精算が早くなるのは助かる」という声も聞きます。

丸山様:申請者目線で見てまさにその通りで、紙での承認依頼の場合、複数人に印鑑をもらう必要があったり承認者が不在だったりすると、承認まで時間がかかることがありました。いまは承認者が外出先やスキマ時間でスマホから承認してくれるので、時間短縮につながっています。

脇林様:私も紙がなくなったのは嬉しいです。アプリのおかげで移動中や出張中にスマホで完結できるようになったので、パソコンをいちいち開かなくて済んでいます。特にOCR機能が便利で、スマホでレシートの写真を取ればアプリが自動で内容を読み込んで入力してくれるため、とても助かっています。

OCR機能によるレシート読み取り画面(イメージ)

 

また、連携サービスが多いのは本当にありがたいです。スマートEXや宿泊予約サービスなどと連携できるため、出張の経費申請がとても楽になりました。アプリのUIも分かりやすく、スムーズに慣れることができたので、移行の大変さもほとんどなかったです。

長谷川様:経理としてはもう1つ、紙の書類管理からも解放されたのも大きな成果です。すべてデジタルで完結できるようになったので、紙の申請書を途中で紛失するリスクがなくなり、精算済みの書類を大量に保管する必要もなくなりました。紙からの脱却で、本社経理部もリモートで作業ができるようになっています。

経理の立場から、現場の時間創出を進めていきたい

岡﨑様:経費精算にあたっては、インボイス制度など、申請者にとって「面倒なこと」が増えてきています。経理部の仕事の効率化も大事ですが、一番の目的は「現場の仕事の効率を改善すること」です。経理部としては、事務まわりの負担を減らし、現場の皆さんが顧客に価値を提供する仕事に時間を使えるようになってほしいと思っています。そのために、引き続き経理部からできる施策を積極的におこなうつもりです。

長谷川様:マネーフォワード クラウド経費の導入で、より付加価値の高い業務に時間をかけられるようになりましたし、パンデミックなどのリスクにも備えられました。また、導入の過程で社内の経費に関するいろいろな数字をデータ化できたのも大きな成果です。今後はこのデータを活用して、引き続きDX化を推進していきたいと考えています。

経費精算に課題を抱えている他の企業様には、マネーフォワード クラウド経費の導入で老舗メーカーでもDX化ができているということを、ぜひ知ってもらえたら嬉しいです。

 

株式会社モルテン
1958年設立。広島県広島市西区に本社を構え、バスケットボールのFIBAワールドカップ試合球をはじめとするスポーツ用品や、自動車部品、医療・福祉機器、マリン・産業用品などの製造・販売を手掛ける。「Moving with Possibilities」をブランドステートメントに掲げ、人の和の尊重と技術革新の追究により、人々が一歩前へと動くための製品を提供している。