百貨店の経費精算システムの選び方・比較すべき項目
更新日:2024年2月28日
百貨店における経費精算業務のよくある課題
迫られるコスト削減

日本百貨店協会によると、最近の都市部と地方における百貨店の売上の伸び率には差があるようです。都市部では約9%増にもかかわらず、地方においてはマイナスとなるところも見受けられます。(参考)
このような状況下において、特に地方における百貨店はコスト削減を迫られ、インボイス制度開始等で経費処理が煩雑になったからといって、新たな経理要員を補充することは難しいと言えるでしょう。
経費精算は面倒という先入観

百貨店では外商取引もあり、個人相手では高額商品、法人相手では大量購入を狙え、それぞれの営業活動において発生する経費は多岐にわたります。
外商担当の営業員は、帰社後には翌日の準備などで忙殺され、その日の経費を処理できないこともあるでしょう。経費は、一件当たりの金額は少額のものが多いものの、申請の誤りや書類不足で差し戻しされることもあると、「経費精算は面倒なもの」という印象だけが残ってしまいます。
進まないペーパーレス化

百貨店のバックオフィスにおいて、ペーパーレス化を進めることによるメリットは多く挙げられます。しかしながら、伝統的な業務プロセス重視や他システムとの整合性の問題をはじめ、利用するにあたってスキルやトレーニングが必要なことなどからペーパーレス化が先送りになっていることもあるでしょう。
部分的な開始でもよいので、ペーパーレス化推進のきっかけが欲しいものです。
百貨店の企業様が経費精算システムを比較する際のポイント
他システムとの連携ができるか?
百貨店のバックオフィスにおいては、電子帳簿保存法やインボイス制度などで業務の変更や追加などが発生し、経理要員は非常に忙しくなっていると言えます。
経費精算システムを導入する際、経理要員にとって他システムとの連携方法によって業務量が異なってきます。経費精算システムを選ぶ際には、会計システムや給与システムと簡単に連携できるものにすべきで、導入の際に、どのように連携できるのか実際に試してみましょう。
申請者の入力を大幅に軽減するか?
経費精算システムにおいては、スマホへのタッチ入力やスキャンだけで申請が済むものがあります。
百貨店の営業要員が帰社後の時間を最大限に利用できるよう、経費については発生した段階で法人カードやスマホを利用し、極力少ない手順で処理できるようにしたいものです。経費申請においては、申請者の入力がトリガーとなるため、営業要員の申請がどれだけ省力化できるかにフォーカスを当てましょう。
ワークフローは使いやすいか?
ワークフローは、業務の流れを定義・管理する仕組みであり、手作業による書類のやり取りをなくし、作業時間を短縮します。
百貨店のバックオフィスにおいて経費精算システムを導入する際には、ワークフローを自社に合わせた形で導入できるかどうかは重要な確認点と言えるでしょう。ワークフローについて自社の形に沿って運用ルールの策定ができて、それぞれの利用者が使えるようになるとペーパーレス化が進んだと言えます。
百貨店の企業様に参考となる経費精算業務の改善事例
株式会社藤井大丸様の事例
老舗百貨店である株式会社藤井大丸様では、バックオフィスの自社開発システムではテレワークができないことや、財務諸表の作成に労力や時間がかかっている点が課題の1つでした。
請求書・経費関連では「マネーフォワード クラウド債務支払」「マネーフォワード クラウド経費」を導入しています。
生活協同組合コープさっぽろ様の事例
導入を決めた当初は、紙での経費申請をなくすことに反対意見もありました。そこで、まずはシステム部と広報部で先行利用して社内での成功事例を作り、実効性の検証をしたうえで段階的に導入を進めていきました。
導入時のマネーフォワード社の支援はとても手厚かったです。正直、支援がなかったら安定したリリースはできなかったかもしれません。
詳しくはこちら
百貨店の企業様に役立つ経費精算業務の効率化に関する参考資料
百貨店がバックオフィス業務のDXを進めるべき理由
百貨店業界は、消費者の購買行動の変化やオンラインショッピングの台頭により、厳しい状況に直面しています。従来の店舗販売に依存していたビジネスモデルが、デジタル化の波により挑戦されています。顧客体験の向上とオペレーションの効率化が、この業界の企業にとって急務です。
経済水産省の「百貨店研究会 報告書」でも、デジタル化などによる省人化を進めても、店頭販売スタッフを大きく減らすことは難しく、働き手の確保が今後大きな課題になると予想しています。
また、2020年の全国の百貨店の売上高は、前年と比べて25.7%と売上が大きく減少しました。原因としては、新型コロナウイルスの流行によりインバウンド需要が消失したことや、緊急事態宣言が発出され、百貨店も含めた大規模商業施設に対し休業要請が出されたことが挙げられます。
出典:経済水産省「百貨店研究会 報告書」
経費精算システムを採用することで、百貨店は経理業務の自動化と効率化を実現し、従業員がより価値の高い業務に集中できるようになります。さらに、透明性とコンプライアンスの向上を通じて、経費管理の正確性が高まり、不正防止にも寄与します。