全社一丸のDXプロジェクトでバックオフィスの業務改革を実現 請求書支払業務のデジタル化・ペーパーレス化で、新たな価値の創造を目指す
取締役 統合管理本部 本部長代行 木村様
統合管理本部 財務システム部 財務 担当課長 犬田様、担当課長代理 安西様
統合管理本部人事総務部 総務 担当課長代理 藤原様、主任 深尾様
- 導入サービス
- 債務支払
- 業種
- 商社・卸売
- 事業規模
- 法人(501~1000名)
プロジェクトを主導した経営層、業務改革の実行を担った経理部門、システムを利用するユーザー部門の3つの視点から、マネーフォワード クラウド債務支払がもたらした業務改革の効果について伺いました。
経営層インタビュー「バックオフィスの業務改革を通じて、従業員にとってより働きやすい環境を提供したい」
──バックオフィスの業務改革を行うことになった経緯を教えてください。
木村様:経理・人事・総務・情報システムなどのいわゆるバックオフィス業務において、手作業によるデータ入力や、紙書類での業務処理が数多く存在していました。コロナ禍を経て世の中のDXが進む一方で、当社はこれまでと同じ業務のやり方を続けており、効率が悪い部分がありました。会社として「積極進取」を行動規範とする以上、もう一度原点に立ち返って業務を見直すべきと考え、2022年から「価値創造プロジェクト」という業務改革の取り組みを始めました。
プロジェクトの目的は、業務改革を通じて業務負担を軽減し、従業員にとってより働きやすい環境を提供するというものです。具体的には、経理・人事・総務・情報システムのそれぞれでワーキングチームを作り、各部門が抱える業務課題のDXによる解決に取り組みました。経理部門では「請求書支払の業務改善」をテーマに掲げ、マネーフォワードの導入を核とする業務改革を進めていきました。
マネーフォワード利用者全員が「業務軽減が図れた」と効果を実感。今後さらなる価値創造に向けて業務改革を進めていく
──マネーフォワード導入による業務改革の成果をどのように評価されますか?
木村様:システム導入後に、マネーフォワード クラウド債務支払を利用する従業員にアンケートを実施しました。対象者全員が「業務の軽減が図れている」と回答し、そのうち半分は「大いに業務の軽減が図れている」と回答しています。狙いどおり業務負担の軽減が図れたことに満足していますが、これはシステム導入で実現するいわば当たり前の効果です。経営層としては、削減できた時間、労力を利用して、新たな価値の創造に取り組みたいと考えています。
例えば、データ分析やそれに基づく業務改善の提案などです。これまではデータ入力が仕事になっており、バックオフィスが本来やるべき業務にほとんど手がつけられていませんでした。新たな取り組みにより、単なる業務負担の軽減だけではない成果を実現してはじめて「価値創造プロジェクト」の目的が達成できるものと考えています。
そのためにも、今後は業務改革の範囲をもっと広げていく予定です。今回は請求書支払業務に特化した形で業務改革を実施しましたが、マネーフォワード社はバックオフィス全般の業務改革に貢献するサービスを広く取り扱っています。これからもさまざまな提案をいただき、当社の業務改革、DXをご支援いただきたいと思います。
経理部門インタビュー「会社全体の大きな負担になっている、請求書支払業務のデジタル化・ペーパーレス化を実現したい」
──マネーフォワード クラウド債務支払の選定を担当されたお二方に伺います。今回、請求書支払業務の改善に取り組むことになった経緯を教えてください。
安西様:以前の請求書支払業務はほとんどが手作業で、改善の余地が大いにありました。業務フローとしては、まず京都トヨペットとネッツトヨタ京華の各店舗に届く紙の請求書を本部に集約します。次に請求書を取引先ごとに分類して、支払金額などの明細をExcelにまとめ、さらにそのExcelをベースに、会計システム用の仕訳データ、銀行振込用のFBデータを作成していました。
ひと月に届く請求書の枚数は1,300枚程度です。月末処理の中でも請求書支払業務の負担はとても重く、私は毎月丸4日間を振込業務に充てていました。各店舗でも請求書を送付する際に添付書類を作成する必要があるなど、会社全体で請求書支払業務に大きな工数が割かれていたことが業務改善の対象になった理由です。
──マネーフォワード クラウド債務支払を導入した決め手を教えてください。
犬田様:請求書支払業務のデジタル化・ペーパーレス化が実現できること、仕入から支払に至る一連の流れを1つのシステム内で完結できること、当社が利用しているai21(トヨタ自動車株式会社が全国の系列販売店に提供する業務システム)に会計仕訳データの連携ができること、金融機関とのAPI連携で振込作業を自動化できること、などが導入の決め手でした。また、システム導入の目的の1つに電子帳簿保存法への対応もあり、マネーフォワードが電帳法に対応していたことも決め手の1つです。
特に、仕入から支払に至る一連の流れを1つのシステムで完結できることについては、他社製品に比べてマネーフォワードが一番洗練された作りになっていました。各店舗担当者の購買申請からシステム利用がスタートして、その後、発注承認、支払申請・承認、仕入仕訳の作成、振込FBデータの作成へと処理が進んでいきます。一連の流れがとてもよく練りこまれていて、ユーザーにとってわかりやすい、使いやすいシステムだという印象を持ちました。
──マネーフォワード クラウド債務支払の導入作業はどのように進めましたか?
安西様:取引先マスタを作るための情報収集と入力作業、マネーフォワードとai21の仕訳連携を行うための設定作業、社内向けのテスト実施などが主な作業です。システム設定作業はマネーフォワード社が提供するマニュアルを参考にしながら進めました。サポートサイトの内容がとても充実していてわかりやすかったので、自分たちで設定作業を行うことができました。
犬田様:我々としては、システム設定作業よりも各店舗に対して新しい業務のやり方を理解してもらうことの方が大変でした。長年続けてきた業務を変えることに抵抗を持つ社員に対しては、「将来的に今よりも絶対楽になるから、頑張って一緒に乗り越えましょう」と説得しました。導入から半年ほど経った今では不満の声はほとんど聞かれなくなっています。
会計仕訳作成、銀行振込作業のデジタル化・自動化により、月末経理処理6日分の作業工数を削減
──マネーフォワード クラウド債務支払の導入効果を教えてください。
安西様:導入効果の1つは、理想的な仕入・支払業務フローを構築できたことです。仕入から支払に至る一気通貫で無駄のない流れを1つのシステムで実現できましたし、その流れの中にワークフローを組み込むことで、内部統制の面においても適切なフローを構築できました。内部統制についてはこれまでも当然意識してきましたが、以前はハンコの押印、紙証憑の送付・管理など、アナログなやり方で統制を担保していたので、現場の業務負担が大きくなっていました。負担の少ない効率的な業務フローを構築できたことに大変満足しています。
導入効果のもう1つは、経理業務の効率化です。取引先、金額などの入力は店舗側の作業になっているので、私たちの作業は承認が完了した請求書支払データを念のため最終チェックして、経理処理を行うだけになっています。
その処理も以前に比べて大幅に効率化してします。マネーフォワード導入以前は、ai21に丸2日間かけて会計仕訳を手作業で入力していましたが、今はマネーフォワードから会計仕訳データのCSVを出力してai21に取り込むだけで、作業時間はほぼゼロになっています。振込処理も以前は手作業で行っていたので、振込FBデータの作成に丸4日間の工数がかかっていました。今はマネーフォワードと銀行がAPI連携しているので、ワンクリックで振込処理が行えるようになりました。会計仕訳作成と振込処理を合わせて6日分の工数削減が実現しています。
犬田様:社内からの問い合わせへの対応もスピーディーになりました。以前は、各店舗から取りまとめた請求書を分厚いファイルに綴じていたので、「取引先から入金がないと連絡が来ているが、どうなっているか?」などの問い合わせがある度にファイルをめくって対応していました。今は請求書をスキャナ保存して、画像とテキスト情報をマネーフォワードに取り込んでいるので、検索をかければすぐ目当ての情報にたどりつけるようになっています。マネーフォワードはスキャナ保存と電子取引、どちらの要件も満たしているので、電帳法への対応も完了しています。
──マネーフォワード導入により削減された業務時間を利用して、経理部門では何か新しい取り組みを始められていますか?
犬田様:購買に関するデータがマネーフォワードに集約されているので、会社全体でどのような購買を行っているのか、取引先ごとの発注金額はどう推移しているか、コスト削減の余地はあるかなどの分析がしやすくなっています。今後、削減された業務時間をそのような分析業務に投入することで、私たちの部門だけでなく、会社全体の業務改善につながる提案をしていければと思っています。
ユーザー部門インタビュー「請求書一括アップロードがとにかく便利。まるで秘書ができたような感覚です」
──マネーフォワード クラウド債務支払をユーザーとして利用されているお二方に伺います。はじめに、現在の業務内容を教えてください。
藤原様:総務は、当社が保有する建物や営業車などの資産管理を主な業務としています。そのため、外部企業への発注は1,000万円を超えるような建物修繕から、ちょっとした消耗品の購入まで幅広く行っています。件数としては毎月130枚ほどの請求書が取引先から届いています。
──マネーフォワード クラウド債務支払の利用方法を教えてください。
深尾様:マネーフォワード クラウド債務支払は、取引先に発注する前の購買申請のタイミングから利用しています。取引先、金額などの情報を入力してワークフローの申請を行い、承認が下りたら取引先に正式発注をします。
その後、取引先から請求書が届くと今度は支払申請を行います。請求書をスキャナで取り込みPDF化して、マネーフォワードにアップロードすると、OCR機能が取引先や請求金額を自動でテキスト化してくれます。内容に誤りがないことを確認したら、ワークフローの申請を行います。私たちが行う作業はここまでで、ここから先は経理部門での作業になります。
──マネーフォワード クラウド債務支払の導入効果を教えてください。
藤原様:申請・承認業務がスピーディーになりました。以前は請求書が届くと、それに仕訳伝票を添えたものを社内で回覧してハンコリレーをしていました。上席者が不在の場合、どうしても承認がストップしてしまうのですが、マネーフォワードを導入してからは外出先からスマホで承認してもらえるようになり、申請・承認業務の時間が短縮できました。
深尾様:また、OCR機能のおかげで、請求書の内容を転記する作業がなくなりました。とくに便利だと感じるのは、複数の請求書をまとめてOCR読み取りしてくれる「請求書一括アップロード」機能です。私の場合、請求書がある程度まとまったタイミングで支払申請を行うので、一度に50枚程度のPDFをアップロードすることがあります。OCR機能が読み取りをしている間、別の仕事を進めることができるので、まるで秘書ができたような感覚です。
請求書支払業務には、総務部全体で月20時間程度の工数が割かれていましたが、マネーフォワード導入後は月10時間程度の工数に抑えられるようになりました。
マネーフォワード導入により、新しい仕事に取り掛かる時間的余裕が生まれた
──マネーフォワード導入により削減された業務時間を利用して、何か新しい取り組みを始められていますか?
深尾様:資産管理のあり方を見直す取り組みを始めています。これまで総務が行っていた資産管理は、どちらかというと壊れてから対処するというものでした。壊れる前に対処する予防保全的な資産管理を実現したいと考えていましたが、日々の業務に忙殺されてなかなか改善に着手できませんでした。今回、マネーフォワードを導入して業務に余裕が生まれたことで、理想とする資産管理に向けての第一歩を踏み出すことができました。以前と比べて、間違いなく有効な時間の使い方ができていると思います。
──最後に、マネーフォワード導入を検討されている企業様にメッセージをお願いします。
藤原様:以前の当社のように、紙での業務処理が多い企業にはぜひおすすめしたいと思います。新しい仕事のやり方に慣れるまで、苦労する部分もあるかと思いますが、そこを乗り越えてしまえば時間効率がとても上がりますし、これまで着手できなかった新しい仕事に取り掛かる時間的な余裕も生まれると思います。
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