時間と手間がかかる紙ベースの経費精算をクラウド経費で刷新。効率化により生まれた時間でコア業務やスキル向上に取り組み会社経営に貢献
- 導入サービス
- 債務支払経費
- 業種
- 小売
- 事業規模
- 法人(501~1000名)
同社は、紙の書類で承認を進めていた経費精算にマネーフォワード クラウド経費を導入することで、申請・承認にかかる作業工数の削減に成功しました。
今回は、同社の経理部門のDX化の取り組み、およびマネーフォワード クラウド経費導入の背景や導入後の効果についてお話を伺いました。
※本記事は2024年6月25日に開催されたイベント「文藝春秋カンファレンス 業務効率化 総点検東京」における、対談講演「経理部門のDX実践ストーリー」を基に再編集しております。
紙ベースの経費精算で、申請者・経理部門ともに手間と時間がかかっていた
当社の主な事業はダイレクトマーケティング事業、いわゆる通販業です。従業員は745名で、経費精算は月300~400件ほどあります。
マネーフォワード クラウド経費導入前は、経費精算の承認を紙ベースで進めていたため、申請者と経理部門の両者で手間と時間を要していました。
以前の経費精算の流れは、従業員が経費精算システムに精算内容を入力するも、承認作業は、紙でおこなっていました。紙伝票を上長に提出し、上長が印鑑を押して承認、そして経理部門に提出するという運用方法でした。従業員は出社しなければ申請書を提出できませんし、上長が席にいないと承認してもらえません。上長の承認をもらう際に待ち時間が発生すると、提出までに時間がかかってしまいます。従業員が立て替えたお金が会社から振り込まれるまでに時間がかかるケースがありました。
加えて、申請時には領収書からシステムへ転記する必要もあり、手入力で時間がかかるうえ、入力ミスがあった際は訂正の工数も発生していました。
一方、経理部門では、紙伝票と入力データの二重チェックが課題でした。以前は紙ベースの申請・承認フローでしたが、統制上システムでもデータを管理していました。そのため、紙の申請書とシステム上のデータで整合性が取れているかを確認しなければなりませんでした。
紙とデータにずれがある場合は、従業員にデータの訂正を依頼し、訂正してもらった後に再チェックしなければなりません。システムへの入力ミスは頻出していたわけではありませんが、申請者と経理部門の両者の負荷を減らすためにゼロにしたいと考えていました。
既存システムの保証終了をきっかけに経費精算のデジタル化を決意。コスト面と連携機能を決め手にクラウド経費を導入
システムの導入を検討したきっかけは、以前利用していた会計システムの保証が終了し、新しいシリーズに移行するという通達があったことです。
以前は、紙伝票での経費精算承認フローに加え、会計システムでの管理もおこなっていました。そのため、申請者は紙への記入と会計システムへの手入力とシステムから出力した紙伝票を、経理部門は受け付けた紙伝票と会計システムの整合性をチェックしなければなりません。
そこで、会計システムをただ単に新シリーズへ入れ替えるのではなく、経費精算はシステム内で、申請部門から経理部門までの承認機能があるものを導入し、経費精算システムと会計システムと連携させて管理することで、申請者・承認者・経理部門の三者ともに経費精算の手間を減らしたいと考えたのです。
新たなシステム導入へ向けては、スピード感をもって進めるため、経理部門でシステムの導入・検討をミッションとするチームを組成して進めました。
システム選定は、10社ほどのサービスを検討しましたが、そのなかからマネーフォワード クラウド経費を選んだ最大の決め手は、ランニングコストを抑えられることです。
当社では従業員約750名のうち、実際に経費申請をおこなう(システムを使う)人数は1/3ほどだったのですが、ほとんどのシステムでは従業員全員が利用する前提で毎月の料金が決まる固定課金制でした。
マネーフォワード クラウド経費の場合、利用したユーザー数の分だけ費用が発生するアクティブユーザー課金制なので、他のシステムに比べてランニングコストを1/3程度に抑えられます。
また、マネーフォワード クラウド経費はデータ連携機能が優れているため、経費申請の効率化にも最適です。交通系データやクレジットカード、電子マネーと連携しておくことで利用明細が自動で入力されるため、申請者がいちいち入力せずに済み、申請の負荷を軽減できると考えました。
コスト削減・業務効率化・財務改善。3つの効果を定量化したアピールで上層部の承認を獲得
経理のようなバックオフィス部門は、システムの導入や切り替えが簡単にはできません。システムの導入・切り替えが売上に直接つながるわけではなく、導入効果を数字で説明しにくいためです。
しかし、当社は新しい取り組みを応援する企業文化であることに加え、既存システムの保証が終了するタイミングだったことも重なり、新しいシステムの導入を歓迎してもらえました。
特に、経費を申請する従業員からは「出社して机上で精算作業するのではなく、移動中にスマートフォンを使って申請したい」という声もあり、新しいシステム導入に対して社内での反対意見はありませんでした。
とはいえ、費用がかかる以上は上層部の承認が必要です。上層部への説明時は、システムの導入費用や導入することで得られる効果を定量化して提示しました。
アピールしたポイントは3つです。
1つ目は、ランニングコストや導入費用は安く抑えられるのか。2つ目は、申請者の工数をいかに減らすか、そして減らすことで営業や商品企画といった部門の従業員が、本来の売上を作る業務にどの程度の時間を使えるようになるのか。3つ目は、経理部門の作業がどの程度、効率化できるのか、ということです。
特に1つ目のランニングコストや導入費用は、上層部にとってもわかりやすい数値です。マネーフォワード クラウド経費はアクティブ課金制なので、同時に検討した他のシステムよりもランニングコストを抑えられる点がアピールになり、上層部にも好印象で同意してもらえました。
経費精算にかかる全体の工数を削減。経理部門では、精算までの処理を5工程→2工程に短縮
マネーフォワード クラウド経費の導入により、紙ベースでの処理からデジタル上での処理に変わり、経費精算に関する全体の作業工数が削減できました。体感で以前より20〜30%ほど削減できている印象です。
申請する従業員は、スマートフォンやパソコンで経費申請の作業がおこなえるようになりました。移動中や出張先でも入力作業を進められるため、出社することなくシステム上で上長への承認を依頼できます。同じく上長も席にいる必要がなく、離席していても承認できるようになりました。
また、承認を待つ時間が短縮されたため、立て替え経費の支払いもスムーズになりました。マネーフォワード クラウド経費と連携しているクレジットカードや交通系ICでの支払いは自動で入力されるため、入力の手間やミスが減ったこともメリットです。
経理部門としては、これまで申請された経費内容のチェックや承認作業で5つの工程が発生していましたが、マネーフォワード クラウド経費の導入後はシステム上でのデータ確認と承認の2工程に減らせました。
紙とデータの両方を確認しなければならない二重チェックを解消でき、申請内容の確認にかかる時間を大幅に短縮できています。また、申請者が紙からシステムへ手入力する必要がなくなったので、入力ミスがあった際の訂正依頼や訂正後の再確認もなくなりました。
以前は申請内容のチェックを2名でおこなっていたのですが、システム導入後は1名で無理なく対応できるようになっています。
今後は工数削減で捻出した時間をスキルの向上に充て、より会社経営に貢献していきたい
今後は、紙をスキャンして保存しながら、PDFの文字情報を読み取ってデータ化できるOCR機能の活用を進めていきたいと考えています。既に使っている従業員もいるのですが、まだ全従業員が使いこなせているわけではありません。
現在は、申請者の95%がアプリやWeb上で手入力しているので、OCR機能を使えば入力作業が不要になることを従業員に周知し、活用を促進したいと思っています。
経理部門では、マネーフォワード クラウド経費の導入により生まれた時間を有効に活用し、会計や数字を見るスキルの向上を目指します。
また、経理部門の得意とする数字を見る力を活用して、事業部の数値管理支援や経営管理のメンバーを輩出し、会社経営に貢献することが目標です。
今回の導入サービス
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