新会社設立当初からコンパクトなバックオフィス体制で一元管理を実現
課題
・限られた人員体制でバックオフィス業務を完結させなければならなかった
・会社設立のタイミングから固定資産数が多く、しっかり固定資産管理ができる体制を整える必要があった結果
・各領域のシステムを連携することでコンパクトな人員体制で一元管理できる仕組みを構築することができた
・直感的なインターフェースとクラウドスタディ(説明動画)の活用により、メンバーの教育にかかる時間を軽減することができた
・属人的にならずに固定資産管理ができ、メンバーの経験値に関わらず管理できる体制を整えることができた
会社設立のタイミングに合わせて管理業務全般を整備。一元管理できるシステムを探していた
――まずは、DTプレコン様の事業内容についてお聞かせください
川島様:当社は大手ゼネコンである竹中工務店のグループ会社として、2022年5月に設立されました。前身は大協建設における一事業部門でしたが、竹中工務店との共同出資という形で会社設立に至りました。当社の社名は「DTプレコン」ですが、その名の通り、「プレコン(プレキャストコンクリート)」という建築手法に使用するPC板の製造事業を展開しています。まだ誕生したばかりの会社のため、従業員規模は10名程度とコンパクトですが、今後は順次増員していくことを予定しています。
――管理部の体制についてお教えください。
川島様:総務・経理・人事業務に携わっている管理部のメンバーは私を含めて3名と少数精鋭で行なっています。私はもともと親会社である竹中工務店に勤務しており、会社設立の際、こちらに出向する形で管理部長に就任しました。竹中工務店では、調達部の仕入れや工務部で工事損益の管理などに携わり、損益や利益に関わる業務を長く経験しております。
経理財務については、現在、私ともう1名のメンバーで実務を担当していますが、従業員10名規模の場合、一般的な会社運営においては最低でも3名程度のリソースが必要だと考えています。当社は来年、組織拡大に向かうことを計画しているので、管理部も4名体制に増員する予定です。グループ会社として、親会社との連携や調整対応が頻繁に発生するので、今後、私自身は将来的な会社の経営基盤整備を見据えた対応や、企業価値向上、親会社との連携などに注力し、管理部のメンバーに実務を任せていくつもりです。
――会計システムの導入を検討された背景は、どのようなものでしたか?
川島様:会社設立にあたって、コンパクトな人員で管理全般の業務を一元管理できる体制を構築したいと考えていました。親会社のような大企業のバックオフィスでは、外部の会計システムや自社システムなどが混在していたので、各種データを容易に連携させることが難しい状況を目の当たりにしていました。そのため、領域ごとに異なるプロダクトを組み合わせて利用することは避け、経理財務、人事労務を一元管理できる仕組みを作りたいと強く思っていたのです。
また、会計システムをはじめ、各種システムを導入する場合は、親会社が求めるような会計基準に沿った会計処理を行うことができるシステムを選ぶ必要がありました。加えて言えば、設立されたばかりの当社はまだ従業員10名規模のため、中小企業の規模感にマッチする内容のシステムとコスト感のものを探そうと考えていました。
経理財務、人事総務を一元管理できるラインナップ。上場子会社の会計基準に耐えうる内容も決め手
――導入の際には、どのような点を検討されたのでしょうか?
川島様:検討背景の通り、コンパクトな人員体制で管理全般の業務を一元管理できるものを探すことを前提としていました。基本要素としては、財務会計、勤怠管理、固定資産管理、給与計算のラインナップがあることがまず前提条件でした。それ以外の領域については取捨選択をしていくことを想定していましたが、できる限り多くの領域を扱えるシステムを導入したいとは考えていました。
導入検討では、「マネーフォワード クラウド会計」を含め、5社の会計システムについて調べ、内容のレベル感やほかの領域との連携性を確認していきました。その結果、マネーフォワード クラウドが全領域を網羅していたので、少人数でも一元管理がしやすいと考えました。
また、会計システムとしてのレベル感を確かめるために、他社システムの機能も実際に使ってみましたが、当社が求めるレベルには見合わないと感じました。私自身、2社程の会計システムを使ってみた経験がありますが、企業会計に必要な内容が網羅されていないことが多いように感じています。会計システムには、個人事業主向けのものと大企業向けのものはありますが、当社のような大企業の資本が入っていながら、企業規模としては中小企業である会社向けのものはなかなかありません。レベル感とコスト感がバランス良く担保されているものを探すのは難しいものだとあらためて実感しました。
特に、当社の場合は、親会社が大手企業であるため、求められる会計基準に対応できるレベルのものを見つけることが大変でしたが、マネーフォワード クラウド会計は問題ないと思いましたし、コスト面でも導入しやすいと感じました。
会計以外の領域については、固定資産業務で利用するものを重視していました。当社は、すでに展開されていた事業をそのまま引き継いだ経緯があるので、設立時点で工場に現物出資資産、つまり固定資産が30〜40件ほどあり、固定資産のシステムを充足させたいと考えていたのです。固定資産をエクセル管理などで済ませてしまうと、資料の内容が属人化してしまうことにもなりかねません。自分以外の人材でも運営できるような体制にすることが必要でした。
――複数の会計システムの中から、なぜ「マネーフォワード クラウド会計」を選定されたのでしょうか。その理由についてお聞かせください。
川島様:端的に言えば、「マネーフォワード クラウド会計」が、当社の規模感とやりたいことに最もマッチしていると感じたからです。内容のレベル感とコスト感がマッチしていたことはもちろんですが、他社には各領域を網羅しているものがなく、譲れない条件としていた領域のシステムが揃っていませんでした。マネーフォワード クラウドは、それをクリアしている上に、請求書、社会保険、年末調整など、さらに多くの領域をカバーできる点も良いと感じました。
検討の際の情報収集では、親会社を含め、各所に協力を仰ぎ、「どういうものが良いと考えているのか?」「何を使っているのか?」など、細かくヒアリングしていきました。情報収集から検討・決定までに半年程度の時間を掛け、その中では単体の会計システムについても料金や使い勝手、今後の使い方を踏まえて上での連携性などを比較しました。しかし、やはりバラバラのプロダクトではなく、「一括で導入できるほうが、連携性も今後の使い勝手も良い」という結論に至りました。また、使い勝手の良いプロダクトであることは大前提としていましたが、マネーフォワード クラウドは営業担当者の方がいろいろと相談に乗ってくれたので、そうした点も非常に良かったため、最終的に「マネーフォワード クラウド会計」を選択しました。
直感的に使えて、インターフェースも統一されていてわかりやすい。固定資産の使いやすさにも満足
――実際に「マネーフォワード クラウド会計」を使ってみて、どのようなメリットを感じていらっしゃいますか?
川島様:非常に見やすく、使いやすいシステムであると感じています。一つひとつのプロダクトが直感的に使いやすいだけでなく、各プロダクトのインターフェースが統一されているところがとても良いと感じています。どの領域のシステムも、同じ位置にボタンや設定があるので、とてもわかりやすいですね。順次、時代の流れに沿ってシステム開発されているのも良いと私は思っています。
現在、主に「マネーフォワード クラウド会計」を使っているのは私ですが、実務担当者に指示を出す際にも、インターフェースが統一されていることによって、「ここを見てほしい」という箇所の説明がしやすいと感じます。業務の引き継ぎの際にも役立っています。さらに、クラウドスタディという説明動画がある点も嬉しいです。私自身が使い方を理解していても、メンバーに教える時間が取れないことも多いので、各自に動画を見て勉強してもらっています。日頃から親会社とのやりとりなどで忙しく動いている自分にとっては、こういう部分にまで配慮してくれていることは非常にありがたいと思っています。
――そのほかの「マネーフォワード クラウド」について、特に良いと感じられたものがあればお教えください。
川島様:先にもお話しした通り、当社の工場には現物出資資産が30〜40件ほどあるので「マネーフォワード クラウド固定資産」を導入しておいて良かったと思っています。インターフェースが見やすいのはもちろんですが、月次のアウトプットがしやすい。記録を残しやすい点も良いですね。
当社の現物出資資産は立ち上げ時に引き継いだもので、もともと工場で使用していた装置・備品のため、現場ごとに管理する必要があります。新規の資産登録数としては、まだ4件程度であり、その内訳は社用車や新規工場建設のための土地の取得などです。現在、新規工場を建設中のため、建設後には資産の移動処理・現工場の資産処分が必要になり、償却の処理などを来年に行う見込みとなっています。
現在、固定資産の月次締めとその確認に掛かる時間は1〜2時間程度となっていますが、「マネーフォワード クラウド固定資産」のおかげで特に困ることはなく、問題なく処理できています。機能面については、それぞれの固定資産を写真で管理できる点が良いと感じています。写真を登録できるので、材料知識のない経理メンバーでも、どういった資産なのかを理解しやすい。当社の固定資産には特殊な装置などもあるため、写真がない場合には、それが何を意味するのかわからない可能性もあります。属人化させずに連携性を持つという観点でも、誰にでもわかりやすい内容にすることは重要であると考えています。
また、自動採番の機能も便利だと感じています。「自動採番」をクリックすると、「自動採番設定」画面が表示され、固定資産の登録時に採番するルールを設定することができます。一括償却資産の計算方法は会社によって異なり、そのルール設定は会社によっても変わるものですが、きちんと整合性が取れていることが重要です。公認会計士からも、「一括償却資産は、月ごとに割るケースや3期ごとに割るケースなどがあり、きちんとルールを決めておかないと双方で齟齬が出てしまう可能性がある」という指摘を受けました。
「マネーフォワード クラウド固定資産」では、細かくルール付けすることもできるため、これを使いこなせるかどうかは人にもよるかもしれませんが、私自身は便利に使えると思っています。「マネーフォワード クラウド会計」との連携性という面でも問題なく使えていますが、会計仕訳と固定資産は目視で確認しなくてはならないので、その点だけは注意しています。
各種プロダクトが揃っているのは最大のメリット。中小企業が知っておくべき情報も詰まっている
――新規設立された企業の管理部として、今後の展望についてどのようにお考えでしょうか?
川島様:現在、設立から半年が経ち、業務も軌道に乗ってきたところです。来年の4月には工場が拡大され、人員があるため、事務所の移転も計画しており、人員増に円滑に対応する準備を進めています。しかし、管理部としてはまだ足りないプロダクトがあるので、マネーフォワード クラウドのシステムで補強していくのか、自社で管理していくのか、今はその方法を検討している最中です。
マネーフォワード クラウドに対しては、各プロダクトへの入り口が異なる点が分かりにくいと感じることもありますが、来年には改善されると聞いたのでそこにも期待しています(2022年11月時点)。また、それぞれのシステム上で従業員登録をすることが必要なので、従業員が増えていくとそれが手間になる可能性がありますが、今後、一つのシステムに登録すればほかのシステムにも連携される機能を検討しているという話も聞いたので、今後に期待したいです。インターフェースのさらなる統一化やシステムの互換性がより進んでくれると嬉しいです。
――最後に、この記事を読まれている皆さんにメッセージをお願いします。
川島様:マネーフォワード クラウドは、多様な領域の管理業務を支えてくれるプロダクトが揃っていて、それが最大のメリットだと感じています。これだけのプロダクトを揃えている会社は、ほかにはないと思います。今後、HR領域を網羅するシステムがリリースされたら、マネーフォワード クラウドのプロダクトのラインナップとそれぞれの連携性に対し、追随できる競合他社はいなくなるだろうと思っています。
また、管理部門を小規模人数で運営している企業にもお勧めです。会計をはじめ、各種領域においてやるべきことや知っておくべき情報が詰め込まれていますから。例えば「マネーフォワード クラウド会計」の場合、モデルケースの仕訳科目がすでにあります。標準の科目設定がなされていることで、科目設定に要する時間を一部省略できるので、とても便利ですね。自営業や個人事業者にも使いやすいですし、コスト面でも導入しやすいと思います。
※掲載内容は取材当時の情報です。
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