ハイブリィド株式会社

上場準備の鍵は「監査」対応!過去の経験から契約管理体制を整備する重要性を痛感していた

ハイブリィド株式会社 石川さま・石鉢さま・飯島さま(右から)
  • 課題

    ・契約業務で複数のツールを利用しており、データ連携に手間とリスクがあった
    ・事前の法務相談はメールで実施していたため、相談が同時多発的に発生した場合の経緯・証跡管理が困難だった
    ・上場を目指すにあたり、書類の管理体制を整備する必要性があった

  • 結果

    ・案件管理から保管まで、一連の契約業務をクラウド契約上で実行可能に
    ・法務相談を紐づけることで、経緯や証跡確認が容易になり承認スピードが向上
    ・過去の契約書や社内の重要書類も一元管理し、監査対応もスムーズに

「IT人材(Human)の成長、情報システム(IT)と経営・事業(Business)を融合に導く」をミッションに掲げ、情報システム部門の課題解決と 組織機能強化を支援するハイブリィド株式会社。
同社では2023年2月にマネーフォワード クラウド契約を導入し、案件管理から社内承認・締結・管理に至るまで、契約業務全体でご活用いただいております。
今回は、管理本部で経営企画を所管されている執行役員の石川さまを中心に、会計経理担当の石鉢さま、業務管理担当の飯島さまに上場準備企業における契約業務の在り方や効果について、貴重なお話を伺いました。

上場に向けた管理体制とシステムの見直し。取引の見直しにもつながる契約書管理が1番の課題だった

ーー「マネーフォワード クラウド契約」導入以前は、どのような課題を感じていらっしゃいましたか?

導入以前は、ワークフローサービスと他社の電子契約サービスを組み合わせて利用していました。当時利用していた電子契約サービスは、締結の機能しか有していなかったため、管理はクラウド上にフォルダを作って格納している状況でしたね。契約業務に限らず、弊社で利用していた各システムは別会社のものを使用していました。データ連携に人手・工数がかかっている状態で、手作業によるリスクも課題に感じていました。

私は、創業期である8年目に上場準備責任者としてこの会社に参画しましたが、上場に向けてまず着手すべきは管理体制=システムの見直しだと考えていました。スタートアップ企業の多くは売上を第一に考えているかと思いますが、ステージアップを図る場合に重視すべきは売上ではなく「利益」になるからです。
会社が利益を出すためには、これまでの業務や契約内容、システムなどを見直し、不要なものがないか、最適かどうかを精査する必要があります。弊社の場合、取引の見直しにもつながる「契約書管理」の部分が一番大きな課題だと考えていました。

ーーマネーフォワードを選んでいただいた理由はどのような点にあったのでしょうか?

実は、私は銀行に在籍し、検査・考査・監査を直接受ける立場であったり、監査法人にも在籍した経験から監査する側がどこを見たいのか、受ける側は何が大変なのかを認識していました。これらのノウハウや経験をもとに、導入するならマネーフォワードしかないと思いましたね。

スタートアップ企業はゼロから立ち上げるため、システムが構築されていないことが一般的です。こうした企業では、必要に迫られて目先の利便性や安さでシステムを選んでしまう傾向があります。「電子契約が必要⇒電子署名だけで十分」と考え、「~だけできる」に注目する一方で、「~もできる」といった拡張性まで考慮する余裕がなく、結果として証跡管理や台帳管理の必要性に気づかずに進めてしまうことが多いです。そのため、ステージアップを準備する際に悩まれるケースが少なくありません。

「マネーフォワード クラウド契約」は、利便性を感じやすい電子契約での締結だけでなく、内部統制としてのワークフロー機能や契約書の管理まで網羅しています。そのため、スタートアップにとっては、オーバースペックだと思われてしまう部分もあるかもしれません。
しかしながら、上場を目指すとなると、管理がしっかりと行えるか、それが自身だけでなく第三者でも問題なく利用できるかという、組織としての視点が求められます。将来困る部分だとわかっているからこそ、上場準備の段階で契約業務全体の管理体制を整えておくべきだと考えていました。

加えて、マネーフォワードは契約業務だけでなく、会計や人事労務まわりのサービスも幅広く提供しているので、バックオフィス業務全体の体制も整備できます。実際に、いまではマネーフォワード クラウド会計Plus・固定資産・給与なども活用しています。

一連の契約業務で活用!過去の契約書や社内の重要書類もすべて管理し、監査対応がスムーズに

ーー現在はどのように「マネーフォワード クラウド契約」をお使いいただいていますか?

案件管理から、社内稟議、締結、管理に至る一連の契約業務を「マネーフォワード クラウド契約」で実施しています。

特に使い勝手が良いのは管理の部分ですね。契約書だけではなく、注文書や請書、検収書などの公的な書類はすべて保管するようにしています。公的書類以外にも、社内の重要書類(反社与信チェックの書類や株主総会議事録、取締役会議事録など)や、ひな形の管理でも活用しています。

例えば、取引先の反社性や与信額について記載のある書類は、押印こそないが会社として重要な位置づけにあると思いますし、管理者だけでなく社員もすぐに確認できる状態であることが望ましいですよね。一般社員にも閲覧権限を付与することで、自ら確認可能なデータベースとして活用できる体制にできました。自社契約書のひな形においては、クラウド契約上にアップすることで、ファイルが更新されてしまうリスクや権限管理、最新版がわかりづらいなどの懸念を払拭することができています。送信料や保管料がかからない料金体系なので、コストを気にせずに、最大限活用できるのは管理する側として大変ありがたいです。

「契約管理サービス」とうたっていますが、私は「マネーフォワード クラウド契約」にはあらゆる可能性があると感じています。弊社の場合、「契約」にとどまることなく「社内文書の証跡管理ツール・台帳管理ツール」として活用の幅を広げていますが、これはどの企業のディシジョンメーカーも困っている部分だと思うんですよね。だからこそ、今課題を抱えている多くの方に、クラウド契約には”契約業務以外の課題も解決できる可能性がある”ということを知ってもらえればと思っています。

 

ーーサービス導入後、実際の運用開始までに苦労した点や課題は何かありましたか

導入して最初に実施したのは過去の契約書の取り込みでしたが、当時はすべて個別に登録する必要がありとても大変でした。件数としては4000件近くあったと思います。

途方もない作業でしたが、近い将来に確実に訪れる検査・監査を見据えると、やるという選択肢しかありませんでしたね。というのも、企業が上場する際には、監査法人や証券会社、取引所をはじめとする多くの検査に対応する必要があります。銀行を舞台にした有名なドラマを思い浮かべて欲しいのですが、たとえば税務調査では、「この取引に関わる書類をすべて提出してください」「なぜこの契約内容になったのか経緯を説明してください」などのリクエストがあり、適切な対応ができない場合は「何か虚偽や不正があるのでは」と疑われてしまう可能性があるわけです。

調査の連絡は急なものが多いですが、契約書をはじめとした公的な書類を証跡も含めて普段から管理できていれば、いつ声がかかったとしても焦って準備をする必要はありません。我々も事前に準備をしていたからこそ、実際に調査が入った際には、「このID/PWで管理システムにログインできるので好きに見てください!」と自信をもって回答できました。システムで管理しているからこその信憑性もあり、監査する側も疑いようがないかなと。

今では、アップロード代行やAI読み取り機能などもあるとのことなので、同じ作業をするとしても大分ラクになると思います(笑)

ステージアップを見据えて。必要不可欠な検査や監査という目線を重視していた

ーー「マネーフォワード クラウド契約」の導入により、どういった効果を実感されていますか? 

複数利用していた業務ツールを1つにまとめられたことは大きな効果です。
法務相談を例に挙げると、元々はメールでの依頼受付だったのでやり取りが埋もれてしまう傾向にありました。また、社内の押印申請は別のワークフローサービスを利用していたのですが、事業部と法務部が内容に合意していたとしても、稟議の途中で役員からの指摘や経緯の確認が入り、差し戻される事象も発生していたんです。

最近では、法務相談もクラウド契約内の案件管理機能を活用する運用に移行しています。相談チャットに関係者全員を招待することで、経緯を含めて事前に確認ができる体制を整備することが可能になりました。また、相談からクラウド契約上で実施することで、契約書と法務相談時の履歴を紐づけた管理も実現できます。

これは上場準備の観点でも大変意味のあることだと感じていて。それこそ弊社に調査が入った当時は、なぜこの契約内容になったのか等、ひとつひとつの経緯を口頭で説明する必要がありました。案件管理機能を使えば契約書と法務相談時の履歴が紐づくので、経緯が一目でわかる状態になるのはとても便利だなと感じます。

ーー最後に、現在導入を検討されている方に向けて、ひと言メッセージをお願いいたします。

いまが創業期で、ただ目の前のことができれば良いのであれば、サービス選定にこだわる必要はないと思います。一方で、ステージアップを図りたいとき、検査や監査という目線は当然必要になります。もし上場を見据えているのであれば、自分たちのステージはいまどこなのか、現在のサービスや体制は充分なのかは、意識いただけたら良いのではないかなと思いました。

東京証券取引所はすべての株主に対して責任を負っているので、体制が整っていない会社を上場させて公開株とするわけにはいきませんよね。だからこそ、しっかりと管理されていることは必要不可欠です。弊社の場合は、マネーフォワードのサービスを活用することで、上場に向けた体制を構築できると実感しています。機能面や使いやすさの面では、気軽に要望を伝えられる環境もあるので、今後もより使いやすいサービスになることを期待しています。

ーー従業員の皆さま、そしてバックオフィス担当者の皆さまの負担をより軽減できるようなサービスづくりに尽力して参ります。貴重なお話をありがとうございました!

(ハイブリィド株式会社:https://www.hiblead.co.jp/