富士防災警備株式会社

年間約1万件の経費精算をクラウドに移行。小口現金と手入力をなくし、申請から仕訳業務までを効率化

富士防災警備株式会社 経理部長
戸田 綾子 様
  • 課題

    ・本社および全国約20か所の事業所で発生する立替経費を、各事業所で小口現金で精算していた。現金管理や小銭の準備、銀行での引き出し、警備員への手渡し対応など多くの手間がかかっていた。

    ・領収書の内容をExcelに転記し、経理担当者が目視で確認しながら会計システムへ手入力していた。経費申請は月間約800件、年間で実に1万件にのぼり、紙・Excel・手入力や押印を前提とした運用になっていた。

    ・請求書支払業務では、月300件ほどの請求書の大半を紙で受領。支払月や金額の入力間違い、支払漏れ、二重支払いなどが発生していた。

  • 結果

    ・経費精算のシステム化とビジネスカードの活用により、従業員へ現金を手渡しする手間や現金管理のリスクを削減。また、事業所での現金準備や、経理部での目視確認・手入力の負担軽減につながった。

    ・マネーフォワード クラウド経費の導入により、申請が届いたものから順次確認・承認できるようになった。月末に処理が集中していた経理業務が平準化され、経理部内で承認作業を分担しやすくなった。

    ・マネーフォワード クラウド債務支払の導入により、請求書の手入力作業や支払処理に関するミスが大きく減少。請求書の管理・確認をシステム上で一元管理できるようになり、支払漏れや二重支払い、金額間違いの防止につながった。

    ・システム上で状況を可視化できることで、内部統制の観点からも経費・支払業務の透明性が向上した。

小口現金と紙・Excel中心の経費精算体制を見直し、業務効率化へ
富士防災警備株式会社様では、本社および全国約20か所の事業所で発生する立替経費を、各事業所の小口現金で精算していました。領収書の内容をExcelに転記し、経理担当者が目視で確認しながら会計システムへ入力するなど、紙・Excel・手入力を前提とした運用に課題がありました。

今回は、マネーフォワード クラウド経費とマネーフォワード ビジネスカード、さらにマネーフォワード クラウド債務支払を導入した経緯をインタビュー。現金を使わない運用への移行や、導入後に感じた業務効率化の効果についてお伺いしました。

普段、業務でITツールを使う機会が少ない従業員も多いなか、いかにして新しいシステムを現場に定着させたのか? 独自の工夫が詰まった社内展開の裏側や、導入後の予期せぬ幸福な副産物のお話も、ぜひお読みいただきたい部分です。

年間約1万件の経費申請を、紙・Excel・小口現金で処理。「現場への現金手渡し」などアナログ運用が課題に

――会社の概要と事業内容について教えてください。

戸田様:富士防災警備株式会社は、1970年設立の総合セキュリティ会社です。創業から58期を迎え、従業員約1,000名の多くが警備員として現場を支えています。

常駐警備、機械警備、輸送警備、データ・セキュリティなどを手がけ、オフィスビルや各種施設、現金輸送など、幅広い分野の警備を行っています。

中でも、英語・外国語に対応できる警備員を配置できる点を強みとしており、外資系企業や外国人社員が在籍する企業、大使館・領事館などの警備を行うのが特徴です。

また、東日本大震災をきっかけに、社会課題への対応として防災事業も展開を開始しました。警備業に加えて、大学の研究者と共同で開発した地震予兆システムの提供も行っています。

――戸田様の担当業務と、所属部署の人数構成について教えてください。

戸田様:経理部は、請求書を発行するチームと、請求書を受け取って支払いを行うチームの2つに分かれています。私を除く6名が在籍していて、3名ずつでそれぞれの業務を担う体制です。

請求書の発行・送付、受領した請求書の支払い、経費精算などを、チームで役割分担しながら進めています。

――マネーフォワード クラウド経費の導入前は、どのような流れで経費申請を行っていましたか?

戸田様:本社および全国約20か所の事業所で発生する立替経費は、各事業所で管理している小口現金で精算していました。

経費精算の内容は、交通費や駐車場代、コンビニ・ホームセンターで購入する雑費、切手代、FAX代、健康診断費用、飲食代、接待交際費など多岐にわたります。

申請時には、申請書の記入・押印やExcelへの転記作業が必要でした。経理担当者はExcelデータを確認しながら会計システムへ手入力を行っていました。

経費申請は月間約800件、年間では約1万件にのぼるため、非常に大きな業務負荷がかかっていたと思います。

――小口現金での経費精算には、どのような課題がありましたか?

戸田様:各事業所では手提げ金庫で現金を管理していました。現金が足りなくなると、事業所の担当者が近くの銀行まで行って現金を引き出し、小銭を用意して、ぴったりの金額を封筒に入れなければならず、精算のたびに多くの手間が発生していました。

紙やExcelでの回覧、証憑の提出、経理部での目視確認と入力作業もあり、ペーパーレス化・キャッシュレス化が進んでいない点が課題でした。

さらに、業界特有の悩みごととしては、様々な現場で勤務している警備員に、立替経費を手渡しする手間があったことです。警備員は事務員がいる営業所に来ることがあまりないため、事務員や所属長がわざわざ交通費をかけて現場まで届けに行く運用体制でした。現場まで出向いても本人が不在の場合もあり、担当者にとって負担が大きかったと思います。

こうした状況から、小口精算を廃止して、全社的に業務効率化をしたいと考えました。

――今回、併せてマネーフォワード ビジネスカードも導入いただきました。こちらはどういった経緯でしたか?

戸田様:当初は経費精算システムのみを導入し、経費は「給与と一緒に支払う」運用を想定していました。一度に導入することでの混乱を避けることと、社内からコーポレートカードの不正利用を懸念する声があがっていたためです。

しかし、一部の事業所でトライアル運用を始めたところ、立替額が多い従業員から「精算までの期間が空くと生活面での負担が大きい」という声があがりました。これまでの都度精算から給与合算での支払いに変わることで、立て替えの負担が明確になったのです。

そこで解決策となったのが、マネーフォワード ビジネスカードでした。カードの利用情報が即時に連携されるため、万が一不正利用があってもすぐに検知できます。上層部に対して「従業員の立替負担の軽減」と「不正利用の防止」の両立ができると説明できたことで、クラウド経費とあわせて検討する流れになりました。

※編注:マネーフォワード ビジネスカードの不正利用対策について
即時連携による不正検知に加え、以下の機能でより強固なガバナンス強化が可能です。
・決済金額や支払先の制限:1回・1ヶ月ごとの上限金額の設定や、決済可能な支払先の指定が可能です。
・Web上での即時利用停止:万が一の盗難・紛失時も、カード会社に連絡することなくWeb上で即座に利用停止手続きが完結します。

誰でも迷わず使える操作性を重視。現場を支える一人ひとりの警備員が使いやすいシステムを比較検討

――どのような流れでシステムを探しましたか?導入検討を開始したきっかけを教えてください。

戸田様:2025年4月に入社した際、まず経費精算の運用状況を確認しました。そのなかで、キャッシュレス化を進める必要性を強く感じたのがきっかけです。

前職では長く経費精算のキャッシュレス運用を経験していたこともあり、紙やExcel、小口現金を前提とした経費精算には、改善できる部分が大きいと感じました。

そこで入社後、複数の経理・経費精算システムについて資料請求をしたり、営業担当の方から説明を受けたりしながら検討を進めていきました。

――システムを比較するうえで、特に重視したポイントは何でしたか?

戸田様:最も重視したのは、実際に利用する従業員にとっての使いやすさです。当社では高齢の従業員も多く、ITリテラシーも人によって異なります。そのため、年代やITへの慣れにかかわらず、わかりやすく簡単に操作できること、画面が見やすいことを重視しました。

特に、スマートフォンで申請する場面を想定し、領収書の撮影や添付、申請内容の確認がスムーズにできるかを確認しました。

従業員は約1,000名いますが、実際に経費精算を利用するのは250名程度です。そのため、料金体系も重要な検討ポイントでした。

経理担当者の目線では、申請後の確認作業や仕訳情報の見やすさも重視しました。最終的な仕訳情報や合算仕訳を確認しやすいかどうかは、経理側の運用負担に関わるポイントでした。

――マネーフォワード クラウド経費を導入する決め手は何でしたか?

戸田様:マネーフォワード クラウド経費は、従業員側の画面がわかりやすく、スマートフォンからでも申請しやすい点が導入の決め手になりました。

領収書画像もタップしてすぐに確認できるため、申請内容を確認しやすいと感じました。比較したサービスのなかには、意外に、ひと手間挟むものもあったんですよね。対してマネーフォワード クラウドは、現場で使う従業員にとっても、確認する経理担当者にとっても、使いやすい画面設計だと思います。

また、料金体系も決め手の一つでした。発行したID数ではなく、実際にその月に利用した人数のみに課金される仕組みのため、従業員約1,000名のうち実際に経費精算を行う250名分のコストで運用できる点が、当社の実態に合っていました。

合算仕訳や最終的な仕訳情報を確認しやすい点も好評で、さすが会計業務を前提に作られたシステムだと感じました。

合算仕訳の画面イメージ

――検討途中に、マネーフォワード クラウドの導入事例を見て感じたことをお伺いできますか?

戸田様:社内からも、「うちの従業員に新しいシステムが使いこなせるか?」という意見が多くありました。そこでマネーフォワードの営業担当に相談したところ、従業員の年齢層や業種、人数規模が近い企業の導入事例をご紹介いただき、非常に参考になりました。

気になる点については、マネーフォワードの営業担当を通じて導入企業に質問させていただき、懸念点を一つひとつ解消していきました。

同じような業種・体制の企業で運用できていると確認できたため、「当社でも必ずできるはず」、と社内説明や上層部への提案材料としても大いに役立ちました。

上層部への事前説明とスモールスタートで、1000名規模の全社展開をスムーズに

――システム導入のスケジュール調整や社内稟議、導入段階で大変だったことはありますか?

戸田様:2025年度内の導入を見据えて、4月ごろから情報収集を始め、6〜7月には具体的な検討を進めていきました。最初から全国の事業所へ一斉に展開するのではなく、まずは数か所でトライアルを行い、その後に全国展開する計画を立てました。

トライアル実施は、社内で募集したところ、2つの営業所が手をあげてくれました。

一方で、経費精算のルール変更に伴い、立替経費を給与と同時に支払う運用へ変更することになったため、精算までの期間が空くことへの懸念はありました。そこで、立替額が大きい従業員や、生活面への影響が心配される従業員がいる場合は、必要に応じて臨時支払いで対応する方針を示しました。

ただ、結果として、導入後に臨時払いや仮払いはほぼありませんでした。事前に懸念点を想定し、例外対応の方針を用意しておいたことで、運用変更に対する不安を抑えながら導入を進められたと思います。

―― 一部導入から全社展開へ進めるうえで、現場への説明や活用を浸透させるために、どのような工夫をしましたか?

戸田様:試験的に運用した事業所の従業員は、比較的新しいシステムに抵抗がなかったため、大きな混乱なく運用を始められました。

ただ、全社展開に向けて事前の準備は入念に進めました。警備員が利用することを踏まえ、長い文章で説明するマニュアルではなく、画面ショットを添えた両面1枚もののマニュアルを作成したのがポイントです。

工夫したのは、操作する人が迷わないよう、できるだけ直感的に伝えることです。長い文章で説明すると難しく感じる方もいるため、「ここのボタンを押す」といったように、次に何をすればよいかがすぐに分かる表現を意識しました。

また、iPhone、Android、PCでは画面の見え方が異なるため、それぞれのマニュアルを色分けして作成しています。問い合わせがあった際も、「Androidですか」と聞くのではなく、「いま何色のマニュアルを見ていますか」と確認できるようにしました。端末の種類に詳しくない方でも、自分が見ているマニュアルを伝えやすくするためです。

社内の情報共有ツール(Teams)でも情報提供を行い、わからないことがあればいつでも電話してよいと案内しました。よくある質問は情報共有ツール上に集約し、同じ質問が繰り返されないようにしています。

現場の従業員が安心して使い始められるよう、操作説明はできるだけシンプルにし、問い合わせしやすい体制を整えました。

現金精算からキャッシュレス運用へ。経費処理を平準化し、休日出勤の負担も軽減

――マネーフォワード クラウド経費を導入後、経理部の業務にはどのような変化がありましたか?

戸田様:経理側では、手入力の負担が大きく減りました。以前は、領収書と明細がまとめて送られてくることが多く、締め切り前には経理担当者がレシートを確認しながら会計システムへ入力する作業が集中し、休日出勤して作業を行うこともありました。

導入後は、申請が届いたものから順次確認・承認できるようになり、承認作業も経費精算システムへの同時アクセスにより複数名で分担できるため、経理部内で手分けして対応しやすくなっています。

スマートフォンやPCから場所を選ばず経費申請できるのも魅力です。今後は、申請をためずに週1回程度のペースで出してもらえるよう社内に促し、経費精算業務をさらに平準化していきたいと考えています。

――事業所や現場の社員には、どのような変化がありましたか?

戸田様:事業所の事務員側からは、立替経費の精算時に警備員へ現金を手渡しする対応が不要になり、負担が軽くなったという声がありました。

また、経費精算の状況をシステム上で確認できるようになったことで、事業所ごとの対応状況も把握しやすくなりました。

――ビジネスカードは現在、どのように運用していますか?

戸田様:ビジネスカードは、従業員一人ひとりに持たせるのではなく、必要な事業所のみに配布し、各事業所には必要枚数を配布しています。

必要な経費をビジネスカードで支払えるようになったことで、事業所で現金を用意したり管理したりする負担は軽くなりました。

導入当初はカードの使い方で一部迷う場面もありましたが、運用を続けるなかで少しずつ定着し、従業員にも利便性が伝わってきたと感じています。

クラウド債務支払の導入で、請求書処理のミス削減にも着手

――今回、マネーフォワード クラウド債務支払も追加で導入いただきました。何をきっかけに導入を進めて、どのような効果を得られたかお伺いできますか?

戸田様:債務支払では、月300件ほどの請求書を処理しています。当時は請求書の大半を紙で受領しており、メールで届いた請求書も印刷したうえで、内容をExcelや会計システムに手入力していました。その過程で、支払月や金額の入力間違い、支払漏れ、二重支払いなどが発生していたため、請求書を一元管理し、ミスを減らすことが課題でした。

また、事業所で請求書を受領するケースもあり、事業所側の作業負担を減らしたいという意図もありました。

当初は、経費精算の運用が落ち着いてから債務支払の見直しを検討する予定でした。ただ、マネーフォワードからクラウド債務支払の提案を受けたことに加え、電子帳簿保存法への対応も必要だったため、上層部に導入を提案しました。

クラウド債務支払は、ひとまず経理部内の利用に限定して導入しており、全社展開が必要な経費精算よりもスムーズに導入を進められました。

――クラウド債務支払の導入後、どのような変化がありましたか?

戸田様:導入後は、請求書の内容を手入力する作業や、支払処理に関するミスが削減できました。クラウド債務支払を導入したことで、請求書の管理や確認をシステム上で行いやすくなり、支払漏れや二重支払い、金額間違いの防止につながっています。

請求書を一元管理できたことで、経理部内での確認もしやすくなりました。今後は、勘定科目の誤りなどもさらに減らし、支払処理全体の精度を高めていきたいと考えています。

1つのプラットフォームに情報を集約し、より見通しのよい管理体制へ

――今後のチーム体制や業務についてお考えになっていることがあれば教えてください。

戸田様:社内のDX化は、まだこれから進めていく段階だと感じています。今後もプロダクト導入や業務改善は、前向きに検討していきたいです。

今回導入したクラウド経費やクラウド債務支払のように、関係者が同じプラットフォームを確認できる状態になると、管理もしやすくなります。

今後は、複数の業務を個別に管理するのではなく、1つのプラットフォームに機能を集約し、会社全体で業務を見える化していきたいと考えています。次のステップとして、会計システムまわりの業務改善も前向きに検討していきたいです。

――導入を検討している企業に向けて、メッセージをお願いします。

戸田様:導入時には、仕訳データのエクスポート設定や承認ワークフローの設定など、一定の作業が発生します。ただ、マネーフォワードの導入支援担当の方に様々な疑問点や、どう設定すれば希望通りの運用ができるのか、具体的にアドバイスいただけたので、運用が始まってからは想定していたほど大きな負荷はありませんでした。

機能面では、チャット機能も便利に活用しています。申請内容に対して補足コメントを入れられるだけでなく、上司から部下へ「対応ありがとうございます」「応援に行ってくれてありがとう」「お疲れさまでした」といった声かけにも使われています。

経費精算のためのシステムでありながら、社内コミュニケーションのきっかけにもなっている点は、とてもよかったと感じています。

紙やExcel、小口現金の運用に課題を感じている企業にとって、マネーフォワードのサポートを受けながら無理なく進めるという選択肢は、大きな解決の糸口になるはずです。

公開日:2026年7月7日 公開当時の情報となります

今回の導入サービス

富士防災警備株式会社
当社は1970年創業の警備会社で、おかげさまで50年以上にわたりご愛顧いただいております。常駐警備・巡回警備を中心に、輸送警備や機械警備、遠隔監視など幅広いサービスを提供しています。外資系オフィスや国際的なデータセンターの警備実績を有し、英語対応が可能な警備員による高付加価値サービスを強みとしています。警備にとどまらず、書類保管事業などお客様のニーズに応じたサービスも展開しています。さらに大地震や大雪といった社会課題の解決に向け取り組んでおり、地震情報の配信や除雪ロボットの開発も進めています。