株式会社SmartHR

UIの直感性が決め手。煩雑だった固定資産業務を標準化・ミスほぼゼロに

株式会社SmartHR
経営管理統括本部 経理本部 コアオペレーションユニット 大野 依子様
経営管理統括本部 経理本部 ディスクロージャーユニット 佐藤 麻莉奈様
  • 課題

    ・OS環境の違いで業務が属人化し、データ移行が複雑だった
    ・月次作業で手作業が多く、工数(1〜2営業日)を要していた
    ・UIが直感的でなく、操作に慣れるまで時間がかかっていた

  • 結果

    ・システム操作性のハードルが低下し、業務が標準化された
    ・固定資産業務の工数が半日未満に短縮され、手作業が解消された
    ・直感的なUI/UXと自動仕訳で、ミスと心理的な負担が減少した

目指すは「正確な決算プロセス」。SmartHR経理部門のミッションと体制
従業員の入社手続から年末調整まで、煩雑な人事労務手続をクラウドで効率化するサービス「SmartHR」を提供する株式会社SmartHR 。「労働にまつわる社会課題をなくし、誰もがその人らしく働ける社会をつくる。」というミッションのもと、同社自身も経理業務の効率化と正確性の向上に日々取り組んでいます。

旧システムでの推奨OSと自社の標準OSの環境ギャップ、複雑な操作性による属人化などの複数の課題をお持ちでした。今回は、マネーフォワード クラウド固定資産の導入の背景から具体的な効果、そして今後の展望について、経理部門の大野様と佐藤様にお話を伺いました。

9人体制でグループ4社を分担。経理部門の目標は「正確な決算プロセスの実現」

――まずは、貴社経理部門の体制や目標について教えてください。

大野様:弊社の経理部門は、部門責任者を含む9人で構成され、グループ会社を含む4社の経理業務を行っています。

佐藤様:経理部門が掲げるミッションは「すべての仲間に信頼ある財務数値を届け続けよう」、そして、具体的な目標として「一秒でも早く、昨日よりも正確な決算プロセスを作り上げる」ことを掲げています。

――お二方のそれぞれの主な業務内容や役割についてもお聞かせください。

大野様:私は単体決算業務を担当しており、SmartHRとグループ会社1社を受け持っています。今回のシステム移行前までは、SmartHRの固定資産業務をメインで担当していました。

佐藤様:私は連結決算業務や開示業務がメイン担当になりますが、今年からSmartHRの単体決算業務の一部とグループ会社1社も担当しています。固定資産業務は今回のシステム移行を機に、大野から引き継ぎを受けた形となります。

非効率な手作業とシステムの使いづらさが生んだ業務ストレス

――以前利用されていた固定資産管理システムを刷新しようと考えられた一番の背景を教えてください。

大野様:弊社は全社的にmacOSを使っているのですが、旧システムはWindows環境でしか使えないという点が大きなネックでした 。これが原因で、業務が属人化してしまうという課題がありました。

――属人化というのは、具体的にはどのような状況で発生していたのでしょうか?

大野様:まず、データの保存やリモート環境を介したやり取りがかなり複雑でした。macOS環境からWindowsへデータを移行する際に労力がかかり、操作に慣れるまでは、フォルダへのデータ格納といった基本的な作業でさえ煩雑に感じていました。このデータのやり取りなどを含めて、固定資産業務を他の人に引き継ぐのはかなり大変だと思っていました。

また、旧システムはUIが直感的ではなく、使いづらさを感じていました。例えば、取得資産の登録をする際の最初に入るメニュータイトルが、「資産の取得」などではなく直感的には判断しにくい名称でした。固定資産業務は月次で1度しかおこなわない作業が多いため、システム上で資産の取得メニューはどこから選択すればよかったか、毎回マニュアルを確認しながら作業することが多く、操作に慣れるまで結構時間がかかったと思います。

――旧システムを使っていたとき、月次の固定資産業務にはどれくらいの工数がかかっていたのでしょうか?

大野様:旧システム時は、減価償却を計上するにあたって、固定資産台帳を出力してピボットを組んで金額を算出し、会計システムに手入力するなど、ファイルの加工作業が多かったため、他の月次決算の締め業務と並行しながら、1~2営業日程度かかっていました。

決め手は「直感的な使いやすさ」と他プロダクトとのシームレスな連携

――他社システムもある中で、マネーフォワード クラウド固定資産を選んでいただいた決め手は何だったのでしょうか?

大野様:やはり、直感的に使えるUI・UXの良さが決め手でした。

佐藤様:弊社ではクラウド会計Plusやクラウド連結会計を使用しているため、その信頼感も大きかったです。画面構成や操作方法にも統一感があるため、一つ知っていれば、他のシステムも割と触りやすいというのがありました。 私は単体決算業務を担当し始めたのが最近で、固定資産業務も大野から引き継いだばかりなのですが、クラウド固定資産は他のマネーフォワード クラウドと同様に非常に使いやすく、1日かからず引き継ぐことができました。

また、導入後のサポートの手厚さも、大きな決め手の一つでした。旧システム利用時はメールのレスポンスに時間がかかることもありましたが、マネーフォワードさんは質問に対しての回答がとても早く正確かつ丁寧でいつも助かっています。

――自動化・生産性向上を目指す中で、仕訳の自動生成機能は重要でしたか。

大野様:はい、以前は手作業で仕訳を入力していましたが、自動仕訳を生成できることで人の手を介在せずミスを防止できるところは、非常によい点だと感じています。

佐藤様:「一秒でも早く、昨日より正確な決算プロセスを作り上げる」を実現するにあたって、自動化できる部分はどんどん自動化していきたいスタンスであったため、クラウド固定資産側で自動仕訳を生成し、既に導入しているクラウド会計PlusとAPIによるシームレスな連携が可能になる点は大きな魅力でした。

固定資産業務にかかる作業時間を半分以下に短縮し、業務を標準化

――導入後、以前と比較して固定資産業務はどれくらい短縮されたでしょうか。また、業務フローはどのように変更されましたか。

大野様:固定資産業務の工数は大幅に削減され、1〜2営業日かかっていたものが、現在では半日かからないほどに短縮されています。 以前はピボットを組んで手入力で仕訳を計上していましたが、現在はシステムが自動集計し、API連携によって自動で仕訳を作成できるようになったのが大きな要因です。

この仕組みによって、資産取得後はボタン操作のみで仕訳が生成されるため、手動作業に伴う人的ミスや確認負担が大幅に減少しました。 これに合わせて業務フローも見直し、システム仕様に沿った形で標準化を進めています。

――機能面で特に良かった点はありますか。

佐藤様:これまで表計算ソフトで別管理していた税務資産(会計上は評価していないが、税務上償却が必要なもの)を今期から全てクラウド固定資産で管理しています 。クラウド固定資産から出力した別表十六をそのまま使えるので税務台帳を備えているのは嬉しい機能ですね。総じて、クラウド上で完結し、会計・税務の双方で整合性を取りながら運用できる点は非常に魅力的だと感じています。

――経理部門全体の心理的な負担は軽減されましたか。

大野様:はい、手動でのデータの突合や入力ミスへの懸念がなくなったので、心理的な負担は大きく減りました。また、固定資産業務の具体的な作業内容を経理内で共有できるようになったのは、業務改善した点だと思います。

「正確な決算」を目指し、業務標準化と制度アップデートへ

――経理部門のミッション「一秒でも早く、昨日よりも正確に」の実現に向けて、システム導入はどのように役立っているでしょうか。

佐藤様:固定資産は科目の性質上、取引の金額規模が比較的大きく、税務申告にも直接影響を及ぼすため、会計処理の正確性がとても重要と考えています。この点、自動化できるところは自動化し、工数を削減しながらミスを防げる仕組みを構築できたことは、「一秒でも早く・昨日よりも正確に」の実現に大きく寄与しているのではないかと思います。

――今後、マネーフォワード クラウド固定資産に期待する機能はありますか。

大野様:開発が非常に早いと感じており、導入前に要望していた加速償却機能などもリリースされていて驚きました。今後期待する機能としては、見積りの変更(耐用年数・残存価格等)があった場合の償却スケジュールの調整機能があると実務上よりフィットすると感じました。

――今後のチームの強化ポイントについてお聞かせください。

大野様:今後も会社の成長に合わせて過去の業務プロセスの見直しが必要になってくる場面が出てくると思います。また、社員の増加に合わせて、会社の運用ルールと従業員の要望をマッチングさせるためにも「制度と運用ルールのアップデート」を進めていきたいと思っています。

佐藤様:固定資産業務は取得、除売却、減価償却、リース、減損など論点がたくさんあり、難易度が比較的高い業務ですが、クラウド固定資産は誰でも使いやすく、システム操作性のハードルは低くなったため、今後はこの業務を一つの担当に留めず、みんなが担当できるようにすることで、経理部門全体のスキルアップに繋げたいと考えています。

――最後に、マネーフォワード クラウド固定資産の導入を検討されている企業へ、おすすめのポイントやメッセージをお願いします。

大野様:やはり、直感的に使いやすいのは大きなメリットだと思います 。マネーフォワード クラウドの他システムとの連携がスムーズなことや、自動仕訳を生成できることでミス発生を防止できるという点も、どんな企業にもおすすめできます。

佐藤様:直感的に使いやすいUIが最大の魅力で、初めて触れる方でも迷うことなく操作ができ、導入初期からスムーズに実務へ移行できます。また、取得から償却計算、仕訳生成に至るまでの流れがシンプルに整理されており、月次・年次決算時の確認作業において、必要な情報へすぐアクセスできるのもおすすめできるポイントです。

公開日:2025年12月24日 公開当時の情報となります

株式会社SmartHR
2015年にクラウド人事労務ソフト「SmartHR」を提供開始。勤怠管理・給与計算を含む労務管理をペーパーレス化し業務効率化を叶える機能にくわえ、蓄積された情報を活用し組織戦略を支援する「人事評価」、「配置シミュレーション」などのタレントマネジメント機能や採用活動から従業員登録までを一元化する「採用管理」機能を提供。さらに、外部システムとの豊富な連携や、アプリストア「SmartHR Plus」を通じて、幅広い顧客ニーズに対応したサービスを提供しています。 SmartHRは、労働にまつわる社会課題をなくし、誰もがその人らしく働ける社会の実現を目指し、働くすべての人の生産性向上を後押ししています。