• 更新日 : 2020年6月10日

加工費とは

加工費とは、総合原価計算の概念において製造原価から直接材料費(原料費)を除いたものを指す。加工費は原料費と対をなす概念であり、加工費と原料費の合計額が製造原価となる。
総合原価計算とは、個別原価計算と異なり原価計算期間ごとに発生した製造原価を集計し、それを生産量で割って製品の単位原価を求める方法である。総合原価計算においては加工費と直接材料費との関係・分類の理解が非常に重要とされる。

加工費の考え方

総合原価計算の考え方では、製造原価は「製造直接費」と「製造間接費」のふたつから構成される。
また、これらふたつはそれぞれ「材料費」「労務費」「経費」の3種類に分類することができる。
加工費はこのうち「直接材料費」を除くすべてを合算したものとなり、製造間接費、直接労務費、間接労務費、直接経費、間接経費のすべてが加工費に含まれる。

直接材料費とはなにか?

加工費と対をなす概念である直接材料費は「主要材料費(または原料費)」と「買入部品費」に分類できる。主要材料費とは「製品の主たる実体を構成する材料の取得にかかる費用」のことで、たとえば自動車であれば鋼板、衣類であれば生地などがこれにあたる。
買入部品費とは、外部から購入して取り付ける部品である。自動車ならタイヤなど、衣料ならボタンやファスナーなどがこれにあたる。
これを逆にいえば、製造原価のうち主要材料費と買入部品費以外はすべて加工費ということになり、加工費がいかに広範な概念を包括するかが対照的といえる。

加工費工程別総合原価計算について

加工費工程別総合原価計算とは、直接材料費の単価が一定であり、工程別に直接材料費を計算する必要がない場合に用いられる原価計算法である(加工費法ともいわれる)。加工費工程別総合原価計算では直接材料費については工程別計算を行わず、全工程を単一工程とみなし、各工程別に加工費を集計する。これに直接材料費を加えたものが完成品総合原価となる。

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