- 作成日 : 2025年8月8日
ぐるなびと食べログはどっちが集客に強い？飲食店のタイプで比較
飲食店の集客を考える際、ぐるなびと食べログ、どちらのグルメサイトが良いのでしょうか。結論として、どちらか一方が圧倒的に集客に強いとは一概には言えません。お店の業態、ターゲット層、集客戦略によって最適な選択は異なります。
この記事では、ぐるなびと食べログそれぞれの特徴、集客効果、掲載料金、そして向いている飲食店の違いを比較し、最適な選択ができるように解説します。
目次
ぐるなびと食べログの特徴を比較
ぐるなびと食べログは、日本の二大グルメサイトとして広く利用されていますが、その特徴は異なります。
利用者層と掲載店舗の違い
ぐるなびの月間ユーザー数は約4,400万人です。特に宴会や団体利用のニーズに強く、ビジネス層や大人数の予約を探すユーザーに多く利用されています。多言語対応に力を入れており、インバウンド集客にも力を入れているのが特徴です。
食べログは、月間利用者数は1億10万人と国内最大級を誇り、掲載店舗数は約87万店（2025年3 月時点）に達します。 ユーザーの口コミや評価が中心となるサイトで、個人利用や少人数での食事場所を探す際に多く参照されます。
予約機能と情報掲載の違い
ぐるなびは、多様な宴会プランやコース料理の掲載に力を入れています。オンライン予約機能も充実しており、幹事向けに特化した情報提供が目立ちます。店舗側は、詳細なコース内容や座席情報などを細かく設定できます。
食べログは、ユーザーによるリアルな口コミと点数評価が強みです。
お店の雰囲気や料理の味、サービスに関する具体的な感想が多数掲載されており、ユーザーはそれらを参考に店を選びます。有料プランでは、写真の掲載枚数を増やしたり、上位表示対策を強化したりできます。
ぐるなびと食べログの比較表
| 項目 | ぐるなび | 食べログ |
|---|---|---|
| 主な利用者層 | 宴会・団体利用、ビジネス層、インバウンド | 個人・少人数利用、リアルな口コミ重視層 |
| 月間利用者数 | 約4,400万人 | 約１億１０万人（2025年3月時点） |
| 掲載店舗数 | 約124,000店舗 | 約87万店舗 |
| 予約機能 | 〇（オンライン予約充実、幹事向け情報） | 〇（オンライン予約可能） |
| 口コミ機能 | 〇（ユーザー投稿あり） | 〇（サイトの核となる点数評価と口コミ） |
| 評判形成 | コース内容や店の魅力による訴求 | ユーザーの点数評価と口コミが中心 |
| クーポン | 〇（多様なクーポンを提供） | 〇（一部プランで提供） |
| ポイント連携 | 〇（主要ポイントサービスと連携） | 〇（Vポイント、PayPayポイントなど） |
| 多言語対応 | 〇（インバウンド集客に注力） | △（一部対応） |
| 写真掲載 | 〇（詳細なコース写真など） | 〇（有料プランで枚数増加、充実度アップ） |
| 上位表示対策 | 〇（プランにより優遇あり） | 〇（有料プランで優遇あり、高評価も影響） |
| 得意な業態 | 居酒屋、焼肉、中華、ダイニングバーなど | カフェ、洋食、和食、ラーメンなど |
ぐるなびと食べログの集客効果の比較
ぐるなびは宴会プラン検索など販促機能が充実しているため「予約・販促」を狙う際に、食べログは口コミ評価がサイトの根幹をなすため「評判の蓄積」による安定集客を目指す際に、それぞれ強みを発揮する傾向があると言われています。
どちらの媒体が良いかは、業態や客層、狙うタイミングによって変わります。新規を一気に取り込みたいならぐるなび、着実に評価を育てたいなら食べログ、というように明確な目的をもって使い分けることが効果を最大化するポイントです。
新規顧客の獲得方法の違い
ぐるなびは、目的型のユーザーを取り込む構造です。
ぐるなびを使うユーザーは、あらかじめ「〇人で宴会したい」「コースで予約したい」という具体的なニーズを持っているケースが多く、団体や法人利用が主です。検索機能もコース有無、人数、個室の有無などを細かく指定できるため、条件を絞って探す予約志向の強いユーザーに使われています。
例えば、「飲み放題付きコース4000円」「10名以上で個室確約」「歓送迎会プラン」などを明確に打ち出すことで、新規ユーザーが一括予約する確率が上がります。さらに、季節ごとのキャンペーンやコース更新を行うことで、イベント利用の新規集客にもつながります。
食べログは、比較型・評価重視のユーザーに強く反応します。
食べログの利用者は「どの店が良いか」を比較してから選ぶ傾向があります。点数・レビュー・料理写真・投稿数などが一覧で表示されるため、ユーザーは“選ぶ理由”を持って来店を決めます。特に都市部では「今いる場所で一番評価が高い店に行く」というようなリアルタイム検索の利用が目立ちます。
検索上位に表示されるためには、高評価の口コミが必要ですが、それが積み重なると自然検索でも強くなり、定常的な新規流入につながります。たとえば「ボリューム満点のランチ」「丁寧な接客」など、具体的な体験談が信頼を後押しします。
リピーター獲得の違い
ぐるなびは販促機能を活かして再来店を促せます。
ぐるなびには、ポイント付与や来店回数に応じたクーポン配信、メルマガ、季節キャンペーンといった販促機能が揃っています。例えば、「2回目来店で使える500円オフ」「誕生日月限定コース」など、店舗側が主体的にリピーター向けの仕組みを作ることができます。ポイント施策もぐるなび独自の会員制度と連動しており、一定の来店習慣が生まれやすくなります。
食べログは口コミの積み重ねによって信頼が形成されます。
リピーターを直接的に動かす販促機能は少ないものの、「良い店」としてのポジションが固定されると、それが強力なブランド資産となります。一度訪れた人が「この店、また行きたい」と感じて口コミを書き、それが別の来店を生み、さらに評価が高まるという流れです。
ユーザー自身が“ファン”となり、SNSやブログで紹介することで、販促費をかけずに再来店の導線ができていきます。食べログでは、良質なサービスと一貫した体験価値の提供が最大のブランディングになります。
ブランディングの方向の違い
ぐるなびは、キャンペーンや特典での“能動的ブランディング”に強みがあります。
自ら情報発信をし、クーポンやDM、キャンペーンと連動することで、自店の魅力や利用価値を明確に伝えることができます。季節感を活かしたフェアや、イベントプランなどを通じて、「何度来ても楽しめる店」という印象づけができます。
食べログは、ユーザー目線での“受動的ブランディング”が中心です。
食べログ上の店のイメージは、ほぼすべて口コミによって形成されます。良い口コミが継続的に蓄積されると、「エリア内で評価の高い〇〇料理の店」などのポジションが定着します。この信頼は広告では作れず、ユーザーが店を支持してはじめて成立するため、日々の接客や料理の質が集客を左右します。
ぐるなびと食べログの掲載料金と契約形態
ぐるなびと食べログの掲載には、無料プランと有料プランがあり、それぞれ料金体系と契約形態が異なります。
無料プランと有料プランの料金比較
| 項目 | ぐるなび | 食べログ |
|---|---|---|
| 無料プラン（スタートプラン） | 月額固定費：0円 予約手数料： ランチ1名あたり41円、 ディナー1名あたり205円（税込） | 月額固定費：0円 予約手数料： ランチ1名あたり100円、 ディナー1名あたり200円（税込） |
| 有料プラン | 月額固定費：あり （例：ライト11,000円、ベーシック33,000円） 予約手数料： ランチ1名あたり11円～、 ディナー1名あたり55円～（税込） | 月額固定費：あり （例：ライト10,000円、ベーシック25,000円、プレミアム5 50,000円、プレミアム10 100,000円） 予約手数料： ランチ1名あたり100円、 ディナー1名あたり200円（税込） |
| 特徴 |
| 無料プランでも基本的な店舗情報掲載は可能。 有料プランは月額固定費で、上位表示や表現力の強化、バナー広告などの機能が追加。 |
ぐるなびには無料の「スタートプラン」があります。このプランでは、ランチ予約1名あたり41円（税込）、ディナー予約1名あたり205円（税込）の予約手数料が発生します。有料プランになると、予約手数料は大幅に下がり、ランチ1名あたり11円～、ディナー1名あたり55円～となります。有料プランは月額固定費がかかる形式が多いです。
食べログも無料の「店舗会員登録」が可能です。無料・有料プランともに、ネット予約に対してランチ1名あたり100円（税込）、ディナー1名あたり200円（税込）の予約手数料が発生します。食べログの有料プランは、月額固定費（1万円～）を支払うことで、検索結果での露出強化やページの表現力向上などの機能を利用できる仕組みです。
※料金やプラン内容は2025年7月時点の情報です。最新の内容は各サービスの公式サイトでご確認ください。
契約形態と支払い方法
ぐるなび、食べログともに、有料プランでは月額制の契約が一般的です。契約期間はサイトやプランによって異なりますが、半年や1年単位での契約が多いです。支払い方法は、口座振替やクレジットカードが利用できます。無料プランの場合、予約手数料が発生した際に支払いが生じる仕組みです。
ぐるなびと食べログに向いている飲食店の特徴
お店のタイプによって、ぐるなびと食べログのどちらがより集客に適しているかが異なります。
ぐるなびに向いている店舗
ぐるなびは、団体予約や宴会利用を狙いたい店舗に適しています。
居酒屋、焼肉店、中華料理店、ダイニングバーなど、コース料理や飲み放題プランがある業態とは特に相性が良く、ぐるなびの予約導線やコース掲載機能を活かしやすくなります。
- 宴会や団体利用が多い店舗
歓送迎会、忘年会、地域の集まりなど、10名以上の予約を受け入れることが多い店では、ぐるなびのコース表示や人数検索が強力な武器になります。 - 法人利用・接待のあるエリアの店舗
オフィス街や繁華街に位置し、会社員の飲み会や取引先との会食が多い店舗では、ぐるなび経由の予約率が高くなります。 - 販促キャンペーンを積極的に行いたい店舗
クーポンやイベント、メルマガ配信で能動的に集客施策を実施したい店は、ぐるなびの機能が活かせます。平日や季節イベントでの集客を狙いやすい設計です。
ぐるなびはまた、販促機能（クーポン・ポイント・メルマガなど）も充実しており、平日対策やリピート施策にも強く、多言語対応も可能なため観光エリアの飲食店にも活用しやすいです。
食べログに向いている店舗
食べログは、少人数・個人客の来店を重視する店舗に向いています。カフェ、和食店、洋食店、ラーメン店など、質に自信のある店ほど伸びしろが大きい媒体です。
- 個人利用・カップル・少人数向け店舗
1〜2人での外食を探している人に強い媒体なので、居酒屋、小料理屋、バル、カフェなどは食べログ向きです。 - 口コミ評価で集客につなげたい新規店
開業直後の店舗であっても、初期に高評価の口コミを集めれば検索上位に出やすく、早期の集客効果が期待できます。 - 都市部・繁華街にある競争の激しい店舗
競合が多いエリアでは、比較検討される機会が多く、点数と写真で印象を決められるため、しっかり運用できれば大きな集客効果があります。
特に新規開業の店は、オープン直後から高評価のレビューを獲得することで検索上位に入りやすくなり、広告費をかけずに早期集客を実現しやすい点も魅力です。
両方を併用すべき飲食店の特徴
複数の客層・時間帯をカバーする飲食店では、ぐるなびと食べログの併用がベストなケースもあります。それぞれの媒体に対して、異なる情報設計を行うと効果的です。
例えば、ぐるなびでは団体予約を確保しつつ、食べログでは自然検索から個人客を取り込むといったように、媒体ごとの強みを同時に活かす戦略が取れます。
- 平日と週末で客層が異なる店舗
平日は法人・団体、週末はカップルやファミリーといったように利用目的が分かれる店は、ぐるなびと食べログの併用で幅広く集客できます。 - 新規とリピーターをバランスよく増やしたい店舗
新規は食べログ、再来店はぐるなびの販促機能で促すといった使い分けが有効です。 - 複数の業態を運営している店舗
ランチ中心のカフェと夜の居酒屋を併設しているなど、時間帯やメニューで客層が異なる場合は、両方の媒体の特性を活かすと効果が上がります。
ぐるなび・食べログに掲載する際の注意点
グルメサイトに掲載する際には、いくつかの注意点があります。
写真・メニュー情報は常に最新に
掲載する情報が古いと、お客様からの信頼を失い、来店につながりません。ぐるなびでも食べログでも、料理の写真やメニュー内容、価格は常に最新の状態に保つことが非常に重要です。例えば、食べログではユーザーが視覚的に他店と比較する場面が多いです。そのため、「写真と実物が違う」「メニューに載っていない料理を期待して来店した」といった事態は、お客様の不満を招き、低い評価につながってしまいます。
ぐるなびでは、宴会コースやキャンペーン情報が時期に合っていないと、せっかくの予約のチャンスを逃してしまいます。季節限定のメニューや特別なプランは、提供期間が終わったらすぐに情報を更新しましょう。
口コミ対応は丁寧に行う
食べログでは、口コミがそのまま評価・検索順位・集客に直結します。ネガティブな投稿が入った場合、感情的に反応せず、冷静に内容を読み取り、誠意をもって対応することが大切です。
ぐるなびでもお客様が投稿した口コミに返信したり、店舗情報をこまめに更新したりすることで、「活気のある、お客様を大切にする店」という印象を与えられます。
口コミを放置せず、返信や更新などで“動いている店”である印象を与えることが効果的です。
プラン変更・解約条件を事前に確認する
食べログやぐるなびの有料プランには、それぞれ最低契約期間が設けられていたり、途中での解約に制限があったりする場合があります。
契約時には、「契約期間」「途中解約時の違約金」「プラン変更可能なタイミング」などを必ず確認しましょう。営業担当者とのやりとりだけで判断せず、契約書の細部までチェックすることが推奨されます。
出典：食べログ店舗会員向け集客サービスに関する特記事項（プランS以外）
出典：ぐるなびPROの飲食店支援サービス
定期的に効果測定を行う
どのページがどれくらい閲覧されたか、予約数が何件あったか、アクセスが増えたタイミングはいつかなど、数値を見て改善を繰り返すことが成果につながります。
ぐるなびではクーポン利用数や予約件数、食べログではアクセス数や予約コンバージョンが管理画面で確認できます。定期的に振り返ることで、「ただの掲載」から「戦略的な活用」へ変化させることができます。
ぐるなび・食べログ以外の飲食店向け集客ツール
ぐるなびや食べログ以外にも、飲食店が集客に活用できる他の集客ツールも検討することが効果的です。
ホットペッパーグルメは広範囲にリーチできる
ホットペッパーグルメは、リクルートが運営する大手予約ポータルサイトです。20代〜40代のユーザーに広く使われ、クーポン利用を目的としたユーザーが多いのが特徴です。
月間利用者数も多く、Pontaポイントやリクルートポイントが利用できるため、ポイントを貯めてお得に食事をしたい層に響きます。
特に若い世代やファミリー層の集客を考える場合に有効な媒体です。無料掲載プランも提供しており、予約手数料が発生する仕組みです。
出典：ポイント利用での予約方法
LINE公式アカウントでクーポン配布
LINE公式アカウントは、再来店促進や限定情報の配信に向いています。スタンプカードやクーポン配信、チャットによる問い合わせ対応ができるため、リピーターとの接点を持ちたい店舗に有効です。
例えば、新メニューの案内や期間限定のキャンペーン情報、誕生日特典などを配信することで、お客様の再来店を促すことが可能です。お客様からの問い合わせにチャットで対応したり、スタンプカード機能で来店を促したりと、きめ細やかな顧客対応にも役立ちます。
SNS（Instagram、X、TikTok）でお店の魅力を伝える
Instagram、X（旧Twitter）、TikTokなどのSNSは、お店の魅力を視覚的に伝え、潜在顧客に広くリーチするための強力なツールです。
特にInstagramは、Instagramは、料理や内装、雰囲気などのビジュアル訴求に最適です。特に女性や若年層のフォロワーが多く、ハッシュタグやストーリーズで拡散力もあります。
Xはリアルタイムな情報発信に向いており、今日のランチや急な空席情報を素早く伝えられます。
TikTokは短い動画で料理を作る過程やお店の楽しい雰囲気を表現でき、若い世代を中心に大きな拡散力を持ちます。
これらのSNSを通じて、お店の個性やストーリーを発信し、ファンを増やすことが集客につながります。
Googleビジネスプロフィールはベースとして必須
Googleビジネスプロフィールは、Google検索やGoogleマップ上で店舗を探すユーザーにお店の情報を表示します。ここに登録することで、ユーザーが「エリア名＋業態名」（例：新宿 イタリアン）で検索した際に、お店の情報が上位に表示されやすくなります。
無料で利用できるにもかかわらず、住所、営業時間、写真、口コミ、メニューなどの情報をコントロールできるため、「最低限やるべき集客対策」として多くの店舗が導入しています。
ぐるなび 食べログを比較して飲食店に合う集客方法を選ぶ
ぐるなびと食べログは、それぞれ異なる強みを持つ集客ツールです。ぐるなびは団体予約や法人利用に強く、販促機能でリピーター獲得にも活用できます。食べログは口コミ評価をもとに個人客の新規来店を促し、長期的なブランディングに適しています。
業態や客層に応じて片方を選ぶだけでなく、役割を分けて併用することで集客の幅が広がります。
さらに、GoogleビジネスプロフィールやSNSもあわせて運用することで、認知と来店を安定して伸ばすことが可能です。大切なのは、自店の目的に合った手段を明確に選び、継続的に活用することです。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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