-出版業界向け-請求書ソフトの選び方・よくある課題・導入事例
更新日:2024年4月12日
出版業界の現状と課題、DXや業務効率化の必要性
出版業界は急速なデジタル化と読者行動の変化に直面しています。デジタルメディアの拡大により、電子書籍やオンラインプラットフォームが台頭し、出版物の形態や販売手法が多様化しています。年々電子出版の割合が増えており、2022年時点で3分の1が電子書籍での出版となっています。
出典:出版科学研究所オンライン「出版月報」
この変化に迅速かつ適応的に対応するために、以下の点での業務効率化が重要です。
データ分析とパーソナライゼーションが必要です。読者の嗜好や動向を的確に把握し、それに基づいてコンテンツを提供することで、読者エンゲージメントを向上させることが可能です。また、デジタルプラットフォームへの適応が求められています。オンライン販売や電子書籍の普及を考慮し、これに適した販売チャネルや配信手法の確立が重要です。
効率的な編集・製本プロセスは業績向上に寄与します。デジタル環境での素早い新刊の発行や修正が可能となれば、市場の変動にスピーディに対応できるでしょう。加えて、読者からのフィードバックの収集とその活用も重要です。読者の意見や要望を的確に把握し、これを次なる制作サイクルに生かすことで、読者満足度を向上させます。
これらの効率化施策が、出版業界が変化に迅速かつ効果的に適応し、競争力を維持するために不可欠です。テクノロジーの活用や新しいビジネスプロセスの確立が、出版業界の未来を切り開くポイントとなります。
出版業界における請求書受領・発行業務のよくある課題
【受領】印刷・製本業者からの請求書処理が煩雑

出版業界では、多くのライターや印刷・製本業者との取引があります。これら業者からの請求書は、書籍ごとのページ数やカラー印刷の有無、製本の種類などによって異なるため、それぞれの請求内容が複雑になりやすく、社内での精査や承認手続きに時間を要します。
特に多数の新刊や再版がある場合、請求書処理は担当者の負担となるでしょう。
【受領】著作権使用料の管理・正確な計算

出版社においては、著者や翻訳者に対する著作権使用料(印税)の支払いを管理しなければなりません。著作権使用料は販売部数や契約条件に基づいて変動するため、正確な計算が必要不可欠です。
特にベストセラー作品や多数の著者が関わるアンソロジー作品などの場合、著作権使用料の計算と請求書の処理は煩雑といえるでしょう。
【発行】書店や流通業者への請求書発行が多い

出版業界では、書店や流通業者への販売に関する請求書を発行します。これらの請求書は、取引先ごとの割引率や返品ポリシー、販売期間などによって異なるため、正確かつ迅速な請求書の作成と送付が求められます。
特に新刊の発売時期や大型セール期間中は、請求業務の負荷が増加しやすくなるでしょう。
【発行】電子書籍の販売に関する請求管理

電子書籍市場の急成長に伴って、電子書籍の販売が増加する中、出版社はオンラインプラットフォームや電子書店への販売に関する請求書処理に直面しています。
これらの請求書は、販売単価の変動やプロモーション活動に応じて複雑化するうえ、PDFなどの請求書のデータ送付が多くなるなど、請求プロセスの見直しが求められます。
出版業界の請求書関連の課題解決に向けたDX例
①請求書の受領~会計処理を効率化したい場合
仕入先などから受領する請求書については、社内での承認作業や振込手続き、会計システムへの入力、請求書の保存などの業務フローを踏まえ、業務効率化のための最適な方法を実践しましょう。
「マネーフォワード クラウド債務支払」では、メールで受領した請求書データを自動で取り込み、AI OCR処理を行うことで、支払条件などの情報を読み取ることが可能です。
受領した請求書については、あらかじめ設定した社内のワークフローに基づいて承認作業を行ったあと、ワンクリックで振込指示ができます。APIを用いたシステム間連携もできるため、「マネーフォワード クラウド債務支払」の情報を会計システムやマスタ管理にも活用し、バックオフィス業務全体の効率化を追求することが可能です。
②請求書作成~送付を効率化したい場合
毎月の請求業務を効率化するためには、自社が発行する請求書の作成から送付までの一連の業務フローを踏まえ、担当者による手作業をできる限り削減することが重要です。
「マネーフォワード クラウド請求書Plus」では、社内のCRMや販売管理システムと連携し、手入力なしで簡単に請求書データを作成することが可能です。
社内の申請・承認を行った請求書についてはメールや郵送で一括送付でき、担当者の発送業務の負担を大幅に軽減できます。さらに作成した請求書の情報は会計システムにも売上仕訳として反映でき、自社の損益状況をリアルタイムで把握する際にも有用です。
③帳票送付業務を自動化したい場合
作成した請求書を取引先に送付する際、郵送の場合には印刷や封入、発送作業が必要となり、送付件数によっては担当者がまとまった時間を拘束されてしまいます。
「マネーフォワード クラウドインボイス」では、作成した帳票データをアップロードすれば、あとはワンクリックで一括送信することが可能です。
またWeb送付や郵送、メール送信などの送付方法は取引先ごとに設定できるため、取引先の都合などによって急に送付方法を変更しなければならない場合にも、設定を変更するだけで対応できます。
出版業界の企業様に参考となる請求業務の改善事例
請求書受領業務の改善例
株式会社ガイアドリーム様では、取引先からメールや郵送、FAXなどのさまざまな形式で請求書を受け取るため、電子帳簿保存法への対応に悩んでいました。
元々導入していたストレージサービスにはOCR機能がなかったため、スキャンした請求書については、取引先や金額などの情報を手入力しなければならず、非効率な業務体制に陥っていたそうです。
請求書作成業務の改善例
株式会社ワーク・ライフバランス様では、請求書の発行は会計事務所に依頼していたため、送付したデータに間違いがあると修正してもらい再発行する手間が発生したり、取引先を待たせてしまったりと問題点がありました。
さらに月末には、税理士と当社各部門の責任者6名が集まって、紙で出力した請求書を確認する作業もありました。
請求書受領・送付業務の改善に役立つお役立ち資料
出版業界の企業様が請求書ソフトを導入する際のチェックポイント
請求書受領に関するソフト導入の場合
出版業界に属する企業が請求書受領ソフトを導入する場合には、印刷・製本業者からの請求書処理や著作権使用料の管理を効率化できるかどうか検証しましょう。請求書データの自動読み取り機能に加え、紙媒体で受け取った請求書のスキャン代行サービスを活用すれば、著作権使用料の計算や管理もデータ上で実行でき、スピーディーな処理が可能となります。
またライターや印刷・製本業者が多岐にわたる場合でも、請求書ソフトによって請求書の精査から承認申請、振込み手続きまでの業務フローをオンライン上で完結できます。なお導入の際には、データの読み取り精度や会計ソフトとの連携機能、データセキュリティなどもしっかりと確認しましょう。
請求書発行(送付)に関するソフト導入の場合
出版業界に属する企業が請求書発行ソフトを導入する場合には、書店や流通業者への請求や、電子書籍の販売に関する請求書発行に対応できるかどうか慎重に検討しましょう。
取引先や品目登録機能を活用することで、異なる割引率や返品ポリシーに対応した請求書の自動生成や電子請求書の発行が可能となり、請求書作成の工数削減や入力ミスの軽減にも貢献します。電子書籍市場では請求書のデータ送付が一般的であるため、既存の取引先も含め、顧客ごとにメール送信と郵送を選択して送付できるサービスを選択しましょう。
また会計ソフトとの連携が可能なソフトを導入すれば、仕訳入力を自動化できるだけでなく、販売データの集計にも役立ちます。