-輸送用機器業界向け-請求書ソフトの選び方・よくある課題・導入事例
更新日:2024年4月12日
輸送用機器業界の現状と課題、DXや業務効率化の必要性
近年、輸送用機器業界は多くの課題に直面しています。特に環境問題に基づく規制の強化と消費者ニーズの変化による影響は顕著といえるでしょう。環境省が公表する「2021年度(令和3年度)温室効果ガス排出・吸収量(確報値)概要」によると、部門別のCO2排出量(電気・熱配分前)は、エネルギー転換部門の40.4%や産業部門の25.3%に次いで、運輸部門が16.7%にまで達しています。
参考:2021年度(令和3年度)温室効果ガス排出・吸収量(確報値)概要|環境省
世界各国では、電気自動車(EV)への移行など、環境対策への取り組みが加速しており、日本の輸送用機器業界においても、従来のビジネスモデルの見直しや新たな技術開発が必要とされています。これらの課題に対処するためには、社内における業務効率化が必要不可欠です。
特に製品開発の迅速化や製造プロセスの効率化、顧客との直接的な接点の創出には、社内業務を自動化し、リソースを確保することが重要です。DX化を推進することで、煩雑な文書管理やデータ入力作業から解放され、戦略的な業務に集中することが可能です。バックオフィス業務を効率化することで、市場環境の変化に対するスピーディーな対応と持続可能な成長を実現しやすくなるでしょう。
輸送用機器業界における請求書受領業務のよくある課題
【受領】取引先が多く、請求書の処理が大変
輸送用機器業界では、部品供給業者やサービスプロバイダーなど、多数の取引先が存在します。各取引先からさまざまな請求書が発行されるため、これらを効率的に処理することは大きな課題となります。
たとえば一台の車を製造するには多数の部品が必要で、それぞれ異なるサプライヤーから受領する請求書を管理しなければなりません。このため、請求書の集計や承認プロセスが複雑化し、業務効率の低下を招く可能性があります。
【受領】請求書の到着確認に工数がかかることも多い
輸送用機器業界では、複数のプロジェクトのコスト管理が同時進行で行われるため、請求書の到着確認も煩雑になりやすく、多くの工数が必要となります。たとえば車両の設計変更に伴う追加部品の発注や緊急のメンテナンスサービスなど、予期せぬ出費が発生する場合も多く、これらの請求書をスピーディーに処理することも重要です。
請求書の管理が適切に行われない場合には、予算超過やプロジェクトの遅延を招くリスクもあります。
【発行】請求書をExcelで作成しているケースが多い
輸送用機器業界では、請求書をExcelで作成する企業も少なくありません。Excelによる請求書の作成は低コストである一方で、エラーが生じやすく、作業効率に欠ける傾向があります。部品の納入ごとに異なる請求書を作成する場面もあり、工数がかかるだけでなく、入力ミスのリスクも高まります。
また複数のプロジェクトにまたがる請求処理を行う場合など、請求データの整合性を保つことが困難なケースもあるでしょう。
輸送用機器業界の請求書関連の課題解決に向けたDX例
①請求書の受領~会計処理を効率化したい場合
仕入先などから受領する請求書については、社内での承認作業や振込手続き、会計システムへの入力、請求書の保存などの業務フローを踏まえ、業務効率化のための最適な方法を実践しましょう。
「マネーフォワード クラウド債務支払」では、メールで受領した請求書データを自動で取り込み、AI OCR処理を行うことで、支払条件などの情報を読み取ることが可能です。
受領した請求書については、あらかじめ設定した社内のワークフローに基づいて承認作業を行ったあと、ワンクリックで振込指示ができます。APIを用いたシステム間連携もできるため、「マネーフォワード クラウド債務支払」の情報を会計システムやマスタ管理にも活用し、バックオフィス業務全体の効率化を追求することが可能です。
②請求書受領業務や保管業務をなくしたい場合
受領請求書には、依然として紙の請求書も多く、相手先のことを考えるとすべて請求データで受領することは現実的ではありません。そこでBPOサービスが付帯しているシステムを選択すると、導入したシステムに合わせて、業務プロセスの一部分を委託できます。
「マネーフォワード クラウド債務支払のBPOサービス」では、紙の請求書のデータ化・システムへのアップデート代行・請求書明細の下書き入力代行・証憑のファイリングと保管業務の代行などが可能です。支払申請の下書き入力をアウトソースすることにより、会社では内容を確認し、支払業務のみに業務を減らすことができます。
③請求書作成~送付を効率化したい場合
毎月の請求業務を効率化するためには、自社が発行する請求書の作成から送付までの一連の業務フローを踏まえ、担当者による手作業をできる限り削減することが重要です。
「マネーフォワード クラウド請求書Plus」では、社内のCRMや販売管理システムと連携し、手入力なしで簡単に請求書データを作成することが可能です。
社内の申請・承認を行った請求書についてはメールや郵送で一括送付でき、担当者の発送業務の負担を大幅に軽減できます。さらに作成した請求書の情報は会計システムにも売上仕訳として反映でき、自社の損益状況をリアルタイムで把握する際にも有用です。
輸送用機器業界の企業様に参考となる請求業務の改善事例
請求書受領・経費精算業務の改善事例①
埼玉ダイハツ販売株式会社様では、紙書類や二重入力の多い業務フローだったため、紙書類を途中で紛失するリスク、金額を間違えて入力するリスク、上司が社内に不在で承認フローが遅れるリスクなど、さまざまな問題が発生していたそうです。
経費精算・債務支払の完全ペーパーレス化により、業務フローの改善・電子帳簿保存法への対応を完了しています。
請求書受領・経費精算業務の改善例②
電気機械器具の製造を扱う同社では、請求書受領からの支払業務に多くの手間と時間がかかることを問題視していました。
紙で受領する請求書から会計ソフトへと振込システムへそれぞれ入力するようにしていたため、入力や転記ミスへの不安も大きかったようです。
請求書受領・送付業務の改善に役立つお役立ち資料
輸送用機器業界の企業様が請求書ソフトを導入する際のチェックポイント
請求書受領に関するソフト導入の場合
輸送用機器業界に属する企業が請求書ソフトを導入する場合には、受領する請求書の処理を効率化できるかどうか検証しましょう。
請求書ソフトの中には、データ受領した請求書を自動で読み取る機能や、紙で受領した請求書のデータ化を代行するサービスもあります。これらを活用すれば、取引先が多く、請求書の到着確認にまとまった工数を費やしている企業でも、作業時間を短縮することが可能です。
また社内の承認プロセスをオンライン完結することで、振込みまでの業務フローが効率化され、迅速な業務体制を構築できます。さらに会計ソフトとの連携機能があれば、受領した請求書を仕訳データとして生成でき、経理業務の自動化にも役立つでしょう。
請求書発行(送付)に関するソフト導入の場合
輸送用機器業界に属する企業が請求書発行ソフトを導入する場合には、社内の請求発行業務の改善につながるかどうか慎重に検討しましょう。
請求書ソフトでは、請求書のテンプレートを提供するだけでなく、取引先や品目の登録機能が用意されており、Excelなどへの入力作業を省略することが可能です。さらに請求書の一括送付機能があれば、取引先に対してメール送信や郵送によって請求書を一括送信でき、発送業務の削減やペーパーレス化にも効果的です。
なお輸送用機器業界に属する企業が請求書ソフトを比較検討する際には、自社の会計ソフトとの連携機能についても確認しましょう。会計ソフトと連携することで、作成した請求書データを売上仕訳として反映でき、仕訳入力作業の削減にも役立ちます。