-製造業向け-請求書ソフトの選び方・よくある課題・事例集
更新日:2024年2月13日
製造業の現状と課題、DXや業務効率化の必要性
2023年版「ものづくり白書」によると、製造業を取り巻く環境において、地政学的なリスクによるサプライチェーンへの影響を受けた企業は67.0%にものぼるとあります。中小企業の製造業においてはコロナ禍以降、状況は改善傾向にあったものの、2023年第1四半期には再度悪化している状況です。
このように、新型コロナ、ウクライナ侵攻など予測困難な事象が相次ぐ中、日本の製造業においても調達先の確保や生産拠点の変更などが大きな問題になっています。欧米ではロシア産エネルギーからの脱却が活発化し、省エネとあわせて石炭・火力・原子力などを活用しつつ、急速に液化天然ガスにシフトしています。結果として、世界のエネルギー情勢が一変し、エネルギー価格がさらに高騰するという悪循環も招いているのです。
もともと日本は資源を輸入に頼る国であり、エネルギー高騰の中では他の輸入物価全般が大きな影響を受け、為替変動もあいまって非常に厳しい経営環境にあると言えます。このような環境下で、人員不足から製造部員をバックオフィス業務にも充てていることはありませんか?今、DX化によって、より効率的で柔軟なビジネス運営に切り替える時期に来ています。
参考:2023年版 ものづくり白書 (概要)|経済産業省、激動するエネルギーの「今」を知る!|資源エネルギー庁
製造業における請求業務のよくある課題
①請求書の受領・発行件数ともに多い傾向
製造業における請求書などの書類は、その量も種類も多い傾向にあります。製造業は供給チェーンが多いうえ複雑であり、品質管理と安定的運用を確保するための多くの書類が必要です。外部との取引で発生する書類の種類としては、見積書、注文書、納品書、検収書、請求書などがあり、調達する際にも販売する際にもほぼ同様のものが必要です。
また、会社ごとの関係性もあるため、これら書類の発行や受領手段もメール、EDI、FAX、郵送など多様化し、複雑になっています。
②請求書をプリンターや、専用の封入封緘機、圧着機などを利用して社内で発行している
紙の請求書を大量に発行するために自社に大型機械を用意する場合もあります。請求データを大型プリンターで印刷する工程ではデータ作成者、プリンターのオペレーターなどの分業が発生します。そして、封入封緘機という送付物を作成するための機械やシーリングはがきを作成するための圧着機などを利用して郵送できるように仕上げます。
封入のためのセットや仕上がった印刷物の通数など途中や最終での確認は人が行う必要があるのです。
③在庫管理ソフト等で請求書を発行しているため使い勝手が悪かったり、インボイス制度に対応していなかったりすることも
在庫管理ソフトには、在庫と販売のデータを統合して請求書を作成する連携機能を搭載しているものもあります。この場合、発行方法が限られてきたり、個別対応や細やかな対応が難しかったりすることもあるでしょう。
また、インボイス制度での適格請求書発行では、記載事項が決められているうえ、発行した請求書の写しを一定期間保存しておく必要があります。訂正や返品などがあった場合には、訂正や返還の請求書が必要となりますので、ソフトの機能が適しているかを確認することが大切です。
製造業の請求書関連の課題解決に向けたDX例
①請求書送付業務を自動化したい場合
作成した請求書を取引先に送付する際、郵送の場合には印刷や封入、発送作業が必要となり、送付件数によっては担当者がまとまった時間を拘束されてしまいます。
「マネーフォワード クラウドインボイス」では、作成した帳票データをアップロードすれば、あとはワンクリックで一括送信することが可能です。
またWeb送付や郵送、メール送信などの送付方法は取引先ごとに設定できるため、取引先の都合などによって急に送付方法を変更しなければならない場合にも、設定を変更するだけで対応できます。
②請求書作成~送付を効率化したい場合
毎月の請求業務を効率化するためには、自社が発行する請求書の作成から送付までの一連の業務フローを踏まえ、担当者による手作業をできる限り削減することが重要です。
「マネーフォワード クラウド請求書Plus」では、社内のCRMや販売管理システムと連携し、手入力なしで簡単に請求書データを作成することが可能です。
社内の申請・承認を行った請求書についてはメールや郵送で一括送付でき、担当者の発送業務の負担を大幅に軽減できます。さらに作成した請求書の情報は会計システムにも売上仕訳として反映でき、自社の損益状況をリアルタイムで把握する際にも有用です。
③請求書の受領~会計処理を効率化したい場合
仕入先などから受領する請求書については、社内での承認作業や振込手続き、会計システムへの入力、請求書の保存などの業務フローを踏まえ、業務効率化のための最適な方法を実践しましょう。
「マネーフォワード クラウド債務支払」では、メールで受領した請求書データを自動で取り込み、AI OCR処理を行うことで、支払条件などの情報を読み取ることが可能です。
受領した請求書については、あらかじめ設定した社内のワークフローに基づいて承認作業を行ったあと、ワンクリックで振込指示ができます。APIを用いたシステム間連携もできるため、「マネーフォワード クラウド債務支払」の情報を会計システムやマスタ管理にも活用し、バックオフィス業務全体の効率化を追求することが可能です。
製造業の企業様に参考となる請求書・経費業務の改善事例
請求書受領・経費精算業務の改善例①
製菓・製パンメーカー向けに食品香料や原材料の製造販売、輸入販売を行う株式会社ナリヅカコーポレーション様では、紙やエクセルを中心に行う経理業務に課題を抱えていました。
各拠点から、紙媒体で経費精算の申請書や請求書を本社へ郵送・一括処理しており、経理業務にタイムラグが発生していました。
請求書受領・経費精算業務の改善例②
電気機械器具の製造を扱う同社では、請求書受領からの支払業務に多くの手間と時間がかかることを問題視していました。
紙で受領する請求書から会計ソフトへと振込システムへそれぞれ入力するようにしていたため、入力や転記ミスへの不安も大きかったようです。
請求書受領・送付業務の改善に役立つお役立ち資料
マネーフォワード クラウドインボイス
法令対応を実現し、請求書送付業務の手間とコストを削減!
すべての帳票を自動で送付。郵送からWeb送付への切り替えなどで、郵送コストを削減することも可能です。
マネーフォワード クラウド債務支払
受領請求書をペーパーレス化し、大量の請求書処理業務もかんたん&効率化!
メールで受領した請求書データの自動保存、AI OCR機能で支払先や支払金額等の入力を自動化が可能です。
製造業が請求書ソフトを導入する際のチェックポイント
従業員が直観的に使用しやすいUIかどうか
ソフトウェアを更改する場合、その「操作性」の良し悪しが生産性を左右すると言っても過言ではありません。請求書の発行業務に慣れている従業員以外でも使用できるように、ソフトのユーザーインターフェースは、シンプルで直感的であるべきでしょう。メニュー、アイコン、ボタンなどが使いやすく配置され、見ただけで従業員がだいたいの操作を容易に理解できるようにデザインされたものが望ましいでしょう。
さらに大量の請求データを扱う場合には、検索機能やフィルター機能があると便利です。従来のソフトからの乗り換えであっても、優れた操作性によってすぐに使えるようになることも、業務効率化の一要素だと言えます。
郵送やメール送付の効率化ができるかどうか(請求書や取引関係書類などを同封して送付できるか)
請求書発送業務でよくあることとして、請求書送付の際、取引先担当への連絡書面も同封して送付することが挙げられます。一番多いのは請求明細書を添付資料として同封する場合などです。請求書に同封できず、別途送付するとなるとそのために人件費や郵送費がかかってしまいます。請求書などの定例的な書面への他書類の同封は、頻度としては高いと言えるでしょう。
小さなことのように見えますが、宛先を間違えずに確実に資料を同封する作業は神経を使います。そこで、システムに請求書データをアップロードすると、取引先ごとに自動で振り分けて、各取引先に応じた方法で送付できるような「かゆい所に手の届くサービス」が期待されます。
現行の請求書のフォーマットを変更する必要はあるか
既存の販売管理システムと連携して請求書ソフトを更改する場合、新規導入する請求書ソフトにあわせて既存システムの出力データを変換する可能性があります。見た目上は、変換というステップが増えるだけですが、このようなデータの橋渡しは、たとえデータが1件でも行う必要があるのです。
そこで、連携元の販売管理システムのデータがどんな形式であっても、変換せずに、柔軟に取り込める請求書ソフトが望まれます。他のソフトなどの機能を外部からでも利用できる機能をAPI(Application Programming Interface)連携機能と言いますが、請求書ソフトにAPI連携機能があるかどうかも要チェック項目です。