地方企業の経費精算システムの選び方・比較すべき項目
更新日:2024年3月26日
地方にある企業の経費精算業務のよくある課題
経理部門の人材確保が難しい

地方企業では都市部の企業に比べると、より人材の確保が難しい傾向にあります。そのため、地方企業のバックオフィスにおいては経理業務などを効率化し、少人数や他部門との兼務によって業務を実施しなければならないこともよく見受けられます。
人材が少ない場合にこそ、業務を標準化し、業務が今どこまで進んでいるのか、いつまでに何を処理すべきかなどを誰が見ても分かるようにしておく必要があります。
広い業務範囲をカバーするため多忙である

都市部の企業に比べて、地方企業においては業務分担が細分化されず、業務範囲が広くなる傾向があります。営業要員においても一人当たりの業務範囲が多くなる傾向にあるでしょう。経費精算に充てる時間も限られるため、帰社後の時間がとれず、まとめて経費精算することも起こり得ます。
移動時間などを有効活用できる経費精算システムにより、帰社後の精算業務をなくし、少しでも広い業務範囲をカバーできるようにしたいものです。
本社と地方拠点の経費精算方法が異なる

都心だけでなく、新たに地方に拠点を持つ企業も多く見受けられます。都市部の本社に加えて地方拠点を持つことによって、本社災害時の対応や地方自治体との連携強化などによるメリットも考えられます。
ところが経費精算システムなどが本社と同じでない場合には、全社としての経費精算処理が滞りがちになるため、本社と同様または同等のシステム化が求められるでしょう。少人数の拠点であっても本社と同じスピードでの処理が求められます。
地方にある企業が経費精算システムを比較する際のポイント
電子帳簿保存法に対応しているか?
地方企業においては、経理要員の人手不足も考えられます。しかしながら、電子帳簿保存法などへの対応は全国同様です。そこで、経費精算システムを新たに導入する際は、電子帳簿保存法に対応し、将来的にはペーパーレス化を目指せるようにすべきでしょう。
無料トライアル期間や導入相談などがあり、ICTに詳しい人材がいなくても導入ができるシステムこそ使い勝手のよいシステムと言えるのではないでしょうか。
どの利用者もフォローする機能があるか?
地方企業においては、経費精算システムの導入にあたって、人手不足を補うために各利用者の立場で、どのようなフォロー機能があるのかを確認しましょう。
例えば、営業要員から見れば、どのクレジットカードがシステムと連携でき、どうすればデータを自動的に取得できるのかが重要です。また、経理要員から見れば、経費申請者に即時問い合わせができる機能はあるのかなど、利用者のどの立場においてもフォローする機能があるかを調べましょう。
ワークフローを自由に設定できるか?
本社の地方拠点となる企業においては、人員が限られているため、本社と同じワークフローが設定できないことも考えられます。そこで、経費精算システムにおいて、ワークフローが自由に設定できるかどうかを確認しましょう。
地方拠点においてワークフローを自由にカスタマイズでき、承認やチェックのレベルを落とさずに処理できるかどうかは内部統制の観点からも非常に重要です。
地方にある企業に参考となる経費精算業務の改善事例
沖縄JTB株式会社様の事例
システムの導入に際しては、トライアル期間に、営業の部署に協力を仰いで使い勝手を試しながら設定。
ある程度使い方が固まってきたところでマニュアルを作成して、申請者向けに説明会を設け、一斉にスタートするというステップで進めました。
株式会社モルテン様の事例
マネーフォワード クラウド経費の導入前は、自社開発したワークフローシステムを用いて、紙ベースでの経費精算を行っていました。
以前は、従業員が申請書を作成・印刷したものに領収書を貼付して提出し、各拠点の担当者が小口現金で精算をしていたのです。
地方にある企業に役立つ経費精算業務の効率化に関する参考資料
地方にある企業がバックオフィス業務のDXを進めるべき理由
地方企業が直面する課題は多岐にわたりますが、その中でも人材不足、市場へのアクセスの限界、デジタル化の遅れ、そして資金調達の難しさが特に顕著です。これらの問題は、企業の成長機会を制限し、競争力の低下に直結する恐れがあります。
特に、若年層の人口減少は人材の確保と維持を難しくし、地方の市場の特性上、大都市圏に比べて顧客基盤の拡大が困難であることが挙げられます。2024年2月時点で、15~34歳の人口は2,460万人となっていました。
出典:総務省「地域・地方の現状と課題」
出典:統計局「人 口 推 計- 2024年(令和6年) 2 月 報 -」
加えて、限られたリソースによるデジタル化の遅れは、効率性や新しいビジネス機会の創出においても不利な状況を作り出しています。資金調達の面では、地方企業が抱える不利な立場は、成長や拡大のための投資を阻害する要因になっています。
このような背景の中で、経費精算システムのようなデジタルツールの導入は、地方企業にとって数多くのメリットをもたらします。デジタルツールは、業務プロセスの自動化を実現し、手作業による時間の浪費やエラーのリスクを軽減します。経費精算のデジタル化は、業務の効率化だけでなく、経費の使用状況をリアルタイムで把握できるため、透明性の向上と不正利用のリスク減少にもつながるでしょう。