ホテル業界向けの電子契約システムの選び方・比較すべき項目
作成日:2024年5月14日
ホテル業界が契約業務の効率化を進めるべき理由
ホテルは宿泊だけでなく食事や結婚式、会合、宴会など様々な目的で利用されます。それに伴い、サービスを円滑に提供するための清掃業者や配膳業者、イベント運営業者など様々な業者との業務委託契約を結んでいるケースも多いでしょう。集客において旅行代理店と提携する場合はそちらとも契約が必要です。
このようにホテル業界では顧客とのBtoCの契約、委託業者とのBtoBの契約を含め、契約の数が非常に多くなりがちです。これらの契約を全て紙で締結した場合、管理すべき契約書の数は膨大となってしまいます。顧客の個人情報も含むことから高いセキュリティ体制のもとで保管する必要があり、人的リソースを含めたコストがかかってしまうことは大きな課題と言えるでしょう。
ホテル業界は人材不足で悩みがちな業界であり、円滑に質の高いサービスを提供するためにもバックオフィスの中でも負荷の高い契約業務を効率化する必要があるのです。
ホテル業界の契約業務において悩みがちなポイント
拠点間の申請フローを効率化したい

複数の設備を運営するホテルの場合、拠点と本部での契約締結までの業務フローが非効率であることが課題となるケースがあります。特に結婚式や宴会は開催日よりもかなり前から事前予約を取るニーズも高いため、円滑に契約を進められないことは失注に直結しかねません。
ホテル内の会場数は限られているため、稼働率を上げ、収益を確保するためにも契約を効率化し、機会損失を防ぐことは欠かせません。
紙が中心の契約業務をペーパーレス化したい

ホテル業界では紙を中心とした契約を実施する場合、そのコストは膨大となりかねません。ホテルでは宿泊客のチェックイン時に旅館業法で義務付けられた宿泊者名簿の取得と宿泊約款へのサインを兼ねた書面のやりとりをするケースが少なくありません。
しかし、この手続きを全て紙で実施した場合、1団体あたり1枚以上の紙が毎日発生し、コストもかさんでしまいます。宿泊契約を含め、契約のペーパーレス化は急務と言えるでしょう。
収入印紙代や郵送代を減らしたい

ホテルでは清掃や配膳、イベント運営など多くの業者と業務委託契約を締結します。その多くが継続的取引となることから、紙の契約書を締結した場合、1通につき4,000円の印紙代が発生します。この契約を各業者と締結した場合、トータルで発生する印紙代は無視できない金額となってしまうでしょう。
また、契約先や拠点間で書類を郵送でやり取りした場合、その際に発生する郵送コストも削減できるにこしたことはありません。
ホテル業界の契約担当者が電子契約システムを比較する際のポイント
契約書の作成から申請、締結、保管までオンラインで完結
契約書の作成から申請・締結・保管まで全てのフローがオンライン完結することは、システム選定において重要です。特に複数の拠点を持つホテルにおいては、必須と言っても過言ではありません。オンラインで契約のフローを進めることができれば、拠点と決裁を承認する本社が離れていたとしても、タイムラグなく契約を進めることが可能です。業務効率化だけでなく、受注の機会損失を避けるためにもフローのオンライン化は必須でしょう。
紙の契約書と電子契約をまとめてクラウド上で管理
システム上で作成した電子契約だけでなく、紙の契約書をまとめて管理できることも重要なポイントと言えます。ホテル業界の業務委託先に紙文化が根強く残っているケースも珍しくないでしょう。システムを導入してもスムーズに電子契約に移行できるとは限りません。しかし、紙での契約を結んだ場合でも、紙の契約書を電子ファイル化し、クラウド上で一括管理できることで管理の工数は大幅に削減できます。
電子契約で印紙代や郵送費が0円に
電子契約システムで作成した契約は、紙で作成した場合は印紙税が必要な内容であっても課税対象にはなりません。そのため、ホテルが多くの業務委託先と締結する継続契約に関する契約であっても、1通4,000円の印紙代を節約することが可能です。決して安くはない印紙代を契約の件数分だけ削減できるため、総合的なコスト節約効果は膨大と言えるでしょう。電子契約の場合、Web上でやり取りできるため、郵送費もかかりません。
電子契約システムの導入で契約業務を効率化できた事例
税理士法人TOTAL様の事例
税理士業務を中心に、企業経営のトータルサポートを行う税理士法人TOTAL様は、マネーフォワード クラウド契約によって拠点間でのフロー効率化を実現されています。
全国に12拠点を持つ同法人では、拠点間で締結した契約書を本社に送付し、管理する体制が取られていました。システム導入により、各拠点で独自に承認フローを構築することで、柔軟かつ利便性の高い業務体制を実現されています。
株式会社日本オープンシステムズ様の事例
幅広いIT分野を事業領域とする株式会社日本オープンシステムズ様は、マネーフォワード クラウド契約を契約書の一元管理に活用されています。
従来の業務体制では紙での契約も多く残っており、PDFによりデータ化はしていたものの、データを探すのに時間がかかることが課題となっていました。
システムの導入により、PDF化した紙の契約書もクラウド上で一元管理し、検索性が向上したことで業務負荷を軽減できています。
ファミリーイナダ株式会社様の事例
マッサージチェアの製造・販売で世界的な知名度を持つファミリーイナダ株式会社様は、マネーフォワード クラウド契約によって印紙税を中心とするコスト削減を実現しました。
従来は紙の契約が中心の業務体制でしたが、業務効率に加えて郵送コストや印紙税のコストが大きな課題となっていました。システムの導入により業務効率化を実現しながら、1件4,000円の印紙税代の削減に成功し、年間10万以上もの節約効果を得られています。