化学業界向けの電子契約システムの選び方・比較すべき項目
作成日:2024年2月29日
化学業界が契約業務の効率化を進めるべき理由
化学メーカーでは、さまざまなシーンで契約を締結することがあります。委託研究契約や共同研究契約など研究に関わるもの、特許契約や知的財産契約など権利に関するもの、製造委託やOEM、業務提携などの製造に関わるもの、材料の仕入先と締結する売買契約、外注業者と契約する業務委託契約、従業員と締結する雇用契約など、複数種類の契約を取り扱うことが多いでしょう。
最先端の研究を行う化学メーカーにおいては研究の早さが製品開発や販売のスピードにつながり、会社の経営に関わる重大な課題にも発展しかねません。特に近年では業界の競争が激化し、新しい製品が次々と誕生しています。いち早く研究に取りかかり製品化を実現するためにも、業務の効率化、契約のスピード化は必須といえるでしょう。
化学業界の経営において契約業務で悩みがちなポイント
①社内稟議のフローを効率化したい

契約の締結が遅くなる原因として社内稟議が挙げられます。紙の契約書では決裁者に回覧して各人が契約書の内容を確認して押印しなければなりません。特に管理職や幹部は多忙であるため、すぐに決裁がもらえるとは限りません。その結果、契約締結までに数日から数週間かかってしまうこともあります。
契約を効率化・スピード化するためには稟議フローの見直し・改善が必須です。これがひいては研究や製品開発の早期化にもつながります。
②電子帳簿保存法に対応したい

2024年1月に電子帳簿保存法が改正され、パソコンなどを使って作成したものは電子データの状態で保存しなければならないことになりました。対象となるのは領収書や請求書などの証憑書類と、契約書です。紙の書類もスキャナ保存が認められますが、実際のところ、スキャンする作業に非常に手間がかかります。
化学メーカーでも、業務の最適化を図るためにも、電子帳簿保存法に対応できるようにしたいものです。
③収入印紙代や郵送代を減らしたい

課税文書にあたる契約書を作成する際には収入印紙を貼付しなければなりません。契約書の種類と記載された金額に応じて印紙税を納付する必要があります。特に高額の取引をする場合は印紙税の負担も重くなります。さらに紙ベースの契約書の場合は郵送費も必要です。
印紙1枚あたりの費用は小さいかもしれませんが、年間で見ると結構な金額になります。印紙代や郵送費を抑えることで、その分を研究費や開発費に回せるでしょう。
化学業界の経営者が電子契約システムを比較する際のポイント
契約業務をオンラインで完結できるか
電子契約なら契約書の作成はもちろん、申請や締結、保管といったすべてのフローをオンラインで完結させられるため、大幅な効率化とスピード化が実現できます。特に稟議の過程においては紙ベースの契約書を回覧して一人ひとりに決裁してもらう手間と時間を省くことが可能です。
電子契約で印紙代や郵送費が0円に
コストが削減できるのも電子契約の大きなメリットです。オンラインで契約が締結できれば、紙ベースの契約書を郵送する必要がないため郵送費はかかりません。また、電子契約は課税文書の作成には該当しないため印紙税も不要です。さらには契約書の作成や印刷、郵送にかかる人件費や消耗品費も削減可能です。
電子帳簿保存法への対応が可能
電子帳簿保存法は企業が証憑書類の作成や管理を効率化する目的で作られた法律であり、対応することで業務の大幅な効率化が実現できます。ただし、電子帳簿保存法に対応するためにはさまざまな要件をクリアしなければなりません。電子契約システムを使って電子契約を締結すれば、電子帳簿保存法に対応した契約書を効率的に作成することができます。
電子契約システムの導入で契約業務を効率化できた事例
ゲームソフト買取、ECサイト運営、フード事業:株式会社ジェイフード様の事例
ゲーム・トレカの販売をされている株式会社ジェイフード様では全国240店舗の加盟店を展開しています。日々の契約件数も膨大なうえ、担当者は出張が多く、どうしても契約業務が滞りがちで締結まで数ヶ月かかったというケースも少なくありませんでした。また、契約書の管理に関しても課題でした。「マネーフォワード クラウド契約」導入後は担当者が場所や時間関係なく契約関連業務ができるようになり、締結までの時間が大幅に短縮されました。
食品・ヘルスケア・スキンケア事業:キューサイ株式会社様の事例
青汁やヘルスケア、スキンケア事業を展開するキューサイ株式会社様では、これまで社員500名に対して2名で契約業務に対応しており、押印完了まで1週間ほどかかった状況でした。「マネーフォワード クラウド契約」で契約を電子化したところ、押印完了までの所要時間は平均1.5日、最短30分にまで短縮。契約業務にかかる時間も月62.7時間から15時間に削減でき、担当者の負担も大幅に軽減されました。
マッサージチェア製造販売事業:ファミリーイナダ株式会社様の事例
マッサージチェアの製造・販売をされているファミリーイナダ株式会社様では印紙代や郵送費にかかるコストを削減したい、押印までの時間を短縮したいという理由から「マネーフォワード クラウド契約」を導入しました。電子化後は年間で10万円ものコスト削減を実現。最短5分で押印が完了するという業務フローの構築に成功されました。