株式会社ウィルヘルムセン・シップス・サービス

「現場の負担が増えるならやめる」覚悟と共に導入し、結果は成功。理想の職場環境に近づきました。

株式会社ウィルヘルムセン・シップス・サービス 日本における代表者 代理店・部長 森隆将様(写真中央)
シップスエージェンシー営業部・部長 金田善則様(写真右) 経理部・部長 新田浩也様(写真左)
やめることも覚悟して経費精算システムを導入した。営業現場の負担が増えるなら解約するつもりでいた――。
ノルウェーに本社を構え、東京・横浜・神戸の3カ所に支店を持つ株式会社ウィルヘルムセン・シップス・サービス。
数多くの経費精算システムを見てきたが申請者にとって、Excelに勝る経費精算手法はなかった。
マネーフォワード クラウド経費導入により、結果として営業・経理ともに大幅な時間削減に成功。経営視点から見ても内部統制が強化され、労働環境の改善につながったという。
これらの経緯について、日本代表の森隆将様、営業部・部長の金田善則様、経理部・部長の新田浩也様にお話を伺った。

自社に適した人材は採用市場にほぼいない。長く働いてもらう環境作りは経営をする上でとても重要。

代表 森様:弊社の中核事業のひとつに、外航船舶の手続き代行業があります。外航船舶が日本に寄港する際にはさまざまな手続きが発生します。入管手続き、税関手続き、保安庁との折衝など……私たちがそれらの手続きを一手に引き受ける、というわけです。(注釈:日本法人は船舶用品の販売もしており、船舶用品販売と手続き代行業と2つの事業を行っている)。

日本法人は東京、横浜、神戸に拠点があり、経費精算は東京の経理部が統括しています。拠点によって経費科目が異なり、東京では電車代、バス代、カフェ代、神戸や横浜は電車代、バス代に加え、新幹線代、高速代、ホテル代、ガソリン代、駐車場代、橋代(摩耶大橋)など多岐にわたっています。

営業は日々多くのお客さまとお会いしているので、1人ひとりの経費精算の量が多く、わざわざ処理をするために出社しているのは時間がもったいないと感じていました。また、私自身も経費申請の最終確認をしているのですが承認作業が大変でした。本来であれば、経費が正当に使われているかどうかを1つ1つ細かく確認しなければいけませんが、すべてをチェックするのは現実的には難しい状況でした。

株式会社ウィルヘルムセン・シップス・サービス 森様

弊社のような業界は、人材採用が非常に難しいです。高度な専門知識に加え、語学力が必要になるため、それらを兼ね備えた人材はそう多くありません。優秀な社員に長く働いてもらうために、本業に集中できる環境を整えるのは戦略上重要であり、経費精算システムの検討は自然な流れでした。

覚悟と共にマネーフォワード クラウド経費を導入。現場の反応が悪ければ3カ月でやめるつもりでいた。

経理部長 新田様:経費精算システムをマネーフォワード クラウド経費に決めた理由は3つあります。

  1. 営業部門にとって使いやすいか
    アプリベースで移動の合間でも簡単に申請ができ、わかりやすい操作画面だと感じました。
  2. どこまで自動化できるか
    OCR機能、スキャナ、ICカード、PaSoRi(パソリ)、モバイルSuica等、様々な手段で経費精算データを自動取り込みできる点が魅力と感じました。
  3. 妥当な費用か
    シンプルな料金体系でわかりやすく、価格も妥当だと感じました。領収書の入力代行サービスが他社と比べて安かったことも大きいです。
株式会社ウィルヘルムセン・シップス・サービス

これらの理由から、マネーフォワード クラウド経費の導入に踏み切りました。日本支社独自の「ローカルシステム」を取り入れるのは初めてでしたが、グループ全体で効率化を推進する動きがあったため、本社との話し合いはスムーズに進行しました。

しかしながら、社員のなかには、前職で経費精算システムを使った結果、苦い思いをした人も少なくありませんでした。経費精算システムに対して良いイメージがなく、導入に対して不安の声もありました。

それでも、マネーフォワード クラウド経費の導入によって効率化が進むことは予想できました。「3カ月試験運用して合わなければやめましょう」と打診して「それなら」とテスト運用を開始することに。覚悟とともに導入を決めました。

管理部門のミッションは「社員が働きやすい環境を整える」こと。

経理部長 新田様:マネーフォワード クラウド経費の使い方や便利さを理解してもらうために、経理部門でクイックマニュアルを作成しました。

クイックマニュアル

マネーフォワード クラウド経費の使い方を説明するトレーニングセッションを計9回開催、加えて「わからなければ個別で電話をください」と周知しました。使い方をレクチャーした結果、iPhoneや名刺ソフトを使い慣れている人は、マネーフォワード クラウド経費のアプリの使い方や、オペレーター入力をすぐに理解してくれたようです。もちろん馴染みのない人には丁寧に説明しました。

定着化を推進するために、週2回ほどQ&Aを掲載した社内メルマガも配信しました。社員から質問があったときやマネーフォワード クラウド経費の便利な使い方を知ったときにメルマガで逐一共有することで、一気に疑問点や不明点が解消できるように工夫していきました。クイックマニュアルなどで使い方をレクチャーすることで、営業部門では2カ月ほどで利用が定着し、如実に効果も出てきました。

経理目線に加え、申請者目線で設計された経費精算システムであることが大切。

株式会社ウィルヘルムセン・シップス・サービス 金田様

営業部長 金田様:すごく楽になりました。今まで経路検索で調べた交通費をExcelに打ち込んでいたのですが、自分の経費精算に2~3時間、部下からの承認作業に1~2時間使っていました。外出が多いのですが、経費精算のためにわざわざ2日出社することがあり、大変でした。マネーフォワード クラウド経費ではカードリーダーでSuicaから電車代の明細を読み取り、領収書はマネーフォワードさんに入力代行をしてもらっています。接待や喫茶店の領収書が月に20枚~30枚出ることもあるので撮影するだけで経費精算に必要なデータが揃うようになったのは本当に助かります。

また、月末月初に出張が入っても、出張先のホテルからアプリで簡単に経費申請ができるようになりました。経費精算をするために、わざわざ出社することもなくなり、営業活動により注力できるようになりました。

経理部長 新田様:マネーフォワード クラウド経費の導入後、経費精算に関する作業時間は25時間から5時間に短縮されました。また、経費科目ごとの集計・計算作業がイレギュラーに発生していましたが、その作業についても時間短縮に成功し、月次決算を早めることができました。銀行とAPI連携しているので、マネーフォワード クラウド経費の画面から直接、振込処理ができるのも業務効率化につながっています。

代表 森様:経営観点では、内部統制が強化されたことが挙げられます。Excelで運用していた時は十分なチェックができていませんでしたが、今は空き時間にアプリから都度確認できるようになり、適切な管理ができるようになりました。

効率化・自動化すべきこと、してはいけないことをより区別していく

経理部長 新田様:今までの経費精算システムは、申請者目線で考えるとExcelを超えるものはない、という認識でした。たしかに、経理業務はシステム化により効率化されますが、申請者にとっては紙の処理をPC上でやるのとほぼ大差がなく、かえって負担が増えることもあります。何のための、誰のためのシステム化や効率化なのかは強く意識していきたいです。

代表 森様:経費精算システムの導入に限らず、会社としてさまざまなチャレンジをしてきました。AIを活用したプロジェクト管理システムの構築や支払いや着金に関する業務の効率化、フレックス制度と在宅勤務制度を同時に開始する等、働きやすい環境作りを推し進めてきました。

一方で、闇雲な効率化は危険です。
代理店事業をする上で情報量、正確性、スピードは非常に重要で、どんなに些細なことでも、営業担当は顧客と密に会話をしています。ビジネスモデル上の特性もありますが、1時間後にまとめてメールするのではなく、何かが起きた瞬間に判断を仰がなければ顧客にとって大きな損失へつながることもあるからです。
今後も、効率化・自動化すべきこと、してはいけないことを区別しながら本質的な業務に向き合える環境を構築していきたいです。

株式会社ウィルヘルムセン・シップス・サービス
ノルウェーに本社を構えるWilhelmsen Ships Serviceの日本法人として、外航船舶の手続き代行業及び船舶用品販売などを行なっています。