株式会社IRIS

社員1人あたりの創出利益を日本有数レベルの企業に。そのために必要な組織運営とは

株式会社IRIS 取締役 飽浦 尚様(写真中央)
ファイナンスマネージャー 大塚 美菜子様(写真左)
セールスマネージャー 高橋 朋未様(写真右)
タクシーに搭載する新世代デジタルサイネージ広告という先駆的なサービスを武器に、急成長を遂げている株式会社IRIS。2016年6月の広告枠販売開始以来、名だたる企業が広告主として出稿している。

拠点も増え売り上げ規模も拡大する中、少数精鋭で生産性を高めるための工夫を惜しまない同社。「無駄な工数を徹底的に減らし、顧客対応に集中してほしい」と2018年9月に経理担当者の進言でマネーフォワード クラウド経費の導入を即決。現在は、立替精算のみならず、さらなる業務コストの削減をはかるべく活用範囲を広げている。

マネーフォワード クラウド経費の導入によって実現した業務改善の状況について、取締役の飽浦尚様、ファイナンスマネージャーの大塚美菜子様、セールスマネージャーの高橋朋未様にお話を伺った。

他社と比べると頻度の多いタクシー利用。申請にかかる膨大な手間を削減したかった。

取締役 飽浦様:弊社は、2016年6月にアドテクノロジーを開発する株式会社フリークアウト・ホールディングスと、日本初のタクシー配車アプリに代表される配車プラットフォーマーである、JapanTaxi株式会社の2社による合弁会社としてスタートしています。

メイン事業はデジタルサイネージ広告。タクシーの後部座席に10インチのデジタルサイネージを設置して、動画の広告を掲載する事業を展開しています。デジタルサイネージの製造や設置はJapanTaxi株式会社が行い、弊社は広告商品の企画や販売、代理店マネジメントを担っています。これまでのタクシー車内の広告としては、AGAや痩身エステなどコンプレックス系商材の紙チラシが置かれているケースがほとんどでした。しかし、実際に乗車するのは富裕層や企業の意思決定者層などが多く、ナショナルブランドの化粧品や高級自動車、BtoBのソフトウェアといった商材のCMが適しているのではないかという着眼が事業の発端です。

タクシーは日本全国で約21万台あるとされており、都市圏にしぼると約10万台となります。私たちはタクシーの乗車体験を大きく変えられると確信しており、オリンピックイヤーとなる2020年をめどに約5万台のタクシーへサイネージを搭載する目標を掲げています。

ファイナンスマネージャー 大塚様:現在、東京本社に加えて、大阪とシンガポールに営業拠点があり、各拠点に在籍する社員は広告枠の販売や商品開発を担当しています。それまで離れた拠点の社員の経費精算は、スプレッドシートで処理をおこない、領収書はPDFで送付してもらい突合するスタイルでした。

タクシー広告という商材の特性もあり、営業担当1人あたりのタクシー利用頻度が他社と比較すると多くなりがちです。客先への移動に加え、掲載確認や故障端末の発見のため、あるいは営業先のお客様に掲載イメージを持っていただくためにタクシーに乗車する機会もあるからです。
タクシーの乗車は電車と異なり、乗車位置はバラバラ。いつ何の目的でどこから乗車したのかを思い出しながら、経費精算のためにシートに毎月膨大な数を入力するのは、営業にとって大きな負担になっていました。

精算業務の時間が8分の1に短縮。月末でもコア業務を最優先できるようになった。

飽浦様:マネーフォワード クラウド経費の導入のきっかけは、経理担当である大塚から営業部門の負荷軽減として提案を受けました。マネーフォワードの営業の方に一度お越しいただき、代表や副社長とともにデモを見たのですが、その場で即決でした。おもわず「これいいね!」と言ってしまうぐらい、経費精算がぐっと楽になる姿が思い浮かびました。

大塚様:営業部門だけではなく、経理部門にとってもこれまでの経費精算の業務フローはグループ会社経由で行っており、かなり煩雑でした。紙に出力した申請書と領収書原本をグループ会社へ郵送し、グループ会社から振り込み、処理後には請求書を受け取る…といった形です。直接精算に切り替え、全社の業務効率を改善したい思いで導入しました。

飽浦様:導入して良かったなと感じるのは、手前みそですが親会社の配車アプリのJapanTaxiと連携していることです。JapanTaxiアプリを活用すると、乗降位置や金額、日付に加えてデジタルレシートもマネーフォワード クラウド経費へ取り込まれるので、入力作業が大幅に減りました。また、会食等で発生する領収書もマネーフォワード クラウド経費の専用アプリで撮影をするだけで、必要な情報を文字起こし(OCR機能)してくれるのも便利です。

私の体感ですが、毎月2時間ほどかかっていた経費精算が、導入後は15分くらいに短縮されましたね。

大塚様:ワークフローの電子化も大きいです。経費申請の承認に加え、押印申請や発注購買申請等、弊社の業務用途にあわせ自由にカスタマイズできるので、社内手続きが簡略化されました。

また、三井住友カード様のコーポレートカードとマネーフォワード クラウド経費のデータ連携も進めました。利用用途に応じ、一部社員へ発行したカードの利用データが経費精算システムへ自動取り込みされるので、各明細に領収書を添付して承認作業をすれば処理は完了となります。高額な個人立替をなくし、業務効率化ができたのはよかったと感じています。

セールスマネージャー 高橋様:私はもともとアパレル企業でバイヤーをしていました。内勤でしたので、あまり外出することはなく、交通費の申請も3カ月に1度あるかないかの頻度でした。しかし転職して営業職となり、経費精算にはかなり戸惑いました。前職とは異なり、外出するので電車やタクシーにはたくさん乗りますし、会食もあります。

必要なことだとは理解しているのですが、月末のいろいろと差し迫ったタイミングは特にお客様対応を優先としたいのに、なぜ私は今、経費精算をしているのだろう…と。違う職種から営業となったので、その思いは他の営業よりも強いかもしれません。 今でも経費精算は苦手ですが、時間を節約してくれるマネーフォワード クラウド経費には助かっています。

「人に人らしい仕事を」を意識して会社としての価値を高めていきたい。

飽浦様:弊社の事業は急拡大していますが、人員に関しては少数精鋭を貫きたいです。社員1人あたりの創出利益を日本有数のレベルまであげたいと思っており、性善説と信頼関係を前提としたヘルシーな組織運営を意識しています。無駄な動きを極力なくすために、例えば、定例会の最小化、社内メール禁止、課題があれば必要に応じてその場で対話&解決としています。

広告系の会社でこのような形はめずらしいかもしれませんが、技術起点でプロダクトを生み出す企業風土の影響が大きいと思います。

グループ会社のフリークアウト・ホールディングスは「人に人らしい仕事を。」を経営理念に、技術によって本来人がすべきであるクリエイティブな仕事ができるようにすることを掲げています。無駄な工数がない状態に常に改善をすることは当たり前のことであり、マネーフォワード クラウド経費の導入は自然な流れだったように思います。

営業であれば顧客対応にフォーカスできるように業務を効率化させたいですし、決められた時間内に仕事を終わらせる環境を整えていくというのがポリシーでもあります。 われわれは人数を増やさずに圧倒的に売り上げをあげていき、ひいては1人あたりの生産性を国内で類をみないくらい高めていきたいと考えています。それによって、会社としても個人としても、バリューが高まることになるからです。

ゆくゆくは新卒や転職を検討している人に、外資系のプラットフォーマーと比較しても魅力を感じてもらえるような会社にしていきたいです。

大塚様:そのためにもバックオフィス側としては、社員に負担をかけないような管理体制を心掛けていく必要があります。経費精算業務に関わるコストの削減は避けて通れないものだったので、マネーフォワード クラウド経費の導入によって、企業として目指すビジョンにまた一歩近づけたと思っています。

マネーフォワード クラウド経費でできることは多く、今後は、外貨レート計算やメディアパートナーへの支払い管理、支払依頼等、さらなる業務効率化を推進していきたいです。

飽浦様:事業も拡大し、これからさらに成長を加速させるために、SFA等を活用したパイプライン管理や、見込み客管理のシステム化を検討するフェーズへ入ってきたと感じています。ただ、事業の立ち上げ期において、まず煩雑な管理業務へ焦点をあて効率化していくことは重要です。営業部門に限定せず、社員全体のルーティン作業を減らし、本業へ集中する環境を作ることは大きなインパクトとなるからです。

マネーフォワードには今後もその下支えとなっていただけることを期待しています。

株式会社IRIS
国内最⼤⼿タクシー会社である⽇本交通グループにおいて交通・モビリティ分野のソフトウェア・ハードウェア開発を⾏うJapanTaxi株式会社と、インターネット広告技術企業として国内最⾼峰の株式会社フリークアウト・ホールディングスのジョイント・ベンチャーとして、2016年に設立。日本交通を中心としたタクシー内に設置される、デジタルサイネージ・ネットワークを配信対象とした動画広告商品「Tokyo Prime」を販売する。