白鷺ニット工業株式会社

経営状況の把握が年1回からリアルタイムへ 二代目社長が挑んだ自計化への道

白鷺ニット工業株式会社 代表取締役 三木一正様(写真中央右)
兵庫県姫路市でインナーウェアの製造を行う白鷺ニット工業株式会社 三木様。初代社長のお父様から会社を引き継がれ、二代目社長として様々な改革を手掛けています。今回は、自計化を目指して導入したマネーフォワード クラウド会計の使い心地についてお話を伺ってきました。

経営状況の把握は年1回のみ、ダンボールから書類を探す日々……

ーーどのような事業を行っていますか?

1969年創業で、当時から防寒肌着といわれるシルバー層向けのインナーウェアを中心に開発・販売を行ってきました。元々はベーシックな商品を多く生産するスタイルが得意なのですが、近年は肌が弱い方が着やすい肌触りにこだわった商品など、付加価値のついた商品の開発に注力しています。
「消費者の立場に立って、本当に必要なものをつくる」という原点に立ち返り、若い世代の社員中心に活躍してもらっています。

ーー現在はどのような体制でバックオフィス業務を行っていますか?

バックオフィスは3名で、経理を始め総務、労務、人事、財務すべて行っています。どれも社内だけで行うのではなく、外部協力者の方々と協業しながらやっています。経理業務は会計士の先生にご協力いただいていていますし、労務はSmartHRを使える社労士事務所に協力いただいています。本業に集中して、社内にノウハウのない業務はアウトソースしていこうという考えでやっています。

ーークラウド会計に切り替えようと考えたきっかけは何だったのでしょうか?

以前は外部に書類を丸ごと渡して委託していたため、年に1回の決算書類が出てくるだけ。日常的な経営状況が把握できていませんでした。半年分まとめるのでダンボール何個分もの領収書や請求書を、車にみんなで詰め込んで運んでいました。

そのため、何がいくら使われているのかがすぐわからない、なにかを把握しようとしたらダンボールから紙を探さないといけない……という状況でした。当社は歴史ある企業ではありますが、二代目として本当にゼロから体制を作り直さないといけない、という課題を感じていました。

クラウドはここまで広がる前から元々興味があり、マネーフォワード クラウドはリリース前から「こういうツールができればいいな」と待望していたソフトです。ただどのクラウド会計ソフトを使うべきかがわからなかったので、クラウドに強い会計士の先生に相談し、先生におすすめされたマネーフォワード クラウドを導入することに決めました。

導入時は、社員が新しいものを理解するスピードを尊重する

ーー導入はスムーズに行うことはできましたか?

導入を決めてから実際に社員が作業を行えるようになるまで、少し時間がかかりました。当時僕が導入を決めて一方的に進めてしまった部分があり、現場を混乱させてしまったんです。段階を追ってひとつひとつ進めていくべきだったんですが、一気にやろうとして動いてしまったのがちょっと良くなかったですね。社員がどのように感じるか、理解不足だったなと反省しています。クラウドは便利だと理屈で分かる人もいると思いますが、知らない・理解していない人と仕事の仕組みから変えていくとなると、すぐにはついていけないという人もいると思います。

社員が理解するスピードを尊重し、業務的に負担をかけすぎないようにケアするべきでした。これから導入する企業の方に一つアドバイスするなら、このプロジェクトを専任でやる人を立てておくとスムーズだとお伝えしたいです。当社はその後、なんとか昔の委託先との並行期間を経て、いまは完全にマネーフォワード クラウドに移行できています。

お金の動きをリアルタイムで把握、心配がぐっと減りました

ーー現在はどのようにマネーフォワード クラウドを活用されていますか?

スマホでもPCでもお金の動きがリアルタイムに見られるようになって、心配がぐっと減りました。今どういう状況かわかるって、全然違います。経理専任の人がいないのにこれができているというのは本当にすごい大きなメリットです。導入を検討しているような中小企業の経営者にとって、よくわからない出費はやっぱり身を切られる思いだと思うんですよね。それがちゃんと見えるだけでも、とても大きな効果なんじゃないかと思います。

また、東京の会計士の先生に見ていただけるのもクラウドのおかげです。困ったときにすぐ来ていただくというのはなかなか難しいので、これもクラウドツールを活用するメリットだと思います。最近は融資のお話をいただいたときに、以前だと判断材料がほとんどなかったのですが、今は状況を正確に伝えられるようになり、「それならこの条件で、このタイミングで……」と具体的なところまで話が進められるようになりました。

ーー今後どのようなチャレンジをされたいですか?

似たような商品を繰り返しつくっていくのではなく、「真面目なものづくり」に原点回帰していきたいと思っています。そのためには新しいチャネルを増やしていく必要があるなと。そういう意味でも、経理業務についてはプロフェッショナルとなる人に定着してもらい、足場を固めていくことがますます大切だなと感じています。

白鷺ニット工業株式会社
インナーウェア・アンダーウェアの製造卸業と、企画開発から製造・物流事業、衣料品小売事業を主に取り扱う。お客様の「あったらいいな」を根気よくカタチにし、着用するシーンと季節性をリサーチ&スタディーした上で糸、編み方、機能、加工、サイズ、色、デザインなどにこだわり、コンセプトに沿った商品制作を行っている。