「紙による経理の属人化をなくしたい」 クラウド会計でペーパーレス実現
専務取締役 浜崎 貴司 様(写真上)
経理責任者 樋口 英樹 様(写真下)
- 導入サービス
- 給与会計
- 業種
- 農林水産・鉱業その他の業種
- 事業規模
- 法人(51~300名)
経理の属人化をまねく「紙の作業」をなくしたかった
――御社の事業について教えてください。
専務 浜崎様:当社は、エネルギーの海上輸送を手がける海運会社です。昭和36年に曾祖父が創業してから現代表の兄まで四代続いています。従業員は陸上5名、海上71名の計76名です(2020年8月時点)。
海上職員は、3カ月乗船して1カ月休暇という周期で働いています。また給与体系も特殊です。そんな彼らを少数精鋭で支えるのが5名の陸上職員です。そのうち経理担当者は2名います。
――クラウド会計の導入を検討された理由はなんですか?
浜崎様:経理業務が属人化してしまうことに悩んでいました。そもそも以前使っていた会計ソフトはインストールしたPCでしか作業ができず、限られた人しか会計ソフトを見ることができなかったんです。社員全員でつくったはずの経営データを一部の人しか知らないという情報格差を解消したいと思っていました。
また、前任の経理担当者が高齢で引退することになり、私と樋口が引き継いだのですが、その時に謎の紙ファイルがたくさん出てきて。その方の知見や会社の情報を受け継いでいくには、「紙」をなくし、データをクラウド上で操作・保管する必要があると思いましたね。
――マネーフォワード クラウドはどこで知りましたか?
浜崎様:コンサルティング会社の方に紹介してもらいました。個人的にも家計簿アプリ「マネーフォワードME」を利用していたので、銀行口座やクレジットカードのデータ連携がとても便利なことはわかっていました。それに、全社員がアクセスでき、それぞれ業績を確認できるところにも大きな魅力を感じましたね。
もちろん「紙の伝票がなくなる」ことを不安視する人もいました。結局、私のほかに誰も興味をもってくれず。それでも、以前の会計ソフトと比較してマネーフォワード クラウドのメリットが大きいことは明らかだったので、周囲を説得して導入を決めました。
導入に試行錯誤しながらも…サポートは「最高だった」
――クラウド会計の導入はスムーズに進みましたか?
浜崎様:当社とグループ会社・朝日石油の2社で、マネーフォワード クラウドの導入を試みました。海運業は会計処理がとてもシンプルなので、まずは浜崎海運から取りかかったんですが……。
海上職員の給与体系が特殊なため、クラウド給与の初期設定がなかなかうまくいかなかったんです。現状のシステムで差し当たり困ることもなかったので、結局2年ほどそのままにしてしまいました。一方、朝日石油では、経理の樋口がとてもスムーズに導入したんです。
経理 樋口様:もともと朝日石油では別の業務を担当していたのですが、朝日石油の経理担当者が70歳近くになり、いよいよ代替わりということで私が後任になったんです。今は浜崎海運の経理にも携わっています。
引き継ぎと並行しながら、会計ソフトもマネーフォワード クラウド会計に切り替えることになりました。まずは前期の仕訳をクラウド会計にインポートするところからはじめました。試行錯誤しながらでしたが、大きく悩んだということはありませんでしたね。マネーフォワード クラウドは後から修正しやすいという柔軟性があるので、とりあえず進めてみるということができました。
――樋口さんは経理に異動されたとのことですが、経理業務や会計ソフトのご利用経験はあったのでしょうか?
樋口様:経理は未経験で、会計ソフトも使ったことはありませんでしたね。でも、クラウド会計が仕訳を提案してくれるといった機能もあり、基本的なルールがわかっていればソフトが補助してくれるので使いやすかったです。
浜崎様:樋口がすごくスムーズに導入してくれたんですよ。朝日石油が成功したので、浜崎海運も決意を新たに試してみようということになりました。
――導入の際、当社のサポートはご利用いただきましたか?
浜崎様:今度はマネーフォワードの方にサポートしてもらいました。チャット、メール、電話、Zoomなどあらゆるサポートを受けました。最終的には、長崎から東京まで出張して、マネーフォワード社で設定作業をして導入が完了しました。マネーフォワードの対応は最高でしたよ。
樋口が成功して、私が失敗したのはなんでだろうと考えたんです。思い当たるのは、私には「完璧にこなそう」とする傾向があったのかなと。樋口を見ているとトライアンドエラーを繰り返しながらも前進して、少しずつ確度を高めていたんです。これから導入される方には、最初から完璧を目指さなくてもいいよと伝えたいです。
経理をペーパーレス化。クラウドで共有する「安心感」が生まれた
――実際にマネーフォワード クラウド会計を使ってみていかがですか?
浜崎様:一番よかったのは、経理業務のペーパーレス化が進んだことです。経理が属人化してしまう、他社員へ情報が共有されない原因となっていたのが「紙」でした。それがクラウド上でのデータ管理になったので、今後いきなり経理の引き継ぎが発生したとしても「なんとかなる」という安心感が生まれましたね。経理は全体的に業務量も減って、担当者は明らかに余裕がでましたね。
樋口様:私はアカウント共有できるところを気に入っています。顧問税理士にも共有しているおかげで、以前よりも仕訳の相談などしやすくなりましたね。関係性がよくなったと思います。顧問税理士に見てもらう際も、これまでは帳簿を印刷してFAXして……と細かい作業があったんですが、今では「クラウド会計のここを確認してほしい」と伝えたら先方で見てもらえるのでやりとりがスムーズですね。
――経営状況がわかる売上レポートなどはご活用いただいていますか?
浜崎様:70代の会長がマネーフォワード クラウドでよく見ていますよ。会計データがすごく好きみたいで。総勘定元帳を見て「前期と数字がズレているから、勘定科目を間違えてないか?」と指摘されたこともあります。
会長は、クラウド会計の導入に消極的で「伝票もないのにどうするんだ」「信じられん」と言っていたんですけど、今では一番重宝しているように見えますね。導入後もすぐに使い方を聞かれて、自分のPCで使うようになりました。会う人にもよく勧めていましたね。
――浜崎さんご自身も、ほかの中小企業にオススメしたいと思われますか?
浜崎様:会社が、社内の情報共有を促進したい、情報格差をなくしたいと強く思うのなら、どのサービスより一番早く導入することをオススメします。私はクラウド導入に時間がかかってしまいましたが、結果として多くの社員がIT活用の取り組みに携わることになりました。このことが、マネーフォワード クラウド会計導入の最も大きな成果かもしれせん。
経営の基幹となる会計システムでクラウドサービスを導入できたことは大きな自信になりました。引き続き社内のIT活用を進めているのも、この成功体験が大きく影響しています。
不安になったり立ち止まったりすることは決して悪いことではありません。社内外問わずいろんな人の助けを借りながらでいいです。企業の在り方の理解を深めるいい機会になりました。まずは一歩を踏み出すことをオススメします。
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