「完全電子化」より、まずは情報の集約を。紙を残したまま、属人化を解消する法務DX
管理部総務人事部法務グループ 主任 潮見さま
- 導入サービス
- 契約
- 業種
- 製造 商社・卸売
- 事業規模
- 法人(301~500名)
-
課題
・契約書のチェックと押印申請が別々のフローで進行し、締結までに約1週間を要するなど業務スピードに欠けていた
・法務相談の経路が分散し、特定の担当者に業務が集中していた
・過去の紙の契約書はPDF化して管理部門の専用フォルダに保存するのみで、情報検索には制限があり、手間がかかる状態だった -
結果
・業務フローがシステムに一本化され、書類準備の手間が消滅して承認が最短1日未満に短縮された
・すべての依頼がシステム上で可視化され、進捗や履歴を誰でも確認できるようになり属人化が解消された
・キーワード検索による即時アクセスが可能になり、紙の運用を残したまま情報の一元管理を実現した
依頼がメール・口頭・チャットに散在し、承認状況を追いにくい法務業務になっていた

ーー「マネーフォワード クラウド契約」を導入される以前は、契約書の作成から締結まで、どのようなフローで運用されていたのでしょうか。また、当時はどのような点に課題を感じていましたか?
左近:導入以前は紙を前提とした運用が中心で、契約業務にかかる時間と手間が大きな課題でした。
当時は、契約書に添付する申請書をExcelで作成し、申請書に押印したうえで契約書への押印を依頼していました。その後、押印業務を含めたデジタル化を進める目的で、一部の業務ではワークフローシステムの利用を開始しました。ただ、契約書の内容を確認する承認フローと、実際に押印を依頼する申請フローが分かれており、別々に進行していたのです。
潮見:契約書の確認承認と押印申請が並行して進む仕組みだったため、処理が完了するまでにどうしても時間を要していました。早くても1週間ほどかかり、地方拠点が関わる案件では、さらに日数が延びることも少なくありません。月に約30件の契約書を取り交わすなかで、この手間の多さとスピード不足が、事業の動きを鈍らせる一因になっていました。
ーー情報共有や案件管理の体制という観点では、どのような問題を抱えていらっしゃったのでしょうか?
左近:営業部門からの法務相談や案件依頼は、口頭、メール、社内メッセージなど複数の手段に分散しており、受付経路が統一されていませんでした。その結果、法務グループ全体で、どのような案件が動いているのかを把握しにくい状況にあったのです。
また、当時の契約書業務は特定の個人に大きく依存しており、ほぼ1人の担当者が中心となって対応する時期が長く続いていました。案件の進捗や相談内容が十分に共有されないまま、業務が属人化していたのです。担当者が不在になれば、ほかのメンバーがフォローすることも難しい。仮に案件の見落としがあっても、周囲がその事実に気づけないおそれがあり、管理体制として大きなリスクを抱えていました。
ーー過去に締結した契約書の保管や管理、検索などはどのように行われていたのでしょうか?
左近:過去の紙の契約書は、PDF化してスキャンデータを作成し、アクセス権を設定した特定のフォルダに保存する運用にとどまっていました。そのため、過去の類似事例を参照したいときや、これまでにどのような契約を締結してきたかを確認したいときには、 アクセス権限者が 該当データを手作業で探す必要がありました。情報を体系的に検索・閲覧できる仕組みが整っておらず、蓄積された契約情報を十分に活用しにくい環境だったと感じています。
案件管理から電子契約までを一気通貫で実現し、定額制の料金体系も導入の後押しに
ーー導入に向けて、どのような流れで情報収集や比較検討を進められたのでしょうか?
左近:最初のきっかけは、インターネットで情報を集めるなかでマネーフォワードの製品を知り、ウェブ面談を申し込んだことでした。
比較検討の段階では、電子契約ツールとして「マネーフォワード クラウド契約」を含む4社を候補に挙げました。それと並行して、契約書業務をさらに効率化するため、契約書レビューツールを3社ほど比較し、案件管理機能を備えたシステムも探していました。最終的には、実際の運用を見据えた2〜3週間のトライアルを実施し、その結果を踏まえて導入ツールを選定しました。
ーー数社のツールを比較検討されたなかで、最終的に「マネーフォワード クラウド契約」の導入を決断された理由をお聞かせください。
左近:最大の決め手は、案件管理機能と電子契約機能がひとつの仕組みとして連携している点でした。当時、案件管理から電子契約までを一気通貫で処理できるサービスは、他社ではほとんど見当たりませんでした。契約業務をできる限りシンプルにしたいという私たちの要件に、もっとも合っていたのが「マネーフォワード クラウド契約」だったのです。
加えて、料金体系も重要な比較ポイントでした。他社サービスでは送信数に応じて費用が発生する従量課金が主流でしたが、「マネーフォワード クラウド契約」は定額制です。利用量を気にせず運用しやすく、コスト面でも優位性があると評価しました。
また、ワークフロー機能の使いやすさも導入を後押ししました。人単位でも役職単位でも承認者を柔軟に設定でき、他社システムと比べても機能性が高いと感じました。
ーー新たなシステムを導入する際、社内の稟議や承認プロセスにおいてはどのような反応があったのでしょうか?
左近:各部長に事前説明を行ったうえで稟議に上げましたが、反対意見はなく、承認は非常にスムーズでした。
新しいシステムを導入する際には、現状と導入後を比較し、どのような効果が得られるのかを具体的に示すことが重要です。契約書の電子化は、郵送費や印紙代といったコスト削減効果を数値で示しやすい領域でもあります。
実際、1通あたり数百円から数千円かかっていた郵送費などのコストが、電子化によって不要になります。削減効果を明確に提示できたことが、社内の前向きな反応につながりました。
*アカウント数に応じて定額料金は変動します。
契約業務の可視化とシステムの一元化で、処理スピードが大幅に向上
ーー新たなシステムを導入したあと、社内への浸透はどのように進んだのでしょうか。また、マネーフォワードのサポート体制についてもお聞かせください。
左近:導入にあたっては、キックオフミーティングでは、要件整理から運用設計まで丁寧に伴走いただきました。当社の状況を踏まえたきめ細やかなフォローもあり、現場に大きな負担をかけることなく、新しい仕組みを安定して立ち上げられたと感じています。

潮見:操作方法について不明点が出た場合でも、社員から寄せられる質問はごく一部に限られていました。導入前にマニュアルを確認し、あらかじめ備えていたこともあって、問い合わせにも滞りなく対応できていたと思います。結果として、運用開始後も大きくつまずくことなく、安定した立ち上がりにつながりました。
ーー実際にシステムを運用し始めてから、契約業務のフローや処理スピードにどのような変化がありましたか。
左近:これまで複数のツールにまたがっていた業務は、「マネーフォワード クラウド契約」に集約されました。それにより、書類準備にかかった手間は大きく減っています。システム上で完結するシンプルな業務フローに切り替えたことで、印刷や添付書類の用意、書類の受け渡しといった従来の工程は不要になりました。移行にあたっては、多少思い切った判断もありましたが、既存の運用を見直し、新しい仕組みに一本化しています。その結果、無駄な作業が減り、業務全体がかなり進めやすくなりました。
また、承認や締結にかかる時間も大きく短縮されています。紙の書類を回覧する必要がなくなり、承認者がそれぞれのタイミングでシステム上からすぐに確認できるようになったためです。以前は完了までに約1週間かかることもありましたが、現在では承認者の予定が合えば、最短で1日以内に承認が完了するケースも出てきました。

ーー案件管理機能の活用によって、法務グループ内の情報共有や体制にはどのような効果がありましたか?
左近:もっとも大きかったのは、法務相談や案件依頼が可視化され、長年の課題だった属人化の解消につながったことです。依頼の窓口をシステムに統一し、進捗や履歴を誰でも確認できるようにしたことで、状況をチームで把握しやすくなりました。導入後には、月に約30件の法務相談が発生していることも明確になっています。進行中の案件だけでなく、1年前から滞留している案件の状況まで追えるようになった点も大きな変化でした。
さらに、過去の契約書もシステム内でキーワード検索を使ってすぐに確認できます。担当者が不在でも、ほかのメンバーが状況を把握して対応しやすくなり、情報共有のあり方そのものが大きく変わりました。
紙の契約書にも対応する柔軟性と一元管理機能がもたらす業務改善

ーー契約書業務を担当する法務グループの体制について、今後の展望をお聞かせください。
左近:現在は一部の担当者に業務が集中しているため、今後はその負担を分散し、部署全体で対応できる強固な体制を整えていきたいと考えております。長年蓄積してきた知識やノウハウを、ほかのメンバーにも着実に共有していくことが欠かせません。実際に、潮見をはじめとする複数名へ業務移管を進めており、将来的には特定部署の案件を個々の担当者が自立して担える体制を目指しています。属人化を解消し、法務グループ全体で円滑に契約書業務を遂行できる組織へ進化していく方針です。
ーー紙の契約書を中心に取り扱う企業がシステムを導入するメリットは、どのような点にあるとお考えでしょうか。
潮見:最大の利点は、従来の紙の運用を維持しながら、分散しやすい情報をひとつのシステムに集約できる点です。複数の法務担当者がいる企業では、契約にかかわる情報がメールや口頭で散在しやすい傾向があります。案件管理機能を活用すれば、そうした情報を一連の流れとしてまとめて管理できます。紙の契約書が中心の企業であっても、業務効率化につながる有用な仕組みだと実感しています。
左近:加えて、紙の契約書の運用を認める柔軟性も重要です。他社の電子契約システムは、電子締結機能に特化している場合が少なくありません。仮に電子契約への完全移行が前提であれば、弊社での導入は難しかったと思います。案件管理とあわせて、紙の契約書業務も無理なく統合できる点に、本システムの大きな価値があると評価しています。
公開日:2026年5月29日 公開当時の情報となります
今回の導入サービス
同じサービスの事例
-
最大2時間かかっていた契約検索を大幅短縮。契約締結だけのデジタル化から脱却し、情報の不透明化を解消した方法とは
株式会社イノシア -
M&A戦略を支える「強く、しなやかな足腰」の構築 GOグループが実現したシステム連携によるグループガバナンスとスピードの両立
GO株式会社 -
法務関連業務の工数を40%削減。マネーフォワード クラウド契約の「案件管理」が支えるキャロウェイゴルフの業務改革
キャロウェイゴルフ株式会社 -
「ひとり法人プラン」の全方位サポートで実現! 地方企業の成長を支える高効率バックオフィス
つなぐスタジオ株式会社 -
起業後すぐの導入で業務効率化!事業成長に集中できる環境づくり
reslog株式会社 -
年間コストを半減!契約書の「検索・締結」を高速化し、事業を加速させるエムステージグループの契約DX
株式会社エムステージグループ
ピックアップ事例
-
「送信料0円」が導入の決め手。契約件数が多い会社にとっては圧倒的なコストメリットを実現
株式会社M&A総合研究所 -
月77時間もの工数削減に成功。Salesforceとの連携により、入力の手間と人的ミスを削減。
株式会社プログリット -
紙文化が根強い不動産業界でペーパーレス化を実現。売買単価が高いからこそ、収入印紙税削減は大きな利点である
株式会社第一住建ホールディングス