
福しんが選んだ”人に向き合う仕事”のためのDX
総務部長 石川様
経理部長 賀知様
“日常の食卓“をお届けする町中華、福しん
都内を中心に展開する「福しん」は、長年にわたって地域に根ざし、日常の中に自然と溶け込んできた存在だ。炒飯、ラーメン、定食――どのメニューも、気負わず頼める価格とボリュームで、食べたい時にふらっと立ち寄れる安心感がある。
華美な演出はない。けれど、近くにあると何だかほっとする。そんな店構えと味に支えられ、福しんは多くの住民にとって“日常の食卓”のような場所になっている。
その一方で、厨房や本部では常に変化と工夫を積み重ねてきた。業務効率や品質管理を見直しながら、食の安全性・安定供給にも目を配る――“日常の中の当たり前”を守るための努力が、静かに続けられている。
経営者にとっての課題—”財布の中”に眠る情報とタイムラグ
福しんの現場では、長年「紙と現金」が主流だった。経費のやり取りも伝票の整理も、物理的な作業が当たり前。経営者である高橋さんにとって、それは決して小さくない課題だったという。
左から、代表取締役の高橋さん、総務部長の石川さん、経理部長の賀知さん
「現金決済って、やっぱり手間がかかるんですよ。費用的な負担はそれほど大きくないんですけど、とにかく人手と時間が取られる。紙の伝票も、どこに何があるかすぐには分からない。見たいときに見られないっていうのは、すごくストレスなんです」と高橋さん。
とくに問題だったのは、“タイムラグ”だ。たとえば経費が発生しても、その情報が経理に届き、処理されるまでのあいだ、経営者は何も把握できない。誰の手元にあるのかも分からないまま、情報が宙に浮いた状態になる。
「結局、伝票が締め処理されるまで“財布の中”に情報が眠っているような状態なんですよね。リアルタイムに把握したいのに、閉じた情報になってしまう」
意思決定を担う立場にとって、“見えない”ことは“判断できない”ことに直結する。高橋さんが求めていたのは、そんなアナログ特有の閉塞感を断ち切る一歩だった。
経理部門にとっての課題—“締め日”と“金庫”の縛り
経理部門にとって、かつての運用は“やりきれない手間”の連続だった。工場からは毎月決まったタイミングで伝票がまとめて届き、それを月末までに一気に処理する。「ドンと来て、急いで確認して、締めに間に合わせる」という流れが当たり前になっていた。
「うまく締めてくれればいいんですけど、締め日が土日にかぶると処理が2日ほど遅れて、結局4日間くらい手がつけられない、なんてこともありました」と賀知さん。
金庫の管理も大きな負担だった。毎週火曜日には金庫を開けて現金を精算し、本部に報告するサイクルが組み込まれていた。精神的にも物理的にも重たい作業だったという。そのうえ、処理が済んだ伝票は“しまわれて終わり”。あとから見返すこともできず、確認や検証にも限界があった。
導入の決め手は、“コストも迷いもなかった”こと
高橋さんがマネーフォワード ビジネスカードを知ったのは、あるDX関連の勉強会だった。当初は“カード単体”の導入までは想定していなかったが、話を聞いてその印象は一変する。
「マネーフォワードといえば会計ソフトの会社という印象でしたが、法人カードも出していて、しかも導入コストがゼロ。使えばポイントまで還元されると聞いて、すぐに『これはやるしかない』と思いました」
従来の法人カードは月額費用がかかり、発行枚数にも制限がある。銀行系のカードは1枚のみが基本で、発行や運用の柔軟さに欠けていた。
「リスクがゼロとは言いませんが、費用面の負担がないぶん、判断は早かったですね」と高橋さんは振り返る。
新しい仕組みにありがちな“導入の痛み”もなく、業務の延長線上で無理なく使い始められた。マネーフォワードでは月1回のZoomミーティングがあり、リモート対応も柔軟。導入後の運用も驚くほどスムーズだったそう。
「サポートをお願いする機会があまりないんです。何かあればすぐ聞ける安心感もありますが、それ以上に“聞かなくても進められる”設計がありがたい。操作も直感的で、社内でも混乱なく使えています」
現場を軽く、判断を早く—ビジネスカード導入による変革
― “朝7からの意思決定”、解放された経営者の朝時間
高橋さんが法人カードの導入でまず実感したのは、「情報に触れるタイミングが自由になった」ことだった。
「今までは経理が動き出す10時以降じゃないと何も進まない。でも僕は朝型なので、7時台には仕事を始めているんですよ。『あれ、確認したいな』と思っても、経理が始動するまで待つしかなかった。でも今は、カードの利用履歴も経費の状況も、自分のタイミングで見られる。これ、すごく大きな変化でした」
支出情報がすぐ可視化されることで、経営判断のスピードも自然と上がる。「伝票が“誰かの財布の中にある状態”だった頃とは、比べものにならない」と高橋さんは笑う。
― 伝票の山がなくなり、月末でも業務量が安定化
経理担当者にとっても、法人カード導入の恩恵は大きかった。とくに工場や本部で行っていた“金庫精算”が不要になったことで、作業量と心理的な負担の両方が軽減された。
「以前は毎週火曜日に金庫を開けて、現金で精算していたんです。『金庫を閉めないと帰れない』なんて言うくらい。それが今は、カード決済して履歴を見るだけ。紙も現金も触らなくて済むようになりました」と賀知さん。
カード決済情報はリアルタイムでクラウドに反映されるため、月末に伝票が“どんと届く”こともなくなり、処理が平準化。
「いまでは“見たいときに見られる”のが当たり前になりました。あれは本当に大きかったですね」
月末業務の山をなくし、日々の処理を安定化させたことは、経理部門全体の働き方にも良い影響を与えている。
ポイ活だけじゃない、与信対応で見えた“使える”ビジネスカード
マネーフォワード ビジネスカードを導入して以降、支払い業務の手間は大きく軽減された。当初は主に本社の備品購入にカードを活用していたが、電力会社を新電力に切り替えたタイミングで、電気代の支払いもカード決済に移行。現在では、本社分はもちろん、各店舗の電気料金もまとめて一括で支払えるようになっている。
「銀行振込だと、請求書確認・振込手続き・確認メールのやり取り……すべてが手間でした。カードにすれば一瞬で終わるし、ポイントも貯まる。振込手数料も不要になりますから」と石川さん。
たとえばiPadを30台、約130万円分まとめて購入した際もカードで一括決済。ポイントがしっかり還元されたうえ、与信枠の増額申請もスムーズに通ったという。
ポイ活だけじゃない、与信対応で見えた“使える”ビジネスカード
「銀行系の法人カードだと発行枚数や与信に制限がある。でもマネーフォワードのカードは、必要に応じて柔軟に対応してもらえるのがいいですね」
請求の一本化や明細の管理も今後さらに簡単になる見込みだ。“企業ポイ活”という言葉には軽さもあるが、その裏にはしっかりとした業務合理化とコスト削減の実感がある。
“人が立つ現場”のために、福しんがDXで変えたこと。
「店長が店長としてやるべきことは、お客様に向き合い、良いサービスを届けること。それ以外の業務は、できるだけ店長の手から外してあげたいんです」と高橋さんは語る。
福しんがDXに取り組む理由は、単なる効率化やコスト削減ではない。それは、“人が人と向き合える環境”をつくるための手段として、テクノロジーを活用しているからだ。現場での決済や経費処理をカードで完結させたり、伝票処理をクラウドで可視化したりするのも、すべては「人にしかできない仕事」に集中できるようにするための工夫である。
「接客も、調理も、サービスも、結局は“人の気づき”で成り立っています。だからこそ、省ける手間はテクノロジーに任せて、本当に必要な判断や工夫ができるようにしたいんです」
業務を仕組みで支える一方で、福しんが一貫して大切にしているのは、“人の価値”だ。
「DXはあくまで手段。主役は人間であるべきだ」――そうした姿勢が、高橋さんの言葉や経営スタンスから自然と伝わってくる。
公開日:2025年7月28日 公開当時の情報となります
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