建設業界の紙文化に挑んだ経費精算DX 導入時の不安から一転、現場からの称賛を集めるまでの木内建設の挑戦
総務経理部 経理課 副主任 千葉 勇希様
総務経理部 経理課 栗田 菜々子様
- 導入サービス
- 経費
- 業種
- 建設・不動産
- 事業規模
- 法人(301~500名)
同社は、紙書類による経費申請の手間と手計算での集計作業に課題を感じ、マネーフォワード クラウド経費を導入。ペーパーレス化を始め、オペレーターによる代理入力を活用することで現場の負担削減を始めとして経費精算の効率化を実現しました。
今回は、同社にマネーフォワード クラウド導入の背景や導入後の効果について伺います。
紙作業をなくしたい!創業100周年の総合建設企業がペーパーレス化・効率化へと踏み切ったきっかけとは?
ーー貴社の会社概要と、今回、経費管理システムの導入に至った背景や課題についてお聞かせください。
千葉様:当社は、用地取得から企画、設計、建設、メンテナンスまで一括して担う総合建設企業です。時代の変化に柔軟に対応しながら、お客様のご要望にお応えし続け、2021年には創業100周年を迎えました。
当社の経理部門は、部長、副部長、課長、実務担当者など各係4名の7人体制です。経費申請、精算は紙書類でおこなっていたのですが、一人当たりにかかる作業量の多さに課題を抱えていました。
以前は、従業員に仮払いで現金を渡して経費に使用し、従業員の仮払い現金が足りなくなったら精算するという方法で経費精算を実施していました。
従業員が経費申請する際は、領収証を日付順に並び替え「雑費帳」という紙の帳面に経費の内容を一件ずつ記入し領収証を貼付し、承認者が内容を確認するという流れです。
このフローには、大きく3つの課題がありました。
1つ目は、申請者が紙に内容を記載する負荷があったことです。一部の従業員からは「他の企業が経費精算システムを導入しているなかで、木内建設はいつまで紙で申請するのか」という声もあがっていました。
2つ目は確認する経理担当者の負担です。多くの領収証をみる必要があり、各領収証の確認・科目の振り分け・手作業での集計など、相当な作業負担がありました。
3つ目は、経費や作業量を想定しにくい状況だったことです。ある程度経費がたまってからまとめて申請する人がおり、中には仮払金の2倍(10万円ほど)の経費をまとめて申請する人もいました。そうなると、一度の作業量や経費が想定しにくく、なるべくタイムリーに経費精算を出していただきたいという思いがありました。
このような、紙作業をなくしたいという現場の声と、ペーパーレス化・経理業務の効率化を望む経理部門の想いをきっかけに経費システム導入の検討を始めたのです。
導入の決め手はオペレーターによる代理入力とコストパフォーマンスの良さ。手厚いサポート体制でスムーズに導入
ーー経費システムのなかでも、マネーフォワード クラウド経費を導入した決め手を教えてください。
千葉様:経費システム導入にあたって、東京や名古屋で開催されているバックオフィス展示会に参加し、数社にデモを依頼した結果、マネーフォワード クラウド経費の導入を決めました。
他社システムと比較してマネーフォワード クラウド経費を選んだのは、オペレーターが代理で経費内訳を入力してくれる点を大きなメリットと感じたからです。また、コストパフォーマンスの良さと営業担当者が熱心に対応してくれたことも導入の決め手になりました。
マネーフォワード クラウド経費導入にあたってのサポート体制には、非常に満足しています。導入前から親身になって相談に乗ってもらえたこと、建設業特有の管理方法に対してもアドバイスをもらえたことが好印象です。初めてワークフローが入ったシステムを導入したことで不安もありましたが、オンラインでその旨を伝えたところ、導入担当者から迅速かつ的確な助言をもらえました。不安も解消でき、スムーズに対応してもらえたことから、導入もスケジュール通りに進められました。
現場従業員の不安が大きく、当初システム導入のハードルは高かった。各拠点で直接説明することで信頼を得て、導入へと動き出す
ーーどのような段取りで導入を進められましたか?
千葉様:実は、当社は最初からマネーフォワード クラウド経費を導入したわけではなく、導入前のワンステップとして紙の雑費帳を廃止し、Excelでの管理に変更したという経緯があります。紙でおこなっていた経費精算を急に電子化すると、従業員から戸惑いの声があがるのではないかと考えたからです。
Excelでの申請に変更した後は、仮払金から立替精算への切り替えや従業員への説明などの準備を開始し、2024年1月からマネーフォワード クラウド経費の運用を開始しました。
栗田様:マネーフォワード クラウド経費導入に至るまでの道のりは、容易ではありませんでした。仮払金がなくなり、一旦自分で立て替えなければならないことへの不満や、「ようやくExcel入力に慣れてきたのに、また経費精算システムに変更するのか」という声があがりました。
長野様:一方で、経営層からは導入にあたって、マネーフォワード クラウド経費導入について反対の声はありませんでした。とはいえ、地方の建設業はアナログな文化が主流です。そもそも現場の作業そのものがアナログ中心なので、デジタル的なものを取り込むのが難しく、導入までのハードルが高かったのは事実です。
経営層からは「電子的な申請を導入する前に、まずは従来の経費精算の方法をもう一度洗い直してみるように」と指示があり、マネーフォワード クラウド経費導入を納得してもらうまでに時間を要しました。
現場従業員には、システム導入に対する不安を払拭してもらうため、導入について、各拠点の総務担当者から現場従業員に直接説明をお願いしました。また、経理部門も現場に直接出向き、今後の経費精算方法について説明しました。これまで経理担当者が現場に出向いて説明をすることはなかったので、直接説明することで信頼を得られ、良い経験になったと思っています。
これらの結果、マネーフォワード クラウド経費の導入に進むことができました。
スタート9か月で現場従業員から喜びの声が届く。システム導入は不安から期待へとシフトし、申請者・確認者ともに効率化の大きな効果を実感
ーーマネーフォワード クラウド経費の導入後の効果を教えていただけますか?
長野様:数々のハードルを乗り越えて導入したマネーフォワード クラウド経費は、予想以上の効果をもたらしてくれました。
クラウド経費導入にあたって、当初は一部の従業員より「慣れないシステムを使うことで、かえって精算作業に手間も時間もかかってしまうのではないか」というお声もありました。
しかし、今では「領収書もらった時に携帯電話で写真を撮りさえしておけば大幅に月末の精算作業を短縮でき、恐れていたシステムの操作も簡単明快で、入力作業をすることができる。」「以前は業務終了後にまとめておこなっていた作業も、業務の隙間をみて登録することができ業務の効率化にも繋がった。」との声に繋がっています。
栗田様:その他にもさまざまな効果があります。経理側では、入力された経費データをCSVファイルでインポートして伝票に移行するという作業がおこなえるようになり、領収証を確認しながらひとつひとつ入力する作業や手計算する手間がなくなりました。
それにより、これまで1拠点につき15〜30分かかっていた月次伝票の入力時間がゼロになり、作業時間を大幅に短縮できています。
千葉様:現場従業員側は、マネーフォワード クラウド経費を導入したことで手書きの作業や承認印が不要となり業務の効率化に繋がっています。
現在はスマートフォンで領収書を撮影し、マネーフォワード クラウド経費に領収書をアップロードするだけで経費の精算ができるようになっています。現場従業員からは、オペレーターが必要項目を入力してくれる機能がとても有用で「携帯電話で領収書の写真を撮っておくことで、月末の精算作業を大幅に短縮できる」と好評です。
更に、スマートフォンから操作ができるため、以前は業務終了後にまとめておこなっていた作業を業務の隙間時間でできるようになり、効率化に繋がったという声も寄せられています。
また、電車代の申請の際、以前は乗車履歴が繋がるように鉄道会社の履歴を添付する必要がありましたが、導入後は、私用と業務用が混じった交通費でも、業務分だけ選択して経費として登録できるので非常に便利になりました。
長野様:マネーフォワード クラウド経費を導入してから9か月経ちますが、徐々に浸透してきており、不安を感じていた現場の従業員間で大きな困りごとも発生していません。シンプルでわかりやすい操作性のため、入力作業に負担を感じないという声も聞きます。 システム導入の際にはさまざまな苦労がありましたが、導入は正解だったと感じました。
ーー建設業界特有の経費管理はマネーフォワード クラウド経費を導入したことでどのように変化したでしょうか?
千葉様:建築・土木業界特有の工事の経費管理とマネーフォワード クラウド経費の連携もうまくいっています。業界の決まりとして工事ごとに経費を管理する必要があるため、工事ごとの区別のためにプロジェクトコードに工事番号を設定しています。工事にかかる経費は、どの工事の何の費目かを現場従業員に選んでもらうため、汎用マスターに工種コード(工事の種類)を設定しました。工事番号と工種コードで経費申請できるように設定することで、スムーズに対応できるようになりました。
紙申請のアナログ文化からキャッシュレス化の未来へ。経理部門を中心にさらなる効率化を目指す
ーーマネーフォワード クラウド経費を活用して、更に取り組んでいきたいことはありますか?
千葉様:最初は不慣れなことに戸惑う声もありましたが、半年経って「マネーフォワードをどうやって使っていこうか?」というポジティブなマインドの変化をみることが少しずつ増えてきました。今後は、経理部門での承認数を少なくすることに取り組んでいく予定です。
マネーフォワード クラウド経費導入後ですが、これまでは部署ごとで承認していた工程がすべて個人単位での申請になったことで承認依頼数が多くなりました。対応策として、月2回の締め日を設けていますが、都度申請される方もたまにいらっしゃいます。そのような方へ個別に説明をしており、ルールの浸透を促していければと思っています。
長野様:また、マネーフォワード クラウド経費は、キャッシュレス化の実現や、事前申請の活用も視野に入れて導入しました。いずれは部門や拠点ごとに法人カードを導入し、従業員が立て替えすることなく、経費精算できる体制にしていきたいと考えています。また、出張許可や、接待、贈答の申請をスムーズに進めるため、事前申請の導入も目指していきます。
公開日:2024年12月9日 公開当時の情報となります
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