業務フローの徹底的な見直しで効果を最大化。管理部門のDXによる経営課題の解決への挑戦
- 導入サービス
- 経費
- 業種
- 製造
- 事業規模
- 法人(1001名以上)
同社は、独自開発に近い経費精算システムに課題を感じ、マネーフォワード クラウド経費を導入。スキャナ保存による業務効率化と併せ、電子帳簿保存法(以下電帳法)、インボイス制度への対応を同時に実現しています。
今回は、同社グループ経営推進部 執行役員 西田様に、自社の管理部門におけるデジタル活用の取り組みやマネーフォワードクラウド導入の背景、導入後の効果について伺いました。
※本記事は2024年5月28日に開催されたイベント「文藝春秋カンファレンス 業務効率化 総点検 大阪」における、対談講演「経理部門のDX実践ストーリー」を基に再編集しております。
DXへの積極的な取り組み:業務効率化の必要性から経費精算システムの課題と向き合う
当社は主に食品業界向け計量・包装機器メーカーとして、食品製造、流通小売、物流、さらには医療・医薬へと幅広い分野における自動省力化を実現する製品システムを開発・提供しています。従業員は1,651名(2024年6月現在)、国内に34拠点・海外に19拠点を置き、世界100ヶ国以上で事業を展開しています。
多くの企業と同様に当社でも、経営者が管理部門に求めるDXの役割が拡大しています。従来のバックオフィス業務に加え、KPI経営やコンプライアンスの強化、働き方・働き甲斐改革、BCP対応、CSR活動取組みなど、多様な経営課題への対応が必要です。
一方で採用難の状況下では、単純な人員増加でのカバーは適切ではありません。ITを利用して業務効率化を進め、業務プロセスを最適化することで生み出された時間を活用し、経営課題に対応していくべきだと考えます。
当社は約5年前からシステム化やアウトソース化への投資を積極的におこなっており、例えば各部門でRPA導入目標を立て、情報システム部門がサポートしています。直近では大型地震への備えとして、サーバーを最新のデータセンターへ移行するなどインフラ面での強化も図っています。
業務効率化を目的としたシステム導入の際には、現在の業務プロセスをしっかりと見直し、標準化を徹底することが重要です。非効率な部分を含んだままシステム化すると、無駄が増幅してしまうからです。まずは現状の改善をおこなってからシステム導入することが大切だといえます。
また、システム選定には慎重な検討が必要です。複数社の提案を入手し、コストだけでなく、システム会社担当者の対応や、導入後のサポートも加味した選択をおこなっています。
これらの方針のもとで、保守期限を迎える旧経費精算システム入れ替えの検討をすることになりました。
海外出張が多く、旅費規程も複雑。手入力が必要な経費精算システムの刷新を検討
もともと当社の旅費規程は非常に複雑なものでした。そのため、システム自体もスクラッチで作らざるを得ず「システム」というより「データをしまう箱」に近くなり、申請者は規程を確認しながら手当等を手入力しなければなりませんでした。
その結果、入力ミスが多く、経理・総務担当者によるチェックが必須、かつ差し戻しも多く、申請者も経理・総務担当者にも非常に負荷がかかる状況でした。
特に海外出張に関しては、通常出張・研修出張の区分があり、そのうえ出張地域や役職による規程の違いがありました。また、時間外手当だけでも出発・到着・帰着の3種類、かつ7条件という複雑さでした。国内出張でも支店・客先など行き先によって条件が異なり、加えてメンテナンス部門は深夜や休日の出動も多く、それぞれの時間外手当計算もありました。
実は当初は、規程にあわせたスクラッチシステムの検討も進めていました。しかし、スマートフォンで使えるようにしたい、データ連動できるようにしたいなど、使いやすくなじみやすいシステムを希望する声が社内で次第に大きくなっていったのです。そこで、使い勝手のよさそうなSaaSサービスの導入も検討することになりました。
スクラッチ開発か、SaaS導入か。既存の業務フローを徹底的に見直し、中長期的な汎用性と柔軟性からマネーフォワードを選択
スクラッチ開発かSaaSサービス導入かを検討する際、比較のポイントが2つありました。
1つ目は、中長期的なメンテナンス・改修を考えて、汎用性のあるシステムの採用が望ましいこと。2つ目は、スマートフォンで使用できるシステムを希望する声が社員から挙がっていたことです。また、使いやすくなじみやすいUIや、Suicaなどと連携できるシステムの希望などもありました。
比較のポイントを考えた結果、スクラッチ開発ではなく、既存のSaaSサービスを選ぶことになりました。
SaaSサービスの中でもマネーフォワード クラウド経費を選んだ決め手は、当社の課題に対し親身に対応してもらえたことです。複雑な旅費規程の課題にも柔軟に対応していただき、旅費規程を変更する際にも的確なアドバイスをもらえました。結果的には、旅費規程を「システム導入に合わせて変更する」という、業務プロセス見直しの意思決定をおこなった点が成功につながりました。
また、マネーフォワード クラウド経費はスマートフォンアプリに対応しており、操作画面のUIが洗練されていることも判断のポイントのひとつといえます。経費精算システムは多くの社員が利用するため、ユーザーフレンドリーなシステムであることは大きな魅力でした。
さらに、マネーフォワード クラウド経費を含め、SaaSのサービスは常にアップデートし続ける点も重要なポイントだと考えています。最初から完璧なシステムはありませんが、利用者の声やテクノロジーの発展によって年々使いやすく進化していくのもSaaSサービスのメリットだと感じています。
電帳法・インボイス制度はスムーズに対応。スマートフォンによるスキャナ保存や自動連携で業務効率化を実現
導入後に感じた最も大きな効果は、出張の経費精算にまつわる営業担当者の作業負担を大幅に軽減できたことです。これまで、社員は経費精算のために営業所や本社に立ち寄る必要がありました。マネーフォワード クラウド経費の導入後は手入力作業が大幅に減り、スマートフォンからも直接申請が可能になりました。業務効率が向上し、営業担当者も大変喜んでいます。
また、マネーフォワード クラウド経費のデータ連携サービスを使うと、経費精算の作業が短時間で完了します。SuicaやICOCAなどの交通系ICカードや、新幹線のエクスプレス予約(スマートEX)など出張で使うサービスと自動連携できますし、インボイス制度の適格請求書発行事業者番号の照合も自動で完了します。飲食等の紙の領収書は受け取ったらすぐにスマートフォンで写真撮影、申請データにすることができる点も非常に楽ですね。
さらに、各種サービスの自動連携機能を使うことで、経費精算でスマートフォンを利用する従業員の負担を軽減できるだけでなく、手入力が不要なためミスが減り、経理・総務担当者のチェック業務の効率化にも貢献しています。
加えて、マネーフォワード クラウド経費を導入したことで、電帳法やインボイス制度など、制度変更への対応がスムーズに完了しました。紙の領収書のデータ化(スキャナ保存)は今でも義務ではありません。しかし、法人としてスキャナ保存に対応をしないと、申請者は紙の領収書をスキャンして申請をするにも関わらず、保存はルール上「紙」になるという、面倒な事態になってしまいます。これを避けるため、スキャナ保存を法人としてルール化し、業務効率につなげるという状況を生み出しています。
管理部門のDXとしてグループ全体の「クラウド+アウトソース」を進めていく
管理部門のDXとしては、クラウドシステムをグループで展開していきたいと考えています。規模の小さいグループ会社では経理担当者の数が限られ、業務が属人化しやすい傾向にあり、パンデミックなどの有事の際に対応できません。
担当者が対応できないときでも、同じクラウドのシステムであれば「利用者登録をする」「グループ会社の規程を持っておく」などの諸条件を整備する必要はあるものの、物理的に離れた距離にある親会社でサポートすることも可能です。
併せて、今後はアウトソースの活用も増やしていきます。すでにマネーフォワード社のシステムを利用して、経費申請の一部承認作業をアウトソーシングしています。申請内容によって、当社経理・総務担当がチェック・承認をするケース、アウトソーシング会社がするケースに分けて運用しています。
システムのグループ会社展開とアウトソースを組み合わせ、緊急時にも場所を問わず対応可能な仕組みを整えていきたいと考えています。子会社の旅費規程見直しや、運用体制確立など、ハードルは高いですが、効率化とBCP対応の両立を目指します。
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