法改正をきっかけに経理業務を一新!マネーフォワード クラウド経費を導入し、グループ153社のペーパーレス化と業務効率化を同時実現
経理部 課長代理 原岡 智恵美様
同社はこれまで、本社経理部が毎月300枚以上の紙の申請書を一括管理。電子帳簿保存法とインボイス制度の2大法改正をきっかけに、スタッフの業務負担が増えることを課題に感じてマネーフォワード クラウド経費、マネーフォワード クラウド債務支払をグループ153社で導入しました。
今回は、同社にマネーフォワード クラウド経費導入の背景や導入後の効果についてお伺いしております。
※本記事は2024年5月22日に開催されたイベント「文藝春秋カンファレンス 業務効率化 総点検福岡」における、対談講演「経理部門のDX実践ストーリー」を基に再編集しております
きっかけは2大法改正。インボイス制度の開始で、約60名の経理スタッフでは業務が滞る可能性があった
堀様:当社は全国に170社のグループ企業を持ち、約13,000名の従業員が在籍する企業です。グループ全体の経理業務を約60名の本社経理部職員が一括管理しています。
マネーフォワード クラウド経費の導入前は、経費精算をすべて紙ベースでおこなっていました。具体的には、全国にある300の営業所が紙の請求書や領収書を取りまとめて本社経理部に郵送し、本社経理部が確認・処理する流れです。月初めの3営業日で300枚以上の申請書が届き、本社経理部は2営業日以内に処理を終えなければなりませんでした。
原岡様:2営業日という短い期間で経理の処理を終わらせなければならないプレッシャーがあり、以前は時間的にも精神的にも余裕がありませんでした。特に月初めは常に時間に追われていたと記憶しています。
また、申請書の確認・処理以外にも、各営業所とのやり取りに時間がかかっていました。
例えば、各営業所から請求書の記載に関する問い合わせが寄せられた際、システムであれば同じ画面を見ながら指示を出せるうえ、請求内容を入力してもらった後すぐにミスがないか確認できます。
しかし、紙の請求書の場合は内容を想像しながら口頭で説明するしかなく、申請書が届いてから記載ミスがわかり、差し戻しや再申請が必要になるケースもありました。
堀様:システムを導入しようと考えたきっかけは、電子帳簿保存法とインボイス制度の2大法改正です。2022年に電子帳簿保存法が施行され、電子取引のデータ保存が義務化されたため、システムの導入が必要になりました。さらに、2023年のインボイス制度導入により書類の確認事項が増えるため、このままだと経理部社員の業務負荷がさらに高まる可能性がありました。
加えて、毎月届く紙の書類は年間1,000箱分にのぼり、ペーパーレス化に向けた対策を考えていたことも、システムの導入を決めた理由のひとつです。
価格重視のシステム導入で失敗を経験。法対応と効率化を同時に実現できるクラウド経費の導入を決意
堀様:2022年に電子帳簿保存法が施行された際、価格重視で別のシステムを導入しました。しかし、そのシステムにはOCR機能(紙に書かれたテキストを文字データに変換する機能)が備わっておらず、請求書や領収書のデータを手入力する必要があり、結果として業務負荷はかかったままでした。
そこで、システムの切り替えが必要だと判断し、マネーフォワード クラウド経費の導入へと至ります。
システムの再選定時は、ペーパーレス化につながるかや、150社以上のグループを一つのシステムで運用できるかを考慮しながら9社ほどに話を聞きました。
そのなかで、半年ほど熟考して選んだのがマネーフォワード クラウド経費です。
マネーフォワード クラウド経費を選んだ最大の理由は、法律への対応と効率化を同時に実現できることです。マネーフォワード クラウド経費では、経費精算をシステム上で進められ、そのままデータで管理できるため、電子帳簿保存法に則って書類を保存できます。また、精度の高いOCR機能が備わっているため、変換ミスや転記ミスの心配がありません。
インボイス制度にも対応しており、適格請求書発行事業者登録番号の自動判定機能も備わっています。経費の登録画面で番号を入力すると、自動で正しい番号かを判定してくれるため、その場で記入ミスに気がつけるのは便利だと感じました。
また、決済したデータがシステムに自動的に連携される点も効率化につながると感じました。オートメーション機能により、クレジットカードや電子マネーから明細・領収書のデータが自動取得され、経費明細に自動入力されるようになることで、経費精算の手間が減るからです。
加えて、申請内容が誤っていた場合に、承認者側で電子帳簿保存法に則って修正ができる点も便利です。修正内容は申請者にもチャットで伝わるため、次回の申請では正しく記載してもらえます。修正内容のログも残るため、内部統制の強化にもつながると考えました。
マネーフォワード社の手厚いサポートで計画通りに導入できた
堀様:導入に際しての最大の苦労は、上層部からシステム導入や予算の承認をいかに得るかでした。非生産部門の経理部がシステムを導入するためには、単に業務の効率化をアピールするだけでは理解を得るのは難しかったからです。そこで、福岡証券取引所に上場している企業として法令遵守が重要であること、そのために必要なシステムであることを強調することで、上層部の承認を得られました。
原岡様:現場への導入は日常業務と並行して進めなければなりませんでしたが、マネーフォワード社の導入支援を受けることで、計画通りに進められました。
支援いただいた主な内容は、スケジュールの作成と従業員への周知活動に関するサポートです。マネーフォワード社の担当者に、いつまでに何をすればいいかスケジュールを組んでもらい、運用ルールについてもアドバイスをもらいました。
また、全国にいる従業員への周知活動に関しても、マネーフォワード社が用意している動画やマニュアルを使うことで、それほど苦労せずに操作方法を従業員にレクチャーできました。
クラウド経費で2大法改正への対応は万全。業務負荷を軽減し、作業日数も5日から2日に短縮
堀様:マネーフォワード クラウド経費を導入したことにより、社員の負荷を増やさずに法改正へ対応できています。
精度の高いOCR機能により、紙の書類を正確に電子保存できるようになりました。また、インボイス制度の開始で必要となった税率ごとの取引項目の仕訳や消費税の計算、適格請求書の保存といった作業を自動化できました。導入していなかったら、残業時間が確実に増えていたと感じています。
原岡様:月初の業務集中を緩和できたことも、マネーフォワード クラウド経費を導入した効果です。以前は、各営業所が申請書を月初3営業日以内に本社経理部へ郵送送していましたが、現在は郵送の必要がなくなりました。これまで合計5営業日かかっていた経費精算を2営業日に短縮できているだけでなく、システム上で申請内容を事前確認できるようになったため、経理側の月初の業務集中も緩和できています。
さらに、提出前の申請書の記載状況を本社経理部が確認できるようになったことで、各営業所からの問い合わせについても「ここをこのように入力してください」と明確な指示が出せるようになりました。また、チャットで申請者、経理担当者、承認者のコミュニケーションも完結できるため、電話で連絡していたときと比べて指示を出す手間も減りました。
堀様:マネーフォワード クラウド経費の導入で、各営業所の負担も軽減されています。これまでは、申請書に間違いがあった場合、修正のための書類のやり取りが必要でした。現在はシステム上でやり取りでき、簡単な修正は管理者側で対応できるため、差し戻しや再申請が不要になりました。
また、社内の申請書を電子化したことで紙の書類の保管や管理が不要になり、年間1,000箱あった段ボールが約200箱削減される見込みです。保管や管理にかかっていた職員の労力が減ったうえ、ペーパーレス化に向けた第一歩を踏み出せました。
今後の目標はさらなる業務効率化。マネーフォワード クラウドの他サービスも活用していきたい
堀様:将来的には取引先から届く紙の請求書を電子受領に変えることで、さらに段ボール500箱分削減できればと考えています。今回のシステム活用の成功例をきっかけにマネーフォワード クラウドの他サービス導入を検討し、さらなる業務効率化を図っていきたいと考えています。
今回の導入サービス
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