北王コンサルタント株式会社

全社的なDX推進で、経理業務のキャッシュレス化とペーパーレス化を実現!経費精算フローを効率化し、作業負荷を大幅に削減

北王コンサルタント株式会社 (左から)
経理部 財務課 高木 安里様
経理部 財務課 課長 福西 重了様
経理部 財務課 八戸 聖洋様
北海道の社会インフラ整備を支える総合建設コンサルティングサービスとして、農業インフラ、都市インフラ、環境・エネルギーなどの分野で多くの実績を重ねている北王コンサルタント株式会社。北海道帯広市に本社を置き、札幌支社をはじめ道内に5拠点を展開しています。

DX推進・バックオフィス業務の効率化に取り組む同社は、経理業務のキャッシュレス化とペーパーレス化を目指し、マネーフォワード クラウド経費マネーフォワード クラウド債務支払を導入しました。

今回は、マネーフォワード クラウドを導入するに至った背景や課題、導入後の効果についてお話を伺いました。

経営陣主導でDXを推進。キャッシュレス化とペーパーレス化を柱に、経理業務の効率化に着手

福西様:当社では、経営陣主導でDXや新技術の採用に積極的に取り組んでいます。2年前にDX推進室を立ち上げ、各部署から選出された社員が、新事業や新システムの導入を日々検討しています。

マネーフォワード クラウドの導入を検討したのも、DXの取り組みの一環で、経理に代表されるバックオフィス業務の効率化をしたかったためです。以前の当社の経費精算はフローが複雑で、経理部だけではなく現場社員も申請に時間がかかっていました。負担も大きかったことから、経理業務の効率化を最優先で取り組むべき課題として位置付けていたのです。

バックオフィス業務の効率化で改革の柱としたのは「キャッシュレス化」と「ペーパーレス化」の2点です。この目標に向けて、DX推進室とバックオフィス部門が連携し、課題の洗い出しと解決策の検討を進めました。

まずキャッシュレス化についてです。以前は出張旅費や備品購入のような経費精算があった際、事前に仮払いをするか、社員が立て替えて、領収書と引き換えに現金で精算していました。

そのため、経理部の担当者は領収書の確認や精算処理に加え、経費申請者に手渡す現金を封筒に入れる作業も必要だったのです。特に日当の支払いがある毎月末には、半日ほどかけて数十人分の封筒を準備していました。単に現金を封筒に入れるだけでなく、一人ひとりの金額の正確性チェック、預金からの引き出しや両替、さらには金種ごとの仕分けなど、多岐にわたる細かな作業が必要です。

そのうえ、現金はサインと引き換えに手渡しするため、申請者のいるフロアまで行き手渡しする時間も要していました。外出の多い社員の忙しいスケジュールに合わせて待ち合わせをしたり、席にいるタイミングを見計らって訪問したりと、対面での時間調整に時間がかかっていたのです。

高木様:月に30件以上の経費申請があり、平均すると1件あたり30分ほど要していたと思います。申請者に手渡す現金も不足することが多く、毎週のように経理担当者が銀行に赴き、現金を準備する必要がありました。

福西様:そこで、現金での仮払いや精算をなくし、経理部門のキャッシュレス化を進めるため、経費精算のシステム導入を検討しました。法人カードの利用と併せてシステム移行を推進し、立替払いを廃止することで、現金のやりとりを最小限に抑えたいと考えたのです。

次に、経理業務のペーパーレス化です。きっかけは、電子帳簿保存法の施行です。経費精算および請求書支払ともに紙でのやり取りをなくし、スキャナ保存制度・電子取引制度に対応する必要がありました。

また、法対応と併せて、請求書支払における業務効率も改善したいと考えていました。当社では以前、月に40〜50枚の紙の請求書が届いており、その支払業務に多くの時間を要していたのです。

また紙の場合、保管スペースが必要だったり、紛失リスクもあります。そこで、請求書をデータ化し、システム上だけで完結するように一元管理することで、ペーパーレス化を実現したいと考えました。

このような経理業務の課題を解決すべく、バックオフィス業務のDXの第一歩として、システムの導入を検討しはじめました。

コストよりも業務効率の改善効果と使いやすさを重視し、マネーフォワード クラウドを導入

福西様:システムの導入にあたっては、5社ほどのサービスを比較検討しました。コストよりも業務効率の改善効果と使いやすさを重視し、約10か月かけて慎重に選定を進めています。

マネーフォワード クラウド経費を導入した決め手は、「サービス連携先が豊富で効率的なこと」と「提案時の担当者の熱意」でした。

まず、サービス連携先についてです。マネーフォワード クラウド経費は、交通系ICカード、クレジットカードといったサービスとの連携先が充実しており、使いやすいと感じました。法人カードとの連携も簡単で、対象の明細を選ぶだけでスムーズに経費登録ができます。登録作業もスマートフォンに対応しており、複雑な入力項目も不要なため、デジタルツールに慣れていない社員でも使いこなせると判断しました。

次に、導入前の最終プレゼンテーションにおけるマネーフォワード社の熱意も決め手になりました。担当者の誠意や態度が好印象で、導入後も丁寧にサポートいただけるのではないかと期待が持てました。

導入が決まった後は、社員への説明会の実施とマニュアル整備により、スムーズな現場への浸透を図りました。

説明会は、本社を中心に主要3拠点で対面形式で実施しました。サンプルの領収書を用意のうえ、実際に経費精算の仕方をデモンストレーションし、デジタルツールに慣れていない社員も使いこなせるよう丁寧に説明しました。また、説明会の際にはデジタルツールに抵抗のない若手社員を中心に、各拠点で伝達役になってもらうよう呼びかけました。若手社員が年配の社員をサポートすることで、導入をよりスムーズに進めることができたと思います。

八戸様:マニュアルは独自に整備しました。マネーフォワード社が提供するテンプレートをもとに、当社の経費精算フローに合わせてカスタマイズしています。

具体的には、申請方法をわかりやすく解説するようにしました。さらに、消費税率が異なる場合の申請方法などの社員からのよくある質問はQ&Aにまとめ、全社に配信することで、社内に周知していきました。

キャッシュレス化とペーパーレス化を実現。経費精算フローの効率化で、経理担当・申請者双方の作業負荷を大幅に削減

福西様:マネーフォワード クラウドの導入により、経理業務のキャッシュレス化とペーパーレス化を実現しました。

まずキャッシュレス化ですが、マネーフォワード クラウド経費を導入したことで、法人カードを全社員に配布し、経費の仮払いと立替精算を原則廃止することができました。その結果、銀行での現金引き出しなど、現金の手渡しに関わる作業をほぼゼロに抑えられています。

高木様:銀行に赴く頻度も現在は月2回ほどで済むようになり、往復の時間や待ち時間を削減できました。また、多いときは毎日おこなっていた現金の封筒詰めや、申請者への手渡しする時間も減っています。毎月末に半日ほどかけておこなっていた現金での日当の支払い業務もなくなり、業務効率化の効果を感じています。

福西様:次にペーパーレス化については、マネーフォワード クラウド経費の導入により、スマートフォンで領収書を撮影し、デジタルで保存することで紙の領収書や申請書を使用することも減りました。

サービス連携の簡便性と、スマートフォンでの操作性の良さから年配の社員でも申請しやすく、紙の使用量を削減できています。

システム化によって経費申請内容のチェック精度が向上したことも効果の1つです。以前の紙を使った申請の頃と比べ、正確に申請できるようになりました。申請内容がデータで可視化されたことで、以前より不備や誤りを見つけやすくなったのです。

また、マネーフォワード クラウド経費の導入後、現場の社員がスマートフォンを使って外出先からいつでも経費申請できるようになったこともメリットだと感じています。

従来は、出張から戻ってから手書きの申請書を作成し、領収書を添付して提出する必要がありました。申請書の作成には、項目ごとに領収書を仕訳する手間もあり、一つの申請で30分以上かかることも珍しくなかったのです。

しかし、マネーフォワード クラウド経費ならスマートフォンでいつでも申請できるので、移動中の隙間時間でも申請が完結します。クレジットカードや他サービスと連携すれば、スムーズに経費登録が可能です。加えて、マネーフォワード クラウド経費にはOCR機能が備わっているため、撮影した領収書の内容を読みとって明細として登録もできます。申請者の作業時間は、申請1件あたり数分程度に短縮されました。

また、マネーフォワード クラウド債務支払では、請求書支払に関する業務をデジタルで一気通貫できるようになり、申請や承認をスピーディーにおこなえるようになりました。取引先から紙の請求書で届くことが減り、ペーパーレス化、電子帳簿保存法への対応、業務効率の改善をすべて解決することができました。

今後は会計システムとの連携を図り、さらなる効率化に向けた取り組みを推進したい

福西様:マネーフォワード クラウドのおかげで削減できた時間は、経理担当者が別の業務に割り当てられるようになりました。グループ会社との調整など、より管理面の仕事に時間を使えるようになっています。

同じ部のなかでも残業時間が多い人の作業を手伝えるようになり、部全体で仕事を分散できるようにもなりました。領収書の紛失リスクもなくなり、経理担当者の精神的な負担も大幅に軽減されました。

現在は会計システムとの連携がなく、一部を手作業で仕訳している状態です。DX推進のなかで、会計システムの刷新も視野に入れており、マネーフォワード クラウドとも連携のもと、さらなる業務効率化を図りたいと思っています。

将来的には、バックオフィスにAIやチャットボットを取り入れるといったことも検討しています。今後もさまざまなDXに取り組んでいく予定です。

公開日:2024年7月31日 公開当時の情報となります

北王コンサルタント株式会社
1967年の創業以来、農業インフラ、都市インフラ、環境・エネルギー、測量・地質調査など幅広い分野で社会インフラ整備に取り組む総合建設コンサルタント。 近年はDXや新技術の積極的な採用を推進。社内でDXプロジェクトチームを設け、新事業や新システム導入に向けた、最新のデジタル技術の検討をおこなう。BIM(Building Information Modeling)やCIM(Construction Information Modeling)、3次元レーザー計測などの活用を進めるとともに、関連会社と連携したドローン開発・運用にも注力している。