• 作成日 : 2025年11月25日

ChatGPTアプリのダウンロード方法とは？アプリ導入の注意点も解説

ChatGPTアプリは、パソコン・スマートフォンの双方で利用でき、業務効率化や情報収集、生産性向上に大きく役立つツールです。しかし、企業での導入においては「どの端末にどのアプリを入れるか」「どのプランを選ぶか」「データ管理やセキュリティをどう担保するか」など、個人利用とは異なる検討が欠かせません。

特に、非公式アプリのインストールやアカウントの設定不足は、情報漏えいや運用トラブルにつながる可能性があります。この記事では、ChatGPTアプリのインストール方法から会話データのエクスポート手順、企業導入時のチェックポイント、料金プランの比較までを体系的に解説します。

ChatGPTアプリのパソコンへのダウンロード/インストール方法

ChatGPT公式デスクトップアプリは、WindowsとmacOSの両方で提供されており、公式サイトやMicrosoft Storeからインストールできます。企業利用の場合は、社内のITポリシーでアプリ利用が制限されていないかも事前に確認すると安心です。

Windowsのインストール手順

Windows版ChatGPTアプリは、Microsoft Storeから入手する方法がもっとも安全で簡単です。

Microsoft Storeが使えない環境では、公式サイトのダウンロードページからWindows版インストーラーを取得する方法もあります。

macOSのインストール手順

macOS版ChatGPTアプリは、Appleシリコン（M1以降）を搭載し、macOS 14以降をインストールしたMacでのみ利用できます。Intel Macでは動作しない点に注意が必要です。

企業で導入する場合は、これらの手順を標準化した上でソフトウェア配布ツールから配信し、許可されたMac／Windows端末のみにインストールする運用を検討するとよいでしょう。

ChatGPTアプリのスマートフォンへのインストール方法

ChatGPT公式アプリは、iOS・Androidともに公式ストアから無料でインストールできます。

iOSの手順

iOSでは、App Storeから「ChatGPT」公式アプリを取得します。

OSの対応バージョンや容量要件は変更される可能性があるため、導入時にはApp Storeの「互換性」欄を必ず確認しましょう。社内で配布する場合は、MDMなどのモバイル管理ツールから配信し、許可された端末のみにインストールする運用にしておくと管理しやすくなります。

Androidの手順

Androidでは、Google PlayストアからChatGPT公式アプリをインストールします。

企業での利用では、Google Playの管理機能やエンタープライズ用のモバイル管理基盤と組み合わせ、インストール可能なアプリを制限しておくとよいでしょう。

ChatGPTの会話データのダウンロード方法

ChatGPTの会話データは、設定画面の「データ コントロール」から一括エクスポートできます。ウェブ版とモバイルアプリのどちらでも操作でき、登録メールアドレス宛にzipファイルとして届きます。

なお、エクスポートには全チャット履歴やアカウント情報が含まれるため、企業利用では機密データとして扱い、保存先やアクセス権を社内ポリシーで明確にしておくことが重要です。

ウェブからのエクスポート手順

ウェブ版では、ChatGPTの設定から数クリックで会話データをダウンロードできます。操作は次の手順です。

ダウンロードしたファイルには社内のやり取りや添付情報が含まれるため、共有フォルダに保存する際はアクセス権を最小限にとどめ、個人端末への無断コピーを禁止するなど、情報管理ルールとセットで運用すると安心です。

モバイルアプリからのエクスポート手順

iOS・Androidの公式ChatGPTアプリでも、同様に会話データをエクスポートできます。アプリ版では、次のように操作します。

アプリから操作した場合も、エクスポートされるデータの内容はウェブと共通です。業務で利用する場合は、個人のスマートフォンに保存せず、クラウドストレージに社内アクセスに限定してアップロードするなどの方法を取るとよいでしょう。

ChatGPTアプリを企業が導入するときのチェックポイント

企業でChatGPTアプリを導入するときは、機能より先に「アカウント設計・権限管理・セキュリティポリシー」の3点を整理することが重要です。特に業務データを扱う場合、どのプランを選び、どの従業員にどこまで使わせるかを導入前に決めておくと、後からのトラブルを減らせます。

導入要件とアカウント設計

企業でChatGPTを安全に利用するには、最初に利用目的と要件を整理し、それに合わせたアカウント設計を行うことが欠かせません。

まず、「どの業務で使うのか」「どの部門・職種を対象にするのか」「必要なセキュリティ・コンプライアンス水準はどの程度か」を明文化しましょう。

その上で、個人向けのFree／Plusではなく、BusinessやEnterpriseなどビジネス向けプランを前提に検討するとよいでしょう。ビジネス向けプランでは、入力・出力などのビジネスデータがモデル学習に使われないことや、データ保持期間を管理側で設定できるため、情報の流出を避けやすくなります。

アカウント設計では、個人の私用アカウントを許可せず、自社ドメインのメールアドレスで統一したワークスペースを構成する形が一般的です。EnterpriseやBusinessでは、SAML SSOやSCIMを使ったID連携・プロビジョニングに対応しており、既存のID基盤と組み合わせてログイン管理を一元化できます。

配布と権限管理

ChatGPTアプリを社内に配布するときは、「どの端末にインストールしてよいか」と「どのユーザーにどの権限を与えるか」をセットで決める必要があります。アプリ自体は各OSのストアや公式サイトから入手できますが、業務利用ではソフトウェア配布ツールやMDMを通じて、承認済みの端末にだけ展開する方法が望ましいです。

例えば「情報システム部は高度な機能とカスタムGPT作成を許可し、一般部門は標準機能のみ」といった形でグループ単位のポリシーを設定しておくと、誤操作や過剰な権限付与を抑えられます。

セキュリティと運用ポリシー

情報漏えいなどのセキュリティリスクを減らすためにも、「入力してよい情報の範囲」「個人情報や極秘情報の扱い」「生成結果の検証方法」などを社内ポリシーとして文書化し、研修とセットで周知する必要があります。

特に、外部ツールや社内システムと連携させ、AIエージェントとして活用するのは利便性が高い一方、接続範囲が広いほど情報漏えい時の影響も大きくなります。まずは一部の部門に限定して試験的に導入し、アクセスログや利用実態を確認しながら段階的に権限を広げる運用が現実的でしょう。

最終的には、情報システム部門・セキュリティ部門・業務部門が共同で「利用ガイドライン」と「定期レビューの場」を用意し、利用状況やインシデント事例を見ながらポリシーを更新していくことが、企業でのChatGPT活用を安全に継続するための重要なポイントになります。

ChatGPTアプリをインストールするときの注意点

社内でChatGPTアプリを導入・利用する際には、個人端末・共有端末を問わず、インストール前後に複数のセキュリティ上および運用上の注意点を押さえておくことが重要です。

以下では、特に注意すべきポイントを解説します。

非公式アプリの見分け方

公式でないChatGPTアプリのインストールは避け、必ず開発元「OpenAI」表記のものを選びましょう。非公式アプリにはアドウェアやマルウェアを仕込んだものや、ビジネス用途で使い物にならない低品質なAIを高価な金額でサブスクリプションさせるものなど悪質なものが多く、インストールすると端末や情報が危険にさらされる可能性があります。

App Store や Google Play で「ChatGPT」「OpenAI」と検索した際に、特に以下のようなものは注意しましょう。

公式アプリを明確に区別し、必ず公式サイトからダウンロードするなどの運用ルールを決めておくとよいでしょう。

学習オプトアウトの設定

ビジネス目的でChatGPTを利用する場合、ユーザーが自らの入力内容をモデル学習に使われないようオプトアウト設定を行うべきです。特に機密性のある情報を扱う企業は、単にアプリを導入するだけでなく、入力データが学習に使われない設定を必ず組み込み、社内ルールとして共有することが推奨されます。

個人向けプランでは、ユーザーが入力したデータがモデルの学習・改善に用いられる可能性があるため、企業が機密情報を誤って入力した場合にはリスクが生じます。

オプトアウト設定は、以下のような手順で行えます。

なお、ビジネス向けプランではオプトアウトがデフォルトで行われています。社内では「機密・顧客情報をAIに入力しない」ガイドラインと併せて、この手続きを含む運用フローを明記することが望ましいでしょう。

ネットワークセキュリティの留意点

アプリ利用時の通信が暗号化されていても、ネットワーク構成・端末環境によっては情報漏えいリスクが存在します。

例えば、フリーWiFiや共有端末からのアクセスでは、通信傍受・なりすましの危険があります。加えて、生成AIをチャットボットなどの目的で社外からも利用できるようにする場合、「プロンプトインジェクション」などの攻撃手法が警告されており、注意が必要です。

社用スマホや社用のPCをフリーWiFiに接続しない、端末のOSは常に最新版にする、などのネットリテラシーの基礎を社員に理解させるのは、ChatGPTの利用に限らず重要です。また、生成AIをチャットボットなどに利用する場合、プロンプトインジェクションへの対策を取っておくとよいでしょう。

アカウント保護の強化

ChatGPTはクラウドベースのサービスであり、アカウントが不正ログインされた場合にはチャット履歴をはじめとした機密データが社外に流出するリスクがあります。ユーザーのアカウントに対して多要素認証を必ず導入し、権限やアクセス制御を厳格に管理するのが大切です。

また、社内では、ChatGPTのアカウントを「管理者」と「一般利用者」に区分し、管理者アカウントは厳しいセキュリティポリシーを設定しましょう。加えて、退職・異動時には即時アカウント停止・データ移行を行う標準手順を作成しておくと運用上の漏れを防げます。

ChatGPTの料金プランの選び方

企業および組織でChatGPTを導入・利用する際には、まず「使用目的・規模・セキュリティ要件」に照らして適切な料金プランを選ぶことが重要です。

以下では、4つのプランについて解説します。

Freeの特徴

Freeプランは初期導入・試行利用に適した無償プランで、機能制限・利用回数制限があるもののコストをかけずにChatGPTを試せます。費用ゼロで利用できるため、まずは「ChatGPTとは何か」「社内でどう使えるか」を整理する段階で活用可能です。

ただし、利用可能なモデルは最新版に近いながら、性能やメッセージ数、アップロード量、画像生成の回数が制限されており、本格的にビジネスに利用するには向きません。特に社内で複数人が業務活用する、かつ機密データを扱うとなると、管理機能・セキュリティ機能・使用保証が不十分です。

コストをかけずにChatGPTを体験・評価したい段階ではFreeプランが適していますが、業務用途・複数ユーザー導入・セキュリティ要件を伴う活用には有料版を使いましょう。

Plusの特徴

Plusプランは個人ユーザー・少人数チーム向けで、応答速度向上・モデルアクセス拡張・ピーク時優先接続といった付加機能が提供されます。Freeプランでの制限を超えて、よりスムーズ・高精度なAI体験を必要とするユーザーにとっては、20ドルでより高度なAIモデルにアクセスでき、応答速度も上がるPlusプランが向いています。

一方でユーザー管理・アクセスログなどの管理機能は基本的に付帯しておらず、チーム導入時の統制・セキュリティ目的には限界があります。

個人事業主や少数のチームで「より快適に」「高機能に」ChatGPTを使いたい場合はPlusが選択肢に入りますが、組織として本格的にChatGPTを導入する場合は、法人向けプランを検討するとよいでしょう。

Businessの特徴

Businessプランは中小・成長企業向けに設計されており、チーム向けのワークスペース・管理機能・セキュリティ機能を備えた法人利用モデルです。個人向けプランでは管理・ガバナンス機能が不足し、複数ユーザー・企業利用には運用リスクがあるため、Businessプランではそれらを補強した構成となっています。

BusinessプランはPlusプランと同等の機能に加えて、チーム共有ワークスペースや、管理者用のコンソール、SAML SSO・MFA対応などの機能が追加されています。さらに、デフォルトでワークスペース内のデータがモデル学習に使われないのも特徴です。

部門を横断して、業務にAIを活用しようと戦略を立てている企業に適しています。特に、部門内で管理者を設けて運用ポリシーを整備できる点が大きなメリットです。

一方で、より高度なAIの利用や、セキュリティのカスタマイズ、より大ボリュームの契約にはEnterpriseプランが向いています。

Enterpriseの特徴

Enterpriseプランは大規模折衝・高いセキュリティ・専用サポートを必要とする企業向けで、カスタム契約・スケール利用・最上位の制御機能を備えています。料金は非公開で、営業窓口との交渉を行って契約を行う形です。

多くのユーザーが利用するほか、グローバルなルールに従った対応が求められる企業では、標準プランではガバナンスの要件を満たせないケースがあります。Enterpriseプランでは、Businessプランの機能に加えて、さらに「拡張コンテキストウィンドウ」「ドメイン検証」「ユーザー分析」「エンタープライズ向けSLAs／24 h優先サポート」「各地域のデータ居住ポリシー」「ロールベースアクセス制御（RBAC）」「カスタムデータ保持ポリシー」などが含まれます。

最も包括的な機能・セキュリティを備えたプランですが、コスト・導入期間・運用体制もそれに見合うものとなるため、導入前に社内での評価・利用想定・ROIを慎重に検討する必要があります。

ChatGPTを社内で利用する場合は運用ルールを定めるのが大切

ChatGPTアプリの導入は、日常業務の生産性を高める大きな機会になる一方、アカウント管理やセキュリティ運用の不備があるとリスクにもつながります。導入方法やデータの扱いを標準化し、非公式アプリの排除、学習オプトアウト設定、ネットワークとアカウントの保護などを丁寧に行うことで、より安全で効果的な活用が可能になります。

また、Free・Plus・Business・Enterpriseの各プランには明確な差があり、組織の規模や利用目的に合わせた選択が重要です。まずは試験導入で利用状況を把握し、必要に応じて適切なプランへ段階的に移行することで、無理なくAI活用を定着させられます。

• 監修：マネーフォワード クラウド

  マネーフォワード クラウドが監修する「AIの基礎知識」です。ビジネスや生活に役立つAIの基本と最新情報を分かりやすく解説。AIを身につけ、新しい一歩を踏み出すのを応援します。