• 更新日 : 2020年6月10日

フローとは

経済用語におけるフローとは、一定期間の収支勘定をいう。ある時点における資産の状況を示すストックと対になる概念で、「ストックとフロー」というようにワンセットで用いられることも多い。貸借対照表損益計算書の関係がその代表的なものである。
なお、業務管理におけるフローは「作業のプロセス」というニュアンスで用いられることが多い。

フローの概念

フロー(Flow)は「流れ」、ストック(Stock)は「貯蔵」と訳される。これをダムに例えるならば、せきとめられている水量がストック、流入・流出した水流がフローとなる。しかしこれらを訳のとおりに覚えてしまうとフローとストックの関係を誤解する可能性がある。
たとえば2014年の総所得が1000万円で、800万円を消費し200万円を貯蓄した結果、貯蓄額が2000万円になったとする。このとき収入である1000万と消費した800万円はフローに該当する。だが、このうち貯蓄した200万円もフローであるところに留意したい。フローとはあくまで「一定期間の収支の合計」を指すものであり、収入と消費だけでなく貯蓄もフローとなる。なおストックは「ある時点における蓄積・貯蔵」であるため、この場合は銀行口座に入っている2000万円がストックと考えられる。

代表的なフローの指数

フローの指数として代表的なものに、国内総生産(GDP)や損益計算書が挙げられる。国内総生産とは1年間に国内で産み出された生産物やサービスを総和したもので、損益計算書は1年間に会社がどれだけ利益を出したのかを示したものである。共に一定期間の合計であるためフローに該当する。
このようにフローは一定期間内の成績を表したものであるが、何期も連続して見ることで、国ならば経済の成長率、企業ならば業績の動向などを正しく把握するのに役立つ。


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