• 更新日 : 2020年6月10日

キャペックスとは

キャペックス(CAPEX=Capital expenditure)とは、資本的支出のことである。企業活動においては、対価として資本とみなされる物品・財を得ることや、それらの資産価値を維持するための支出の総称であり、いわゆる「設備投資」の別名ともなっている。
また、不動産用語としてのキャベックスは不動産資産(マンション・住宅など)に対する長期修繕計画にかかる費用を指す場合もある。これは長期修繕計画が不動産資産の資産価値を維持するための支出であることによる。
なお、キャペックスと対をなす概念として「オペックス(OPEX=Operating Expense)」が存在する。こちらは業務費や運営費など、事業を運営していくために継続して必要とする費用の総称であり、不動産用語としては修繕費租税公課、メンテナンス費などがこれにあたる。

企業活動におけるキャペックス

企業活動におけるキャペックスという用語は、一般に「設備投資」に近い意味で使われる。すなわちひとつの企業あるいは業界においてキャペックスが増えているということは積極的設備投資が行われていると考えることができる。ただしキャペックスが増えるということは当該企業/業界の設備が増大するということでもあり、設備投資が過剰になれば保有する資産の価値は低減する。またキャペックスはあくまで支出であるから、オペックスと同様、必要以上に増大することは好ましいとはいえない。
このような背景から、キャペックスはオペックスと並んで企業/業界の動向や体質、あるいは体質の変化を評価するために有効な指数のひとつであると考えられる。

不動産経営におけるキャペックス

不動産経営におけるキャペックスは上述のとおり長期修繕計画にかかる費用を意味するが、これはたとえば一般的な建物修繕費などではなく、1年以上効果が持続し、資産計上され減価償却の対象となる資本的支出を指す。つまり「不動産の価値や耐久年数を伸ばすための設備投資的な支出」ということである。
なお、不動産投資を行う際、物件への投資判断のため当該物件のキャペックスが指標として用いられることがある。具体的には今後当該物件にかかる長期修繕費の将来予測を行い、それを資産運用のコストとしてキャッシュフローを計算するのである。当然物件を維持するためにはオペックスも必要となるが、キャペックスとオペックスのバランスを勘案し、オペックスがキャペックスに比較して十分小さく、なおかつキャペックスが不動産資産価値の維持・向上に十分機能していると判断できれば当該物件は投資対象として魅力的といえる。

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