工数入力に優れたおすすめの個別原価管理システムは?
作成日:2024年7月11日
工数管理ツールとは?
工数管理ツールとは何か、工数管理の対象と、どのような管理があるのかを見ていきましょう。
工数管理ツールと個別原価管理システムの違い
「工数管理ツール」と「個別原価管理システム」は、共にプロジェクト管理等で利用するソフトです。工数管理ツールの管理対象は「工数の見積りと実際の記録」にあり、個別原価管理システムでは「プロジェクト全体の原価見積りと実績値管理」を対象とします。
この両者は連携しあって、プロジェクトの原価管理を効果化させるため互いに必要な存在と言えるでしょう。
例えば、工数管理ツールで見積もった工数を個別原価管理システムに取り込み、予定工数に人件費単価を乗じることで労務費の見積ができます。また、工数管理ツールの工数実績データを個別原価管理システムへ取り込むことにより、実績工数に基づいた労務費の算出が可能です。さらに、プロジェクト原価の差異分析時には両システムのデータを参照することにより、より緻密な分析ができます。
工数管理ツールとExcelの比較
汎用的なExcel等の表計算ソフトも、工夫次第で使い勝手のよいツールとなります。しかし、Excel管理ではアクセス権限設定や計算式を手動にて行う必要があり、入力は原則手作業となります。そのため、不正アクセスや情報漏えいのリスクがないとは言えず、メンテナンスの属人化も否めません。
工数管理ツールでは、アクセス権限の設定や自動計算等ができ、さらにタイムカードとも連携が可能な場合もあります。したがって、個別原価管理システムとの連携においては工数管理ツールを介するほうが間違いが少ないと言えるでしょう。
データの一元管理、業務の標準化、レポート機能等を考えると、Excelに頼るよりも工数管理ツールを導入するほうがプロジェクト管理の効率化と精度向上が期待できます。
工数管理ツールを導入するメリット
①正確な工数データの記録ができる
工数管理ツールを導入すると、手作業に比べてエラーや勘違いが少ないため、抜け漏れを防ぐことができ、適正な工数データを得られます。
工数管理ツールによっては入力補助機能やアラート機能があり、人為的なエラーを大幅に軽減できます。また、メンバー以外が時間等を編集できないように設計されており、正しく集計された実工数をプロジェクトに反映させることが可能です。
現プロジェクトの正確な工数データを記録・管理することで、次のプロジェクトの適切な原価見積りや作業計画、人員計画に役立つでしょう。
②組織内でのデータ共有ができる
工数管理ツールの導入により、同一プロジェクトに関わる全てのメンバーが同じデータを閲覧できるようになります。
これにより、プロジェクトメンバー間での情報の透明性が高まり、メンバー間のコミュニケーションの活発化も期待できます。個々のタスクの状況が明確になると、達成感を得やすく、メンバーのモチベーション維持にも役立つでしょう。
また、メンバー間で情報を共有できると、ツールにより異常値が検出された場合にも、原因解明や対応を迅速に行えます。
③プロジェクト状況の可視化ができる
工数管理ツールには、各プロジェクトの一覧表示やレポート機能が備わっています。このレポート機能により、一定のメンバーへ過度に作業が集中することなく、適切な采配が可能です。
また、工数管理ツールに集積された工数データを分析することで、より正確な意思決定ができるようになるでしょう。 プロジェクト終了後にデータを振り返り、改善点を洗い出すことで、次回以降のプロジェクトに生かすことができます。
工数管理に特化したツールだけでなく、勤怠管理システムとの連動型やプロジェクト管理にも対応する総合的な工数管理ツールもあります。プロジェクトの状況等に合った工数管理ツールを選択しましょう。チームの生産性の向上やコスト削減が期待できます。
マネーフォワード クラウド個別原価は「工数入力」もラクに!
「マネーフォワード クラウド個別原価」は、プロジェクト管理のためのクラウド型個別原価管理システムです。プロジェクト原価の可視化を実現するマネーフォワード クラウド個別原価の機能を見ていきましょう。
工数入力はカンタン!
マネーフォワード クラウド個別原価では、簡単に直接工数を入力できます。工数の登録は「日単位」「月単位」で入力することができ、さらに後述する「一括登録」も可能です。工数入力のインポート機能もあるため、勤怠システム等とのデータ連携も可能です。
入力した工数はすぐに確認でき、その月の入力が終わったら、工数の登録・編集ができないようにする工数入力締め機能もあります。
参考:
「工数」画面の使い方(「プロジェクトメンバー」用)|マネーフォワード クラウド個別原価サポート
工数を「日単位」で登録できるようになりました|マネーフォワード クラウド個別原価サポート
工数の入力単位を設定・管理
工数の入力単位は、プロジェクトに合わせて「日単位」と「月単位」から選択できます。「日単位で入力」を選択した場合には「hh:mm」形式で登録でき、分単位の細やかな入力が可能です。「月単位で入力」を選択した場合には割合(%)での登録ができます。
例えば、プロジェクトのメンバーが「日単位で入力」をする場合には、該当月の日付の欄に、そのプロジェクトに費やした時間を入力するだけです。
一般に「プロジェクト別」の工数入力によって、プロジェクトごとの進捗管理がしやすく、作業やフェーズと工数の紐づけもしやすくなります。マネーフォワード クラウド個別原価では、プロジェクト別だけでなく、従業員の生産性や残業時間管理等の観点から「従業員別」に入力することも可能です。
参考:「工数の入力単位」画面の使い方|マネーフォワード クラウド個別原価サポート
工数の一括登録もできる!
工数入力においては、「日単位」で行うほうが日々のプロジェクトの進捗把握には好ましいものの、プロジェクトの状況によっては日々の入力が難しい場合もあります。
マネーフォワード クラウド個別原価においては、工数入力を「月単位」に設定していると「一括登録」ができるようになり、入力作業の負荷軽減が可能です。一定期間を指定して同様の工数を登録する場合には時短にもなります。
なお、一括登録を利用する場合は、予めプロジェクト責任者に告知してから開始するとよいでしょう。
参考:工数の「一括登録」機能の使い方|マネーフォワード クラウド個別原価サポート
工数の出力にも対応
マネーフォワード クラウド個別原価においては、入力単位に応じた形でCSV出力が可能です。入力単位である「日単位」「月単位」、「プロジェクト別」「従業員別」等によって出力内容が変わります。
例えば、工数の入力単位が「日単位」で、プロジェクトメンバーが「プロジェクト別」のエクスポート権限を持つ場合には、次のいずれかの出力形式を選択することができます。
- プロジェクト × 月 × 従業員
- プロジェクト × 月
参考:工数の出力形式と出力内容について|マネーフォワード クラウド個別原価サポート
工数入力・工数管理がしやすいシステムの賢い選び方
プロジェクトには共有するスケジュールがあり、状況に応じて調整後のスケジュールをもとに進行させていくのが一般的です。
そのため、プロジェクト管理がしっかりできているプロジェクトが成功すると言われます。
それは、プロジェクト管理によって進捗状況を常に客観的に把握でき、必要な調整を講じられるからです。
プロジェクト管理の最小単位とも言える「工数」をいかにうまく管理できるかで、そのプロジェクトの成功・不成功に大きな影響を及ぼします。プロジェクトの内容を熟知し、システムに振り回されないように、できるだけシンプルなシステムを選ぶことが大切でしょう。