給与計算システムのクラウド化はコスト削減につながるのか?

作成日:2024年7月29日

近年、クラウド型給与計算システムが注目されていますが、その理由の中でもよく期待されるのがコスト削減です。しかし、コスト削減を考える際に重要なのは、直接的な利用料金だけでなく、対応時間の削減や担当者の負担軽減など、より広い意味で「コスト」を捉える必要があります。
本記事では、クラウド型給与計算システムがもたらすコスト削減効果について解説します。

「コスト」の種類

給与計算システムの情報収集のきっかけが「コスト削減」だったというケースはよくある話です。しかし、コストという概念は、単にシステムの利用料金を指すにとどまらず、広範な要素を含んでいます。経営の観点からは、直接的な費用だけでなく、間接的な費用や隠れたコストまでを総合的に評価するトータルコストの視点が不可欠です。

  • 費用削減

    金銭

    集初期導入にかかる費用、定期的なメンテナンスやアップデートの費用、システム運用に必要な人件費など

  • 時間削減

    時間

    業務を行うのに必要な時間、業務の発生頻度、業務を完了するまでの工数の数など

  • リモートワーク

    その他

    リモートワークなど働きやすい環境整備、担当者が抱える精神的な負担、セキュリティ対策など

クラウド型システムによる「コスト削減」の可能性

1.初期費用の削減

クラウド型システムとはインターネットなどのネットワーク経由で利用する形態を指します。インストール型システムとは異なり、ソフトウェアのライセンス購入が不要なため初期投資の負担が軽減されます。

2.メンテナンス費用の削減

インストール型システムの場合は定期的なメンテナンスやアップデートが必要なため、法改正などの対応では追加費用が発生するケースが多いです。それに対してクラウド型システムでは、これらの対応はサービス提供者側で更新するため、自動的に常に最新の状態で利用できます。そのため、メンテナンスに関するコストや対応の手間が削減されます。

3.業務工数の削減

給与計算業務を進める中では、手作業が発生し、時間がかかる点に多くの方がお困りなのではないでしょうか。クラウド型システムでは、各種設定を行うだけで給与計算を自動化できます。ミスが起こりやすい会社独自の手当など不規則な計算を自動反映するので、手作業で行っている業務工数の削減に繋がります。
さらに、勤怠データや従業員情報(住所変更など)とのデータ連携のしやすさも特徴です。システム連携ではAPI連携などクリックひとつで必要な情報を取り込むことが可能です。
API連携とは?「基本のクラウド用語集~労務管理システム編~」

4.”ミスが起こるかもしれない”精神的負担の軽減

給与計算業務は従業員ひとりひとり異なる多くの情報を集約し、法律や規則に則って業務を行います。その複雑さによるミス発生の可能性は、担当者のストレスになっているケースが多いです。クラウド型システムは、システム連携・自動計算のほかチェック機能により、これらの精神的負担を軽減し、業務の質を向上させます。

※マネーフォワード クラウド給与「前月比較機能」では、前月に支給した給与額との差額や、前月の給与計算確定時以降の従業員情報の変更箇所がひとめでわかります。

5.働き方改革

クラウド型システムは、どこからでもアクセス可能であるため、労務担当者もリモートワークが可能です。業務に必要なデータはシステムの中に入っているため、確認のために出社して大量の書類の中から探し出さなければならない…ということがなくなります。
これにより、オフィススペースの削減や交通費の削減につながる上に、担当者のワークライフバランス向上を実現します。

6.自然災害時の対応

インストール型給与計算システムは、災害に弱いというデメリットがあります。万が一会社が災害に見舞われた場合、クラウド型であればパソコンが被害に遭っても、データは失われません。インターネットに接続できる環境さえあれば業務を継続できるため、社員への給与支給が遅れるといったリスク回避につながります。

7.セキュリティ対策の強化

複数のシステムを利用して給与計算業務を行う際、手作業でデータ抽出・加工・インポートを行うケースが多いのではないでしょうか。従業員に関する大事な情報を手作業で取り扱う過程にリスクがあるため注意が必要です。
クラウド型の給与計算システムの場合は、サービスの連携機能が進んでいるため、手作業でのデータ加工が激減し、安心して業務を進めることができます。
さらに、給与明細を印刷・封入・配布をしていると紛失のリスクがあります。Web給与明細にすることでボタン操作ひとつで従業員に配布完了します。

マネーフォワード クラウド給与によるコスト削減の効果

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従業員270名の労務管理をクラウド化。全社の作業時間を「1500時間削減」

マネーフォワード クラウド給与の導入以前は、給与計算はインストール型、勤怠管理は自社制作ソフトを使っていました。
給与計算は、インストール型ソフトだと税制変更のたびにアップデートが必要になります。保守運用という形で更新はできるのですが、そこで新たなコストや作業時間が発生し、実業務とは関係ない負荷がかかっていました。 またインストールしているPCでしか利用できず、業務範囲が狭まることも課題の1つでした。

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クラウド上の人事情報管理とペーパーレスの労務契約で業務負荷は3分の1に軽減!

人事・勤怠・給与計算など、各種クラウドのデータを自動連携することで、業務負荷を圧倒的に軽減。またクラウド人事管理やクラウド契約によって、オンラインで従業員情報の変更申請・共有や、ペーパーレスの契約更新ができるため、従業員と管理者双方の作業負荷が軽減されたそうです。

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