-食品スーパー向け-請求書ソフトの選び方・よくある課題・事例集
更新日:2024年2月13日
食品スーパー業界の現状と課題、DXや業務効率化の必要性
一般社団法人全国スーパーマーケット協会が公表する「2023年版 スーパーマーケット白書」によると、2022年度の全国の食品スーパーは23,028店舗であり、2021年に比べて266店舗増加しています。
参考:2023年版 スーパーマーケット白書|一般社団法人全国スーパーマーケット協会
私たちの食生活を支える食品スーパー業界では、近年市場環境の変化が大きく、各企業は適切な対応を迫られています。新型コロナウイルス感染症の拡大や、水道光熱費やガソリン代をはじめとする物価高などにより、経営状況が悪化している企業も少なくありません。コンビニエンスストアやドラッグストアとも競合していることを踏まえると、食品スーパーの競争環境は今後ますます激化していくと考えられるでしょう。
また、少子高齢化や人口減少によるマーケットの縮小やニーズの変化に加え、働き手不足への対応も求められています。特に食品スーパー業界では、店舗ごとに生鮮や惣菜加工を行う「インストア加工」が主流であることから、多数の人員を配置する必要があり、小売業の中でも特に労働分配率が高い業界とされています。
これらの課題を解決するためにも、社内のDX化や業務効率化を推進し、スピーディーなデータ分析や生産性向上の実現に取り組むことが重要です。
食品スーパー業界における請求業務のよくある課題
①担当者の請求書作成ミスが発生しやすい
食品スーパー業界では、複数の店舗を展開する企業が多く、店舗数に比例して請求書の作成も煩雑になりやすいという特徴があります。
また標準税率の10%に加え、飲食料品については軽減税率の8%が適用されるため、食品スーパー業界の場合には、1枚の請求書に複数税率が混在するケースも多いです。
このような背景から請求書の作成ミスも頻発しやすく、人的ミスの削減に向けた社内体制の整備が求められます。
②多店舗展開していると、店舗の数だけ仕訳処理が必要
複数の食品スーパーを展開している企業の場合、その店舗数と比例して仕訳処理が増加し、経理担当者の業務負担が増えることとなります。
たとえば、食材仕入や店舗運営費の請求書には複数店舗分が混在することがほとんどでしょう。また、請求書の明細に店舗ごとの金額記載がある可能性も高いです。
1通の請求書情報を店舗ごとに会計システムへ手入力しているため、膨大な処理時間がかかることも見受けられます。
③社内の請求書作成レクチャーに時間がかかる
食品スーパーなどの多店舗展開する企業の場合には、数10名~など複数人の従業員が請求書を作成することもあり、社内へのレクチャーが大変なケースも多いです。また、各担当者がExcelなどで請求書を作成していると、支払コードや記載項目にミスが発生する可能性も高まります。
各担当者が請求書を効率的にミスなく作成・発行できるような仕組みや、直感的に操作できるUIで、社内へのレクチャーは簡単なマニュアルだけで完結できるようなシステムを導入することも検討するとよいでしょう。
食品スーパー業界の請求書関連の課題解決に向けたDX例
①請求書の受領~会計処理を効率化したい場合
仕入先などから受領する請求書については、社内での承認作業や振込手続き、会計システムへの入力、請求書の保存などの業務フローを踏まえ、業務効率化のための最適な方法を実践しましょう。
「マネーフォワード クラウド債務支払」では、メールで受領した請求書データを自動で取り込み、AI OCR処理を行うことで、支払条件などの情報を読み取ることが可能です。
受領した請求書については、あらかじめ設定した社内のワークフローに基づいて承認作業を行ったあと、ワンクリックで振込指示ができます。APIを用いたシステム間連携もできるため、「マネーフォワード クラウド債務支払」の情報を会計システムやマスタ管理にも活用し、バックオフィス業務全体の効率化を追求することが可能です。
②請求書の明細入力を委託したい場合
「マネーフォワード クラウド債務支払のBPOサービス」では、請求書BPOサービスを提供しており、請求書の受領・データ化・明細の入力・保管を代行することが可能です。また、請求書受取起票プランの明細入力オプションでは、請求書の明細ごとに全てを下書き入力いたします。
「請求書明細の入力作業に時間がかかる」「請求書の振込情報の入力作業に時間がかかる」「紙やメール添付の電子請求書の印刷と収集が手間」‥‥といった課題をお持ちの方に最適で、明細入力にかかる負荷を部分的にアウトソースすることで業務効率の改善が可能です。
③請求書送付業務を自動化したい場合
作成した請求書を取引先に送付する際、郵送の場合には印刷や封入、発送作業が必要となり、送付件数によっては担当者がまとまった時間を拘束されてしまいます。
「マネーフォワード クラウドインボイス」では、作成した帳票データをアップロードすれば、あとはワンクリックで一括送信することが可能です。
またWeb送付や郵送、メール送信などの送付方法は取引先ごとに設定できるため、取引先の都合などによって急に送付方法を変更しなければならない場合にも、設定を変更するだけで対応できます。
食品スーパーを経営する企業様に参考となる請求業務の改善事例
請求書受領・経費精算業務の改善例①
製菓・製パンメーカー向けに食品香料や原材料の製造販売、輸入販売を行う株式会社ナリヅカコーポレーション様では、紙やエクセルを中心に行う経理業務に課題を抱えていました。
各拠点から、紙媒体で経費精算の申請書や請求書を本社へ郵送・一括処理しており、経理業務にタイムラグが発生していました。
請求書受領・経費精算業務の改善例②
老舗百貨店である株式会社藤井大丸様では、バックオフィスの自社開発システムではテレワークができないことや、財務諸表の作成に労力や時間がかかっている点が課題の1つでした。
請求書・経費関連では「マネーフォワード クラウド債務支払」「マネーフォワード クラウド経費」を導入しています。
請求書受領・経費精算業務の改善例③
株式会社オカフーズ様では、【受領した請求書を表計算ソフトにまとめる→会計ソフトに転記する→銀行の振込サービスに転記する】というステップを踏んでいました。
「マネーフォワード クラウド債務支払」を導入後は1ステップに減り、ミスの減少や時間短縮が実現しました。
請求書受領・送付業務の改善に役立つお役立ち資料
食品スーパー業界の企業様が請求書ソフトを導入する際のチェックポイント
従業員が直観的に使用しやすいUIかどうか
新たにシステムを導入する際には、いくら機能面で優れていたとしても、「UIがわかりにくい」などの理由によって使いこなせず、導入の効果が十分に得られないケースも多いです。請求書ソフトでは無料の試用期間が用意されている場合も多いため、いくつかのソフトを比較検討する際には、料金や機能面だけでなく、使用感もチェックすることをおすすめします。
その際には役員や管理者などの決定権を持つ人物だけでなく、実際にソフトを使用する従業員からの意見も積極的にヒアリングし、自社に最適なソフト選びを心掛けましょう。
インボイス制度・電子帳簿保存法に対応しているかどうか
請求書ソフトを導入する場合には、最新の法令への対応が欠かせません。
2023年10月1日から開始したインボイス制度により、適格請求書を発行する場合には登録番号の記載が必要となるなど、請求書のフォーマット変更が必要です。また取引先から受領した請求書についても、電子帳簿保存法に則った管理が求められます。
インボイス制度や電子帳簿保存法による改正は、請求業務にも大きな影響があるため、最新の法令への対応状況やソフトとしての利便性への影響を必ず確認しましょう。
明細入力の代行オプションはあるかどうか
取引先から受領する請求書については、紙媒体やPDFデータが混在するケースも多く、画一的な業務フローを整備しにくいことから、経理担当者の業務負担が増える原因になります。
請求書関連のサービスの中にはBPOサービスを展開しているケースもあるため、それらの代行オプションを活用し、社内の業務効率化を図ることも有用です。紙媒体やメールで受領した請求書明細のデータ化までをアウトソーシングすることで、その後の申請や支払いまでの業務フローを一本化でき、請求業務の効率性を高めることが可能です。