-旅行・観光業界向け-請求書ソフトの選び方・よくある課題・導入事例
更新日:2024年4月12日
旅行・観光業界の現状と課題、DXや業務効率化の必要性
旅行・観光業界は現在、大きな変化の中にいます。新型コロナウイルスの世界的な影響により、国境制限や感染対策の影響が観光需要に深刻な打撃を与えています。
出典:国土交通省 観光庁「旅行・観光消費動向調査 2023年7-9月期(速報)」
制限は緩和されつつありますが、業界は需要の減少という未曾有の状況に対処しながら、再建の方策を模索している状況です。
同時に、デジタル技術の進化が業界に新たな可能性をもたらしています。オンライン予約システムやデジタルマーケティングの普及により、顧客はより効率的かつ柔軟な旅行計画を求めています。顧客のニーズに応えるため、旅行・観光業界はデジタルイノベーションへの投資やオンラインプレゼンスの向上に注力する必要があります。
業務効率化は、変化する状況に適応し、業界全体の回復を促進するために不可欠です。デジタル化による予約・決済のスムーズ化や顧客データの分析は、効果的な運営とサービス向上に寄与しています。
また、請求書ソフトの導入も業界の業務効率化に寄与しています。請求プロセスの自動化により、取引の透明性が向上し、誤りや滞りが減少する他、デジタルな請求処理は労力の削減と迅速な支払いの促進につながります。
旅行・観光業界における請求書受領・発行業務のよくある課題
【受領】様々な形で受け取る請求書への対応が大変

旅行・観光業界においては、請求元の数が非常に多く、かつ、多くの種類の請求書があることが特徴です。請求書の形態では郵送やFAXも多いため、一連の作業を人力のみで行うと、時間も労力もかかります。
受領した請求書管理が煩雑になると、未処理や支払い漏れが発生するリスクが高まるでしょう。
【受領】人為ミスによるリスクがある

中小企業が多い旅行・観光業界では手作業による人為ミスのリスクがあります。人為ミスはその種類や発生箇所の分析によりある程度回避できますが、現実的にそこまで時間が取れない現状もあります。
また、人為ミスを回避するために複数人でのチェック体制や業務のマニュアル化が挙げられますが、人手不足の状態の事業所も多いため、なかなか実現しづらい状況もあります。
【発行】請求書発行の進捗管理をする必要がある

旅行・観光業界では、旅行者が「申込金」を支払った時点で契約成立となるのが一般的です。しかしその後、キャンセルや変更が生じる場合があります。キャンセル料については、その時期により金額が変わります。
このように、旅行商品については、請求書発行処理は1つのツアーにつき複数回あるため、それぞれのツアーにおいて請求書の進捗管理が必要となります。
人手不足による業務負荷過大

旅行・観光の利用形態として、最近ではオンラインが主流になりつつあります(参考)
したがって、請求書もオンライン処理が多いものの、小規模な会社では請求書発送業務を担当する要員が足りないケースが散見されます。限られた人数で大量の処理をすることとなり、旅行日程が差し迫っているケースでは時間との戦いになりますし、申し込み後の変更の確認など業務負荷が過大となる場合があります。
旅行・観光業界の請求書関連の課題解決に向けたDX例
①請求書の受領~会計処理を効率化したい場合
仕入先などから受領する請求書については、社内での承認作業や振込手続き、会計システムへの入力、請求書の保存などの業務フローを踏まえ、業務効率化のための最適な方法を実践しましょう。
「マネーフォワード クラウド債務支払」では、メールで受領した請求書データを自動で取り込み、AI OCR処理を行うことで、支払条件などの情報を読み取ることが可能です。
受領した請求書については、あらかじめ設定した社内のワークフローに基づいて承認作業を行ったあと、ワンクリックで振込指示ができます。APIを用いたシステム間連携もできるため、「マネーフォワード クラウド債務支払」の情報を会計システムやマスタ管理にも活用し、バックオフィス業務全体の効率化を追求することが可能です。
②請求書作成~送付を効率化したい場合
毎月の請求業務を効率化するためには、自社が発行する請求書の作成から送付までの一連の業務フローを踏まえ、担当者による手作業をできる限り削減することが重要です。
「マネーフォワード クラウド請求書Plus」では、社内のCRMや販売管理システムと連携し、手入力なしで簡単に請求書データを作成することが可能です。
社内の申請・承認を行った請求書についてはメールや郵送で一括送付でき、担当者の発送業務の負担を大幅に軽減できます。さらに作成した請求書の情報は会計システムにも売上仕訳として反映でき、自社の損益状況をリアルタイムで把握する際にも有用です。
③帳票送付業務を自動化したい場合
作成した請求書を取引先に送付する際、郵送の場合には印刷や封入、発送作業が必要となり、送付件数によっては担当者がまとまった時間を拘束されてしまいます。
「マネーフォワード クラウドインボイス」では、作成した帳票データをアップロードすれば、あとはワンクリックで一括送信することが可能です。
またWeb送付や郵送、メール送信などの送付方法は取引先ごとに設定できるため、取引先の都合などによって急に送付方法を変更しなければならない場合にも、設定を変更するだけで対応できます。
旅行・観光業界の企業様に参考となる請求業務の改善事例
請求書受領業務の改善例
クラシコ株式会社様は、会社の成長とともに仕入先からの請求書が増え、業務負担が集中する中、銀行振込の自動化・ペーパレス化などの問題の解決を考えていました。
また、大量に届く請求書の開封や保管だけでも相当の事務量であり、紛失リスクも抱えていました。
請求書作成業務の改善例
株式会社ワーク・ライフバランス様では、請求書の発行は会計事務所に依頼していたため、送付したデータに間違いがあると修正してもらい再発行する手間が発生したり、取引先を待たせてしまったりと問題点がありました。
さらに月末には、税理士と当社各部門の責任者6名が集まって、紙で出力した請求書を確認する作業もありました。
請求書受領・送付業務の改善に役立つお役立ち資料
旅行・観光業界の企業様が請求書ソフトを導入する際のチェックポイント
請求書受領に関するソフト導入の場合
旅行・観光業界においては特に支払時期に留意する必要があります。そこで様々な形式で受領した請求書を支払期日までに処理ができるよう、「紙の請求書のデータ化」を検討することが重要です。
紙の請求書の入力処理が集中すると、人為ミスや残業時間過多につながります。受領請求書の下書き入力を外部に委託できると、社内要員はデータの内容を確認すればよいため時短になります。
ペーパーレスを実現する方法は種々ありますが、紙で受領した請求書のペーパーレス化はその先の支払処理までの時間に大きな影響を与えます。債務管理ソフトを選ぶ際には、請求書の下書き入力を外部に委託できるオプションがあるかどうかを確認しましょう。
請求書発行(送付)に関するソフト導入の場合
旅行・観光業界の請求書送付にあたっては、特に海外への旅行の場合などで請求書中の一部が概算料金となるものがあります。この場合、事後に差額を調整する請求書が必要です。したがって、請求書発行ソフトにおいては送付履歴を確認でき、事前に送付した請求書がどの段階にあるのかステータスを管理できるものが便利です。
また、種々のツアーの特性に合わせて、請求書の帳票レイアウトが柔軟なソフトが使い勝手がよく、さらに各旅行者との「送付した書類に関する」コミュニケーションがクラウド上で行えるものであるとさらに利便性がアップします。