-プラントエンジニアリング業界向け-請求書ソフトの選び方・よくある課題・導入事例
更新日:2024年4月12日
プラントエンジニアリング業界の現状と課題、DXや業務効率化の必要性
2023年10月度の経済産業省特定サービス産業動態統計調査によりますと、エンジニアリング業における受注高の前年同月比は全体で1割増となりました。特に、製鉄プラントや貯蔵・輸送システムが伸びているようです。
参考:特定サービス産業動態統計調査|経済産業省
現状を考えると、エンジニアリング業はエネルギーを大量に利用する産業であり、早急な資源やエネルギーの効率化・高度化が求められます。実際、プラントの設計から建設、メンテナンスに至るまでデジタル技術を駆使する動きが加速しています。
また、海外における日本のプラントエンジニアリングへの期待は大きく、新たな技術とともに環境や変化に対応できる人材も求められています。
このようなエンジニアリング業界の基盤を支えるバックオフィスについても、同様にデジタル化が求められています。エンジニアリング業においては、長い工期にわたるものは価格変動などが起こるため、財務データを有効に活用した「先が読める」データや技術が必要です。
そのためには、まず、既存の考え方を脱却し、データ中心の考え方にシフトする必要があります。バックオフィス部門でこそ可能な財務データ分析やデータ予測がさらなる事業の高度化につながると言えるでしょう。
プラントエンジニアリング業界における請求書受領・発行業務のよくある課題
【受領】紙の請求書をExcelで処理しているケースが多い
プラントエンジニアリング業界は幅広く、企業規模も大小さまざまです。特に中小企業においては、まだ紙の請求書をExcelで作成するケースも見受けられます。
人手不足などにより従来の業務の流れを変えづらいこともありますが、人為ミスによる内容相違や全体的なコストを勘案すると、紙の請求書をアナログな環境で作成し続けるのは限界があります。
【受領】請求書のファイリング・保管に管理工数がかかっている
電子帳簿保存法により電子取引については、2024年1月からデータ保存が義務づけられました。エンジニアリング業においては、設計、材料、工事、サービス等種々の請求書を受け取りますが、受領する請求書の形態は紙と電子データが混在しています。
これらの請求書を分別し、ファイリング、保管するだけでもバックオフィスのリソースが不足しがちになります。
【発行】電子帳簿保存法への対応が進んでいない
インボイス制度では発行したインボイス控えの保存が求められ、電子帳簿保存法では一貫してコンピュータを使用して作成した国税関係書類はデータでの保存が認められています。したがって紙で発行したインボイスも、一貫してコンピュータで作成されれば、インボイスの控えはデータで保存できます。
ところがエンジニアリング業界において、まだ業務が整理されていない事業所では電子帳簿保存の対応が進んでいないところがあります。
プラントエンジニアリング業界の請求書関連の課題解決に向けたDX例
①請求書の受領~会計処理を効率化したい場合
仕入先などから受領する請求書については、社内での承認作業や振込手続き、会計システムへの入力、請求書の保存などの業務フローを踏まえ、業務効率化のための最適な方法を実践しましょう。
「マネーフォワード クラウド債務支払」では、メールで受領した請求書データを自動で取り込み、AI OCR処理を行うことで、支払条件などの情報を読み取ることが可能です。
受領した請求書については、あらかじめ設定した社内のワークフローに基づいて承認作業を行ったあと、ワンクリックで振込指示ができます。APIを用いたシステム間連携もできるため、「マネーフォワード クラウド債務支払」の情報を会計システムやマスタ管理にも活用し、バックオフィス業務全体の効率化を追求することが可能です。
②請求書受領業務や保管業務をなくしたい場合
受領請求書には、依然として紙の請求書も多く、相手先のことを考えるとすべて請求データで受領することは現実的ではありません。そこでBPOサービスが付帯しているシステムを選択すると、導入したシステムに合わせて、業務プロセスの一部分を委託できます。
「マネーフォワード クラウド債務支払のBPOサービス」では、紙の請求書のデータ化・システムへのアップデート代行・請求書明細の下書き入力代行・証憑のファイリングと保管業務の代行などが可能です。支払申請の下書き入力をアウトソースすることにより、会社では内容を確認し、支払業務のみに業務を減らすことができます。
③請求書作成~送付を効率化したい場合
毎月の請求業務を効率化するためには、自社が発行する請求書の作成から送付までの一連の業務フローを踏まえ、担当者による手作業をできる限り削減することが重要です。
「マネーフォワード クラウド請求書Plus」では、社内のCRMや販売管理システムと連携し、手入力なしで簡単に請求書データを作成することが可能です。
社内の申請・承認を行った請求書についてはメールや郵送で一括送付でき、担当者の発送業務の負担を大幅に軽減できます。さらに作成した請求書の情報は会計システムにも売上仕訳として反映でき、自社の損益状況をリアルタイムで把握する際にも有用です。
プラントエンジニアリング業界の企業様に参考となる請求業務の改善事例
請求書受領・経費精算業務の改善例
株式会社オカフーズ様では、【受領した請求書を表計算ソフトにまとめる→会計ソフトに転記する→銀行の振込サービスに転記する】というステップを踏んでいました。
「マネーフォワード クラウド債務支払」を導入後は1ステップに減り、ミスの減少や時間短縮が実現しました。
請求書発行業務の改善事例
クラスメソッド株式会社では、業務拡大につれて月に数百件の請求書が発行されるようになり、バックオフィス効率化のため請求業務の見直しを行いました。
これまでは月末に2人がかりで、請求書を紙出力して営業担当に確認を行い、毎月100件ほど請求書の郵送があったそうです。
請求書受領・送付業務の改善に役立つお役立ち資料
プラントエンジニアリング業界の企業様が請求書ソフトを導入する際のチェックポイント
請求書受領に関するソフト導入の場合
プラントエンジニアリング業の約16%は、海外からの受注というデータがあります。
参考:経済産業省「特定サービス産業動態統計速報(2022年12月)
プラントエンジニアリング業界においては、今後さらに海外市場への拡大が見込まれます。そうなると、電子データでの請求書受領を前提に考える必要があるでしょう。
請求書受領業務においては紙とデータの共存が今後も続くと見られますが、業務の流れの上流において形式を統一し、データで取り扱うのが効率的と言えます。そこで請求書ソフトを選択する際には、紙の請求書のデータ化についてどのようなサービスが受けられるかを見ておく必要があります。自社内での人手不足を解消し、かつ、関係者間での共有が可能となる請求書のデータ化サービスの有無は要チェックです。
請求書発行(送付)に関するソフト導入の場合
工期が長いプラントプロジェクトでは、請求書の発行頻度は少なくなります。この場合、請求書発行業務に求められるものは「正確性」と「迅速性」です。
発行した請求書にミスや遅れがあると、取引先との信頼関係に影響を与えかねません。正確性については、工期の途中で変更があったり、請求内容が複雑になったりする場合などには、請求書内容確認は担当者が念入りにすべきです。
また、迅速性を担保するには、請求書送付業務を自動化できるサービスがあるかをチェックしましょう。どのような請求書も統一的に処理でき、かつ、取引の双方にとって重要な請求明細書などを添付できるような仕組みが役に立ちます。