-水産業界向け-請求書ソフトの選び方・よくある課題・導入事例
更新日:2024年4月12日
水産業界の現状と課題、DXや業務効率化の必要性
日本の水産業界では、特に高齢化と後継者不足という深刻な課題に直面しています。日本の漁師の平均年齢は高止まりしており、若い世代の新規参入は伸び悩んでいるといえるでしょう。水産庁が公表した「令和4年度 水産白書」によると、国内での漁業就業者数の減少傾向が続いており、平成15年時点では約24万人であったのに対し、令和3年では12万9,320人となっています。
参考:令和4年度 水産白書|水産庁
このような現状は「労働力不足」という形で業界全体に影響を及ぼしており、若年層の漁業離れが進む中、業界は労働力の確保と世代交代のための施策を模索しています。これらの課題に対処するためには、業務効率化が極めて重要です。生産性の低い業務を省人化できれば、人的リソースをより生産性の高い業務に集中できるため、限られた労働力を効果的に配分しやすくなるでしょう。
特に自社の請求書作成や経費精算、会計処理などのバックオフィス業務の効率化を実現することで、日々の煩雑な業務を削減することが可能です。またDX化やペーパーレス化によって労働生産性が高まるだけでなく、リアルタイムでの経営状況を把握しやすくなるため、スピーディーな意思決定にも役立ちます。
水産業界における請求書受領・発行業務のよくある課題
【受領】請求書の種類が多い(メーカー、販管費、その他経費など)
水産業界では、数多くの請求書を取り扱うケースが多く、経理担当者にとって負担増加の原因となる場合も少なくありません。たとえば漁具や餌のメーカーや、船舶の維持管理に関する費用、港湾料金や保険料など、さまざまな支払先から請求書を受け取る企業も多いでしょう。
請求書によってフォーマットも異なるため、支払い漏れなどがないように、経理担当者は注意深く対応しなければならず、まとまった工数を費やすこととなります。
【受領】紙で受領する請求書が多い
高齢化の進む水産業界では、依然として請求書を紙ベースでやりとりするケースが多いです。請求書を紙で受領する場合には、紛失や遅延などが発生しやすいことに加え、会計データへの入力も手作業で行う必要があるなど、バックオフィス業務の効率を大幅に低下させます。
また紙の請求書をデータ保存する場合にも、スキャン作業などの追加業務が必要となるため、人材不足が懸念される水産業界にとっては、さらなる負担となるでしょう。
【発行】請求書の作成・未回収管理・元帳作成などを手書きで行っている
歴史のある企業が多い水産業界では、高齢化も相まって、アナログな業務体制に陥っている事例が多いです。請求書の発行業務に関しても、手書きで作成した請求書を郵送するケースや、売掛金管理や元帳作成などを一貫して手作業で行う企業も珍しくありません。
それらの非効率な業務フローでは、記入ミスなどのヒューマンエラーが発生しやすいだけでなく、請求業務や経理業務の属人化が加速する要因にもなるでしょう。
水産業界の請求書関連の課題解決に向けたDX例
①請求書の受領~会計処理を効率化したい場合
仕入先などから受領する請求書については、社内での承認作業や振込手続き、会計システムへの入力、請求書の保存などの業務フローを踏まえ、業務効率化のための最適な方法を実践しましょう。
「マネーフォワード クラウド債務支払」では、メールで受領した請求書データを自動で取り込み、AI OCR処理を行うことで、支払条件などの情報を読み取ることが可能です。
受領した請求書については、あらかじめ設定した社内のワークフローに基づいて承認作業を行ったあと、ワンクリックで振込指示ができます。APIを用いたシステム間連携もできるため、「マネーフォワード クラウド債務支払」の情報を会計システムやマスタ管理にも活用し、バックオフィス業務全体の効率化を追求することが可能です。
②請求書受領業務や保管業務をなくしたい場合
受領請求書には、依然として紙の請求書も多く、相手先のことを考えるとすべて請求データで受領することは現実的ではありません。そこでBPOサービスが付帯しているシステムを選択すると、導入したシステムに合わせて、業務プロセスの一部分を委託できます。
「マネーフォワード クラウド債務支払のBPOサービス」では、紙の請求書のデータ化・システムへのアップデート代行・請求書明細の下書き入力代行・証憑のファイリングと保管業務の代行などが可能です。支払申請の下書き入力をアウトソースすることにより、会社では内容を確認し、支払業務のみに業務を減らすことができます。
③請求書作成~送付を効率化したい場合
毎月の請求業務を効率化するためには、自社が発行する請求書の作成から送付までの一連の業務フローを踏まえ、担当者による手作業をできる限り削減することが重要です。
「マネーフォワード クラウド請求書Plus」では、社内のCRMや販売管理システムと連携し、手入力なしで簡単に請求書データを作成することが可能です。
社内の申請・承認を行った請求書についてはメールや郵送で一括送付でき、担当者の発送業務の負担を大幅に軽減できます。さらに作成した請求書の情報は会計システムにも売上仕訳として反映でき、自社の損益状況をリアルタイムで把握する際にも有用です。
水産業界の企業様に参考となる請求業務の改善事例
請求書受領・経費精算業務の改善例①
製菓・製パンメーカー向けに食品香料や原材料の製造販売、輸入販売を行う株式会社ナリヅカコーポレーション様では、紙やエクセルを中心に行う経理業務に課題を抱えていました。
各拠点から、紙媒体で経費精算の申請書や請求書を本社へ郵送・一括処理しており、経理業務にタイムラグが発生していました。
請求書受領・経費精算業務の改善例②
株式会社オカフーズ様では、【受領した請求書を表計算ソフトにまとめる→会計ソフトに転記する→銀行の振込サービスに転記する】というステップを踏んでいました。
「マネーフォワード クラウド債務支払」を導入後は1ステップに減り、ミスの減少や時間短縮が実現しました。
請求書受領・送付業務の改善に役立つお役立ち資料
水産業界の企業様が請求書ソフトを導入する際のチェックポイント
請求書受領に関するソフト導入の場合
請求書ソフトの導入を検討する場合には、まず取引先などからの請求書の受領業務を効率化することを追求しましょう。
メールで受領した請求書データを読み取る機能に加え、紙媒体で受け取る請求書が多い場合には、受け取り代行サービスの活用も検討することをおすすめします。請求書の種類が多い水産業界では、請求書の受け取り作業を外部委託することで、より生産性の高い業務に集中しやすくなるでしょう。
また受領した請求書の社内承認プロセスや振込み手続きをオンライン完結することで、業務のスキマ時間を活用した効率的な運用も可能です。さらに受領した請求書の情報を会計データと連携できれば、仕訳入力作業の自動化にも役立ちます。
請求書発行(送付)に関するソフト導入の場合
請求書ソフトの導入に際しては、自社の請求書発行手続きの自動化を検討しましょう。請求書ソフトの中には、取引先や品目登録による自動入力機能に加え、PDF出力やメールによる一括送信機能が設けられているサービスも多いです。
また紙ベースで請求書をやりとりするケースの多い水産業界では、作成した請求書の郵送代行サービスを活用することによって、毎月の請求書の送付手続きを外部へ委託する方法も検討すると良いでしょう。
さらに入金管理や会計ソフトとの連携機能のあるソフトを導入すれば、手書きによる未回収債権のチェックや元帳作成業務から脱却できるうえ、業務の属人化解消にもつながるなど、社内の労働効率向上にも貢献します。