-福祉業界向け-請求書ソフトの選び方・よくある課題・導入事例
更新日:2024年4月12日
福祉業界の現状と課題、DXや業務効率化の必要性
高齢者や障害者支援などに携わる福祉業界においては、かなり深刻な人材不足が続いており、今後も年々多くの人材が必要となることが予想されます。令和4年版厚生労働白書によると、2021年の介護関係職種の有効求人倍率は3.64倍で、全業種(1.03倍)の3倍超となっています。これは、介護関係への求職者にとってはメリットが多いものの、事業者にとっては人材確保が難しいことを意味します。
少子高齢化がますます進む現在、特に介護職員については、2040年に約280万人の人材が必要になると厚生労働省は見ています。また、高齢者などを対象とした福祉サービスは、介護保険制度に基づく財源が充てられる以外はサービス利用者の負担となるため値上げが難しい分野だと言えます。
このように福祉業界において、福祉サービスにあたる人員不足が続く上、財源が限られるため、今後もバックオフィス業務に人手をかけることはあまり期待できません。極力、現行の職員で今まで以上に増加する作業量をこなすには、作業プロセスのデジタル化をはじめ、そのデータを上手く活用するDX化は避けて通れない状況です。
出典
図表1-2-39 有効求人倍率(介護関係職種)の推移(暦年別)|厚生労働省
介護人材確保に向けた取組|厚生労働省
介護保険制度をめぐる最近の動向について|厚生労働省
福祉業界における請求書発行・受領業務のよくある課題
【発行】季節や月ごとで請求業務の負担が変わることが多い
介護福祉施設から発送する請求は、主として介護報酬請求(レセプト)と利用者に発送する請求書に分けられます。レセプトについては、基本的に各都道府県の国民健康保険団体連合会が指定した専用システムを利用しますが、サービス利用者への請求については、各家庭へ紙での請求書を送付するのが主流です。
介護施設では季節によってイベントを開催したり、季節性の感染症などで月によって請求明細が変わったりするため、作業量にも影響が生じることがあります。その場合、所定の日に請求書発送を間に合わせるためには負荷が大きくなってしまいます。
【発行】請求書発送までの対応期間が短く、担当者に負担がかかりやすい
福祉関連業界として福祉用品等を扱う業界では、各福祉施設あての請求業務において発注から請求書発送までの期間が短いケースがあります。福祉機器のレンタル代が利用者負担の場合は、各福祉施設から利用者への請求も発生し、福祉機器を扱う業者には柔軟な対応が求められるためです。
この場合、経理担当者は短期間に内容を確認して請求書を準備し、発送しなければならなくなります。その都度個別処理が発生することになり、担当者の負担は大きくなります。
【受領】紙の請求書が多い、請求書の支払いをExcelで管理しているケースも
介護施設などにおける支払業務は、人件費の他、水道光熱費をはじめ介護のための消耗品や介護用品のレンタル代など非常に多岐にわたります。個々の施設利用者の状況が異なるため、きめの細かいサービスをするほど立替金(のちに利用者に請求するが一旦立て替える費用)なども発生し、支払業務は複雑になります。
紙の請求書を受領し、ベテランの経理職員がExcelに支払内容を入力して管理している施設も多いものの、一定の職員にのみ業務が偏るのは業務上のリスクと言えます。確認漏れなどの人為ミスだけでなく、担当職員が不在の場合にうまく引継ぎができるとは限らないからです。
福祉業界の請求書関連の課題解決に向けたDX例
①請求書作成~送付を効率化したい場合
毎月の請求業務を効率化するためには、自社が発行する請求書の作成から送付までの一連の業務フローを踏まえ、担当者による手作業をできる限り削減することが重要です。
「マネーフォワード クラウド請求書Plus」では、社内のCRMや販売管理システムと連携し、手入力なしで簡単に請求書データを作成することが可能です。
社内の申請・承認を行った請求書についてはメールや郵送で一括送付でき、担当者の発送業務の負担を大幅に軽減できます。さらに作成した請求書の情報は会計システムにも売上仕訳として反映でき、自社の損益状況をリアルタイムで把握する際にも有用です。
②帳票送付業務を自動化したい場合
作成した請求書を取引先に送付する際、郵送の場合には印刷や封入、発送作業が必要となり、送付件数によっては担当者がまとまった時間を拘束されてしまいます。
「マネーフォワード クラウドインボイス」では、作成した帳票データをアップロードすれば、あとはワンクリックで一括送信することが可能です。
またWeb送付や郵送、メール送信などの送付方法は取引先ごとに設定できるため、取引先の都合などによって急に送付方法を変更しなければならない場合にも、設定を変更するだけで対応できます。
③請求書の受領~会計処理を効率化したい場合
仕入先などから受領する請求書については、社内での承認作業や振込手続き、会計システムへの入力、請求書の保存などの業務フローを踏まえ、業務効率化のための最適な方法を実践しましょう。
「マネーフォワード クラウド債務支払」では、メールで受領した請求書データを自動で取り込み、AI OCR処理を行うことで、支払条件などの情報を読み取ることが可能です。
受領した請求書については、あらかじめ設定した社内のワークフローに基づいて承認作業を行ったあと、ワンクリックで振込指示ができます。APIを用いたシステム間連携もできるため、「マネーフォワード クラウド債務支払」の情報を会計システムやマスタ管理にも活用し、バックオフィス業務全体の効率化を追求することが可能です。
福祉業界向けマネーフォワード クラウド導入事例(無料)
介護・福祉・医療業界の企業様向けに、マネーフォワード クラウドの導入事例をピックアップしてまとめている資料です。
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福祉業界の企業様に参考となる請求業務の改善事例
請求書受領業務の改善例
放射線治療や薬物療法を中心に、切らずに治す「低侵襲がん医療」に特化した医療法人社団神戸低侵襲がん医療センター様は、紙媒体で受領する請求書の支払いをエクセルで管理していました。
また、仕訳入力も手作業で行っており、非効率な業務体制に課題を感じていました。
請求書受領・経費精算業務の改善例
鍼灸接骨院を中心に、「健康寿命」を延伸するための仕組みづくりに取り組む株式会社HITOMIOテクノロジーズ様では、月6,000件を超える仕訳入力をすべて手作業で行っていました。月次決算に向けて休日出勤することもあったそうです。
また経費精算についても紙ベースでの申請・承認処理を行っていたため、非効率な経理や経費精算業務に課題を抱えていました。
請求書受領・送付業務の改善に役立つお役立ち資料
福祉業界の企業様が請求書ソフトを導入する際のチェックポイント
請求書発行(送付)に関するソフト導入の場合
福祉施設などから発送する請求書でレセプト以外は一般の消費者を対象とするものが多いため、すぐには発送する請求書のデータ化は難しく、紙の請求書が当面続くと予想されます。したがって、請求書データは作成できても、結局それからの手作業に時間がかかります。
そこで、請求書の送付サービスなどの選択ができるサービスがあると便利です。請求書に同封する利用明細などのデータをアップロードすることにより、請求書に同封する書類を準備でき、封入・封緘、郵便局持ち込みなどの手作業の削減を見込めます。
請求書受領に関するソフト導入の場合
介護福祉施設における支払業務では、毎月の定例的な支払いだけでなく、イベントや季節的な費用、立替払いなど勘定科目の種類もいくつもあります。利用業者も多岐にわたるため、担当者が紙で受領した請求書を一つ一つ開封し、支払申請を経て、支払データを作成する一連の作業にはまとまった時間だけでなく集中力も必要です。同時に担当者の多くは、通常、締め切りのある他の業務も持っています。
「請求書の受取からデータ化まで」の一連の業務を外部に委託できれば、作業負荷は減り、集中すべき業務に傾注することができます。債務管理ソフトでも、このようなBPOサービスが付帯しているものを選択すれば、債務管理は大幅に変わるでしょう。