-ガス業界向け-請求書ソフトの選び方・よくある課題・導入事例
更新日:2024年4月12日
ガス業界の現状と課題、DXや業務効率化の必要性
私たちの暮らしを支えるガス業界では、市場環境の大きな変化に伴い、将来を見据えてさまざまな課題に直面しています。
まずガス業界の現状については、資源エネルギー庁が公表する「ガス事業生産動態統計調査」によると、2022年のガス総販売量は約1兆7,327億メガジュールであり、そのうち工業用が約6割を占めています。総販売量は2年連続の増加となっており、コロナ前の水準まで回復する結果となりました。
参考:ガス事業生産動態統計調査|資源エネルギー庁
近年のガス業界では、二酸化炭素の排出量削減に向けたカーボンニュートラルやSDGsへの取り組みが重要視されており、再生可能エネルギーへのシフトや国際的な環境規制への対応が必要不可欠です。
また安全性の向上や地球環境への影響低減、サステナビリティの観点からもデジタル技術の活用が必要とされています。
2017年4月に開始した「ガス小売全面自由化」によって業界内の競争が激化する中、DX化やバックオフィス業務の効率化によってリソースを捻出し、経営資源を成長分野に集中させることが重要といえるでしょう。
ガス業界における請求書発行・受領業務のよくある課題
【発行】請求書や見積書を紙で作成しているケースもまだ多い
都市ガスやLPガス、ガス機器の販売などを行う企業の場合には、たくさんの取引先を抱えるケースが一般的であり、商品や顧客の情報管理も徹底する必要があります。
特に紙媒体による作業が混在することで業務スピードが低下するだけでなく、情報管理の効率も低下する可能性があるため注意しなければなりません。発行した見積書や請求書の原紙を倉庫などでまとめて保管していることも多く、書類の山の中から必要な情報を探すための余分な時間も発生しやすくなるでしょう。
【発行】請求書発行・送付の量が多く、経理担当者や各支店に対して負担がかかっている
顧客数の多いガス業界においては、毎月発行する請求書の枚数も増えやすいため、経理担当者の業務負担が増加する原因になります。特に顧客に対して請求書を郵送する場合には、印刷や封入、発送作業にまとまった工数を費やす必要があり、残業時間の増加につながりかねません。
複数の拠点を置く企業では、請求書を本社から一括して送付するケースだけでなく、支店ごとに発行する場合もあります。顧客数が多いことで、各支店における請求業務の負担が増加し、組織全体での生産性低下を招くリスクもあるでしょう。
【受領】請求書の受領・計上業務、請求書原本管理業務に工数がかかっている
ガス業界の企業は、複数の拠点を設置して事業展開を行う事例も多く、事業規模に比例して受領する請求書の枚数も増加しやすくなります。取引先も含めて社歴が長い傾向にあり、以前からの慣習によって受領する請求書も紙媒体のものが多いという特徴があります。
受領後の業務フローが、非効率な管理体制が常態化しているケースも多いです。経理部への提出や会計ソフトの入力工程、請求書原本の保管方法などの見直しがされておらず、受領する請求書の社内処理に工数を費やす企業も少なくありません。
ガス業界の請求書関連の課題解決に向けたDX例
①請求書作成~送付を効率化したい場合
毎月の請求業務を効率化するためには、自社が発行する請求書の作成から送付までの一連の業務フローを踏まえ、担当者による手作業をできる限り削減することが重要です。
「マネーフォワード クラウド請求書Plus」では、社内のCRMや販売管理システムと連携し、手入力なしで簡単に請求書データを作成することが可能です。
社内の申請・承認を行った請求書についてはメールや郵送で一括送付でき、担当者の発送業務の負担を大幅に軽減できます。さらに作成した請求書の情報は会計システムにも売上仕訳として反映でき、自社の損益状況をリアルタイムで把握する際にも有用です。
②帳票送付業務を自動化したい場合
作成した請求書を取引先に送付する際、郵送の場合には印刷や封入、発送作業が必要となり、送付件数によっては担当者がまとまった時間を拘束されてしまいます。
「マネーフォワード クラウドインボイス」では、作成した帳票データをアップロードすれば、あとはワンクリックで一括送信することが可能です。
またWeb送付や郵送、メール送信などの送付方法は取引先ごとに設定できるため、取引先の都合などによって急に送付方法を変更しなければならない場合にも、設定を変更するだけで対応できます。
③請求書の受領~会計処理を効率化したい場合
仕入先などから受領する請求書については、社内での承認作業や振込手続き、会計システムへの入力、請求書の保存などの業務フローを踏まえ、業務効率化のための最適な方法を実践しましょう。
「マネーフォワード クラウド債務支払」では、メールで受領した請求書データを自動で取り込み、AI OCR処理を行うことで、支払条件などの情報を読み取ることが可能です。
受領した請求書については、あらかじめ設定した社内のワークフローに基づいて承認作業を行ったあと、ワンクリックで振込指示ができます。APIを用いたシステム間連携もできるため、「マネーフォワード クラウド債務支払」の情報を会計システムやマスタ管理にも活用し、バックオフィス業務全体の効率化を追求することが可能です。
ガス業界の企業様に参考となる請求業務の改善事例
請求書発行業務の改善事例
クラスメソッド株式会社では、業務拡大につれて月に数百件の請求書が発行されるようになり、バックオフィス効率化のため請求業務の見直しを行いました。
これまでは月末に2人がかりで、請求書を紙出力して営業担当に確認を行い、毎月100件ほど請求書の郵送があったそうです。
請求書受領・経費精算業務の改善事例
埼玉ダイハツ販売株式会社様では、紙書類や二重入力の多い業務フローだったため、紙書類を途中で紛失するリスク、金額を間違えて入力するリスク、上司が社内に不在で承認フローが遅れるリスクなど、さまざまな問題が発生していたそうです。
経費精算・債務支払の完全ペーパーレス化により、業務フローの改善・電子帳簿保存法への対応を完了しています。
請求書受領・送付業務の改善に役立つお役立ち資料
ガス業界の企業様が請求書ソフトを導入する際のチェックポイント
請求書発行(送付)に関するソフト導入の場合
請求書ソフトの導入によって、自社の請求書発行業務を効率化する場合には、取引先や品目の自動入力など、自動作成機能に優れたシステムを選択することをおすすめします。
またガス業界では、自社発行の請求書について、メール送信と郵送による送付が混在しやすいため、送付形式ごとに一括送信機能を有するソフトを導入しましょう。
さらにインボイス制度や電子帳簿保存法など、最新の法令に対応したソフトを導入することで、請求書の作成や保管業務を最適化でき、バックオフィス業務の見直しにも効果的です。
請求書受領に関するソフト導入の場合
請求書ソフトを導入し、他社から受け取る請求書の処理を効率化する場合には、受領から振込みまでの業務フローをオンライン上で完結させるように取り組みましょう。請求書ソフトの中には、請求書の受取りから保管までを代行するBPOサービスを展開しているケースもあります。それらのサービスを活用すれば、紙媒体の多いガス業界においても、請求書の受領から保管までを完全にペーパーレス化することも可能です。
さらに会計ソフトとの連携機能をもつ請求書ソフトを導入することで、仕訳処理を自動化でき、経理担当者の工数削減にも効果的です。