-自動車小売業界向け-請求書ソフトの選び方・よくある課題・導入事例
更新日:2024年4月12日
自動車小売業界の現状と課題、DXや業務効率化の必要性
自動車小売業においては、車両の保有長期化や全体的な減車傾向の中、自動車大手メーカー各社もEV販売を視野に入れるなど新たな潮流が生まれつつあります。
一般社団法人日本自動車工業会の統計データで、四輪の販売額の推移を示したものが次のグラフです。
出典:統計データベース 販売統計(四輪)時系列×車種 2018年1月-2023年7月|一般社団法人日本自動車工業会を加工して作成
半導体不足を始めとするサプライチェーンリスクを抱えつつも、中国や欧州が2035年にガソリンのみを燃料とする自動車の販売を禁止するなど、世界的にEV化の動きが出ています。日本においても大きな転換期を前に、厳しい状況は続くものと思われます。
また、自動車小売業界においても他の業界と同様、人手不足の問題は深刻です。人口減少や超高齢化の影響は、自動車の販売量だけでなく、自動車関連への就職にも関係しています。
このような中、自動車小売業ではバックオフィスにおける人員不足解消の手段として、DX化が現実味を帯びてきます。自動車のEV化とともにバックオフィスにおける業務も手作業から自動化に変えることは、人手不足の解消のみならず、会社の競争力に大きな影響を与えるでしょう。
自動車小売業界における請求書受領・発行業務のよくある課題
【受領】請求書の受領枚数が多く、受領方法もメール・FAX・郵送など多岐にわたるケースが多い
自動車小売業界も他業界と同じように月々の請求書の受領においては、郵送をはじめ、FAXやメール添付、ECサイトからのダウンロードなど、受取方法も多岐にわたることがあります。
経理担当者は、このように異なる形式で受領する多くの請求書をデータ化し、遅延や漏れがないように決められた期限までに支払うようにしなければなりません。その際、特に電子メールやECサイトからのダウンロードにおいては、セキュリティには十分気を付ける必要があります。
【受領】請求書の申請・承認のワークフローに時間がかかり、支払い遅延のリスクがあるケースも
受領した請求書については、支払い申請を経て、承認を得たもののみが支払いの対象となります。これは、内部統制の観点からは避けて通れないワークフローであり、二重払いを防ぎ、不正行為を抑制するためには有効と言えます。
しかし、自動車小売業界においてもすべての請求書が時間的な余裕をもって発送されているわけではないため、ワークフローで時間切れになることも想定されます。承認者がたとえ出張等で在席していない場合でも、支払承認できるような仕組みが望まれます。
【発行】営業担当など各従業員が個別に請求書を作成・送付しているケースがあり、入力ミス・管理漏れなどが発生しやすい
自動車小売業界において、営業担当者が請求書を作成し、顧客に直接送付する場合に気を付けるべきこととして、次の3点が挙げられます。
- 人為ミスの発生:請求書作成における確認項目が多いため、ヒューマンエラーを起こす可能性がある
- 送信履歴の問題:営業活動の中で請求書の手渡しなどが発生した場合、請求書を送付した痕跡が残らない
- 経理部門への連絡漏れ:営業担当が請求書送付の事実を経理部門に社内連絡していないと、入金タイミングが掴みづらい
自動車小売業界の請求書関連の課題解決に向けたDX例
①請求書の受領~会計処理を効率化したい場合
仕入先などから受領する請求書については、社内での承認作業や振込手続き、会計システムへの入力、請求書の保存などの業務フローを踏まえ、業務効率化のための最適な方法を実践しましょう。
「マネーフォワード クラウド債務支払」では、メールで受領した請求書データを自動で取り込み、AI OCR処理を行うことで、支払条件などの情報を読み取ることが可能です。
受領した請求書については、あらかじめ設定した社内のワークフローに基づいて承認作業を行ったあと、ワンクリックで振込指示ができます。APIを用いたシステム間連携もできるため、「マネーフォワード クラウド債務支払」の情報を会計システムやマスタ管理にも活用し、バックオフィス業務全体の効率化を追求することが可能です。
②請求書作成~送付を効率化したい場合
毎月の請求業務を効率化するためには、自社が発行する請求書の作成から送付までの一連の業務フローを踏まえ、担当者による手作業をできる限り削減することが重要です。
「マネーフォワード クラウド請求書Plus」では、社内のCRMや販売管理システムと連携し、手入力なしで簡単に請求書データを作成することが可能です。
社内の申請・承認を行った請求書についてはメールや郵送で一括送付でき、担当者の発送業務の負担を大幅に軽減できます。さらに作成した請求書の情報は会計システムにも売上仕訳として反映でき、自社の損益状況をリアルタイムで把握する際にも有用です。
③帳票送付業務を自動化したい場合
作成した請求書を取引先に送付する際、郵送の場合には印刷や封入、発送作業が必要となり、送付件数によっては担当者がまとまった時間を拘束されてしまいます。
「マネーフォワード クラウドインボイス」では、作成した帳票データをアップロードすれば、あとはワンクリックで一括送信することが可能です。
またWeb送付や郵送、メール送信などの送付方法は取引先ごとに設定できるため、取引先の都合などによって急に送付方法を変更しなければならない場合にも、設定を変更するだけで対応できます。
自動車小売業界の企業様に参考となる請求業務の改善事例
埼玉ダイハツ販売株式会社様の改善事例
同社では、紙書類や二重入力の多い業務フローだったため、紙書類を途中で紛失するリスク、金額を間違えて入力するリスク、上司が社内に不在で承認フローが遅れるリスクなど、さまざまな問題が発生していたそうです。
経費精算・債務支払の完全ペーパーレス化により、業務フローの改善・電子帳簿保存法への対応を完了しています。
請求書受領・送付業務の改善に役立つお役立ち資料
自動車小売業界の企業様が請求書ソフトを導入する際のチェックポイント
請求書受領に関するソフト導入の場合
自動車小売業界において請求書を受領し、債務として認識し、期限までに取引先に支払うという債務管理業務の大まかな流れは今後も変わらないでしょう。しかし、自動車の営業担当者や経理担当だけで多様な請求書を期限内に正しく処理をすることについて、手作業では大変になることが多いです。支払い締め日の前になると、緊張の度合いも作業量も高まり、経理担当者には大きなプレッシャーを伴う長時間作業が待ち受けています。
そこで、請求書の受領から支払管理までを一気通貫するシステムで、その取引に関係するすべての担当者が「今あの請求書はどうなっているか」が解決できる体制を作ることをおすすめします。
請求書発行(送付)に関するソフト導入の場合
請求書を発行すると請求額は債権となり、回収を待つことになります。自動車小売業界においても、請求の考え方にはいくつかのパターンがあります。
- 複数の請求書をまとめて請求する
- 一つの請求書を分割するように依頼される
- 請求行為はなくても契約書をもって債権となる など
また、請求書に添付して明細書を送付するケースも多いです。このような多様な請求書作成を人力で対応するのではなく、担当者は顧客ごとの請求パターンやタイミングの確認に責任を持ち、後はシステムに任せるというスタイルが望まれます。
「かゆいところに手の届く」仕組みの実現により、担当者は請求書締め日の過度のプレッシャーや労働時間から解放されます。