-繊維業界向け-請求書ソフトの選び方・よくある課題・導入事例
更新日:2024年2月13日
繊維業界の現状と課題、DXや業務効率化の必要性
長年にわたって私たちの暮らしを支えている繊維業界ですが、時代の流れとともにさまざまな課題に直面している企業も少なくありません。
衣料品の過剰供給や低価格化により、国内での就業者数が減少し、より安価な生産ラインを求めて海外に工場を移設するなど、市場環境は目まぐるしく変化しています。経済産業省が公表している「繊維産業の現状と2030年に向けた繊維産業の展望(繊維ビジョン)の概要」によると、国内の事業所が2005年では23,082件であったのに対し、2019年では10,586件となり、過去14年で半数以下にまで減少しています。
参考:繊維産業の現状と2030年に向けた繊維産業の展望(繊維ビジョン)の概要|経済産業省
さらに国内の就業者数も年々減少傾向にあり、労働者不足を補うために、外国人労働者を受け入れている事業所も多いです。今後の繊維業界の発展のためには、技術開発による新市場開拓に加え、サステナビリティやデジタル化などの社会的なニーズにも対応する必要があるでしょう。
特に低価格化が進む中で自社の利益を確保するためには、バックオフィス業務の効率化によって社内全体の労働生産性を向上させることが重要です。
繊維業界における請求業務のよくある課題
①紙の請求書が必要とされる取引先がまだまだ多い
古くから日本経済の基盤を支える繊維業界では、歴史のある企業が多く、長い年月をかけて業務フローが確立されていることも特徴です。
取引先との納品書や請求書などのやりとりを紙媒体で行っている事例も多く、取引先多い企業ほど、印刷や封入、郵送などの作業にまとまった時間を費やすこととなります。また紙媒体で受領した証憑類は保存義務があるため、保管スペースの確保に苦慮する企業も多いでしょう。
②人的ミスが発生しやすい
手書きやエクセルなどによって請求書を作成する場合には、人的ミスが発生するリスクも高まります。担当者による計算ミスや金額の入力間違いなどが起こるケースも多く、それらのミスに気づかずに請求書を発行してしまった場合、取引先の信用を損なう可能性も考えられます。
多くの企業では複数名によるチェックを義務付けるなどの対策を講じていますが、それによって業務効率は低下し、請求書発行が遅延するといった問題も発生しやすくなるため注意が必要です。
③インボイス制度への対応が必要
2023年10月1日に導入されたインボイス制度によって、適格請求書発行事業者はインボイス形式によって請求書を発行しなければなりません。登録番号の記載や消費税額の表記方法などを確認のうえ、記載要件に則ったフォーマットに改訂する必要があります。
取引先から受領する適格請求書についても、記載された登録番号を国税庁の「適格請求書発行事業者公表サイト」にて照合しなければなりません。一連の業務を手作業で行う場合、インボイス制度によって担当者の業務負担が増加することが懸念されます。
繊維業界の請求書関連の課題解決に向けたDX例
①請求書作成~送付を効率化したい場合
毎月の請求業務を効率化するためには、自社が発行する請求書の作成から送付までの一連の業務フローを踏まえ、担当者による手作業をできる限り削減することが重要です。
「マネーフォワード クラウド請求書Plus」では、社内のCRMや販売管理システムと連携し、手入力なしで簡単に請求書データを作成することが可能です。
社内の申請・承認を行った請求書についてはメールや郵送で一括送付でき、担当者の発送業務の負担を大幅に軽減できます。さらに作成した請求書の情報は会計システムにも売上仕訳として反映でき、自社の損益状況をリアルタイムで把握する際にも有用です。
②帳票送付業務を自動化したい場合
作成した請求書を取引先に送付する際、郵送の場合には印刷や封入、発送作業が必要となり、送付件数によっては担当者がまとまった時間を拘束されてしまいます。
「マネーフォワード クラウドインボイス」では、作成した帳票データをアップロードすれば、あとはワンクリックで一括送信することが可能です。
またWeb送付や郵送、メール送信などの送付方法は取引先ごとに設定できるため、取引先の都合などによって急に送付方法を変更しなければならない場合にも、設定を変更するだけで対応できます。
③請求書の受領~会計処理を効率化したい場合
仕入先などから受領する請求書については、社内での承認作業や振込手続き、会計システムへの入力、請求書の保存などの業務フローを踏まえ、業務効率化のための最適な方法を実践しましょう。
「マネーフォワード クラウド債務支払」では、メールで受領した請求書データを自動で取り込み、AI OCR処理を行うことで、支払条件などの情報を読み取ることが可能です。
受領した請求書については、あらかじめ設定した社内のワークフローに基づいて承認作業を行ったあと、ワンクリックで振込指示ができます。APIを用いたシステム間連携もできるため、「マネーフォワード クラウド債務支払」の情報を会計システムやマスタ管理にも活用し、バックオフィス業務全体の効率化を追求することが可能です。
繊維業界の企業様に参考となる請求書・経費業務の改善事例
請求書発行業務の改善例
ドイツ製のマッサージオイルを治療院に卸売販売する株式会社リフル様では、請求書をエクセルで作成して郵送していたため、請求業務に充てる時間の捻出に苦労されていました。
また取引先からはカード決済を希望する声があったことから、それらの要望に応える方法についても模索していたようです。
請求書受領業務の改善例
株式会社ガイアドリーム様では、取引先からメールや郵送、FAXなどのさまざまな形式で請求書を受け取るため、電子帳簿保存法への対応に悩んでいました。
元々導入していたストレージサービスにはOCR機能がなかったため、スキャンした請求書については、取引先や金額などの情報を手入力しなければならず、非効率な業務体制に陥っていたそうです。
請求書受領・経費精算業務の改善例
製菓・製パンメーカー向けに食品香料や原材料の製造販売、輸入販売を行う株式会社ナリヅカコーポレーション様では、紙やエクセルを中心に行う経理業務に課題を抱えていました。
各拠点から、紙媒体で経費精算の申請書や請求書を本社へ郵送・一括処理しており、経理業務にタイムラグが発生していました。
請求書受領・送付業務の改善に役立つお役立ち資料
繊維業界の企業様が請求書ソフトを導入する際のチェックポイント
取引先・品目の自動入力
請求書ソフトによるさまざまな自動入力機能を活用することで、請求書作成を着実に効率化できます。
たとえば取引先に関する情報をマスタ登録することで、住所や担当者名などの情報を簡単に呼び出せます。また個々の品目に関する情報を学習させれば、次回以降に同じ品目を入力する際に、単価や数量などを自動入力することも可能です。
自動入力機能を活用することは、請求業務の負担軽減だけでなく、人的ミスの発生リスクを軽減することにも効果的です。
変換・複製/合算請求書への対応
日本の商慣習においては、見積書や納品書、請求書、領収書のように、取引の進捗に応じて異なる書類を発行するケースが一般的です。
請求書ソフトでは、請求書以外の書類作成も可能であり、たとえば作成済みの納品書を請求書に変換するなど、ワンクリックで他の書類へ変換・複製できます。また複数の納品書をまとめて1枚の請求書に合算することも可能であるため、請求業務の効率化につながります。
手作業で他の書類へ変換する場合には転記漏れや入力ミスも起こりやすいため、変換・複製機能は請求業務の精度向上にも役立つでしょう。
PDF出力・ダウンロード
請求書ソフトで作成した請求書や納品書については、PDF出力やダウンロードが可能です。取引先ごとの送付方法に応じてPDF化や出力が自由にできるため、請求書作成から送付までの業務フローの効率化に役立ちます。
また請求書ソフトでは、作成した請求書の一括メール送信機能や郵便代行が可能であり、毎月の送付作業の負担を軽減できます。取引先ごとに異なる送付方法を設定できるため、取引先への送付方法が統一されておらず、メール送信と郵送が混在する場合にも安心です。