-病院・医療業界向け-請求書ソフトの選び方・よくある課題・事例集
更新日:2024年2月13日
病院・医療業界の現状と課題、DXや業務効率化の必要性
病院や医療業界においては、日本社会全体が抱える少子高齢化の影響を大きく受けるため、さまざまな問題点が懸念されています。
内閣府が公表している「令和5年版高齢社会白書」によると、総人口に占める65歳以上の割合を示す「高齢化率」は2025年には約29.6%、そのうち75歳以上については約17.4%にまで達する超高齢化社会を迎えると予想されています。
参考:令和5年版高齢社会白書|内閣府
このような「2025年問題」に直面する中で、高齢者の医療や福祉を維持するためには、社会保険制度の見直しや働き手の確保が欠かせません。超高齢化社会によって日本全体の労働人口減少が懸念されるうえ、医療業界での勤務は精神的・肉体的な負担も大きいため、慢性的な人材不足に陥っています。
コロナ禍を経て、スピーディーな情報収集やデータ共有の必要性が再認識され、デジタル化を進めることによる「効率的な医療の提供」が必要不可欠とされています。健全な医療体制を維持するためには、人材不足の解消やスムーズな情報共有が重要であることから、DX化やバックオフィス業務効率化の必要性が高まっているといえるでしょう。
病院・医療業界における請求業務のよくある課題
①受取請求書の支払処理で2重チェック・ハンコリレーで工数がかかっている
医療業界では規模の大きな医療機関なども多く、組織の規模に比例して、内部の承認フローやチェック体制が複雑になりやすいという特徴があります。取引先から受領した請求書の支払処理においても、複数名でのチェックを行い、上長などの承認を経てようやく振込み手続きを行う場合も多いでしょう。
一連の承認フローを紙媒体で行う際には、組織内のチェックやハンコリレーが完了するまでに日数がかかり、請求業務や経理処理が遅延する原因になってしまいます。
②同一の請求先であっても、リースと購入により仕訳入力が別など、病院ならではの仕訳作業の大変さがある
病院や医療業界は、事業規模に比例して職員数も多く、仕訳や経費精算の処理件数が増加しやすいです。加えて、ひとつの取引先から受け取る請求書に異なる項目が混在するケースもあるため、会計処理が複雑化する傾向にあります。
医薬品と医療機器をまとめて購入する場合や、リース契約と買取りが混在する場合には、請求書の内容を細かくチェックしたうえで仕訳入力が必要です。これにより、経理担当者の業務負荷が増加してしまいます。
③受取請求書の明細の整理を手作業で行っている
病院や医療関連の企業の場合、医薬品や医療機器の購入だけでなく、施設内の清掃や警備などの業務委託費用も多いです。そのため、毎月受け取る請求書の枚数も増えやすくなります。
またデータではなく、請求書を紙で受領する頻度も多いため、請求書管理や振込み手続きにもまとまった時間を要するケースが一般的です。さらに一部データで受け取る請求書が混在する場合もあり、経理担当者がさまざまな形式で受領する請求書の分類を手作業で行う場合には、より多くの工数を投入しなければなりません。
病院・医療業界の請求書関連の課題解決に向けたDX例
①請求書の受領~会計処理を効率化したい場合
仕入先などから受領する請求書については、社内での承認作業や振込手続き、会計システムへの入力、請求書の保存などの業務フローを踏まえ、業務効率化のための最適な方法を実践しましょう。
「マネーフォワード クラウド債務支払」では、メールで受領した請求書データを自動で取り込み、AI OCR処理を行うことで、支払条件などの情報を読み取ることが可能です。
受領した請求書については、あらかじめ設定した社内のワークフローに基づいて承認作業を行ったあと、ワンクリックで振込指示ができます。APIを用いたシステム間連携もできるため、「マネーフォワード クラウド債務支払」の情報を会計システムやマスタ管理にも活用し、バックオフィス業務全体の効率化を追求することが可能です。
②紙で届く請求書をゼロにしたい場合
受領請求書には、依然として紙の請求書も多く、相手先のことを考えるとすべて請求データで受領することは現実的ではありません。そこでBPOサービスが付帯しているシステムを選択すると、導入したシステムに合わせて、業務プロセスの一部分を委託できます。
「マネーフォワード クラウド債務支払のBPOサービス」では、紙の請求書のデータ化・システムへのアップデート代行・請求書明細の下書き入力代行・証憑のファイリングと保管業務の代行などが可能です。支払申請の下書き入力をアウトソースすることにより、会社では内容を確認し、支払業務のみに業務を減らすことができます。
③請求書送付業務を自動化したい場合
作成した請求書を取引先に送付する際、郵送の場合には印刷や封入、発送作業が必要となり、送付件数によっては担当者がまとまった時間を拘束されてしまいます。
「マネーフォワード クラウドインボイス」では、作成した帳票データをアップロードすれば、あとはワンクリックで一括送信することが可能です。
またWeb送付や郵送、メール送信などの送付方法は取引先ごとに設定できるため、取引先の都合などによって急に送付方法を変更しなければならない場合にも、設定を変更するだけで対応できます。
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病院・医療業界の企業様に参考となる請求書・経費業務の改善事例
請求書受領業務の改善例
放射線治療や薬物療法を中心に、切らずに治す「低侵襲がん医療」に特化した医療法人社団神戸低侵襲がん医療センター様は、紙媒体で受領する請求書の支払いをエクセルで管理していました。
また、仕訳入力も手作業で行っており、非効率な業務体制に課題を感じていました。
請求書受領・経費精算業務の改善例
鍼灸接骨院を中心に、「健康寿命」を延伸するための仕組みづくりに取り組む株式会社HITOMIOテクノロジーズ様では、月6,000件を超える仕訳入力をすべて手作業で行っていました。月次決算に向けて休日出勤することもあったそうです。
また経費精算についても紙ベースでの申請・承認処理を行っていたため、非効率な経理や経費精算業務に課題を抱えていました。
請求書受領・送付業務の改善に役立つお役立ち資料
病院・医療業界の企業様が請求書ソフトを導入する際のチェックポイント
自社の課題が解決できる機能があるかどうか
請求書ソフトを導入するにあたっては、まず自社の課題を把握することが重要です。表面的な問題点だけでなく、社内での本質的な課題を精査し、システム導入によって改善すべきポイントを確認しましょう。
また社内の業務手順が複雑化している場合には、請求書ソフト導入の前に業務フローを整理することで、導入の効果を高めることが可能です。請求書の自動作成や会計ソフトとの連動などの機能を比較検討するだけでなく、自社が抱える課題に対する解決策として最適かどうかをじっくりと検証しましょう。
定期発行機能があるかどうか
病院や医療業界では、毎月決まった取引先に対して請求書を発行するケースが多いです。その際に、手書きやエクセルなどによってその都度請求書を作成するのは効率的ではありません。
請求書ソフトの中には、特定の取引先に関して、事前に設定した周期で請求書のひな形を自動作成する機能が設けられています。
このような定期発行機能を活用することで、反復継続して発行する請求書の作成を自動化でき、請求業務の工数を削減することが可能です。
請求書のオンライン受領ができるかどうか
紙で受領する請求書が多い場合には、請求書ソフトなどの「オンライン受領サービス」の活用も検討しましょう。受領する請求書について、データの場合には自動取り込みを行い、紙媒体の場合には受領やスキャン作業を代行できます。
そのようなサービスを活用することで、自社が受け取る請求書の仕分けやチェック作業、承認フローをオンライン化でき、バックオフィス業務の効率化やリアルタイムでの情報共有に役立てることが可能です。