法改正に対応したおすすめの固定資産管理システムは?

作成日:2024年6月20日

固定資産管理に関する法改正の例は?

近年、固定資産については取得時期や償却方法等に関する税制の見直しがよくありました。

資産の区分にもよりますが、例えば「建物付属設備」の法人における法定償却は次のように何度か変更されました。法人が電気設備、空調設備などの建物付属設備を取得した場合には原則、次の償却方法となります。

【税制改正の例:法人における建物付属設備】

取得時期:平成19年3月31日以前

法定償却方法:旧定率法
初年度に取得価額に償却率を乗じ、順次、期首未償却残高に償却率を乗じる減価償却方法

取得時期:平成19年4月1日から平成24年3月31日まで

法定償却方法:定率法(250%定率法)
定額法償却率の250%を定率法の償却率とする

取得時期:平成24年4月1日から平成28年3月31日まで

法定償却方法:定率法(200%定率法)
定額法償却率の200%を定率法の償却率とする

取得時期:平成28年4月1日以降

法定償却方法:定額法
届出を要しない

参考:
法人税法(令和6年度版)税大講本|国税庁法人税法(基礎編)
平成23年度 法人税関係法令の改正の概要|国税庁定率法償却率等の見直し
平成28年度 法人税関係法令の改正の概要|国税庁減価償却に関する改正

法改正対応していない固定資産管理システムを使用するリスク

上記のように、固定資産に関する税制改正は頻繁に実施されています。固定資産管理システムにより減価償却計算をする場合、これらの税制改正にタイムリーに対応していないと正しい減価償却計算ができません。そうなると、決算も税務申告も正しく処理できません。

減価償却計算は、損益計算書や貸借対照表だけでなく、これらの財務諸表を元に作成される法人税、住民税などの申告書内容にも大きな影響を与えます。また、それ以前に監査法人や顧問税理士などから、決算書のチェック時点で減価償却計算の不備を指摘されるでしょう。

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固定資産管理システムを選ぶ際に、失敗を避けるためのその他のポイント

固定資産管理システムを選択するにあたって、後で後悔しないためのポイントとして3点ご紹介します。

①必要な機能の有無確認

最も基本的なこととして、固定資産の登録、償却計算、現物管理、除却処理など企業が必要とする固定資産管理機能が搭載されているかの確認は欠かせません。

自社の固定資産の傾向を把握し、非減価償却資産、リース資産、無形固定資産、繰延資産などについても合理的な管理が可能かを確認しましょう。不足する機能があると業務が非効率になります。

特に現物管理は時間や労力のかかる作業なので、少しでも効率化するために現物の写真などが保持できるシステムなども検討しましょう。

②会計基準への対応確認

固定資産の処理は会計処理と密接に関係しているため、固定資産管理システムが企業の採用する会計基準に対応できるかどうかを確認しましょう。

また、一つの会計基準だけでなく複数の会計基準に対応できるシステムだと、基準別の固定資産台帳を保有することができて便利です。例えば、自社の会計基準以外にIFRS(国際会計基準)や親会社の会計基準に合わせるなど、複数の会計基準に基づいて計算する必要がある場合に決算がラクになります。

③他システム連携機能の確認

社内での情報一元化や業務の効率化では、それぞれのシステムと他システムの親和性が問題になります。固定資産管理システムにおいても、会計ソフトなどとの連携だけではありません。個別に固定資産が割り当てられている場合には給与システム、プロジェクト原価との結びつきが必要な場合には個別原価管理システムなどと連携することもあります。

まず、新システム更改時におけるデータ移行方法を確認しましょう。そして日常業務において固定資産データを利用する場合に、どのような出力、連携方法が可能であるのか確認しておきます。

上記の確認をした上、システム移行にあたっては次のことも確認しましょう。

  • 新システム導入後における業務フローや新システムの操作ルールが徹底されるよう、関係部署への周知や教育を実施する必要があります。
  • 移行前に固定資産の棚卸しを行って移行に必要なデータを確定し、データの正確性を高める必要があります。
  • 固定資産管理システム運用を統括する管理者を決め、ルール違反がないかを定期的に確認しましょう。