グループ全社で会計システムを統一。決算早期化と業務効率アップを実現
青木 貴生様(管理本部経理担当/本社決算担当)
課題
・会計情報が経営サイドの意思決定に反映されるまでに時間が掛かり過ぎていた
・海外など各地にいる役員に、会計の各種データをリアルタイムで共有することができなかった
・過去に導入していた会計システムはコストと手間がかかった結果
・速報値の信頼性が高く、迅速な経営判断ができるように
・マネーフォワード クラウド経費との連携や銀行とのAPI連携により、業務効率化に成功
事業譲渡に伴い、グループ全社の会計システム統一へ。月次決算も含めた決算早期化・業務の効率化を目指した
――まずは、シリウスビジョン様の事業内容やミッションについてお聞かせください。
日沼様:当社は、宇宙で一番明るく輝く恒星「シリウス」のように、世界一の画像検査ソフトウエアを開発に尽力し、「オンリーワン画像検査技術で世界の製品品質向上に貢献し、人々の生活に豊かさと幸福をもたらす」ことをミッションとしております。
前身は創業55年のナビタス株式会社であり、画像検査事業を手掛けるグループ会社を展開した後、2021年1月に組織改変を行い、シリウスビジョン株式会社として新しいスタートを切りました。現在は、画像検査機、画像検査ソフトウエアおよび画像検査関連製品の企画、開発、販売、コンサルティングおよびカスタマーサポート・技術支援を主な事業としており、グループ6社の事業企画・管理や海外事業の支援を行っています。
――管理本部経理部の体制や方針についてお教えください。
管理本部経理部のメンバーは私を含む6名でグループ全社の経理財務領域・人事労務領域を担当しています。各社に1名の担当がつく形式ですね。当社はASEANでも事業展開をしていますが、グループ6社を含めた従業員数は129名(2022年1月1日現在)で人員の規模は大きくありません。また、検査機器は単価が高額なために伝票処理数もそれほど多くはないため、少数精鋭でバックオフィス業務に対応しています。
経理部全体の方針としては、全メンバーがなるべく多様な領域にて能力開発に取り組み、「様々な業務を互換できる体制を作ること」を目指しています。担当領域を決め込まず、各自が何でもできるようにする。それによって、例えば誰かが長期休暇などを取得した際にも業務に支障が出ないよう、補完し合える体制づくりを目標としています。
――会計システムの切り替えを検討された背景ときっかけは、どのようなものでしたか?
日沼様:私は管理本部掌握役員を務めていますが、4〜5年前の時点から会計システムをクラウド化することが必要だと考えていました。現在、当社はグループ6社を展開しており、役員は海外も含めてバラバラの拠点に在籍している状況です。今後の経営や事業におけるスピーディな判断ができるようにするためには、各役員に各種データを共有し、リアルタイムで確認できる環境を作ることが重要でした。
過去にもクラウドを導入したこともありましたが、内実はプライベートクラウドだったため、VPNを引くなどのコストや手間が掛かっていました。WEB上で普通に使えるクラウドに変更したいと考えてきた中、2021年に機械製造事業を手掛ける子会社(ナビタスマシナリー)を売却することになったのです。
製造業で使える販売管理システムは特殊なものに限定され、連携させる会計システムも特定されてしまうため、それまでは全社の統一化ができない状況がありました。しかし、事業譲渡により、グループ含めた全社の会計システムを統一化することが可能になり、これを機に全社統一のクラウド導入に踏み切ることになりました。
――導入検討時に抱えていた課題や、導入の具体的な目的についてお教えください。
日沼様:当社は上場企業のため、決算日から45日以内に決算短信や四半期報告書などの情報開示をしなくてはなりません。それにもかかわらず、利益などの数字データを確定できるのは、決算日から35日後とギリギリのタイミングでした。会計情報が経営サイドの意思決定に反映されるまでに時間が掛かり過ぎることは大問題だと捉えていました。
そこで、決算を早期化し、会計情報をスピーディーに共有できるクラウドを導入し、経営陣の意思決定に役立てたいと考えました。また、経理・決算を担当するオペレーターを増やすことはできない状況だったため、現状の人員で業務時間を短縮することも目的としていました。さらに、グループ会社全社で同じ会計システムを導入し、業務フローも統一して互換性を高めていくことで、管理本部経理部における月次決算の業務時間短縮を実現しようという考えもありましたね。
簿記に則った形式できちんと仕訳を行える点が導入の決め手に。人事労務や経理関連のシステムも並行導入し、シームレスな連携で業務効率化へ
――複数の会計システムの中から、なぜ「マネーフォワード クラウド会計Plus」を選定されたのでしょうか。その理由についてお聞かせください。
日沼様:他社システムも複数検討した結果、「マネーフォワード クラウド会計Plus」ともう1社が最終候補となりました。導入の決め手となったのは「会計・経理の専門知識を持つ者にとって使いやすい」という点でしたね。
当社の経理部には、経理業務を長く経験してきた人材が多く、会計知識が豊富な人材にとっては複式簿記に則ったマネーフォワード クラウドの形式のほうが使いやすいと感じました。また、会計士や税理士と議論する必要もあるので、会計の歴史や変遷が脈々と反映されているシステムであることは非常に大事だと考えたのです。
青木様:私も経理業務を8年ほど経験してきましたが、確かに「マネーフォワード クラウド会計Plus」は、仕訳なども非常にわかりやすいと思いました。
日沼様:経費削減や売上分析などを行う際にも、一つひとつの仕訳がきちんと行われていることが重要です。比較検討していたもう一社の会計システムは、会計知識の浅い人にとっては扱いやすいだろうと思いましたが、経営や事業の判断に役立てるためには、会計・経理の専門知識に則っている仕組みが必要であると考えました。
また、マネーフォワード クラウドには、経費、請求書のシステムに加え、人事労務の領域に必要な給与、社会保険、経費、年末調整などのシステムもあり、全て連携させることができます。各種領域の情報を連携させ、シームレスに会計まで持って行けるのは非常に有効だと考え、効果が高いと判断したものを合わせて導入していくことに決めました。
決算早期化に大きく貢献。連結ベースの利益速報値を5日で出せる。銀行口座とのAPI連携で預金照合も効率化できた
――実際に「マネーフォワード クラウド会計Plus」を使ってみて、どのようなメリットを感じていらっしゃいますか?
日沼様:当初に想定していたクラウドのメリットは十分に享受できていると感じます。コストの面でも導入しやすいメリットを感じましたが、「グループ全社で会計システムを統一する」という目的を果たせたことが最大のメリットです。
当初の狙い通り、「マネーフォワード クラウド会計Plus」は、決算早期化に大きく貢献してくれていると感じます。以前は、連結ベースの利益の確定までに40日近くかかっていましたが、業務が高速化された現在は、速報値の数字をわずか5営業日で出せるようになっています。これは明らかに「マネーフォワード クラウド会計Plus」の効果だと感じます。
速報値の信頼性が高いことも経営・事業の判断に有効だと感じますし、管理本部経理部の業務も大きく効率化できています。実際、決算を担当する者の人数は減っていますが、それにもかかわらず、ここまで短縮できていますから。
また、使い勝手の面でもメリットを感じます。以前に使っていた会計システムでは、仕訳を誤って切った際、反対仕訳の対応に何度も入力が必要で、余計な手間が掛かっていました。しかし、「マネーフォワード クラウド会計Plus」の仕訳対応は、そこまで厳しく制限されることがなく、作業負荷が軽減しましたね。
もちろん、承認などの履歴がきちんと残るので、問題なく利用できています。経理の専門知識がある者にとっては、システム上でガチガチに制限を設けられるより、ある程度柔軟に対応できるこうした仕組みのほうが使い勝手が良いと思います。
――「マネーフォワード クラウド会計Plus」によって、経理部の経理業務なども効率化できているのでしょうか?
青木様:銀行口座とのAPI連携によって、預金の照合が以前よりもかなり早期化できています。当社は管理している口座数が多く、以前は各口座にいちいちログインして照合することが必要でしたが、「マネーフォワード クラウド会計Plus」のAPI連携のおかげでそうした無駄がなくなり、利便性が上がったことを実感しています。
連携性という面では、「マネーフォワード クラウド経費」を同時に導入したことも、さらなる効果を生んでくれました。従業員の経費申請を電子で行えるため、会計へのデータ取り込みのスピードが上がり、月次決算の早期化にも大きく貢献してくれていますね。決算の早期化には、月次決算の早期化が不可欠なので、こうした一連の流れも決算の早期化につながっていると感じます。日々の経理業務から決算まで、非常に役立っています。
使い勝手の良さと、会社の規模やステージに合わせて低コストかつ短期間で導入できる点は大きなメリット。各種機能を経理人材の育成にも役立てていく
――成長を続ける企業の管理本部として、今後の展望についてどのようにお考えでしょうか?
日沼様:管理本部のメンバーをしっかりと育てていくためにも、これまで同様に「個人の能力をもっと上げていける組織」を目指していきたいですね。
会計には「ビジネスに役立つツール」という側面があるので、会計人として様々な経験を積んでもらい、個人のバリューをアップして欲しいと考えています。彼らがそうした能力を身に付けていくためにも、しっかりとした会計知識に則っている「マネーフォワード クラウド会計Plus」のアウトプット機能に日々触れることは、非常に有効だと感じています。
当社はM&Aを行うことが多いため、バリュエーション計算などの勉強会も実施しているので、「マネーフォワード クラウド会計Plus」にバリュエーション計算支援機能などが付加されると、人材の育成になお役立つだろうと思っています。今後の機能拡張に期待しています。
――最後に、この記事を読まれている皆さんにメッセージをお願いします。
青木様:現場で経理を担う立場としては、とにかく使いやすいと感じています。以前は違う会計システムを使っていましたが、「マネーフォワード クラウド会計Plus」は会計の経験がある人にとってスムーズに触れるインターフェースだと感じますね。直感的に使える点がとても良い。会計システムの切り替えにもスムーズに対応できると思います。
日沼様:通常、ERPの会計システムを導入する場合には莫大なお金が掛かりますが、「マネーフォワード クラウド会計Plus」は会社の規模やサイズに合った形で導入することができます。また、マネーフォワードの担当者の方は、対応がスピーディーで意思決定も早く、導入時に必要な手順やスケジュールの捌き方なども非常に上手で助かりましたし、何より他社の多くの導入事例を見ていることから、アドバイスが適切だと感じました。自分の会社のサイズやステージにあったものを、一連のサービスの中から低コストかつ短期間で導入できるのは大きなメリットだと思います。
※掲載内容は取材当時の情報です。
公開日:2022年12月7日 公開当時の情報となります
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