経理の作業部分はどんどん省略化。1ヶ月経っても終わらなかった月次決算が6営業日になりました。
課題
・月の仕訳は6000件ほど発生しており、月初にみんなで通帳や紙の明細を見ながら入力作業
・1ヶ月経っても月次決算が終わらず休日出勤
・紙ベースの経費精算によりコストも費用も膨大結果
・月次決算が6営業日で対応できるようになった
・経理のコア業務が省力化できるようになったことによって、店舗の現金管理や日々の売上の確認などができるようになった
・監査対応で用意する書類もクラウド会計上で検索できるので、探す手間がなくなった
今回は経理部門の皆さまにマネーフォワード クラウド導入の進め方や、現在の業務フローについて詳しくお伺いしました。バックオフィス業務を改善したいと考えている企業さまはぜひ参考にしていただければと思います。
手作業の多さや紙ベースの業務で月次決算がなかなか終わらない…。
当時は主に会計と経費精算に課題を感じていました。
オンプレの会計ソフトを使っていて、仕訳はすべて手入力。月の仕訳は6000件ほど発生しており、月初にみんなで通帳や紙の明細を見ながら入力作業をしていたため、かなり時間がかかっていました。
そのため月次決算は1ヶ月あっても終わらず、そうこうしているうちにその次の月の月次決算もしなくてはならず、遅れが広がってしまうことも多々発生…。月次決算に時間かかるため取締役会対応などもギリギリで、役会資料を作るために休日出勤をしていたりするような状態でした。
このような状況の中で、前任担当者が退職して過去のことがわからなくなってしまったことをきっかけに、会計ソフトの乗り換えを考えはじめていたところ、当時顧問税理士だった先生からマネーフォワード クラウド会計を教えていただきました。
口座連携やクレジットカード連携などのサービス連携が充実していることが魅力的で、安価に導入できそうだったのでマネーフォワード クラウド会計の導入を決めました。
また、従業員の経費精算も紙で行っており、他拠点にいる上長にFAXや郵送で押印してもらう、ということをしていました。従業員が300名ぐらいなのでかなりの負担です。会社に届く請求書の処理も経理のボックスに置いて、「あとはお任せ」といった状態で。
「簡素なものでも良いからいわゆるワークフローを紙じゃないものにしたいよね」という話になって、経費精算や請求書の債務支払などのシステム導入も検討しはじめました。
いろんなサービスを比較しましたが、サービスの連携性のよさや、登録ユーザーではなく実際に利用しているユーザーのみ課金されるというのが当社のサイズ感にマッチしており、マネーフォワード クラウド経費を選びました。
過去データは移行せず、スムーズに導入完了。
マネーフォワード クラウド会計とマネーフォワード クラウド経費はほぼ同じタイミングで導入しました。
マネーフォワード クラウド会計の導入前は銀行口座が20〜30ほどあったのですが、インターネットバンキングを契約していない口座や、契約していたけど一度も使ったことがない口座もあったりする状況だったので、マネーフォワード クラウドの導入にあたってこのあたりを1.2.ヶ月ほどかけて整理しました。
クラウド会計の導入自体は顧問税理士と一緒に進めたことと、会社のビジネスモデルが転換したタイミングだったので過去データの移行をしなかったこともあり、スムーズに進みました。移行したデータは開始残高のみです。
マネーフォワード クラウド経費に関しては自分たちで進めたことと、従業員が多いこともあり結構大変でした。
当初、経費に関しては多拠点に渡るので、「本社で先に導入し、ワークフロー部分も本社で先に進めて、徐々に他の店舗に広げていければ・・・」と考えていましたが、コロナの関係もあってゆっくりやってると逆に時間がかかると思い一気に進めました。
とはいっても紙とクラウド経費の両方を使っていた期間も長かったです。クラウド経費の社内への普及は、従業員を集めて説明会をしたり、マニュアルを作成して配布したりしました。
現在のバックオフィス業務フローについて
日次ベースで52店舗の売上・入金データの出入りをチェックしていて、クレカの照合や入金の消込をしています。月次ベースだと、現預金の残高確認を1.2営業日で行っています。その後にデイリーで確認している売上データの確定、仕訳の取り込み、債務計上、前払費用の振替、消費税の計算など…。
販売管理に関してはクラウド型のPOSシステムを使っています。弊社はメイン事業が鍼灸接骨院なので業界向けのPOSシステムを使っており、現状マネーフォワード クラウド会計とは繋がっていません。
なので月次決算時に本社で売上データをCSVで書き出して確認し、仕訳をマネーフォワードに取り込んでいます。
また、保険請求もあるので、それは別途専用のレセコンシステムから請求し、こちらも月次ベースでクラウド会計に仕訳をCSV取り込みしています。債権管理なども同様です。
鍼灸接骨院は保険施術があり、特殊な部分があるので必然的にこのような使い分けになっていますが、後々はPOSシステムもマネーフォワード クラウド会計と連携できるものにしたいと考えています。
鍼灸接骨院に対応するとなると少なくなってしまいますが、例えば予約管理や顧客管理機能がある美容院に対応できるPOSシステムなら弊社でも使えそうです。
労務は別の部門が担当しており、勤怠はキングオブタイムを使っています。ここで出力したデータをオンプレ型の人事給与システムにインポートしています。
給与の仕訳を会計に連携する際は、給与明細データをExcelに貼り付けると部門ごとに決められた勘定科目に変換できるようにしているので、それをCSV化して仕訳帳に取り込み、スムーズに仕訳登録できるような仕組みを作っています。
年末調整などは自社の労務ではなく外注しているため業務負荷は少ないですが、外注コストが高くついているのでその辺りも内製化していきたいと考えています。
やはり会計・給与・経費あたりが連携できることにより、業務負荷はかなり下がるので、労務と相談して人事管理システムも変えていく予定です。
請求書を受け取った時は、マネーフォワード クラウド債務支払を利用しているため、PDFで受け取った請求書は従業員にクラウド債務支払で申請してもらっています。紙媒体で届く請求書に関しては経理の決まったボックスに入れてもらうように管理をしていて、ワークフローもしっかり組めている状況です。
振込に関しては、クラウド債務支払導入前はネットバンキング上で1件1件振込情報を入力していました。件数的には70〜80件ぐらいあったので、この作業だけでも結構な時間がかかっていたと思います。現在は振込用のデータを出力し、そのままネットバンキングに取り込んでまとめて振り込みができるようになったので、振込業務がかなり楽になりました。
ただ、このマネーフォワード クラウド債務支払は取引先の口座情報を登録しなければならないので、そこに手間を感じてしまう企業さまも少なくないと思います。でも、先に設定すれば次から楽になるので、1件1件つぶす感覚で口座登録することをオススメします。
作業の部分はどんどん省略化。月次決算も6営業日で対応できるようになりました。
今までは月次を締めたり振込処理をするので手一杯だったので、正直それ以上のことができず、「より経営を良くするために店舗は何をしていくべきか」という部分には時間を割けていませんでした。現在はいわゆる経理のコア業務が省力化できるようになったことによって、店舗の現金管理や日々の売上の確認などができるようになったことが大きな変化です。
業務の省力化という点で1番効果が大きかったのは、本社の月次決算です。拠点対応ができるようになったり、監査対応もやることが減ったため、今では6営業日で締めれるようになり、月次決算中であっても経理メンバーの残業がなくなりました。
加えて以前は時間が足りなかったので「本当はこうしたほうが良いけど手が回らないからこれでいいや」といった形で簡易的になっていましたが、時間が生まれたことにより本来の経理の役割を果たせるようになってきているのではないかと思います。
監査対応に関しては、今までは監査の方に来社してご対応いただき、何か質問されるたびに過去の書類を漁ったりということが多く、結構面倒でした。
現在は監査法人の方をマネーフォワード クラウド会計にメンバー追加してチェックできるようにしたので、一部契約書などの資料提供などはあるものの、回数はかなり減りましたし、こちらで用意しないといけない書類もクラウド会計上で検索できるので探す手間もなくなりました。
経理担当者ではないその他の従業員に関しては、最初はやはり操作に慣れなかったり難しいという声もありましたが、手で書く手間や負担を大きく減らすことができたので、「助かります」という声もたくさんいただいています。
処理の部分はさらに効率化し、異変の検知や改善に時間を使いたい。
システムを入れても最後には人が必要ですが、その「人がやらないといけない作業」以外の部分について無駄を省き、経理のコア業務にどれだけの時間をかけられるかが重要です。決算を正しく組むという観点では今でも合格ですが、もっと経営が求めている経理の価値を出していきたいと思っています。
今後の展望としては、まず1番に、人事労務や販売管理のPOSシステムなどをマネーフォワード クラウド会計と連携できるものにして、さらに業務を効率化し、本質的なところでの経理の価値を達成していきたいと考えています。
いわゆる「処理」とされる部分に時間をかけるのはもったいないので、日々の店舗のオペレーションのモニタリングにどれだけ時間を割けるかというのが重要だなと。
例えば、どんなに良いPOSシステムを入れても結局運用するのは人であり現場のスタッフです。その現場スタッフが正しく運用できるように、異変があった時にすぐに検知できるようにしたり、困っていることを改善するというところに時間を使いたいと思っています。
月次が早く締まるようになったので、逆に今まで見えていなかった課題も出るようになりました。今後はそういった昔見えていなかった課題を継続的に改善できる体制を作っていきたいです。
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