
一人バックオフィスによる属人化と業務過多が課題に。『人力ERP』状態を抜け出し、上場企業基準の管理部体制を構築!
課題
・財務経理及び人事労務を一人で対応しており、属人化が深刻で業務過多に陥っていた。
・システムを導入しても使いこなせる人・知見のある人がいないことが課題だった。
・会計、経費精算、給与計算などの業務がシステムで対応しきれず、スプレッドシートへの転記作業や、非効率的な手作業が多かった。
結果
・マネーフォワードクラウドの製品を複数導入することで、ERPの連携性を活かしながら効率的で監査に耐えられる管理部体制を構築でき、属人的な業務体制から脱却。
・管理部門の業務の標準化により、会計知識のない未経験メンバーでも正確に対応できる運用体制を構築できた。
・債務支払・経費・給与データから仕訳が自動反映されるようになり、会計業務の正確性・効率が高まった。
マンパワーで日々をこなす「ひとり人海戦術」とは?
――御社の会社概要と事業内容について教えてください。
長田様:株式会社Grand Centralはクライアント企業の営業活動を、下流から上流まで一気通貫で支援している、「営業革命を体現するインフラカンパニー」です。主な事業内容は、データに基づく営業戦略の策定から最前線でのセールス実行まで、ハイエンドな営業リソースの提供と、利益最大化・内製化を通じて汎用性を高めることを目指す「セールスデベロップメント」の事業。加えて、営業活動の効率化や顧客管理など、セールス領域のDXを支援する「セールスDX」の事業です。
全員が売れる営業になるためのスキルやノウハウと、課題に応じた幅広いソリューションを提供しながらクライアント企業の営業活動を強化し続けた結果、創業からわずか2年で国内3拠点、250名以上のセールスエキスパートを集結させ、売上高は3期目で約13億円、4期目は約18億円へ成長しています。

――財務経理部の体制と長田様のご経歴、現在の担当業務について教えてください。
長田様:私は2018年に公認会計士試験に合格し、監査法人に入社したのち、主に上場企業やグローバル企業の監査経験を積みました。その後、2024年3月にGrand Centralに中途入社して、管理部全体の責任者を務めています。具体的な業務としては、いわゆる財務経理部長としての役割が中心で、予算作成、資金管理、役員会議とのコミュニケーションが多いです。また、経理マネージャーとしての役割もあるため、仕訳の承認、出金の承認など実務面も一部担っています。
管理統括部の体制としては、私以外に財務経理や法務、HRなどの実務を担うメンバーが10名強、在籍しています。
――上場準備のために管理部体制の内製化をはじめた頃の状況を詳しく教えていただけますか?
長田様:内製化を検討し始めた頃は財務経理部門がほぼ立ち上がっておらず、私が入社する前は財務経理のメンバーがほぼ一人ですべてを対応していました。給与計算は社労士に委託していましたが、それ以外の業務はまさに「ひとり人海戦術」。人海戦術といっても一人しか対応できるものがおらず、とにかくマンパワーで業務をこなすことで精一杯でした。
私が入社したタイミングで、財務経理部門の体制を再構築していこうと意思決定を行い、厳しい監査法人の監査にも耐えられる基準の目標を設定。バックオフィス人材の採用を進めながら、あるべき標準的な姿を目指して、スタートしました。
なお、私が入社したときは社員番号が80番台でしたが、2025年3月現在では社員140名規模まで成長しています。営業の実行部隊を務める業務委託のパートナーを含めると、300名規模の組織となった今、当時を振り返ってみると、属人化した管理部体制は喫緊の経営課題だったと感じています。
――当時の具体的な課題を教えていただけますか?
長田様:先ほど申し上げたとおり、財務・経理・労務の実務を一人ですべてこなしている状態でした。また、当時からマネーフォワード会計Plusは導入していたものの、システムの中身は間違いだらけ。残念ながら、数値の誤りが多すぎて活用できていない状態だったのです。
業務別に課題を振り返ってみると、経費精算業務はシステムで対応しきれず、月末になるとスプレッドシートへ手作業で転記を実施。そのため、属人化・非効率・ミスの温床となっていました。経費や業務委託メンバーへの支払は、ネットバンキングに手作業で情報を入力し、都度確認を行っていました。作業工数が多くなると、ヒューマンエラーのリスクも高く、アナログな作業をなくす必要がありました。
他にも、業務委託メンバーの請求書管理、立替経費の清算をはじめ、社労士・税理士との連携など、経理・財務・労務のすべてを一人の担当者が担っていたことも課題でした。とにかく属人化が深刻で、“人力によるERP”のような状態でしたね。当時のメンバーは業務過多で確認する余裕もなく、日々ミスをしてはいけないというプレッシャーも感じていたようでした。
マネーフォワード会計を起点に、バックオフィス業務を整理・採用とシステム導入を進めた
――システム導入(内製化)に向けて、どのようなスケジュールを立てましたか?
長田様:社内の管理体制強化のために会計システムを導入する話が社内で出てきたことが、システム導入のきっかけです。3期目の始めから、税理士などに依頼している管理部の業務を内製化できるよう準備を進めて、マネーフォワード クラウド会計Plusの数値を毎月正しく入れることを目標に掲げました。
なお、財務経理のメンバーは、入社当時は2名体制でしたが、徐々に採用も進めていきました。私が監査法人経験者となるため、実務を担当いただくメンバーは知見の有無を問わず、パーソナリティを重視した採用活動を行いました。
――弊社製品を導入いただく際、どのような検討プロセスを経て、ご決定いただけたのか教えてください。
長田様:実は弊社の創業1期目から、マネーフォワードの営業支援をしていたのです。今回はこのようなご縁があったので、他社比較をせずに導入を決めました。
会計監査に対応するならマネーフォワード クラウドERPが最適

――マネーフォワード クラウド各製品の導入後の効果について教えてください。
長田様:マネーフォワード クラウドの他の製品も、「マネーフォワード クラウド会計plusに仕訳を自動連携できる」というのが最大の強みだと感じています。
まず、経費精算業務では、それまで利用していたシステムに混在していた申請項目が整理されたことで、申請フローの構築と正確性の担保ができるようになりました。会計モジュールへ自動仕訳が連携され、手入力が不要になったのは大きな変化です。承認後すぐに会計処理に反映されるため、確認作業がシンプルになりました。
会計業務は、マネーフォワード クラウド債務支払・クラウド経費・クラウド給与など各モジュールから仕訳が自動反映されるようになり、属人化を排除できました。その結果、会計知識のないメンバーでも正確に対応できるようになり、バックオフィス未経験の社員採用も実現できたと思います。
債務支払業務では、支払処理と会計仕訳の作成が一括で完了するため、作業の抜け漏れやミスが激減。振込のデータ作成も自動化され、スムーズな銀行連携が実現しました。
――導入後の定量的な変化について教えてください。
長田様:給与・経費の振込設定や承認などの作業時間は、月15時間前後から約1時間に短縮できました。経費の集計・承認作業も、2人体制で10数時間かかっていたところを、約5時間に削減でき、大幅に工数削減ができています。
マネーフォワード クラウドのさまざまな機能を使いこなした結果、振込や未払金の消込処理が効率化し、確認・承認作業に集中できる体制を構築できました。
――管理者目線と実務担当者の目線で、それぞれが感じた導入後の感想を教えていただけますか?
長田様:管理者の目線では、各モジュールで処理・承認をすると、自動で会計の仕訳データに連携される点が非常にありがたいです。手入力の作業が激減したことで正確性が向上し、チェックの負担が大きく軽減しました。特に、手作業で行っていたネットバンキングとの連携が自動化され、ミスの不安がなくなり本当に安心しました。また、作業が標準化されたため、業務の属人性が解消し、管理がしやすくなったと感じています。
実務担当者からは、経費や債務の仕訳入力が不要となり、作業工数もエラーも大幅に削減できて嬉しいとコメントをもらっています。総合振込データもワンクリックで作成できるようになり、作業のストレスが軽減されたようです。給与計算では、経費の連携により手入力のプレッシャーから解放されたため、「次に取り組むべきこと」を考える余裕ができ、意見を積極的に出しやすい雰囲気が醸成できました。
これらの成果により、精神的なプレッシャーやヒューマンエラーの恐怖から解放されたことは大きな収穫だと思います。目の前の業務に追われる日々を抜け出し、改善提案や新たな挑戦ができること。「膨大な手作業をこなす一方でミスが許されない」という歪な緊張感が薄れ、安心して業務に取り組める環境に変化したことで、業務が見える化・標準化され、チーム全体での生産性が向上しました。

――ご導入を検討している企業様に、導入におけるメリットやお勧めしたい機能・使い方等コメントがあれば教えてください。
長田様:ご検討企業様の温度感やフェーズにもよりますが、上場や会計監査対応を見据えているのであれば、会計や債権、経理、給与計算などすべてがERPとして連携するシステムを導入すると良いと思います。会計は会計、給与計算は給与計算という風に部分導入をするよりも、会計業務から逆算をしてERPシステムを導入するほうが効率的だと考えています。
また、マネーフォワード クラウドは対応範囲が広いことが強みだと思います。他社システムでは連携性が今ひとつだったり、予実管理ができなかったりするなど、痒い所に手が届かないケースも少なくありません。一方で、マネーフォワード クラウドは100名〜500名程度の規模感の企業であれば、かなり期待に答えてくれると思います。
――今後、取り組んでいきたいこととマネーフォワードに期待していることを教えてください。
長田様:直近の1~2年は、マネーフォワード クラウドで整えることができたフローを継続して、日々ブラッシュアップしていきたいです。先々、子会社が増えて会社が大きくなったら、マネーフォワード クラウド連結会計を入れて、システマティックに管理業務を行っていきたいと考えています。
マネーフォワード クラウドには引き続き、細かな機能のアップデートを期待しています。営業担当の方に要望や改善案を連携しながら進めていきたいですね。
公開日:2025年10月31日 公開当時の情報となります

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