
決め手は「グループ会社の管理のしやすさ」。サザビーリーグがマネーフォワード クラウドを選んだ理由
株式会社サザビーリーグIRIS 管理システムグループ 坂尾様
株式会社サザビーリーグ 経理財務グループ 経理部 橋本様
- 導入サービス
- 経費 債務支払
- 業種
- 小売
- 事業規模
- 法人(1001名以上)
課題
・紙中心の業務設計で、押印・回覧・保管の負荷が高く、コロナ禍でも出社は必須な状態だった。
・業務フローがグループ各社によって異なり、管理コストがかかっていた。
・法改正による業務フローの変更があった場合、既存のシステムでは対応できない状況だった。結果
・申請から承認・送付までをシステムで一元化し、リアルタイム処理が可能に。テレワーク対応も促進できた。
・グループ全体で経費・請求書支払い処理を同じシステムで運用することで、社内の連携が取りやすくなった。
・クラウドシステムでは法改正への対応や新機能の追加が自動で行われるため、常に最新のシステムを追加費用なしで利用可能に。
今回は、月3,000件にのぼる請求書をペーパーレス化し、グループ全体で経費精算・請求書支払業務を統一したマネーフォワード クラウド経費・債務支払の導入プロジェクトについてインタビュー。
テレワーク推進や業務負荷軽減、変化に強い体制づくりを実現した同社の皆様に、選定の決め手や導入後の効果を伺いました。
ライフスタイルを提案するサザビーリーグの経理体制
――会社の概要と事業内容について教えてください。
石橋様:株式会社サザビーリーグは1972年に創業し、これまで50年以上にわたり、半歩先のライフスタイルを提案し続けてきました。
現在は、アフタヌーンティーやロンハーマンをはじめとする50ブランドを展開し、国内外で629店舗、従業員はグループ全体で3483名(2025年3月末時点)にのぼります。飲食・アパレル・雑貨と、衣・食・住にまたがる形で事業を広げています。
創業当初から一貫して大切にしているのは、「わくわくするような面白いコトを実行する行動力」。この“楽しいことをしたい”という想いが、企業の軸になっています。時代に合わせて新しい商品やサービスを生み出し、長く支持されるブランドも育ててきました。
――ご担当者様の担当業務と体制について教えてください。
坂尾様:グループ内のIT子会社である株式会社サザビーリーグIRISに所属しています。経理・法務部門で使用するシステムを担当していて、今回はマネーフォワード クラウドの導入プロジェクトに主担当として関わりました。
橋本様:経理部に所属しています。坂尾と同じく、マネーフォワード クラウドの導入プロジェクトのメンバーとして参画しました。
現在、グループ数社の債権債務管理と連結会計が主な業務で、各社の管理部門へマネーフォワード クラウドの使い方を指導することもあります。
サザビーリーグはグループ会社ごとに経費精算・請求書支払業務を担う部門の体制が異なり、経理担当がいる会社もあれば、私たちがグループ会社から業務を受託しているケースもあります。
石橋様:サザビーリーグの執行役員と株式会社サザビーリーグIRISの代表を兼務しています。マネーフォワード クラウドの導入プロジェクトには決裁者の立場で関わりました。
紙依存の経理フローに限界。法改正が変革のきっかけに
――マネーフォワード クラウドを導入検討し始めたきっかけは何でしたか?
坂尾様:電子帳簿保存法の改正前から、紙中心の運用に課題を感じており、システム化を検討していました。長年の紙運用により、グループ会社間の書類の受け渡しには手間がかかり、保管のための外部倉庫費用も発生していました。
同じ建物内にグループ会社が入っていても、経費精算書類を異なるフロアへ持ち運ぶ作業は非効率で、物理的な制約からテレワークも困難な状況でした。
こうした中、電子帳簿保存法で電子取引データの保存が義務化されたことが大きな転機になりました。既存システムでは法改正対応が難しかったため、本格的に導入検討を進めることになりました。
橋本様:コロナ禍で会社はテレワークを導入しましたが、紙の処理が必要な業務が多く、結局私たち経理部は出社せざるを得ない状況が続いていました。債権業務はある程度電子化が進んでいたものの、請求書は紙でのやりとりが中心の取引先が多く、対応が難しかったのも一因です。
今回の電子帳簿保存法の施行は、ようやく社内外の意識が変わり始めるきっかけになったと感じています。
――マネーフォワード導入前の課題について詳しく教えてください。
橋本様:グループ各社によって対応は異なりますが、大きく分けて2つの運用パターンが存在していました。
① 一切システムを使わず、紙で対応を行う
② ワークフローシステムで申請は電子化されているが、証憑は紙で回覧する
たとえ電子申請が行われていても、請求書や領収書といった証憑は紙での提出が求められる運用でした。申請者がワークフローを起票し、承認後に紙の請求書を手渡しや郵送で回覧する流れです。
グループ全体では、月間2,500~3,000件の請求書を処理しており、おおよそ全体の8割が紙によるもので、完全なペーパーレスには至っていませんでした。
このため、システム上では承認済みであるにもかかわらず、紙の回覧が追いつかない状況が頻繁に発生していました。
書類枚数が多いため、証憑の保管も社内キャビネットにおさまらず、外部倉庫を借りる必要があり、保管コストの削減も課題の1つでした。さらに、承認者が3〜10名にのぼるケースもあり、押印時の書類の受け渡しに手間がかかっていました。
中途半端な電子化状態が続くなか、業務負荷の増大、証憑の紛失リスク、倉庫の利用コスト、検索性の悪さなど、複数の課題が顕在化していたと思います。
情シス主導で業務フローを可視化し要件を明確化
――どのような流れで他社サービスと比較されましたか?
坂尾様:経費精算・債務支払系のクラウドサービスについて、まずはインターネットで情報を調査・リストアップし、複数のベンダーに提案を依頼しました。その後、各社からいただいた提案書やデモ内容を比較検討していきました。
要件については、電子帳簿保存法への対応、柔軟なワークフロー設定、グループ会社管理のしやすさなど、約200項目にわたって細かく洗い出し、それぞれの項目に対する各社の回答を一覧化。要件の充足度をもとに、丁寧に比較を進めました。
実際に活用した要件整理一覧資料
その中でも、マネーフォワード クラウドは、画面上でグループ会社の切り替えが簡単に行える点が大きな評価ポイントとなりました。
石橋様:私たちは社内でグループ会社の経理業務を代行している関係で、複数のグループ会社をまたいだ業務対応が前提となっていました。そのため、単にコスト面だけでなく、グループ間での処理がどれだけスムーズに行えるかという点を特に重視していました。
また、小売業という業種柄、社員のITリテラシーにはばらつきがあります。誰でも直感的に操作できるUIかどうかは、選定において非常に重要なポイントとなりました。
橋本様:現場から「今すぐこの申請を確認してほしい」といった連絡が入ることも多く、グループ会社の画面を切り替える際に、何度もログインし直さなければならない運用は、それだけで大きなストレスになります。そのため、事業者切り替えボタンをクリックするだけでログインの切り替えができる仕組みは、選定の決め手の一つとなりました。
事業者切り替えイメージ:グループ会社間の画面切り替えは事業者名をクリックするだけ
また、紙から初めてシステム化する現場も多かったため、できる限り現場の負担が少ない設計であることを重視していました。
検討にあたっては、3社のサービスを比較し、それぞれの特長や制約を細かく確認しながら選定を進めました。ログイン仕様など、日常運用における小さなストレスをいかに減らせるかも、重要なポイントだったと感じています。
グループ全体を一元管理できる柔軟性と、信頼できるサポート体制
――マネーフォワード クラウドを導入した決め手を教えていただけますか?
橋本様:グループ会社複数社を一元管理しやすい点が、大きな決め手となりました。
それ以外の点では、正直なところ、各社の要件適合度には大きな差がなかったと思います。だからこそ、コストとのバランスや、中長期的な柔軟性を重視しました。
例えば、グループ会社の増減にあわせて都度費用がかかる仕組みより、柔軟に対応できるシステムのほうが、長く使っていくうえで安心感があると考えました。
石橋様:複数社管理のしやすさといった当社の目指す事業成長にあったシステムであったことに加え、営業担当の対応が非常に丁寧で、熱意を感じました。「このプロジェクトを、最後まで一緒に走り切ってくれそうだ」と思えたことが、選定理由のひとつです。実際に、導入時の相談にも柔軟に応じていただき、信頼できるパートナーだと感じました。
坂尾様:マネーフォワード クラウドの担当者は、こちらからの問いかけに対して、迅速に確認・調整してくれた姿勢が印象的でした。
導入にあたっては、標準機能にあわせた業務設計(Fit to Standard)を進める中で、非対応機能を一つずつ検証し、業務側の懸念を丁寧に解消していきました。検討から導入までの各ステップで、担当の方が常に親身にサポートしてくださいました。
また、グループ会社が増えた際にも、会社単位で初期費用などのコストがかかるシステムが多い中、必要な範囲だけ柔軟にアカウント追加できる点は非常に魅力でした。
申請者・承認者ともに、誰でもすぐに使いこなせると実感
――導入後の感想について、管理者目線、現場の社員目線でそれぞれお聞かせください。
橋本様:申請者はシンプルなスマホアプリで直感的に申請ができ、承認者もフローがわかりやすく、スムーズに承認対応ができます。
経理部としては、グループ全体でマネーフォワード クラウドにシステムを統一できたことが大きな成果でした。統一したことで、社内での質問や確認もスムーズになりました。
また、紙による処理がなくなったことで、テレワークの実施率も向上しています。
坂尾様:グループ会社が追加になった際も、設定が簡単で柔軟に対応できました。会社ごとの体制や運用スタイルに合った設計が可能で、違和感なく導入できています。
導入初期には操作やエラーに関する問い合わせもありましたが、現在はほとんどなくなり、安定的に運用できています。決め手でお話したように、UIがシンプルで直感的なため、自然と使いこなせているのだと思います。
また、経理部が主体となり、各グループ会社の担当者に説明会を実施。その後、各グループ会社内で展開する体制を構築したことで、スムーズに浸透していきました。
橋本様:現場の社員目線でいうと、経費精算のスマホアプリがあることで、現場の作業負担が大きく軽減されたと思います。
石橋様:申請・承認のフローが非常にシンプルで、承認者としても迷わず対応できます。UIがあまりにも使いやすいため、驚くほど承認作業がスムーズに進みます。利便性の高さを実感しています。
――導入前後の変化について、定量・定性の両面で教えていただけますか?
橋本様:紙の受け渡しや押印にかかっていた待ち時間がなくなり、リアルタイムで業務を進められるようになった点は、大きな変化として実感しています。導入後は、週に数回のテレワークも可能になりました。
心理的な面でも、紙に囲まれていた頃と比べて、負担が大きく軽減されたと感じています。
今後さらに慣れていくことで、よりスムーズな運用ができるようになると考えています。
変化する事業・体制に対応しながらマネーフォワード クラウドとともにアップデートをし続けたい
――今後のチーム体制や業務について、取り組んでいきたいことはありますか?
石橋様:これまで経理部で集約していた業務を、今後は各社へ分散・アウトソースする可能性があります。そうした体制変更に備えてマニュアル整備を進め、システムを活用しながら「誰でも業務ができる状態」を目指したいと考えています。
橋本様:申請データの分析機能を活用し、リアルタイムで費用分析をしていくことに取り組んでみたいと考えています。グループ全体の数字を可視化することで、経理業務をより分析的な視点から活用していきたいと思います。
また、申請から支払処理までシステムでデータ化されたことで、従来の紙運用では見えづらかった「支払申請漏れの可視化・チェック」を強化していきたいと思っています。
坂尾様:マネーフォワード クラウドの導入からある程度の期間が経ち、新機能のアップデートも進んでいると聞いています。当初定めた利用範囲にとらわれず、最新機能を柔軟に取り入れ、活用の幅をアップデートしていきたいと考えています。
システムの進化にあわせて、自社の運用も随時見直しながら、最大限に活用できるよう努めていきたいです。
――ご導入を検討している企業様に、導入におけるメリットやお勧めしたい機能・使い方等コメントがあれば教えてください。
坂尾様:誰が見てもわかりやすいUIは非常に優れており、どの企業でも評価されるはずです。シンプルな操作性と画面設計により、現場のITリテラシーを問わず運用しやすい点をおすすめしたいと思います。
特にグループ会社を複数持つ企業にとって、「会社の切り替えのしやすさ」は大きなメリットになると感じています。
公開日:2025年10月14日 公開当時の情報となります
今回の導入サービス

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