岡崎通運株式会社

紙とExcelの契約管理から脱却!1人法務でも契約業務の属人化を解消し、営業現場の生産性を向上

岡崎通運株式会社 岡崎通運株式会社 管理部 法務課 小林さま
  • 課題

    ・非効率な紙とExcelの契約管理で、契約書の原本確認やコミュニケーションコストが発生していた。
    ・誰の承認を得たのか不明瞭な承認フローで、内部統制の観点に不安とリスクがあった。
    ・メール中心の法務相談の対応で、管理が煩雑になり、対応漏れや情報の把握漏れが生じていた。

  • 結果

    ・契約情報をクラウドで一元管理することで、検索や共有がスムーズになり、大幅な工数の削減に成功。
    ・ワークフロー機能の活用により、承認状況を可視化。透明性を持った管理ができるようになり押印業務の不安が解消された。
    ・案件管理機能を活用することで、法務課で受け付けた相談案件の進捗状況や、契約書のバージョン情報がひと目で把握でき、対応漏れがなくなった。

運送事業を展開する岡崎通運株式会社では、紙とExcelによる契約管理の煩雑さや、押印・郵送にかかる手間に課題を抱えていました。さらに、同社では法務課が1名体制のため、契約締結の有無を確認する問い合わせが来ても、対応に時間がかかっていたといいます。1名体制で契約関連業務を担う中、業務負荷の軽減と内部統制の強化を図るため、「マネーフォワード クラウド契約」の導入を決断。契約情報の一元管理や承認フローの明確化を実現し、営業現場を含めた業務の効率化とミスの削減につなげています。
今回は、岡崎通運株式会社 管理部 法務課の小林さまに、導入前の課題や導入の決め手、導入後の業務改善状況について詳しく伺いました。

紙とExcelによる契約管理に限界。非効率な運用が業務の負担に

ーーマネーフォワード クラウド契約」を導入する前の契約業務の運用体制と、当時感じていた課題について教えてください。

2021年に私が法務課に配属された当時は、契約書はすべて紙で製本・押印し、郵送や営業担当者が直接取引先に届けるという運用でした。契約書の種類は、運送委託契約書や倉庫保管契約書など約10種類にのぼり、それらをExcelの台帳で管理していました。ただし、その台帳は法務課しか閲覧できない状態だったため、営業部門や事業部門から契約締結の有無を確認する問い合わせが頻繁に寄せられ、その対応をするためのコミュニケーションコストが多く発生していました。さらに契約書のPDF化も進んでおらず、契約書の原本を保管庫まで探しに行く必要があり、非常に非効率な対応を強いられていました。

ーー契約の有効期限管理や社内承認フローについてはどんな状況でしたか?

契約の多くは自動更新となっていましたが、解約のタイミングを逃してしまうケースが複数発生していました。これは、契約期限の把握や管理が徹底されていなかったことが原因です。加えて、社内の承認フローにも明確なルールがなく、稟議書を提出するかどうかの判断は各担当者に委ねられている状況でした。その影響で、誰の承認を得たのか不明なまま押印依頼が届くこともあり、現場では対応に苦慮する場面が少なくありませんでした。承認ルールが人によって異なっていたことについては、内部統制の観点からも看過できないリスクであると強く認識していました。

ーー契約管理業務に関わっていたスタッフや、当時取り組んでいた対策について教えてください。

契約書の作成や管理、押印といった業務は私が1人で担当していましたが、営業部門など契約に関与するスタッフを含めると、全体で約30名が関わっていました。私が法務課に配属されて最初に着手したのは、契約書のPDF化と、それぞれの契約書に対応した管理台帳の整備です。契約書の情報を整備することで、誰でも契約内容を把握しやすくなるような一元管理体制の構築を目指しました。

 

印紙代と手間の課題を背景に電子契約の導入を検討!コストと業務効率の両立を目指した選択

ーー「マネーフォワード クラウド契約」を導入するに至った背景と、導入を決定づけた要因を教えてください。

当初は契約書の管理体制よりも、印紙代のコスト削減と契約締結までのスピードを高めることを目的として、電子契約の導入を検討しはじめました。紙で契約を交わす場合、「この契約書には印紙が必要か」といった判断に迷うことも多く、契約金額によっては1件あたり4,000円の印紙代が発生するものもあります。月に5~10件の契約があると、年間で数十万円のコストになるのですが、「マネーフォワード クラウド契約」を導入することで、印紙代を削減できるのは大きなメリットに感じました。加えて、営業担当者がアポイントを取って取引先に契約書を持参する手間も発生しており、これらの課題を一気に解決できる手段として電子契約に期待を寄せていました。

複数の電子契約サービスを比較する中で、「マネーフォワード クラウド契約」は送信料が無料である点が大きな魅力でした。他社のサービスでは1件ごとに送信料が発生することが一般的でしたが、当社では社内稟議やワークフローにも活用したいという構想があったため、送信回数を気にせず使える定額制は非常に相性が良いと感じました。契約数が増えてもコストが一定に収まることから、予算管理の面でも安心感がありました。また、ワークフローに関しても、他社サービスですとオプションになることが多かったのですが、「マネーフォワード クラウド契約」では標準で実装されているのも大きな判断軸のひとつです。

ーー「マネーフォワード クラウド契約」導入時、現場や取引先の反応にはどのような不安がありましたか?

導入当初は、社内にパソコン操作が得意ではない社員も多く、システム導入に対して抵抗感を示す様子も見受けられました。また、当時は全社でクラウドシステムを業務に活用する文化が根付いておらず、電子契約の仕組みに戸惑う社員も少なくなかったように思います。さらに、「本当に取引先が電子契約に対応してくれるのか」といった懸念もあり、全面的な切り替えには慎重になる必要がありました。

しかし、営業部門にとっては訪問や郵送の手間がなくなるという点が大きなメリットとなり、結果としてスムーズな導入を後押ししてくれる存在となりました。まずは営業担当20名を対象にスモールスタートを行い、業務負担を軽減しながら、徐々に現場へ電子契約の利便性を広めていく方針を取りました。

ーーワークフロー機能についても導入時から重要視していたのでしょうか?

これまで当社には契約書の承認に関する明確な社内ルールがなく、承認プロセスが不透明な状態でした。この状況を問題視し、「契約書の締結には部長の承認を必須とする」というルールを新たに設けました。このルールを実効性のあるものにするため、ワークフロー機能は導入当初から不可欠な機能と位置づけていました。

従来の紙の押印申請簿での運用も可能ではあったものの、申請書を本部まで取りに行く手間を考えると、クラウド上で一括して申請・承認が完結できるワークフローの方が明らかに合理的です。また、これまで不透明だった承認プロセスを可視化し、「誰が、いつ承認したのか」を明確にすることで、契約書業務全体の透明性を高めることも重要な狙いでした。

 

メール運用から脱却し案件の進捗を見える化!現場の負担を大幅に軽減

ーー「マネーフォワード クラウド契約」を導入後、業務にはどのような変化がありましたか?

「マネーフォワード クラウド契約」を導入したことで、以前から抱えていた課題の多くが解消されました。まず、案件管理機能を活用したことで、自身の法務相談タスクにおける抜け漏れがなくなりました。また、契約の承認プロセスが明確になったことで、安心して押印対応を進められるようになった点も大きな変化です。特に、契約書の承認フローでは、部長の承認状況がワークフロー上で確認できるようになり、承認の有無を気にしながら対応する必要がなくなりました。

さらに、営業担当者が電子契約の利便性を実感し、積極的に取引先へ提案するようになったことも大きな変化です。以前は、契約書の締結が遅れ、結果的に業務が先行することもありましたが、現在は電子契約によって契約書をしっかり交わす流れが社内に定着しつつあります。アポイントの取得や契約書の持参といった手間も削減され、営業現場では大幅な業務効率化を実現できています。

ーー社内外での情報共有や問い合わせ対応には、どのような効果がありましたか?

今では電子契約に限らず、他社の電子契約サービスや紙で締結した契約書もすべて、契約情報を「マネーフォワード クラウド契約」に一元管理しています。そのため、導入後は「この契約書はどこに保管されているのか」「契約期間はいつまでか」といった他部署からの問い合わせがほとんど発生しなくなりました。このように、関係者全員が同じ場所で契約情報を確認できる環境を整えたことで、情報共有がスムーズになっただけでなく、無駄なコミュニケーションコストの削減ができ、契約管理業務に集中することができるようになりました。

ーー業務効率の面では、どのような改善があったと感じていますか?

案件管理機能を活用することで、業務の進捗が可視化され、大きな効果を実感しています。「マネーフォワード クラウド契約」の導入前は、契約に関する相談をすべてメールで受け付けていたため、やり取りが埋もれてしまったり、対応状況がわからなくなることもありました。今では、案件管理画面を確認すれば、誰からの相談なのか、誰が対応すべきかが一目で把握できるようになり、対応漏れのリスクがなくなりました。

また、申請時に案件管理機能の依頼フォームに必要な情報を入力してもらう運用に変更したことで、初回のやり取りで大半の必要事項が揃うようになり、やり取りの回数も削減できています。さらに、契約書バージョン管理機能でクラウド上でWordファイルの契約書の編集を行い、完成後にそのまま申請できるため、文書作成から申請、締結までの工程もワンストップでできるのもポイントです。以前は契約書のファイル名を日付付きで保存していたため、ファイル名が煩雑になりがちでしたが、現在は案件管理機能の契約書バージョン管理機能を活用すれば契約書を編集して保存するだけで、自動でバージョン管理がされた状態で保管できるようになりました。こうした一連の流れを整えたことで、特に営業部門や法務担当の業務効率は大きく向上しています。

 

導入後も安心の利用者に寄り添うサポート対応!トラブル時も信用して任せられる体制

ーー期待していた機能とは別に、今では「なくてはならない」と感じている機能はありますか?

案件管理機能は、「マネーフォワード クラウド契約」導入当初はあまり重視していなかった機能でしたが、実際に運用を重ねるうちに「これがなければ業務が回らない」と感じるようになりました。電子契約の件数に関係なく、法務相談や契約チェックを私1人で担っていることもあり、案件ごとに情報を整理・管理できるこの機能によって、日々の業務を滞りなく進められるようになりました。

また、「マネーフォワード クラウド契約」の導入当初と比較すると、約2年間でシステム全体が大きく進化したと実感しています。たとえば、複数契約の一括申請や、取り下げた申請を簡単に複製できる機能などが追加されたことで、現場での工数削減に大きく貢献しています。これからも機能アップデートに期待しています。

ーー「マネーフォワード クラウド契約」のサポート面はいかがですか?

日頃からチャットサポートを活用していますが、毎回とても丁寧に対応していただいており、非常に助かっています。チャット画面に担当者の名前が表示される仕組みになっているため、「今回もこの方なら安心だ」と思いながら相談できる点も心強く感じています。

何度かやり取りを重ねるうちに、弊社の事業や業務内容を理解してくださっていることも伝わってきており、そのような方にサポートを依頼できるのは、現場としても大きな安心材料になっています。このように、丁寧に対応してくださる点に、マネーフォワードさんのサポート体制の強さを実感しています。

ーー「マネーフォワード クラウド契約」はどのような課題を抱える企業におすすめしたいと思いますか?

私のように、法務や契約書のチェック業務を1人で担っている企業には、特におすすめしたいと感じています。中小企業では、限られた人員で案件管理や契約書のやり取りを進めているケースが多く見受けられますが、「マネーフォワード クラウド契約」の案件管理機能を活用すれば、対応漏れや確認ミスを防ぐ体制を整えやすくなります。

さらに今後、法務担当者が増えた場合でも、チャット機能を活用してナレッジの共有や相談がスムーズに行えるため、少人数体制のままでも柔軟な運用が可能になると感じています。業務の属人化を防ぎつつ、効率よく対応できる環境づくりに貢献してくれると期待を寄せています。

 

ーー従業員のみなさま、そしてバックオフィス担当者のみなまの負担をより軽減できるようなサービスづくりに尽力して参ります。貴重なお話をありがとうございました!

(岡崎通運株式会社:https://www.okatsu.co.jp/

公開日:2025年7月24日 公開当時の情報となります