
今後の法改正を踏まえクラウドシステムを選択。業務効率化で生まれた余力でRPA開発にも着手
総務部 上席部長代理 H 様
総務部 部長代理 M 様
課題
・従来のシステムではインボイス制度に対応できず、登録番号の入力や適格請求書発行事業者の確認が効率的に行えなかった。
・経費精算書を印刷する必要があり、コピー用紙の使用量が多く、精算書をまとめるファイルの数や保管スペースを多く必要としていた。
・利用していた固定資産システムは写真登録できないため資産の実態把握が難しく、更に減価償却費は決算時にのみ反映させていたため、月次での経営陣への開示が困難だった。結果
・スマートフォンで経費の申請から承認まで完結でき、領収書の撮影でAI-OCRが適格請求書番号などを自動入力。また、交通系ICカードとの連携により精算が容易になった。
・経費精算書の印刷が不要になり、紙の使用量と保管スペースが大幅に削減された。
・新システム導入により固定資産の写真登録が可能となり、現物の実態把握が容易になった。また、月次で減価償却費の計上ができるようになり、経営陣への適時な情報開示が実現した。
インボイス制度の開始を前に、経費精算などの手間を軽減しようと導入したのがマネーフォワードの各製品。採用の決め手や得られたメリット、RPAと組み合わせた業務効率化の推進について伺います。
国内最大級の事業規模を誇る総合保険代理店。多様な業務に対応する総務部は新技術の導入にも積極的

――初めに会社概要をお聞かせください。
O様:当社は前身の会社を含めて創業以来75年以上にわたって三菱UFJ銀行と親密な取引関係にある日本有数規模の総合保険代理店です。エムエスティ保険サービス単体では2026年に設立20周年を迎えます。国内外多くの保険会社の保険商品を取り揃え、適切なプランをお客さまに提供できるのが強みです。東京、名古屋、大阪を中心とした国内拠点に加え、北米をはじめとする海外ネットワークも活用し、質の高いコンサルティングとソリューションを提供できます。2024年からは、新たにタイのアユタヤ銀行とも提携を始めました。
――総務部の業務内容を教えてください。
O様:経理や決算の他、株主総会や登記の対応、オフィスのレイアウト変更等ファシリティ全般、備品管理や秘書業務など幅広い業務を担当しています。近年では業務効率化を目指してAIやRPAも導入し、アウトソーシングやシェアサービスの活用も検討するようになりました。仕事内容に合わせて働く場所や時間を自由に選べるABW(アクティビティ・ベースド・ワーキング)の具現化にも取り組んでいます。
私自身では、現在はチャットボットの開発に注力しています。業務が多岐にわたる総務部では毎日のように全国から問い合わせを受けるため、AIで自動回答する仕組みを構築して対応の自動化を進めています。
インボイス制度を前に精算業務のシステム化を検討。マネーフォワードの決め手は「誰でも使える」「一気通貫で効率化を図れる」

――マネーフォワード各製品の導入目的をお聞かせください。
H様:2023年にインボイス制度がスタートすることになり、特に経費精算で営業担当者の入力項目が増えることが明らかでした。すでに別のシステムを利用していましたが「スマートフォンで精算できないのが不便」との指摘もあり、より良い仕組みに変える必要があると感じていました。
そんな時にマネーフォワードの存在を知り、2022年10月にクラウド会計Plus、クラウド経費、クラウド債務支払の三つを導入しました。何しろスマホで経費の申請から承認まで完結でき、領収書を撮影すればAI-OCR(光学文字認識)で適格請求書番号なども自動入力できます。魅力的な機能が採用の決め手になりましたね。
O様:私も展示会などに足を運んで各社の製品を比較・検討しました。それぞれの機能やコストの説明を聞く中、最もバランスが良かったのがマネーフォワードの各プロダクトでした。
第一印象は「直感的に使える」ですね。私たち総務部は毎日のように数字を扱っていますが、社内には必ずしも慣れていないメンバーもいます。誰もが扱いやすいシステムであることを最重視しました。
もちろん従来のシステムを工夫して利用することも考えましたが、電子帳簿保存法にうまく対応できないなどの問題があり、やはり新しいシステムを導入した方が効率的だと判断し複数社の製品を比較・検討して決めました。
検討時の選定ポイントは一気通貫で解決できるシステムか、というところです。比較検討した他社の場合、経費精算システムは扱っていても会計システムは扱っていないなどと、システム間での連携の手間までは解決できない印象でした。そこで、経理業務全般をまとめて解決できるマネーフォワードを選びました。
――運用に向けて苦労されたことはございますか?
M様:システムを入れ替えることで営業担当者の負担軽減が図れる一方、操作方法が一変するので混乱が生じるとも考えました。そこで本格稼働を前に、一部のメンバーに先行してマネーフォワードの経費精算システムを使ってもらい、感想をヒアリングしました。そして「必ず入力すべき項目をわかりやすく」等の意見を反映させたマニュアルを作り、各拠点で説明会も実施しましたね。事前調査のおかげでポイントを押さえた内容になったと思います。
さらに、困った時にいつでも読み返してもらえるよう各場面に応じたQ&A集も作成し、操作方法の動画配信も行いました。
これらの準備には苦労しましたが、総務部全員で何とか乗り切りました。マニュアルなどは今でも新メンバーの入社時などに活用されています。苦労も報われましたね。
――実際に運用が始まり、どのようなメリットを感じていますか?
M様:何よりも経費精算書の印刷が不要になりました。コピー用紙の使用量、精算書をまとめるファイルの数、その保管スペースが大幅に減ったのはかなりのメリットです。
私のいる大阪の西日本営業部門では、年間でダンボール4、5箱分の精算書を保管しなければなりませんでしたが、現在は気持ちいいほどにすっきりしています。名古屋の中日本営業部門でも同程度、東京の本社では倍近い精算書を作成してきたはずなので、相当な効果が出ていると思います。
もちろん経費の申請から承認まで、営業担当者が移動中の電車内などで携帯電話から簡単に済ませられるのも魅力ですね。さらに申請者と承認者の間で、チャットでやり取りできるのも従来のシステムにはなかった機能です。各メンバーがより有効に時間を使えるようになりました。
約半年後にはクラウド固定資産も運用開始。資産の画像を添えられ一目瞭然で判断できるのが魅力
――クラウド固定資産も導入されましたが、どのような経緯からでしょうか?
H様:運用開始は2023年6月です。やはり固定資産も一気通貫で管理することが私たちの要望であり、他社製品よりも魅力でした。固定資産の減価償却費を会計Plusに連携できるのが非常に助かっています。あとは固定資産の画像を添付でき、一目瞭然でわかるのも優れた仕様だと思います。
以前のシステムでは画像添付がなかったので、登録されている固定資産が現物のどれを表しているのか把握するのが難しかったですね。
O様:当社の固定資産は有形では建物附属設備や什器備品を中心に、無形ではソフトウェアや営業権など、合わせて1,500ほどあると思います。
従来のシステムにも固定資産を管理する機能はありましたが、画像データの取り込みには対応していませんでした。一方、クラウド固定資産では画像の登録が可能となり、資産ごとの写真を併せて管理することで、名称だけでなく、視覚的にも資産を特定することができ、資産情報の信頼性や整合性が大きく向上しました。
導入にあたりマネーフォワードの担当者と定期的に打ち合わせ、ガントチャートで進捗を確認しながらプロジェクトを進めました。いかに新しいシステムで運用していくかアドバイスも受けましたね。サポートのおかげで安心して切り替えることができました。
なお従来のシステムでは、決算時にのみ減価償却費を反映させており、月々の推移などをいつでも経営陣に開示できる状態ではありませんでした。今は会計Plusに連携して運用しているため、常に損益計算書(P/L)に反映できています。
――スクラッチ開発(自社開発)も検討されたのでしょうか?
O様:多額のコストがかさむ可能性があり、メンテナンスの手間も生じるため開発は困難と判断しました。さらに電子帳簿保存法やインボイス制度等の法改正への対応も視野に入れると、速やかにアップデートしてくれるクラウドシステムが適切だと思いました。しかも在宅勤務のメンバーも使いやすいですよね。こうして法改正への対応と従業員の働き方を踏まえ、クラウドの製品を選びました。
いずれのプロジェクトもトップダウンではなく、経理メンバーによるボトムアップで進めてきましたね。実際の導入時にはマネーフォワードのグループ会社であるナレッジラボのクラウド化支援サポートも受けています。
――社内の方々の反応などをお聞かせください。
M様:やはりスマホで経費申請を完結できるのが便利なようです。たとえば交通費精算は交通系ICカードと連携でき、スマートに精算できるので大変喜ばれています。貸与したビジネスカードのデータ連携も、日付や金額が自動入力されるのも好評です。
総務側でも、交通系ICカードやビジネスカードなどの連携サービスは自動的に明細データが入ってくるので安心して承認できますね。接待交際費や出張旅費等のデータもいつでも開示が可能になり、各部へ適時にデータ還元できるようになったことで社員のコスト意識の改善につながっています。
また、以前は振込時に支払先の口座や名義、金額などを目視で確認して対応していましたが、クラウド債務支払の銀行振込APIによって振込業務まで自動化でき、劇的にスピーディーになりましたね。
マネーフォワードの各製品のおかげで業務効率化が進み、RPAによる自動承認の仕組みも開発できるようになりました。
O様:自動承認RPAでは、たとえば土日にプライベートで交通系ICカードを使ったものが間違って申請があった場合やタクシーの領収書が添付されていない場合には自動承認がされないように設定しています。あとは経費申請を下書きの状態で忘れる社員もいるので、RPAで明細確認を促す仕組みも作りました。
M様:さらに出張旅費は事前申請が必要なので、自動承認されないようRPAで設定していますね。
O様:管理部門のメンバーはどうしても数が限られるため、テクノロジーを駆使して業務が回るよう取り組んでいます。そのためにもマネーフォワードの各製品で効率化を進め、効率化によって生み出した時間でRPAの開発や人間でないと対応できないような業務に集中できるような環境を整えたいですね。人間が頭を使うべき仕事に時間を割き、全体最適を目指しています。
新幹線利用時も領収書の自動添付が可能で出張の多い会社におすすめ。税務調査や監査法人用の資料も効率良く作成可能

――マネーフォワードのサポートはいかがでしょうか?
H様:当社は組織体制や決裁権限が複雑ですが、承認フローについて細かくヒアリングしてフローを構築いただき、とても心強く感じました。今もわからないことがあるたびに質問し、エラーが生じた際には関連データを送って解決方法を教わっています。いつも真摯に対応してくれて本当に感謝していますね。
――今後への期待をお聞かせください。
O様:クラウド会計Plus for GPTもリリース済みですよね。社内ポリシー上、私たちは利用できませんが、将来を予測して財務計画を作成できたら便利だと思います。また、すでに入力時のエラーをアラートしてくれますが、AIが当社独自のルールを学習し、より適切に指摘するようになったらいいですね。
直近では新リース会計基準の改正が控えているので、対応製品をマネーフォワードがリリースしたら利用を検討したいものです。
こうした制度の変更は今後も数多く控えていると思います。たとえば電子インボイスの国際標準規格であるPeppol(ペポル)も含め、適宜バージョンアップし、さらに使いやすくなるよう期待しています。
――最後に、マネーフォワード製品の導入を検討している方々にメッセージをお願いします。
M様:特に会計Plusは、あらかじめ仕訳科目を登録することにより、一つひとつの入金や出金についてゼロから起票する必要がありません。伝票起票の時間を短縮できる上に入力ミスや仕訳漏れなども減らせます。
クラウド経費では、JRのエクスプレス予約にも紐づけられるので、出張が多い企業では社員と総務・経理の双方に大きなメリットをもたらすでしょう。領収書まで自動で紐づけできるのはマネーフォワード製品のみだと聞いています。もちろん仕組みを変える当初は苦労するかもしれませんが、交通系ICカードによる精算など、本当にメンバーから歓迎されています。
さらにクラウドのシステムなので、たとえば休日を割いてバージョンアップする必要もありません。マネーフォワードは当社が導入しているクラウド会計Plus、クラウド経費、クラウド債務支払、クラウド固定資産、クラウド契約以外にも多くのプロダクトを開発しているので、統一して導入すると各部署の連携も強化できるでしょう。税務調査や監査法人に提出する資料も効率良く作成できます。
公開日:2025年7月14日 公開当時の情報となります

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