
上場に必要な準備はマネーフォワードで完結!クラウドシステム活用でフルリモート体制も実現
和田拓馬様
- 導入サービス
- 会計Plus 経費 給与 年末調整 Pay for Business(ビジネスカード)
- 業種
- IT・メディア
- 事業規模
- 法人(51~300名)
課題
・上場に向けて、管理部の採用と業務体制の再構築をゼロから行う必要があった。
・クラウド会計以外のシステムはほぼ利用しておらず、社長1名でバックオフィスを行っていた。
・限られたリソースの中で、上場基準に合わせた管理部体制の構築をやり切る必要があった。結果
・目標の年度までに管理部の採用、業務フローの構築を完了し、上場を果たせた。
・社長から業務を引き継ぎ、会計・労務など多くの領域で10個弱のシステム導入を実施。上場企業の基準を満たす効率的な体制を作ることができた。
・複数のクラウドシステムを活用したことで、管理部の残業を抑制しながらフルリモートで働ける環境を構築できた。
今回は、元監査法人の会計士で同社のCFOを務める和田様に、上場準備に必要なステップやシステム活用のメリットについてお話を伺いました。
上場基準に合わせた管理部体制を作るため、業務整理や採用に注力

――まずは貴社の事業概要や状況についてお聞かせください。
和田様:株式会社デジタルキューブと株式会社へプタゴンという二つの会社が一体となって事業を展開しています。デジタルキューブは主にWordPressおよびAWSを軸とした受託開発、ホスティングサービスを行っており、自社サービスとして「Amimoto」や「Shifter」をグローバルに展開しています。最近は、スタートアップや中小企業のIPO支援も開始しました。
また、子会社のヘプタゴンはクラウド技術に強みを持ち、AWSのソリューションやクラウド運用・保守を行っている会社です。
グループ全体の社員数は現在50名規模に成長し、2024年10月18日にTOKYO PRO Marketに上場を果たしました。
――和田様のご経歴と入社後の担当業務について教えてください。
和田様:私はもともと監査法人で会計士として働いており、その後コンサルティング会社を経て、約2年前にデジタルキューブにCFOとして入社しました。当時、社内に管理部はなく、バックオフィスの一人目として上場準備をスタートしました。
私が入社する以前は、社長自らがクラウドサービスを駆使しながらバックオフィスを担っており、会計は税理士に依頼する体制でした。バックオフィス系のシステムとしては、当時からマネーフォワード クラウド会計を利用していました。
また、小規模な会社によく見られるように、当時は複数のサービスをつぎはぎしながら業務を行っており、Google スプレッドシートも併用しておりました。上場準備のために、既存の運用を活かしながら、不足している部分を強化する必要があると考えました。
――上場に向けて、どのようなプロセスで管理部体制を構築していきましたか?
和田様:まず、上場目標の年度を設定して、ゴールから逆算しながら今やるべきことを洗い出し、2か年計画に落とし込みました。次に、社長が1人で対応していた業務の引き継ぎを行い、管理部人材の採用活動に注力しました。
上場を目指す場合、経理担当については、仕訳の起票者と承認者を分ける必要があります。つまり、私一人で起票と承認を行うわけにはいかず、上場基準にあわせて採用活動を行う必要性が出てきました。
採用以外にも、監査法人や証券会社等の契約が必須となるため、初期の段階で複数社とコンタクトをとり、契約の可能性を確認しながら進めました。
――管理部の立ち上げにあたって大変だったことは何でしたか?
和田様:予算に限りがある上に管理部の人材が0名の状態だったため、いかに優秀な人材を採用し、入社後どうやってサポートをしていくか考えることが大変でしたね。仮に、採用した人材が監査法人の経験者であれば、ある程度同じレベルの業務知識やスキルが期待できます。
しかし、今回は必ずしも上場準備経験者を採用できるわけではなく、入社者のバックグラウンドにばらつきが生じるため、入社後のOJTや目線合わせがポイントだと感じていました。
採用活動の際は、仕訳の起票者を分ける目的で経理ポジションの採用を優先的に進めました。幸いなことに、税理士事務所の勤務経験者に入社いただくことができ入社後に帳簿作成などを安心して任せることができたのは良かったことです。
一方で、上場基準における決算業務では、簿記に加えて会計の知識や考え方も必要になり、メンバーとの目線合わせが必要となります。そこで、必要な処理の理由やリストをメンバーと共有しながら、オンボーディングに力を入れて徐々に対応していきました。
――最終的に、どのような管理部体制で上場を迎えましたか?
和田様:経理ポジションを採用した後は、財務ポジションの採用を行いました。上場企業を目指す場合、銀行振込を私や経理担当が行うのはNGというルールが背景にあったためです。3人目は労務に詳しい人材を確保して、最終的に私を除いて3.5人の管理部体制となりました。
この話を聞くと、順調に管理部の立ち上げが進んだように聞こえるかもしれません。しかし、管理部人材の初めての採用だったこともあり、自社に適した管理部人材の採用手段を見つけることに苦労し、予定よりも半年以上時間がかかってしまいました。当時は、接点があり一緒に働きたいと思った方には直接お声がけをして、会社の説明やポジションの魅力を伝える面談や食事会も行っていました。
試行錯誤している途中で、「上場を目指す企業の管理部でフルリモートの求人は少ない」と聞き、フルリモートの環境をアピールしたことで風向きが変わり、無事に管理部人材を充足できたのです。
API連携と会計・人事などを一元管理できる利便性からマネーフォワードを導入

――システムの比較検討プロセスについて教えてください。
和田様:正直、そこまで多くのシステムを比較していません。以前からマネーフォワード クラウド会計を使っていたので、既存システムに承認機能を付け足そうと考えてマネーフォワード クラウド会計Plusの導入を進めました。マネーフォワードのUIが複式簿記に近いため、業界内では好む方が多いと聞いています。そのため、仮にマネーフォワード クラウド会計を利用していなかった場合でも、比較検討の候補に挙がったと思います。
――複数のプロダクトをご導入いただくにあたり、苦労されたことはありましたか?
和田様:現在、マネーフォワードの複数プロダクトを導入しています。以前からマネーフォワード クラウド会計を利用していたため、マネーフォワードが候補に上がりやすかったことは間違いありません。しかし、最初から全てのシステムをマネーフォワードで統一しようと考えていたわけでもなく、給与計算システムは2〜3社比較をしました。
しかし、上場に向けて必要なシステムを探して調べていると、必ず違う分野(例えば人事、勤怠など)でもマネーフォワードのプロダクトが展開されているんですよね。他社システムを導入するよりも使い勝手が分かる安心感があり、複数のプロダクトでIDが共通していることやAPI連携の利便性を考慮した結果、マネーフォワードで多くのシステムを使用する運びとなりました。
承認機能やアプリを活用して効率化とフルリモートを実現
――マネーフォワード クラウドの効果はいかがでしたか?
和田様:マネーフォワード クラウド会計Plusは期待通りのパフォーマンスで、特に仕訳承認機能は監査法人から見ても安心感があると思います。監査法人の方にもユーザーIDを発行・共有しておくことで、直接システムを確認していただけるため、柔軟性が高く助かっています。
マネーフォワードPay for Businessとクラウド経費はアプリが非常に便利ですね。領収書などのスマホ撮影も可能で、マニュアルを見なくても直観的に操作ができる点が気に入っています。
現在、デジタルキューブとヘプタゴンの2社で利用していますが、画面切り替えもスムーズで、異なるID・パスワードで再ログインする手間を省けることも嬉しいです。
使い始めてから便利だと感じている機能は、証憑をPDF添付で送付する機能です。仕訳の番号を確認したり、都度手作業をしたりする手間がなくなり、日常的に活用しています。URLで送付できるのも便利ですね。
――マネーフォワード クラウドを活用したことで、管理部の働き方に影響はありましたか?
和田様:マネーフォワードをフル活用したおかげで、上場準備中でも管理部の残業はほとんど発生していません。当社はみなし残業制を15時間設定していますが、管理部でみなし時間を超える場合は珍しいですし、フルリモートの体制を継続できています。
本社は神戸にありますが、管理部メンバーのほとんどは遠方に住んでいます。どうしても出社が必要になるのは月1回程度で、メンバーの中で順に対応すれば問題なく、無理な出社は発生していません。私は香川県に住んでいるので本社まで片道2時間ほどかかり、京都府、兵庫県、東京都、山梨県などメンバーの居住地はバラバラですが、問題なく仕事ができています。
経費精算のために出社する必要もなく、領収書をスマホで撮影したら捨ててもOK。クレジットカードもデータで添付して送付すれば完了するため、マネーフォワードのおかげでフルリモートが実現できていると感じています。
――今後、どのような管理部体制を目指していきたいですか?
和田様:目標としていたTOKYO PRO Marketの上場を果たした次は、一般市場への上場を目指していきます。ネクストステップに向けて、管理部メンバーは簿記2級やIPO実務検定などの勉強に励んでおり、レベルの底上げを図っている最中です。
今後もM&Aを通じて仲間を増やす計画もあるため、PMIの際に各会社の会計システムや管理部の連携が重要となります。会社の成長に従い、新たな壁が出てくることが想定されますが、1歩ずつ確実に乗り越えていきたいと思います。
もう1つ、管理部長の役割に加えて力を入れていきたいことは、スタートアップや中小企業の成長支援です。M&AやIPOを行うときのタスクをクラウド上で一元管理できるFinanScope(ファイナンスコープ)をリリースしたため、このサービスを通じて企業の成長を支えていきたいと考えています。
――ご導入を検討している企業様に、導入におけるメリットやお勧めしたい機能・使い方等コメントがあれば教えてください。
和田様:上場準備の時間が限られている中で、重要なリソース(時間)を確保するためには、システムの活用が欠かせません。言い換えれば、システムで上場準備の課題を解決できるならば、予算を投じて解決すべきということです。システム活用で時間を創出し、その時間を使って新しい価値を生み出せるように、行動してみてください。
システム導入にはまとまった予算が必要となるため、足元だけを見ると躊躇しがちです。しかし、先々の企業成長に目を向ければ、先行投資は重要となるでしょう。迷っている方はぜひ、マネーフォワードに相談してみてください。
公開日:2025年4月8日 公開当時の情報となります

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