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会社と社員の信用が作る『ノマド革命』

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昨年2016年 7月1日、上場企業のグループ会社からEBO(エンプロイー・バイアウト、従業員買収)で独立したシックス・アパート株式会社。どこの資本グループにも属さない独立独歩の会社として再びスタートを切る中で、重視したことがある。それは、働き方改革である。特に目指したのは、業務にとって本質的に必要のないことにかかるコストを極力減らし、生産性が高くなる就業環境・仕組みを作ることである。そこで、仕事も含めた社員ひとりひとりの生活をより価値あるものにするために考えられた働き方改革、「SAWS(シックス・アパート・ワーキングスタイル)」を導入した。では、具体的にどのような対策を行ったかを見ていこう。

自由で幸福なワークスタイルに

Q「SAWS」について教えてください。

ASAWSとは、シックス・アパートの働き方改革です。EBOで組織がスリムになったので、自分たちらしい働き方を改めて作ってみようとなったのがSAWSスタートのきっかけです。わたしたちは、ひとりひとりに合った幸せに働きつづけることができる方法を考え、実践し、その内容をオンライン・オフラインで発信しています。ネーミングは「Six Apart Working Style」の頭文字を取りました。

仕事をするというのは、本来は出社してデスクに向かうことではなく、業務を進めることそのものです。

業務ツールやコミュニケーションの多くにクラウドサービスを活用するシックス・アパートの場合、ほとんどの社員は自身の業務を進めるためにオフィスにいることが必須ではありません。そのために、社員は自宅、近所のコワーキングスペース、シェアオフィス、カフェなど自由な場所で働いており、時間の使い方も自由です。

Q改革を生んだ秘訣を教えてください。

A会社は各社員のことを、チーム内での自身の役割を理解し、自律的に自分の働き方を作れる人であると信用しています。私たちのいう信用とは、一緒に仕事をしていく中で積み重ねてきた信用(クレジット)のことで、性善説にもとづく信用ではありません。

だから、自分とチームにとってやりやすい方法を考えながら働いています。結果的に、朝ランニングして通勤ラッシュが終わってから出社する、仕事を早めに終えて趣味や家事を行なってから夜に残りの作業をするなど、場所や時間を細かく決めない、自由かつ幸福度の高い働き方となりました。
会社と社員の信頼関係が生んだ『ノマド革命』

大幅なコスト削減に向けて

Q手間・費用を含めたコストを削減するために、貴社が行なった施策を教えてください。

A自由な働き方が実現した一方で、テレワークを実践するために新規で発生するコストの立替経費申請そのものをなくす取り組みを行いました。コワーキングスペース、カフェ、シェアオフィス、自宅労働の際の光熱費などの予算を、事前に手当として全社員一律で給料の一部として支給します。

この手当の使途は会社に申請する必要はなく自由に使うことができます。手当に自費を上乗せしてモニターを買って仕事環境を整えるのも良いですし、たまには環境を変えて旅先で働いてみたり、仕事を終えた後は手当を使ってグリーン車で読書して帰るなど、社員が思い思いの使い方をしています。よく「思い切った制度ですね」と言われることが多いですが、まずは実践してみたという感じです(笑)。仮に検討に検討を重ねて制度を作ったとしても、現実は想定外のことに溢れており実用的でなかったりします。それよりもとにかく始めてしまってある程度成り行きに任せ、ここが良かったなどの新しい発見を返してもらう方が効率的な制度構築だと考えています。

Q「SAWS」導入後、コストの削減に効果はありましたか?

A以前より1/4の面積のオフィスへの移転とともに全社員のテレワークを開始しました。賃料は当然のことながら、電気代も大幅に削減できています。

さらに、社員の定期代も廃止し、出社した日の交通費だけを支給するように変えました。もちろん業務外出の交通費は、別途支給しています。定期代の廃止も結構なコスト削減になりましたね。

Q手当の金額はどの程度ですか?

A毎日数回カフェを利用できるくらいの金額です。数ヶ月分を使って、コワーキングスペースなどへの移動のための自転車を買った社員もいましたね。
会社と社員の信頼関係が生んだ『ノマド革命』

Q立替経費の振込にめずらしい方法で支払われていると伺いました

A様々な手段を検討した中で、現時点で有効な選択肢だったのが、手数料不要かつメール送付できるAmazonギフト券で精算することでした。

数百円の精算を銀行振込すると、同じくらいの手数料がかかりますよね。これは勿体無い。代わりに手渡しで支払うとそのためだけに社員は出社せねばならないです。会社と社員両方にとって一番無駄の無い支払い方法を考えました。いろいろ考えた結果、「Amazonギフト券でいいんじゃない?(笑)」と。実際に希望者を募って実施してみたところ、思ったよりも多くの社員がギフト券を選びました。

ギフト券発行に手数料がかからない・相手のAmazonアカウントを知らなくてもメールで送れる、などたくさんのメリットがあります。IT業界に限らずとも、小口現金の管理とか振込手数料で悩んでいる経理の方に、Amazonギフト券での立替経費精算も選択肢にあるとオススメしたいです。

今後の改革と展望

Q将来的にやっていきたいと考えている取り組みはありますか?

A立替経費の精算で価格変動リスクはありますがBitcoinによる支払いをやってみたいという気持ちがあります。こちらもやはり手数料がかからないのが魅力です。

多少の価格変動があっても、社員が任意のタイミングで円に両替するなど、話題としても実務的にも面白い取り組みだと思います。既存の制度や常識のしがらみで、メリットある面白い取り組みを行わないのはもったいないので、今後も新しい取り組みをどんどんやっていきたいと思っています。

Q今後の挑戦を教えてください。

A働き方を日本全体が問題視している中で、当社がモデルとなってこれからの働き方を提案していくことができれば新しいマーケットを作ることができるのではないかと考えています。

Qそれはテレワークを促進するツールだったり?

Aまだわかりませんが(笑)これからも、ひとりひとりにとって働きやすい仕組みを作るために、新しいアプローチやサービスをどんどん取り入れていきたいです。

テレワークをこれからやりたいと思う人たちのロールモデルの一つとして参考にしていただけるところが少しでもあれば、うれしいです。
会社と社員の信頼関係が生んだ『ノマド革命』

「ノマド革命」の実践に向けて

こういった話を聞いて実際に導入してみたいと考える方は多いものの、なかなか実行に移せないのではないだろうか。作村さんの場合は、前職も事業サービス・企画・開発から経営企画、人事制度、助成金申請、経営管理システムの構築、業務改善など、様々な経験を経て、業務・会計の知識があったのも幸いしたようだ。作村さんに伺ったところ、社内の制度変更のポイントは2つある。

① 全てを完璧に行おうとしない
② ノウハウを応用する

①全てを完璧に行おうとしない

仕組み・ルール・システムを大きく入れ替えようとすると反発を受ける。事前に費用対効果を試算して入念な準備をしても、いざ始めて見ると検討段階では見えなかった問題が出てくる。その時はその都度対処していく、という心づもりでとにかく小さくても初めの一歩を踏み出すことが大事。

② ノウハウを応用する

社内制度の事例を知ることやシステム導入の進め方は専門書や研究資料を読めば一般的なノウハウを獲得できる事が多い。一方で個々の企業ごとに抱える問題点は、ヒアリングを行ったり、会社の決まった予算内でやりくりできるように調整するなど、一般的なノウハウをうまく応用する事も大事。



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